デート・ア・ライブ 雷蒼の物語 『凍結』   作:バルクス

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投票でサブヒロインが夕弦と七罪に決定いたしました。
大丈夫かなぁ...七罪はいけるけど自分。あの夕弦独特な心情書けるかなぁ...ま、頑張ります!なにか違うなぁてっ思っても許してね?

ではどうぞー( っ・ω・)っ


四糸乃パペット編
第7話: 兎と雨


街が燃えている。人も家も何もかもが燃えていた。視界に広がるのは、まるで地獄とも思える光景だった。見慣れた住宅街が、真っ赤な炎に沈んでいる。立ち並んだ家々も、通い慣れた道も自分が知っている場所が次々と炭に灰に変わっていく。辺りからは勢い良く燃え盛る炎の轟々という凄まじい音に交じって、逃げまどう人々の悲鳴や足音が響き、さらに時折、何処から何かが爆発するような凄まじい音が聞こえてきた。

 

(なんだよ.....これ......)

 

それは、あまりにも現実離れした光景を目の当たりにし、雷牙は呆然と声を発していた。意味のない行動。でもその一言を発する間に足を動かした方が、遥かに賢明であったに違いない。だが、それを愚かしいと指摘する者や断ずる者はいないだろう。たった12歳の子供が速やかに理解をするには、今この状況は理不尽過ぎた。何しろ日頃お世話になっている幼馴染のプレゼントを買いに行って帰ってきたら、出掛ける前に見ていた街とは別の光景が広がっていたのだ。その場でへたり込むことはしないだけで、雷牙はまだ幾分まだ落ち着いている。

 

と――そこで、雷牙はハッと脳裏に家族の事を思い出して目を見開いた。

 

(父さん、母さん、折紙......!)

 

そう。家には、父と母が残っており今帰宅中の折紙もいたはずなのだ。

 

それを思い出して瞬間、雷牙は頭よりも先に体が動きいつの間にか駆け出していた。例え男でも子供一人が駆けつけたところで何かできるわけでもないし、もしかしたら三人とも既に避難を終えているかもしれない。だが、混乱している雷牙にそんな判断ができるはずもなかった。ただ、数時間前とは随分と様変わりしてしまった道をひたすら走っていく。走りながらも雷牙は家族の名前を呼び続けた。

 

(父さん、母さん、折紙!何処だ!返事をしてくれ!)

 

ひたすら家族の名前を呼び続ける。ふと、雷牙の頭で無惨な家族の姿を思い浮かべてしまう。だが、その思考はすぐに捨て頭を横に振った。

 

(大丈夫だ、三人は絶対生きてる。自分の勘を信じろ!)

 

そう自分の頭に言い聞かせさっきよりもスピードを早くして走る。そして数分後、なんとか家のある角の近くまで辿り着いた雷牙は、角の道を曲がろうとした次の瞬間。雷牙に強い衝撃波と大きな爆音が襲い、雷牙は壁に背中を強く激突した。

 

(カハッ!――一体何が.....!?)

 

視界が歪む。意思が朦朧とする。雷牙は重い体を動かして今起きている状況を確認しようと前を見ようとした瞬間。雷牙は絶望し、何も考えられなくなった。

そう。そこには、クレーターのようになった地面の側に折紙がいたのだ。

雷牙は折紙の方を見て一瞬で理解した。両親が死んだことに、たったそれだけ理解が出来た。じゃあ犯人は誰だ?

と、空を見上げると、そこには天使みたいに白いドレスをした白髪の少女が浮かんでいた。雷牙は確信する。コイツが両親を殺したのだ。心の中でドス黒い何かを感じたこれが殺意か、と理解した。だが、今そんなことはどうでもいい雷牙は空に浮かんでいる少女に殺意を向けて言おうとしたが、その直後、折紙の言葉に雷牙は驚いた。

 

(おまえが....お父さんと、....お母さんを。......許、さない...!殺す.....殺してやる.....ッ!私が――必ず......っ!)

 

これが運命の歯車が動き出した瞬間だった。

 

 

ジリジリジリジリリリリリリ―――!

 

一人部屋で激しく目覚まし時計が鳴り響く。一人の部屋で雷牙は目覚ましくを止めるべく、右手で目覚ましを手探りして止める。

 

「....んー......」

 

カチッ

 

目覚ましを止めた雷牙はベットから体を起こし少し疲れた表情をしながら息を吐く。

 

「はぁまた(・・)か....嫌な夢見ちまったな」

 

雷牙は体を伸ばしながら夢の事を考えていた。

 

「ん~!とっ、最近見ないとおもったらこれだよ....何でこんな夢見ちゃうのかねぇ....」

 

雷牙は窓のカーテンを開けて見ると外は気持ちのいい晴れだった。雲もなくただ空には一個の太陽しかない。

 

「やっぱ晴れはいいな。学校で昼寝には持ってこいだ」

 

天気を見終わると雷牙は制服に着替えるべく、クローゼットを開けて制服を取り出した。

 

 

 

 

雷牙は来禅高校、2年4組の教室の机で肘を付きながら外の風景を眺めていた。すると、廊下から誰かが走ってくる音が聞こえ、次の瞬間。聞き覚えのある声と共に教室の扉がパシャーンと思いっきり開かれた。

 

「シドー!クッキィというのを作ったぞ!」

 

腰まである夜色の髪をなびかせ。水晶の如き瞳をキラキラと輝かせながら。冗談みたいに美しい少女。夜刀神十香が、興奮気味にそう言って、手にしていたクッキーが入っている容器を机にいる士道の目の前にずいっと突き出してくる。士道は気圧されるように身を反らした。それを窓側の席で退屈そうに雷牙は見ていると、後ろから誰かから肩を叩かれた。雷牙はそれを確認しようと後ろを向くと、そこには雷牙も知っている少女が、先程十香が持っていた同じ容器を両手で持ちながら立っていた。

雷牙は笑顔で少女の名を呼んだ。

 

「どうした?白刃」

 

「調理自習でクッキーてっいう物を作ったの。良かったら食べて?」

 

少し無表情だが、とても優しい声音で、少女――白風白刃が言う。今日何故男子と女子達が別なのか。雷牙はその時寝ていたがなんでも、個々人の作業量が充実じつするようにとか何とかで実験的に、調理実習を少人数に分けて行っていた。つまり今日は女子だけが調理実習の日だったのだ。それから帰ってきた白刃は雷牙に食べさせようと持ってきたのだろう。丁度雷牙も少し小腹が減っていたのでせっかくだから頂く事にした。

 

「お、じゃあ少し食べようかな」

 

そう言うと、白刃は雷牙の返答に首肯し、両手で持っているクッキーの容器の蓋を開けた。そこには美味しそうな色をしたクッキーがそこにはあった。ちょっと歪な物もあるが、とても可愛らしく、色んなキャラの形をしている。初めてとしても出来が良かった。雷牙は白刃が作ったクッキーを一つ取り、食べた。

 

「お、美味いな」

 

とても優しいサクサクした食感であり塩加減もバッチリだった。これだったら店でも出せそうだ。

 

「そ、良かった。まだまだあるから食べて」

 

白刃は少し頬を染めながら、笑顔で言う。雷牙は何故白刃が頬を染めながら言ってるのか分からなかったが、嬉しがってることはすぐに分かった。一方その光景を妬ましく見ている男子クラス達は雷牙と士道を嫉妬をしながら視線を注いでいた。勿論雷牙は気づいてたのだが、そんなのはどうでもいいので無視をしていた。そして2個目のクッキーを取ろうとしたら―――

 

「......!?、危ッね!」

 

2個目のクッキーを取ろうとしたところで、右側から銀色の弾丸のようなものが一直線に通り過ぎて教室の壁に突き刺さる。飛んできた物はフォークだった。形状から調理室のフォークだろう。雷牙は飛んできた方向に振り向く。

 

「ぬ、誰だ!危ないではないか!」

 

十香が先程飛んできたフォークについて叫ぶ。

 

「.........」

 

そこには、つい今仕方何かを投擲したように、右手を真っ直ぐ伸ばした少女が無言で立っていた。

肩に届きそうな長さの髪に、色素が薄い肌。顔たちは非常に端整であるものの、そこに表情のようなものが一切感じられないため、どこか人形のような無機的な印象がある少女だった。雷牙は知っていた。それは彼にとって白刃と同じく大切な人であり幼馴染でもあるのだ。

 

「と......鳶一?」

 

「ぬ」

 

士道は頬に汗をひとすじ垂らし、十香は不機嫌そうに眉根を寄せる。少女――鳶一折紙は、そんな二人を見つめながら、ゆっくりと士道達の方へと歩み寄ってきた。そして士道の前までたどり着くと、左手に持っていた容器の蓋を開け、先程の十香と同じように士道に差し出してくる。

 

「夜刀神十香のそれを口にする必要はない。食べるならこれを」

 

そこには工場のラインで製造されたかのごとく、完璧に規格の統一されたクッキーが綺麗に並んでいた。

 

「え、ええと.....」

 

「邪魔をするな!シドーは私のクッキィを食べるのだ!」

 

士道が反応に困っていると、十香がぷんすか!といった調子で声を上げた。しかし折紙は微塵も怯まず、それどころか表情をぴくりとも動かさず、のどを震わせる。

 

「邪魔なのはあなた。すぐに立ち去るべき」

 

「何を言うか!あとから来ておいて偉そうに!」

 

「順番は関係ない。あなたのクッキーを彼に摂取させるわけにはいかない」

 

「な、なんだと!?」

 

「折紙、それじゃ分からないから理由を言ってもらえるか?」

 

それについて、雷牙も気になっていたので、聞いてみた。すると折紙は雷牙が来るのを視線で確認し口を開く。

 

「あなたは手洗いが不十分だった。加えて調理中、舞い上がった小麦粉に咽せ、くしゃみを三度している。これは非常に不衛生」

 

「な……っ」

 

「良く見てるなぁ流石は折紙」

 

虚を突かれた十香は目を丸くし、雷牙は冷静に折紙の動体視力について褒めた。だか、何故だろうか、折紙の言葉が発せられた瞬間、周囲の男子生徒たちが、ざわ.....ッ、と色めき立ち、視線が十香のクッキーに注がれた。しかし十香はそんなものに気づく様子もなく、ぐぬぬ....と拳を握りしめる。

 

「し、シドーは強いからそれくらい大丈夫なのだ!」

 

「因果関係が不明瞭。――それに、あなたは材料の分量を間違えていた。レシピ通りの仕上がりになっているとは思えない」

 

「……っ!?」

 

折紙が言うと、十香は眉をひそめ、自分と折紙のクッキーを交互に見た。

 

「な.....っ、なぜその場で言わんのだ!」

 

「指摘する義務はない。例え指摘したとしても白風白刃と同じ精霊なのなら出来ても可笑しくはない―――ともあれ私の方が、彼と雷牙を満足させる可能性が高いことは明白」

 

「う、うるさいっ!貴様のクッキィなぞ、白刃より美味いはずがあるかっ!」

 

「なら、鳶一。私もあなたのクッキーを食べても良い?」

 

「――構わない」

 

十香はそう叫び、目にも止まらぬスピードで折紙の容器からクッキーを1枚かすめ取る。それに便乗して、白刃も折紙から許可をもらい。容器からクッキーを1枚取る。すると2人は自分の口に放り込んだ。そしてサクサクと咀嚼し――

 

「ふぁ........っ」

 

「これは.....」

 

1人は頬を桜色に染め、恍惚とした表情を作り、もう1人は感情に乏しいが頬だけは桜色に染める。どうやら、美味しかったらしい。

 

しかし十香はすぐにハッとした様子で首をブンブンと振った。

 

「ふ、ふん、大したことはないな!これなら私の方が美味いぞ!そうだろう白刃よ!おまえもこの女になんか言え!」

 

「うーん、流石にクッキーを初めて作った私たちより、鳶一の方が経験積んでいるから鳶一のが美味しかった。かな?」

 

「白風白刃の言うとおりそんなことは有り得ない。潔く負けを認めるべき」

 

「なんだと!?」

 

「なに」

 

「お、落ち着けって、二人とも」

 

「全く.....よく飽きないよなぁ」

 

放っておいたら殴り合いになってしまいかねない。士道は二人の間に割って入ると、「まぁまぁ」となだめるように距離を取らせたそれを士道の後ろで見ていた雷牙は呆れた表情で右手に顔を置く。すると、距離をとった二人だったが、十香がいきなり口を開く。

 

「ぬ......ではシドーは、どちらのクッキィが食べたいのだ?」

 

「え?」

 

不意にそんなことを言われた士道は間の抜けた声を発した。十香と折紙が、左右から同時に、クッキーの入った容器を差し出してくる。

 

「さぁシドー」

 

「………」

 

十香と折紙、二人の刺すような眼光に射すくめられた士道は、顔中にぶわっと脂汗を浮かべて後ずさった。

 

「モテていいな士道。プークスクスww」

 

その光景に雷牙は士道を馬鹿にするかのように

笑う。だが、今はこっちの方が大事だ。.......なんだか、どっちを食べても殺されそうな気を感じた士道は自らの生存本能の命ずるままに、両手で二つの容器からクッキーを取ると、同時に口に放り込んだ。

 

「う、うん、美味いぞ二人とも!」

 

十香と折紙はそんな士道の様子をジーッ……と見つめたのに、

 

「私の方がほんのちょびっと速かった!」

 

「私の方が0.02秒速かった」

 

まったく同時に、そう言った。

 

「………」

 

「………」

 

そして静かに顔を見合わせる。

 

「本当にモテモテだな士道。頑張れよ」

 

「雷牙と同じく。頑張って士道」

 

「勘弁してくれ......」

 

雷牙は少し面白そうな口調で士道に言い。白刃は疲れている士道に言う。一方士道はもう諦めに似た気分で目の前の二人を見ていたのだった。

 

 

 

学校の帰り、雷牙は1人で下校していた。こうゆう時に白刃がいると思ったが何故か白刃は何かやることがある用事とかで走ってフラクシナスに帰った。

 

「随分慌てたな何か俺の事を少しだけ見て顔を赤くしやがって....俺の顔にゴミでもついてるのかねぇ」

 

雷牙は静かな道を歩きながら1人でブツブツと言っていると、頬っぺたに、何か冷たい物が当たった。

 

「ん......?」

 

雷牙はそれを手で拭い空を見た。それは、先程あんなに晴れた天気は一切なく、いつの間にか、空がどんよりと曇っていた。

 

「マジかよ。まったく、最近の天気予報はアテにはならないな。はぁー」

 

最近見ている天気予報番組に気象予報士に恨み言を呟く。すると、まるでタイミングを見計らったかのように、ぽつ、ぽつ、と、大粒の雫がアスファルトの道を染みを作り、だんだんと濡らしていく。

 

「っやべ...早く家に帰られねぇとな」

 

慌てて、鞄から素早く折りたたみ傘を出して、差す。雷牙は小走りで家へと急ぐ。しかし、雨はそんな雷牙をあざ笑うかのように、みるみるうちに激しさをましていった。

 

「やっぱ折りたたみ傘でもこの雨の量は多少しか防げないか....あぁ冷てぇ」

 

制服に染みていく冷たい感触に、雷牙はうんざりと眉をひそめた。と、急いで家に帰るのが仇となったのか雷牙は道の角を曲がろうとした瞬間。

 

ゴツン!

 

何かにぶつかり雷牙は後ろに倒れ尻もちをついてしまう。あーズボンが濡れちまったな。と、そんなことを考えていると視界から小さな女の子が倒れている姿が映る。そういやぶつかった事を思い出す。

 

「あ!大丈夫か!怪我はないか?」

 

雷牙はぶつかった少女に駆け寄った。すると少女は雷牙の存在に気付いたのか急いで雷牙から離れて距離を取った。雷牙は少し驚いたがまぁ、仕方ないことだろう。ぶつかってきたのは雷牙方なのだから。けど何故か不自然だ、何故少女はぶつかっただけであんなに身体を震わせ、怯えているのだろう?と、考えていると少女は怯えた様子で言った。

 

「.......!ち、近づかないで.....ください.......っ」

 

「え?」

 

雷牙は少し前に行くと、少女はまた身体を小刻みに震わせ怯えた。そして、少女は少し近づく雷牙に続けて言葉を吐く。

 

「いたく、しないで.....ください......」

 

雷牙が自分に危害を加えるように見えるのだろうか、その様子は、まるで震える小動物のようであった。

 

「.....あ..」

 

すると少女は何かに気付いたのか雷牙の足元に目を向ける雷牙もそこに目を向けるとそこには目に眼帯を付けた特徴的な兎の形をしたパペットがあった。先程、ぶつかった時に外れたのだろう雷牙は足元に落ちていたパペットを脚を折ってそれを拾い上げ、少し汚れがついていたので手でそれを払い、そしてパペットを少女に示す。

 

「これってお前の?」

 

「!......」

 

少女は怯えたまま首肯して頷く。

雷牙はゆっくり少女に近づき腰を折ってパペットを渡す。そして、雷牙の手からパペットを奪い取ると、それを左手に装着する。すると突然少女、がパペットの口をパクパクと動かし始めた。

 

『いやー悪いねおにーさん。でーもー危ないよおにーさん!道を走ってる時は気をつけてね!』

 

腹話術だろうか?ウサギのパペットが妙に甲高い声を発してきた。

 

「あ、ああこっちこそすまないな。怪我はないか?」

 

『うん大丈夫だよー、おにーさん優しいねー』

 

「いや、誰しも転んだ子を心配しない人はいないからな」

 

雷牙は少し照れくさかったが言われて嬉しかった。それを見たパペットは笑いを表現するようにカラカラと体を揺らした。

 

『またまたぁー、まーよしのんもこんな優しい人を見るのは初めてだったからねぇー(・・・・・・・・・・・)けど、四系乃を怖がらせちゃったのはちょっと見過ごせないなぁー』

 

「あー.....それはすまない」

 

ぐうの音も出ないので素直に謝る。

 

『ぷッあはは、まぁ、一応は助けてくれたわけだし、特別ゆるしといてア・ゲ・ルんっ』

 

「......そ、そうか」

 

苦笑しながら、パペットが言ってくるのに返す。

 

『ぅんじゃあーねーおにーさん』

 

「あ、ちょっと待てよ」

 

雷牙は少女の肩を掴んで止まらせる。

 

『んーなぁにーおにーさんまだよしのんに何かあるのん?』

 

「あ、いやちょっとな.....はい、これ持っとけよ」

 

雷牙は自分の折りたたみ傘をパペットをはめていない少女の右手に持たせる。少女とパペットはそれに驚く。

 

『おぉーこれ凄いねー雨の水がかからない!』

 

パペットは喜んでいた。それはまるで傘を初めて差す子供のようにはしゃいでいた。

 

「それやるよ。それだったら雨にも濡れなくても住むだろ?」

 

『え?おにーさんいいの?だってこれおにーさんのでしょ?』

 

パペットは少し申し訳なさそうな表情?をしていたが雷牙は笑って返す。

 

「別に傘の一つや二つあげるてっ、俺は気にしねぇよ。てかそもそも傘を差してない人を見るのもちょっと気が引けるからな風邪とか引いたら元も子もないし、だからやるよ」

 

『――そぉーなんだねぇ。ま、ありがたく受け取っとくよ!ありがとうねおにーさん!んじゃね!』

 

パペットがそう言うと同時に少女が踵を返して走っていってしまった。

 

「おう、じゃなー」

 

雷牙は左手で少女の後ろから手を振る。少女が見えなくなると、雷牙は手を降ろし少し考えていた。

 

「あの兎の少女....何処かで....」

 

雷牙はさっきパペットの言葉に疑問を持った。初めて(・・・)優しい人に会ったと。それはまるであの子が襲われてるか虐待でもされているかどちらかしかなかった。だが雷牙的には前者が正しいと思った。雷牙は少ししか見ていないが少女の姿は緑色の兎耳付きフードで所々に何かの膜が付いていたのだ。まだ半信半疑だが、彼女は精霊かもしれない。

 

「いや、まさかな.....」

 

雷牙はすぐにその考えは捨てた。今はそれを調べるより家に帰る方が先だったのだ。今気づいたがもう雷牙の制服は大雨のせいでぐしょぐしょだった。

 

「はぁー後悔はしてないけど、やっぱもう一本持ってくれば良かったかな....へっくしょん!やべ、早く家に戻らないと風邪引いちまう!」

 

雷牙は髪を少しかきむしり、意味はないがカバンを頭の上に乗せ家に一直線に走ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい如何でしたか?正直自分は四系乃パペット編は悩み所なんですよね!まぁ、頑張りますが、さて次回は雷牙が処罰されます!お楽しみに╭(°ㅂ°)╮╰(°ㅂ°)╯

次回:死ぬまでの罰

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