デート・ア・ライブ 雷蒼の物語 『凍結』   作:バルクス

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どうもバルクスです。5話からほぼ2ヶ月たってしまいました。すいません。
長らくお待たせいたしました。
戦闘描写てっ難しいね。
はぁ文力が欲しい。

これで十香デットエンド編は最後になります。

お知らせ。タグを少し変更しました。

ではどうぞ!(´・ω・`)つ


第6話:正す者

「大丈夫か?折紙」

 

そこには精霊の長剣を白い刀で受け止めていた雷牙の姿があった。

 

 

今から数分前

 

「いやぁー久々に結構遊んだあそんだぁー」

 

「うん。とても楽しかった」

 

先ほどまでゲームセンターで遊んでいた雷牙と白刃は商店街から出て、ある(・・)公園の所に向かって歩いていた。

 

「――ねぇ、ライガ」

 

白刃が話題を作るように、雷牙に話しかける。

 

「ん?どした?」

 

「デートてっ、いいものなんだね。その、えーと、楽しかった」

 

雷牙から目を背け照れくさそうに言った。

 

「.........ッ!」

 

不意を突かれてしまった。何この子クソ可愛......確かに、雷牙は女性とあまり交流したことはないが、その表情はいつも隠しているので大丈夫だが、今のは流石に雷牙でも不意打ち過ぎた。今、自分の顔はきっと少し赤くなっているだろう。だが、夕日のお陰でそれは誤魔化せて見えないため白刃には気づかれないだろう。と、白刃は気づいたのか不安そうに口を開く。

 

「ライガ。大丈夫?顔が赤いけど」

 

「え?あ、ああ。夕日だ夕日!」

 

言って誤魔化し直ぐ様顔を反対側にそっぽっと向く。

 

「そう?」

 

すると白刃が雷牙のもとに寄り、反対側に向けていた雷牙の顔を両手で掴んで振り向きさせる。そう今雷牙と白刃の顔はとても近い距離で吐息が少しだけかかるのだ。

 

「ちょ――ッ!」

 

「やっぱり赤い。何かの病気?」

 

「や....ち、違う、大丈夫だから....とりあえずその、離れてくれると嬉しいかな?」

 

「....わかった」

 

目をそらしながら、雷牙は言うと白刃は素直に離れた。

もう少し遅かったらアニメや映画みたいな展開になっていたのだろう。と、白刃が何かに気づく。

 

「ライガ。本当に私の事をそんなに見てどうしたの?」

 

「え?」

 

ぼぅとしていたのか自然、雷牙の目は白刃の柔らかそうな唇をいつの間にか見ていた。雷牙はその事に気づきさっきよりも顔を赤くした。

 

「―――す、すまんッ!」

 

白刃に指摘された雷牙は少しだけ白刃からバッと、離れる。それにびっくりした白刃は呆れた(ジト目)目をしながら声を発す。

 

「全く、忙しい人ねあなた」

 

「るっせ......」

 

雷牙は赤くなった顔を落ち着けるために深呼吸を二回し、ちらと白刃の顔を見た。

十日前、そして昨日、白刃の顔に浮かんでいた鬱々とした表情は、初めて会った日と比べられないほど薄れていた。

雷牙は口から細く息を吐き、歩きながら口を動かす。

 

「――あー....どうだ?お前を殺すような奴なんていなかったろ?」

 

「....うん。この世界の人達はとても優しくて暖かった。でも、正直に言えばまだ私には信じられないくらいに」

 

「そうか.....」

 

雷牙が少し残念そうに言うがそれもそうだろう。白刃にとってこんな日々は生まれて初めてだったのだ。現界するとAST要員と戦いそして消失(ロスト)のそのまたの繰り返しの日々。そんなことが無い今日。白刃にしては、驚くことばかりだったのだ。人々が多い商店街、遊ぶ機械があるゲームセンター。どれも白刃の目に留まるものばかりの連続だった。だが、白刃は精霊。自分の存在が否定され続け、それが急に否定されなくなるのだ。それでまだ信じきれないのだろう。

 

「.....ねぇライガ」

 

白刃が雷牙に話しかける。

 

「ん?どした?」

 

「あなたに確認したいことがあるの」

 

聞きたいこと?と、雷牙は首をかしげる。

 

「ライガは....あのハエ(AST)共の仲間なの?」

 

「――ッ!?」

 

突然そんな事を聞いて驚いた。今雷牙の頬には冷や汗をかいているだろう。

 

「やっぱり.....そうなんだ」

 

白刃は切なそうな声で言う。どうやら確信していたのだろう。

 

「あなたがどうしてそんなに私に近付けるのかいつも疑問に思ってた。でも、確信した。あなたはあのハエ(AST)共の仲間だって。あなたは私をどうする気なの?」

 

「........」

 

雷牙は黙った。確かに雷牙はAST要員ではあるがそれは悪魔でも整備士であり、戦闘要員ではないのだ。たが、真実を伝えるのはこれはあまりにもリスクが大きすぎる。雷牙は少し考え答えを出す。

 

「....確かに。俺はAST要員だ」

 

「そう...なら貴方は私を「だけど!」ころ..え?」

 

雷牙は強く声を発する。

 

「俺はAST要員であって戦闘員じゃない!整備士だ!だから俺はお前に何もしないし上にも報告しない!信じてくれ!」

 

「.......」

 

その答えに白刃は大きく目開いていると、ぷっ、と笑ったのだ。

 

「ふふ、貴方大袈裟すぎ」

 

「んだとッ!こっちは必死で――」

 

雷牙が言うと白刃は右手でスッと、手をだし雷牙の言葉を静止させる。

 

「今のは確かめたかっただけ。言ったでしょ?確認(・・)したいことがあるって」

 

「ぐ....」

 

まんまと騙されてしまった。だが白刃は再び明るい表情に戻ると雷牙の左腕をぎゅ、と組む。すると雷牙の耳の近くで口を開く。

 

「大丈夫。私は貴方を信じる例えどんなことでも、ね」

 

「すまん。」

 

雷牙は笑顔で白刃を見て、ちょっと恥ずかしいが、次いでに頭を撫でる。

 

「?なんで頭を撫でるの?」

 

白刃は意味が分からなく?を頭からだすが、目を細めているのは確かだ。

 

「いや、気まぐれさ」

 

「そう....」

 

そう言うと雷牙は白刃の頭を撫でるのを止め普通に歩いた。

 

「さて早くしないと夕日が落ちちまう。行こうぜ」

 

「うん」

 

そうして歩こうとした瞬間。

 

 

スドーーーーーーン

 

まるで地面でも割れたかのような音が今雷牙が行こうとしている公園から聞こえてきた。

 

「な、何だ!」

 

「ライガ。あれ!」

 

白刃は公園があるところに指をさす。そうそこには、昨日。士道が接触した精霊〈プリンセス〉十香が誰かと交戦していた。

 

「なんであんな所に〈プリンセス〉が....まさか白刃と同じ現象が起こったのか!」

 

そんな事を考えている最中。ふと、雷牙の眼にある人がうつる。その瞬間。目を大きく目開いた。そう〈プリンセス〉と交戦している人物は雷牙にとって大切な人、鳶一折紙だった。

 

「折紙!何であんな所に!」

 

そう言うと雷牙は冷静さを忘れ、一直線に走り出そうとしたが、ガシッと、白刃に手首を掴まれた。

 

「白刃何してるんだよ!放してくれ!」

 

「ライガ。少し落ち着いて何も装備も武器も持たない貴方に今何ができるの?」

 

「.......」

 

白刃の正論に何も言えなかった。それもそうだ。今の雷牙は顕現装置(リアライザ)もCR-ユニットもないただの丸腰。つまり少し強い一般人程度。CR-ユニットを装備してもいなかったら一瞬で死ぬだろう。

だが雷牙は今、目の前で大切な幼馴染が精霊に殺されかけているのを黙って見てられることなんて出来ない。雷牙はあの日(・・・)誓ったのだ。絶対に折紙を守ると。

 

「――それでも。それでも俺は!折紙を絶対に助けたいんだ俺は約束したんだ。だから行かせてくれ白刃頼む!」

 

けど、どうすればいい。と頭の中で必死に最善策を考える。後先考えずに、たとえ折紙を助けられたとしても逆に雷牙が死ぬだけだ。もし精霊と同じ力があれば戦えたかもしれない。だけど雷牙は精霊ではない。

 

「ライガ。彼女を助けたい?」

 

白刃がため息を吐いた後。突然、口を開く。少し困惑した雷牙だが、即答で返す。

 

「ああ助けたい。だけど正直どうすればいいのか分からないんだ」

 

雷牙は自分の無力さに悔やんでいた。それはそうだろう。相手は精霊。世界の災厄。生身の雷牙では太刀打ちさえ出来もしない。だがCR-ユニットか願わくば精霊の天使さえあればこの状況を打破出来る。けどそれは叶わないことは雷牙もしっている。だが、

 

「なら私の力を使って」

 

「は?」

 

「彼女を助けたいんでしょ?」

 

「それはそうなんだが、精霊じゃない俺がお前の天使を扱える訳が...「出来るよ」え?」

 

白刃は雷牙の左手を取りながら、自信満々に言う。

 

「私は精霊だけど普通の人間にも私の霊力を貸すことができる。本当は駄目たけどライガなら出来る。だから使って」

 

「意味はわからないがわかった。それで折紙が助けられるなら早速やろう!」

 

そう言うと白刃は首肯したのち突然。光はじめ白刃の身体は粒子化し雷牙の左手に収束するとそこには刀があった。

 

「これは....」

 

それは雷牙の見たことがある刀だった。

 

『それは〈天ノ白嵐(アマノシロカゼ)〉私の天使であり最強の矛』

 

その刀から白刃の声が聞こえた。

 

「白刃お前は一体....」

 

『私は少し精霊とは違う性質を持ってるのだから天使に変わることができる。因みに、折れたりはしないから』

 

「そ、そうか」

 

白刃は冗談を言いながら言うがその時間も今は惜しいのだ。雷牙は公園の方に向き直った。

 

「行くぞ。白刃(パートナー)!」

 

『ええ。』

 

雷牙は全速力で公園に向かった。

 

その瞬間。視界に今にも折紙が〈プリセンス〉の長剣に切られそうになっていた。

 

「クソ!間に合えぇぇぇぇぇ!」

 

雷牙は全速で走りながらその後に高く跳び、公園の柵が見える所で刀を抜刀、二人の間に入り〈プリンセス〉の長剣を受け止めた。

 

どうにか間に合ったようで雷牙は後ろにいる折紙に声を発する。

 

「大丈夫か?折紙」

 

 

「貴様。何者だ」

 

〈プリンセス〉が低い声音で目の前で刀で長剣を受けて止めている雷牙に言う。

 

「――ただ少し強い、人間さッ!」

 

そう言うと雷牙は刀を上に振り上げ、〈プリンセス〉持つ長剣を退かす。

 

「――!?、くっ!」

 

〈プリンセス〉は体制を崩し、その直後、後ろに素早く下がった。

 

「痛ぅー白刃の力を持ってるとはいっても、精霊の一撃はやっぱ重いなぁ。受け止めるのも退かすのにも結構体力とか使うし、こりゃ避けなきゃな」

 

余裕そうな口調で雷牙は〈プリンセス〉に向き直り刀を構える。〈プリンセス〉は目の前にいる男が気にくわなかった。その笑みは今の〈プリンセス〉十香にとっては憎たらしく思った。まるで、人を殺したのに何も感じてないようで、今倒れている士道について視界にも置いていなかった。

 

この男も、シドーを殺した奴等(AST)と同類なのだと確信した。

 

十香はハルヴァン・ヘレヴ(最後の剣)を構え直し、目の前の雷牙に斬撃を飛ばした。斬撃を飛ばした後、雷牙はそれを刀で相殺し、その瞬間に十香は足を蹴り、雷牙の目の前まで接近。ハルヴァンヘレブ(最後の剣)を縦に振り下ろす。

 

「――はぁぁぁぁ!」

 

「ぐッ....!」

 

雷牙は刀で長剣を受け流したが、その衝撃で後ろに吹っ飛び木に背中を強く打ち付けた。

視界が揺らぐ。激痛がする。だが、考える時間も判断も今は惜しい状況だった。雷牙が木に背中を叩き付けられた直前に、十香が急接近し、長剣を横に振り下ろす。

 

「――!?」

 

雷牙はそれより早く反応して、上に大きく高く跳んだ次の瞬間。

 

ヴォォォン!

 

先程。雷牙がいた所は十香の最後の剣(ハルヴァン・ヘレブ)によって跡形も無く消し飛んだ。後一歩遅かったら確実に雷牙は死んでいただろう。流石世界の災厄(精霊)の名は伊達ではない。雷牙は地面に着地。そのまま瞬時。意識を集中して刀を構える。そして雷牙は反撃に出た。強く足を蹴り、刀を横に振る。十香はそれに対応し、最後の剣(ハルヴァン・ヘレブ)を縦にして防ぐ。

 

「はぁぁぁ!」

 

「このぉぉ!!」

 

 

ゴォォォォォン!! という鈍い音が鳴り響いた。

 

ぶつかった直後、双方は相手を見るように睨み続け退く気も一切ない。

 

――ふと、雷牙は視界にある人が映る。それは十香の後ろで倒れている士道だった。遠目から見ると、周囲には血溜まりが出来ていて、そこの中心に彼は倒れていた。いや、死んでいた。死因はASTの武器か何かだろう。何故なら少しだけ焦げ臭いのだ。雷牙はこの焦げ臭さは知っている。実弾だ。だが、実弾でもこの臭いは普通に出る。だが、士道の周囲に垂れている血は尋常じゃなくあふれでていることからして、とても威力が強い武器の確率が高いのだ。一つ雷牙には心当たりがあった。前に整備していた武器があったのだ。対精霊用ライフル〈CCC(クライ・クライ・クライ)〉精霊に唯一確実に致命傷を与えられる対物ライフル。だが、これには欠点があり、〈CCC〉(クライ・クライ・クライ)随意領域(テリトリー)を展開させていなければ、反動で使用者の腕の骨が折れてしまうぐらい、頭のおかしい銃だ。まさに肉を切らせて骨を断つ戦法が出来るが、あまりの扱いづらさに加え、一発撃つだけの代償が大きすぎるため時と場合によるぐらにしか使うことしか出来ない。

 

雷牙は自分の無力さに対して悔やみ、口を噛み締めた。

 

 

「(....十香を守ろうとして庇い、自ら射線場に入ったんだな。バカ野郎が....お前が死んでどうすんだよ。誰がコイツ(十香)を止めるんだよこのバカ中二が。)「――オイ貴様....」あ?」

 

十香が静かに口を開く。その(かお)はまるでこの世界に絶望した表情と声音で雷牙に話しかけて来たのだ。

 

「何故シドーは殺された、何故私はこの世界に否定されるのだ。答えろッ!」

 

「.......」

 

十香の目には水分が溜まって、泣きそうな顔で強く問う。雷牙は言い返そうとしたが、左拳を強く握りながら押し黙る。

 

「(――精霊は世界の災厄。倒すべき存在。だけど、それは正しいのか?俺は白刃と出会っていろんなものに気づかされてきた。精霊だって一人の人間なんだ、笑えば笑うし、泣けばなく。お腹がすけば物を食べる。(天使)さえなければ普通の女の子なんだ!だが、ASTの俺には何も返すことが出来ない。今俺に出来ることがあるとすれば、彼女を止めること。士道が死んだ事により彼女は激怒した。この現状を止められるとしたら士道しかいない。けど士道は死んだなら俺がやるしかない。!)」

 

そう心の中で雷牙は決意した。

 

「......そうか」

 

 

十香は雷牙の反応を見て、否定したと受け取ったようで右足を雷牙の横腹を蹴り後ろに下がる。

 

「――グゥッ!」

 

雷牙は横腹を蹴られて体制を崩し地面に左膝を降ろす。

 

「...やはり貴様もそうなのだな。」

 

十香は殺意を向けながら言う。そして雷牙に〈最後の剣(ハルヴァン・ヘレブ)〉を向け今にも飛び出そうとするが十香は雷牙の発言により、立ち止まった。

 

「――本当にそう思ってんのか?」

 

雷牙はその顔を見た瞬間。言わずにいられなかった。だってその顔は―――

 

昔の俺が経験した表情だったのだから(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「....なんだと?」

 

 

十香は雷牙の言葉が何を言っているのか意味が分からず問う。それもお構いなしに雷牙は止まらず口を開く。

 

「どうしてお前はそう決めつける。じゃあ言うが何で士道はお前を庇って死んだ?何で士道はお前と会話とかしたんだ?それはお前という存在があったからする行動だ。人ってのはな一度見たらたとえ頭の中で否定したとしても心の中では否定出来なくなっちまうんだよ。」

 

「何が言いたい?」

 

十香は雷牙の返しに意味がわからず?とハテナを出した。それを見て雷牙ははぁーと溜め息を吐き、声を出す。

 

「単純な話、お前はまだこの世界に否定されてないんだよ」

 

「!?」

 

十香は雷牙の発言に驚いた。だが十香は首を強く振り、それを認めようとはしなかった。

 

「嘘だ!それは絶対に嘘だ!」

 

「嘘じゃない!お前それ言ったら士道の事を否定する事になるんだぞ!」

 

と、雷牙がそれを肯定した次の瞬間。十香は雷牙に向けて最後の剣(ハルヴァン・ヘレブ)を上に振り上げて斬撃を飛ばしてきた。雷牙はそれを右に避けようとしたが横腹の痛みで少し対応が遅れ、左太股に斬撃がかすった。

 

「くッ!何しやがる―――!」

 

雷牙は再び十香の方に目を向けると、泣いていた。そして十香は声を圧し殺すような声で言う。

 

「――さい...」

 

「え?」

 

「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!シドーはもういない!私の居場所はもうないのだ!なら私はシドーがいない世界でどうすればいいのだ!」

 

それは十香の心の叫びだった。彼女の希望は士道だったのだ。だが、その希望は小さな撃鉄によって奪われてしまった。そして彼女は絶望し今や世界を壊し掛けている。なら、雷牙が今言えることはこれしかなかった。

 

 

「なら、彼奴のために生きろよ!」

 

 

「――!!」

 

十香は驚くが、直ぐに体制を整え剣を構えてしまう。それでも雷牙は止まらず言い続ける。

 

「今のお前に出来ることがあるとしたら、胸張って士道の居場所を守って彼奴が笑いそうなことをしろよ!」

 

刹那、十香は目に水分を貯めながらも地面を蹴り、雷牙に向かって急接近してきた。これには雷牙も反応出来なかったようで死を覚悟し、目をつむる。しかし頭の中で幾つもの経験が流れこんでくる。

 

「(あぁこれが走馬灯てっやつか、だけど流石にこれは死亡回避は出来そうにないなぁすまん折紙約束守れそうにないわそれと白刃お前と短かったけど楽しかったよ) 」

 

そして雷牙の首に剣が触れようした瞬間。空から声が聞こえてきた。

 

「十ぉぉぉぉぉ香ぁぁぁぁぁぁ!」

 

それは、十香を庇って死んだはずの五河士道だった。

 

「――」

 

十香が、士道の声に気づいてか、長剣を雷牙の首もとに振りかぶったまま、顔を上に向ける。

 

「シ―――ドー.....?」

 

まだ状況が理解できていない様子で、十香は呟く。だが、ここで今士道のもとに行けば雷牙に隙を付かれてやられるのではないのかと思ったが――

 

「早く行ってやれよ〈プリンセス〉」

 

雷牙は十香に催促をした。それについて十香は、雷牙に少し警戒しながらも視線を戻し、殺気を向けながらフンと鼻で鳴らした。

 

「言われなくとも行くつもりだバーカ」

 

十香はそう言うと今落ちている士道の方に向かった。

それを見送った雷牙は手を地面につき、ふぅと、息を吐き座った。

 

『良かったね貴方の大事な人を守れて』

 

突如雷牙が持っている刀から声が聞こえてきた。

 

「あぁ、だけど当の本人(折紙)はいつの間にか撤退したしなぁ~まぁ、それは置いていて。はぁもう体がヘトヘトだぜ。力を貸してくれてありがとな白刃」

 

雷牙がため息を吐きながらそう言うと、刀が光始めその光の中から白い髪の少女が現れる。

 

「うん。大丈夫だよ、私が好きでしたことだし」

 

「それでもだよ。本当に助かった」

 

お互いお礼を言いその間だ見つめ合うと、二人はぷっ、と笑いだす。

 

「ハハハ!」

 

「ふふ」

 

しばらく笑いあった次に、雷牙は最後の仕事(霊力封印)をするために、地面に座っていた身体を何とか立ち上がらせて白刃の方を真剣に向いた。霊力封印とは簡単に言えば接吻つまりキスすることで精霊の力がなくなると言うことだ。たがこれには条件がありデレさせないと霊力封印が出来ないというデメリットがある。因みに雷牙は精霊の霊力封印が何故か出来るのだ。精霊攻略前に〈フラクシナス〉で検査を行ってみると雷牙の体には精霊を封印出来る力があった。けどそれには一つ問題があった。それは|士道のよりも霊力封印量が非常に少なかったのだ。《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》雷牙はあまり聞いてはいなかった本人だが、琴里から聞いた話によると雷牙の精霊封印の人数は4人か5人程度ぐらいかもっと少ないらしく、その容量を越えると霊力が暴走し人間じゃなくなるらしい。そして今その事は頭の片隅に置き、白刃に口を開く。

 

「白刃お前に大事な話がある」

 

「どうしたの?」

 

「単刀直入で聞こう。白刃、お前の力を封印するかわりにこの世界で人間として生きて、俺たちと一緒に生活しないか?」

 

「.....」

 

雷牙から提案された話を聞いた白刃は少し考えたそぶりを見せながらその後考えが決まったのか雷牙の吐息がかかる所まで近づき、次の瞬間。手を後ろにやりながら、爪先をピンと上げ優しく雷牙の唇に唇を重ねた。

 

「ん、」

 

「――――!?」

 

雷牙は一瞬フリーズした。それを理解するまで何分?いや数秒ぐらい頭の中で必死に答えをさがしていた。たがやっと自分の頭が何をされたのかを理解し、それに気付いた瞬間、頬を真っ赤にしながらバッ!と後ろに少し下がった。

 

「お、おま!いきなりなにしてんだよ!」

 

「これが私の答えだよ」

 

「へ?」

 

白刃の答えの問いに、雷牙はポカーンと鳩に豆鉄砲を食らった顔になりながら困惑していた。それを気にせず白刃は続ける。

 

「私はライガと、この世界で一緒にいたい。ライガと一緒に色んな所に行きたい連れてってもらいたい。だから、責任とって?」

 

 

それは愛の告白にも近いような言い方だった。だがもう戸惑わなくてもいいだろう。だって彼女の答えは出たのだから。そして雷牙は口を動かす。笑顔でにっこりと。

 

「ああ!任せろ!何処へたりともつれてってやる!」

 

雷牙はそう言うと空で何かが割れる音が聞こえた。

 

パリーーーーーーーーーン!

 

 

そこにはほぼ全裸の十香を抱えながらキスをする士道がそこにいた。どうやら封印が終わったのだろう。地面に着いた士道は慌てながらも十香と何か言い争い?をしていた。少ししたら十香が裸が見られないよう士道に抱きつき事を納めた。まぁ後はそっち任せるとしよう。と、ふと、雷牙は何か違和感を感じた。霊力封印=裸え?裸?と、雷牙は考えを巡らせた次の瞬間。

 

 

「きゃあ!」

 

突如後ろから白刃の叫び声が聞こえて来たそれに反応した雷牙は後ろを振り向くとそこには、

 

「白刃どうし―――ッ!?」

 

一糸纏わない姿の白刃が蹲っていた。

彼女の体はとても凛としてシミも一つもない綺麗な姿だった。雷牙は白刃の裸を見てしばらく思考を停止してしまったが、すぐにハッ!と、戻し、後ろを向いた。

 

「(やべぇ..これはまた走馬灯が見えてしまうかも知れない。何か、何か白刃に言わなくては!あああッダメだ!白刃の姿が脳裏に焼き付けてるせいで考えられん!ど、どつすれば!)」

 

雷牙は頭の中でこの状況を打破する考えを巡らせたてはいたが、先ほど白刃の裸を網膜と脳裏に焼き付けられ考えがまとまらなくなっていて少し焦っていたが、ダキッと、後ろから抱きつかれた感覚がして首を後ろに振り向くと頬を染めた白刃が両手で裸が見えないように抱きついていた。雷牙はそれに驚いたがすぐにまた首を前に戻し平常心を保つために深呼吸をした。すると後ろから白刃が恥ずかしそうな声音で雷牙に話しかけてきた。

 

「ライガ。あなた見たでしょ?」

 

「し、仕方ないだろ!突然大きな声がしたらそりゃ誰しも振り向くわ!」

 

「ふーん。そう、あなたはこう言いたいの?私が声を大きく上げて気になったから後ろを向いたと」

 

「ふ、不可抗力だ!後見てごめんなさい!」

 

白刃はふーん、と言うが、多分後ろではジトー目をやっているだろう。それを最後に白刃はさっきよりも抱きついている両手を強くした。まるで捨てられそうな子犬か、子猫のように。次に弱々しく震えた声で雷牙に訪ねる。

 

「ねぇライガ、私は本当にこの世界にいていいの?私は精霊だし、皆に迷惑をかけるかもしれない。本当にいいの?」

 

雷牙は目を大きく目開いた。それは白刃が雷牙に初めて見せた弱々しく聞こえた声、普段落ち着いた声で話す彼女は雷牙にとって新鮮だった。彼女だって立派な女の子だ。なら、言うしかあるまいだって彼女が望んでいるのだから、

 

「精霊だから迷惑?はっアホか、普通にいればいいだろ俺はお前の事を迷惑なんて思ったこと一度もないね!いいんだよ迷惑かけて、その時は教えてやるし協力もする。後、言っただろ?お前の自虐的な事を否定して正してやるってな。だからその...そんなん気にすんなよ」

 

少し恥ずかしながらを頭をクシャクシャして言った。

 

「うん。ありがとう\\」

 

それを聞いた白刃はさっきの弱々しい声は何処へ言ったのかいつもの落ち着いた声に戻った。

 

「?白刃最後何ていったんだ?」

 

最後はボソボソ声で聞き取れなかった雷牙は白刃に尋ねた。だが、白刃はにっこりと笑いながら「教えなーい」と言った次の瞬間、足にとてつもない浮遊感が襲って来たのだった。

 

 

 

「........」

 

あの一件から土日を挟んで、月曜日。ASTの復興部隊らの手によって復元された学校の机に雷牙は肘をつきながら窓側の外を眺めていた。

あの日。雷牙は白刃と共に〈フラクシナス〉に回収され、精密な検査と入念なメディカルチェックを受けされた。その時検査している部屋に〈プリンセス〉十香と出会った。最初は雷牙の事を警戒していたが、白刃のお陰で仲良くはなった。そしてその後、白刃達より検査が早く終わった雷牙は家に帰宅をしたが、あの日の検査以降から、白刃と十香の姿を見ていない。今ぼうっとしてる士道も同じことを考えているのだろう。白刃たちと話をされろといっても、〈フラクシナス〉のスタッフから検査があるからの一点張りで、結局最後まで姿を見ることすら叶わなかったのだ。

 

「.....はぁ、流石に空を眺めるのも飽きてきたな」

 

雷牙は独り言を呟く。

白刃に出会って、あの日(・・・)からどうでも良くなった日常が十日間で変わった気がした。何もなかった休日でもあの時だったらただひたすら何も感じず。課題や、読書、CR-ユニットの整備。とかしていたが、白刃に出会ってから何故か心がソワソワしてどうも落ち着かなくなった。後、一つだけ雷牙の思考に引っかかったものがあった。あの日雷牙は白刃にキス(霊力封印)を交わした。

それをした瞬間。白刃の纏っていた霊装が粒子みたいに消え――それとキスをした瞬間、自分の身体(なか)に何か温かいものが流れ込んできたような感覚がしたのは覚えている。――雷牙は詳しく知らないが、予想だとあれが霊力なのだったのだろう。

 

「キス.....か...」

 

雷牙は言葉にして唇に触れる。

 

もう三日も経つのにまだその感覚が鮮明に残っている気がした。と、後ろ聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「キスがどうしたの?」

 

「うぐぅ!」

 

雷牙はその声にびっくりしてイスから落ちた。腰をさすってから雷牙は声がした方向を見てみるとそこには肩まで届きそうな白紙で無表情だが、それは雷牙にとって大切な人であり幼馴染でもある少女。鳶一折紙がそこにいた。

 

「お、折紙!?いつの間にいたんだよ!てっゆうか!お前怪我は大丈夫なのか?」

 

雷牙はあたふたしながらも返答した。

 

 

「問題ない。多少な怪我は医療用顕現装置(リアライザ)でなんとかなる。ついさっきまで士道と話していた。よって、雷牙の発言はキスという言葉しか聞いてないない」

 

「最初からじゃねぇかキスと言う発言はお前には関係ない!てかお前の問題ないとか大丈夫とか信用ならんぞ!」

 

今の折紙身体は額やら手足やら包帯だらけだった。顕現装置(リアライザ)を用いれば、大体の怪我はすぐに直るが、三日経ったというのにこれだけの包帯やガーゼが残っているということは、相当酷い怪我だったのだろう。

 

「......くっ....」

 

どうも折紙の姿は痛々しくて息を詰まらせ顔を下にうつむいた。雷牙は右手拳に握って力をいれた。雷牙は自分の力の無力さに悔やんだ。あと、もう少し早ければ折紙にこんな大怪我をさせずに助けられたのだろう。そんな事を思っていると、

 

「.......」

 

折紙は頼りげな足取りで、雷牙の目の前まで歩いてきた次の瞬間。折紙が自身の胸のところに雷牙を抱き寄せてきたのだ

 

「えっちょ!折紙!?」

 

雷牙は恥ずかしさのあまりきょどってしまいうまく言葉を出せなかった。

 

「――雷牙は悪くない」

 

「え?」

 

折紙の言葉に雷牙は硬直した。折紙は気にせず話を続ける。

 

「これは士道を誤って殺そうとした私への罰。だから雷牙は気にしなくていい、あなたはいつも変わらない。他人がやったことを自分のせいにして自分が悪く言われるようにする。それは昔から変わってない」

 

「けど!おれはっ!?」

 

雷牙は何かを言おうとしたが瞬間。折紙にデコピンされ両手で頭をおさえる。

 

「つぅー!何しやがんだ!」

 

「直した方がいい」

 

「え?」

 

「自分のせいにする思考を」

 

雷牙は折紙の圧力で渋々了承した。それが終わると折紙は後ろを向いて自分の席に戻ろうとするが最後に言った。

 

「ありがとう私を助けてくれて」

 

それを最後に折紙は自分の席に戻っていった。

 

「幼馴染を助けるのは当たり前だろうが全く」

 

雷牙は少し笑みを浮かばせ折紙に聞こえないように小さくボソッと言った。

 

と、それに合わせるように、ホームルームの開始を告げるチャイムが鳴った。雷牙は先生が来る前に急いで席に着いた。

 

「はーい、皆さーん。ホームルーム始めますよぉー」

 

扉を開け、タマちゃん教諭が教室に入ってきた。

 

「はい、皆さん席に着きましたね?」

 

珠恵教諭がやたら元気な声を上げる。次いで、思い出したかのように手を打ち、うんうんとうなずいた。

 

「そうそう、今日は出席をとる前にサプラーイズがあるの!――入ってきて!」

 

言って、今し方自分が入ってきた教室の扉に向かって声をかける。

 

「ん」 「はい」

 

と――それに応えるようにそんな声がして。

 

「え.....」

 

「な.......」

 

「――――」

 

雷牙と士道と折紙の驚愕とともに。

 

 

「――今日から厄介になる、夜刀神十香だ。皆よろしく頼む」

 

白風白刃(しろかぜしろは)です。よろしくお願いします」

 

高校の制服を着た十香と白刃が、すごくいい笑顔をしながら入ってきた。見ているだけで目が痛くなるほどの美しさに、クラス中が騒然とする。

 

二人はそんな視線など意に介さず、チョークを手に取ると、十香は下手くそな字で黒板に『夜刀神十香』書き、そして満足げに「うむ」とうなずいた。白刃は綺麗な字で黒板に『白風白刃』と書いた。

 

「な、おまえ、なんで....」

 

「ぬ?」

 

士道が言うと、十香が士道に視線を向けてきた。不思議な輝きを放つ、幻想的な光彩。

 

「おお、シドー!会いたかったぞ!」

 

そして大声で士道の名を呼び、ぴょんと跳び跳ねて士道の席の真横までやってくる。雷牙の方は白刃がいつの間にか雷牙の席の前にいた。士道と雷牙はクラス中から注目を浴びた。ざわざわ。といろんな声が聞こえてくる。

 

士道と雷牙は額に汗を浮かばせて、生徒たちに聞こえないよう小さく声を発した。

 

「と、十香.....?どうしてこんなとこにいるんだ?」

 

「ん、検査とやらが終わってな。――どうやら、私の身体から、力が九割以上消失してしまったらしい」

 

「白刃。お前何でいるんだ?」

 

「十香と以下同文」

 

「おいちゃんと言えよ....」

 

十香と白刃も士道と雷牙の真似をして、小さな声で言ってくる。

 

「まぁ――とはいえ怪我の巧妙だ。私と白刃が存在しているだけでは世界は啼かなくなったのだ。それでまぁ、シドーの妹がいろいろしてくれた」

 

「「み、苗字は.....?」」

 

「何といったかな、あの眠そうな女がつけてくれたなぁ白刃よ」

 

「うん。確か...村雨さん?だったはず」

 

白刃がそう言うと十香は「それだ!」といい。士道と雷牙は頭をくしゃくしゃとやって士道だけ机に突っ伏した。

 

「あいつら....」

 

「全く....最高だな」

 

二人を自由にしてくれたのはありがたいが、他にやりようというものがあるだろう。と、二人は思った。

その後は十香が士道に爆弾発言を投下してしまい、クラスがざわめきが最高潮に達し、士道の名が知れ渡ってしまった事と十香と白刃の席順だが、十香と白刃は二人のとなりにいるクラスメートに鋭い眼光を放ち席を勝ち取った。十香の方は折紙と席が士道の隣なのか互い睨みあっている。それに関して雷牙は士道にたいして同情した視線で「頑張れ」と親指でグッドサインを出した。一方。白刃は、雷牙の隣の席で雷牙と少し会話をしていた。ふと雷牙は白刃に聞きたくなり口を開く。

 

「なぁ白刃」

 

「何?」

 

「この世界は楽しいか?」

 

雷牙はにっこりと、笑いながら言った。すると白刃も笑顔で返しくる。

 

「うん。楽しくて退屈しないよ、だからライガもこれからよろしくね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。如何でしたでしょうか?ちょっと無理やりすぎたかも。

これで十香デットエンド編は終了です。

次回は四糸乃パペット編です。
ですが、1、2話ぐらい溜め書きするので更新が今までより遅くなるかもです。ではまた次回にお会いしましょう!

次回:四糸乃パペット編 兎と雨

貯め書きして、ある程度たまったら投稿した方がいいか?

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  • しなくてもいいです。
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