ポケットモンスター 天空の誓い    作:轟 水龍

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遅れてすみません! 今回は、タイトル通り、序曲です。まだ続きます。プラチナ4回繰り返したのにテンガン山の構造ほとんど忘れてるww

ではどーぞ!


5話目 ~破滅への序曲~

「だめだ」

 

あれから2週間。ヒカリもランも退院し、今はカンナギタウンに滞在している。そんな折、ランがいきなり呟いた。

 

「どうしたの? 何かあったの?」

 

「ああ……、旅に出てから、ずっとレジギガスの情報が掴めねーなと思ってよ」

 

そう、情報が全く手に入らない。レジギガスがどこかに隠されているのは間違いないが、ラン達も無理をすることはできない。ランはヒカリと約束してしまったので、特に無理をすることができない。

 

「うーん、どうなんだろうね。もしかしたら、新しいボスが持ってるのかも」

 

「ボス、か……」

 

暫し考える。怪しいのは……直感になってしまうが、右京が怪しい。四天王とはいえ、いきなり攻撃を仕掛けてくる女だ。怪しい組織のボスと言っても十分に通じそうだ。

 

「とにかく、ここの長老さんに聞けばある程度分かると思う。本当はシロナさんからも聞きたいけど、あの人はチャンピオンだから忙しいし、正直そんな余裕ないと思うから」

 

ランとヒカリは長老の所へ行き、レジギガスの情報を聞こうとしていた。

 

「フム、レジギガスか。確かに、実在するポケモンじゃ。しかし、その力は恐ろしく、人々はそれをキッサキ神殿に封印した。同じように、レジロック、レジスチル、レジアイスも封印された。城と地方じゃったかな。さて、ここからが本題じゃ。最近、レジギガスの封印が解かれた。同時に他の3匹の封印も解かれた。おぬしらは何が知りたい」

 

「レジギガスには、どのような目的があったのでしょうか」

 

ヒカリの質問に対し、いい質問じゃ。と返してから一拍置いて話し始めた。

 

「このポケモンは、実は何もわかっとらんのじゃ。間違いないのはこのポケモンが暴走を起こせばシンオウの街の3つ4つは一瞬で消えることだけ」

 

「「な……!」」

 

二人そろって絶句した。それほどまでに危ないポケモンだとは考えていなかったからだ。そんなものがギンガ団の手中にあるとか、あまりに危険だ。どうせギラティナの時みたいに暴走させて世界を吹っ飛ばすに違いない。

 

「ん? シンからだな。どうしたんだろう」

 

ライブキャスターが繋がったので、とりあえず出てみる。焦ったような声でシンがいきなり用件を話し始めた。

 

「ラン! すごいことが分かったぞ! とにかく……、早くクロガネシティに来てくれ!!」

 

「わかった! すみません、話の途中で……」

 

「ええんじゃ。大変な用事じゃろ? 行ってやれ」

 

「ありがとうございます。チルタリス、クロガネまで行くぞ!」

 

――クロガネシティ――

 

「ランを呼んだ。来たら行くぞ。そんな儀式があるなんて聞いたことも無かった……!」

 

「ああ、アタシだって最近取った情報なんだ。100%の確証はないが、ほぼ間違いない」

 

「シン! って、ジュピター!?」

 

シンの隣にいる女性、近づくまで分からなかったが、元ギンガ団幹部のジュピターだった。何でここに……と聞く間もなくテンガン山ヘ向けて出発した。

 

「ちょっ、シン! 一体何が分かったんだ!」

 

「あかいくさりって、覚えてるか? ギンガ団がまたあれを作りやがったんだ。で、テンガン山で実験をするらしいんだよ! 何が起こるかわからない。だから、それを止めるんだ!」

 

「わかった! 今度は実力行使で行くぞ!」

 

4人がテンガン山に乗り込み、エンペルトのなみのりで水上を数秒で移動、その先にはごつごつとした岩が並んでいる。

 

「……あれは、ヒカリ、頼む!」

 

「うん。ニドクイン、“ロッククライム”!」

 

全員がニドクインに乗り、普通の移動も含めて、ごつごつとした岩肌を一気に駆け上がった。

 

「ありがと。さ、行こうか!」

 

ダッシュで2階を駆け抜け、3階へ。

 

「うわっ! ギンガ団がいやがる!」

 

ランを先頭に一気に駆け抜けようとしたが、出て行った瞬間にギンガ団の下っ端がうろついているのを見て慌てて身を隠す。

 

「くそ……あそこに一人、あっちにも二人……。さて、どうするか……」

 

「一人が囮になって、全員を引き付ける。その間に他の奴が駆け抜けるのはどうだい?」

 

ジュピターの提案は確実だが、危険極まりない。プルートの指示とはいえ、ランは殺されかけた。ヒカリも監禁された。おそらく、囮となった者は捕まるだろう。

 

「俺が行く。皆は頂上へ行ってくれ」

 

ランが残ると言い出した。ヒカリはそれを予測していたように制止の声を上げる。

 

「だめよ。ランは危険な目に会いすぎ。今までは生きてこれたけど、そうそう何度もうまくいくことはないんだよ?」

 

「仕方ない、アタシが残るよ。アンタらは頂上へ行きな!」

 

発案主のジュピターが残ると言い出した。止めたいが、他にいい手段は思いつかない。仕方なく、それに同意し、チャンスを窺った。

 

「今だ、行きな!」

 

まずジュピターが飛び出し、全員の注意を一点に向ける。その隙に他の全員が走り抜け、4階へ行った。

 

「あれ、ここにはいないんだな」

 

3階と違い、一人も見当たらない。まあいないのはいいことだが、ここまで静かだと逆に不気味だ。

 

一応、注意しながら歩いたが、本当にだれ一人いなかった。一度外に出て、5階へ入りなおす。ここまで来れば頂上はもうすぐだ。

 

「うおっ、やっぱいるか。よし、実力行使だ」

 

一番近くのギンガ団員に殴りかかり、気絶させる。その後も次々と気を落として行っている。

 

「行くぞ!」

 

頂上へ走り抜け、その先に見据えた物は、

 

「これがっ、レジギガスか!」

 

巨大なポケモン、レジギガスがあかいくさりに縛られている。

 

その傍らにはレジロック、アイス、スチルが並んでいる。

 

「来たか。鏡夜ラン、お前に何ができると思う……?」

 

「黙れ!! お前が何をしたいんだ! 今のギンガ団のボスはどこにいる!」

 

「フッ、どこにもおらんよ。俺と、プルートで動かしている。やれっ!」

 

「ゴウカザル! “ほのおのパンチ”!」

 

「レントラー、“ほうでん”!!」

 

「エンペルト、“ハイドロポンプ”!」

 

それぞれのポケモンの技、しかし、

 

「レジスチル、“ばかぢから”」

 

「ゴッ、ゴウカザル!?」

 

ほのおのパンチが止まった。否、レジスチルの圧倒的な力の前にねじ伏せられた。

 

「レジロック、“まもる”」

 

ハイドロポンプも、まもるによってできた壁に阻まれ、通らない。

 

バリバリバリバリ!! とレジアイスに電撃が通るのが見えた。だが、大したダメージにならない。

 

「レジギガス、“かわらわり”」

 

あかいくさりを引き千切ったレジギガスの拳が地面に叩きつけられ、クレーターが出来上がる。当たれば潰れて死ぬ。後ろへと避けるしかない。

 

「って、これがかわらわりかよ! きあいパンチかアームハンマーの間違いじゃねえのか!?」

 

次々と撃たれ、気付いた時には山頂からあと一歩で落ちるところまで来ていた。ガラッ……と言う音が恐怖を呼び起こす。

 

「今だな。レジロック、“じしん”」

 

突如として地面が揺れ始め、バランスが崩れる。後ろは断崖絶壁で落ちればひとたまりもない。

 

しかし、ヒカリの足元がガラッ……と崩れ、身体が宙に投げ出される。

 

「きゃああああああぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

テンガン山から真っ逆さまに落ちていく。手を伸ばすが、届くはずもない。更に、ヒカリは空を飛べるポケモンを持っていない。

 

「チルタリス!!」

 

ランの命令を聞いて、すさまじい速度でヒカリの元へと飛ぶ。数秒後、チルタリスの背中にヒカリが乗せられた。

 

「よくやった!」

 

ほっ、と安堵の息を漏らす。程なくしてチルタリスが戻ってきて、ヒカリを降ろす。

 

「ふん、余計なことをしおって、鏡夜ラン、貴様にさらなる絶望を見せてやろう。レジアイス!“でんじほう”!」

 

「なっ!?」

 

そうしている間に、レジアイスの両腕に電気の塊が作られている。さっきの発言から狙いはエンペルトではなく、ヒカリだろう。

 

「ゴウカザル! “フレアドライブ”!!」

 

「レジロック、“がんせきほう”!」

 

「ぐはあっ!?」

 

がんせきほうの狙いもゴウカザルではなくシン。主人を守ろうとしてフレアドライブを中断するが、間に合わない。岩石は凄まじい速度でシンにぶつかり、落ちはしなかったものの、壁に激突して、意識を失った。

 

レジアイスの方も手遅れ。でんじほうを放たれ、ヒカリへと向かっている。

 

「くそっ! ヒカリーーーーーーーーーーッ!!」

 

ランが走り、ヒカリの前に立って、自信を盾とする。ヒカリが悲鳴らしきものを上げたが、よく聞こえない。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

でんじほうが直撃。ランの身体を走り抜け、身体中を壊していく。ビクッと震え、口からは血が溢れ出し、臓器が不自然な動きをする。

 

意識など保つはずがない。身体から煙を上げ、力なく崩れ落ちた。

 

「ラン……なんでよ。無茶はしないって約束……きゃああっ!?」

 

硬く瞳の閉じられたランを見て、ヒカリは泣きそうになるが、レジスチルのいわなだれに巻き込まれ、ヒカリの意識もここで落ちる。

 

「フッ……口ほどにもない。さて、こいつらも生贄にして……」

 

「させない」

 

サターンの前に影が生まれ、中からドラゴンが出てくる。

 

「ギラティナ、“シャドーダイブ”!」

 

「なっ!?」

 

一瞬にしてレジロック、レジアイス、レジスチルが地面に倒れた。影から攻撃を加えられたようだが、よくわからない。

 

テンガン山の頂上へ、やってきたのは、クリーム色の髪で大人の美しさを漂わせている女性、シロナ。

 

「く、チャンピオンか……。残念ながらこいつらはレジギガスに取り込まれる。返すわけにはいかんな」

 

「なら、力ずくで取り返すわ。ガブリアス、“ドラゴンダイブ”!」

 

「ぐおっ……く、ドクロッグ、“どくづき”!!」

 

ドクロッグがガブリアスに毒の腕を突き刺す。ガブリアスの身体に毒が入り、思わず距離を取った。

 

「レジギガス、“かわらわり”」

 

「ガギャアアアアアアアアアアア!」

 

「ッ! ガブリアス!」

 

強烈なかわらわり、受けきれず、地面に叩きつけられた。起き上がれない。起き上がろうとしても、地面に倒れる。

 

「く……強い……」

 

「ロズレイド、“サイコキネシス”!」

 

「ガッ……!?」

 

「く! またしてもこの手か!」

 

この時サターンはランのサーナイトにドクロッグが倒された時のことを思い出していた。だが、前回と違い、スピア―の技、“むしのさざめき”が通用しにくい。

 

(とにかく、ラン達を早く病院へ連れて行かないと……よし)

 

「ミロカロス! “なみのり”!」

 

モンスターボールから飛び出した美しいポケモン、ミロカロスがどこからともなく大波を引き起こし、辺りを飲み込む。

 

「ロズレイド! ミロカロス! 三人を回収! トゲキッス、逃げるわよ!」

 

ミロカロスは波に乗ってシンとヒカリを、ロズレイドはランを回収して一瞬の間にシロナは撤退した。

 

それを呆然と見つめていたサターンは不意に一人、笑い出す。

 

「ふっ、ふははははははははははははは!! レジギガスが! 暴れ出すまであと僅か!! その力も実証された! もう私を止められる者はいない! あのシロナでさえも、私を止められなかった!」

 

「ったく、何考えてんだか。おっと、勝負はしないよ。アタシのポケモンはみんなぼろぼろだ」

 

ふらふらとテンガン山の頂上へ上ってきたその人をサターンは知っている。

 

「ジュピターか。私を止めにでも来たか?」

 

「レジギガスで世界をぶっ壊すつもりかい? アタシはねぇ、ギンガ団をやめてからランの奴の言いたかったことが理解できたよ。世界には優しい人はいっぱいいる、か……。響いたよ。アタシもそうだけど、サターンも元はギンガ団に拾われて育ったクチだろ? だから、現実が理解できない。でもね、アカギ様のいないギンガ団はどう変わった?」

 

「……何も変わっていない。ジュピター、貴様は何が言いたい……?」

 

ほぼ予想通りの返答にジュピターは鼻で軽く笑い、

 

「違うね。少なくともあの時はギンガ団の行動一つ一つに意味があった。ところが、今はどうだい? 無意味にポケモンや人を殺し、奪って、これじゃ単なる殺戮集団だよ。ま、もしかしたらアタシが日和っただけかもねぇ」

 

今度はサターンが鼻で笑う番だった。見下したような笑みを浮かべ、

 

「ギンガ団は止まれない。部下共(クズども)が暴走しているからな。俺達は何も命令していない。いや、一つだけしたか。奪ってこい。これだけは言った」

 

「大雑把だねぇ。ポケモンとすら言ってないのかい。なるほど、だからあんなことになってんだね。ありがとうね、いい情報が聞けた」

 

そう言ってジュピターはクロバットに乗って消えてしまった。やりのはしらにはレジギガスとサターン、そして倒れたレジロック、スチル、アイスだけが残っていた。

 

風だけが吹き抜ける中、サターンは一人、高笑いをする。それが、破滅への始まりであるかのように。

 

この戦いは、これから始まる戦いの序曲でしかない……。




ところで、シロナのロズレイドが使うのって“サイコキネシス”でしたっけ? “じんつうりき”だったような……。誰か教えてください。スルーしても構いません。(いずれ分かる)
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