デート・ア・ライブ 雷蒼の物語 『凍結』   作:バルクス

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はいどうもバルクスです!∠( ̄^ ̄)
今回はタイトルの通りです。
ではどうぞー(∩´。•ω•)⊃ドゾー


第8話:死ぬまでの罰

雨に打たれながら走って数分。雷牙は自宅の玄関前まで辿り着き、玄関に鍵を差し込んだ雷牙は、眉をひそめる。そしてドアノブを握りそのまま引いてみた。

 

「.....どうゆうことだ?」

 

予想通り、いつも出掛ける時に必ず閉めているはずの扉が何も抵抗もなく開いた。雷牙は警戒した。なぜなら彼はここで一人暮らし(・・・・・)なのだ。彼の鍵は家の中にある合鍵か、今雷牙が持っている鍵しかないのだ。

 

「泥棒か?まさか人が良く通る道なのにそれに気づかれなく開けたのか?」

 

雷牙の家は言わば人が良く通る道で必ず人に出会うハズなのだ。だが、それをお構い無しに玄関の鍵を開けている。流石に泥棒はそんな馬鹿な事はしない。まさか身内か?だが、雷牙が知っている身内がいるとすれば折紙、白刃、士道、十香にあたる。白刃、士道、十香はしないと思うが1人だけ身内でやりそうな人がいるのを思い出した折紙だ実は前、俺が風邪を引いた時に1回ピッキングされ侵入してきたのだ。最初はびびったが、それは仕方ない俺が風邪を引いたのだから看病して来てくれたのだろう。だがあの時は初めてすぎて説教をしデコピンで、すました程度だ。もしこの原因が折紙だったらまた説教をするしかないだろう。

 

 

「だけど折紙が同じやり方でやるはずがないんだよなぁ」

 

雷牙は意を決して扉を開けた。そこには、学校靴があった。やっぱり折紙なのか?雷牙は靴を脱ぎ先にリビングを調べた。だが、細かく調べても何処も荒らされた形跡はなかった。次は2階に続く階段から自分の部屋へと行き確認をしたが案の定荒らされた形跡は何一つなかった雷牙はある程度調べ終えリビングに向かう。すると風呂場からシャワーの音が聞こえてきた。

 

「.....誰か入ってるのか?」

 

雷牙は風呂場に行き脱衣場の中を確認する。するとそこには来禅高校の制服が洗濯カゴに入っていた。それをよくみると、女子が着用する制服だった。

 

「すまないが、開けさせてもらう!」

 

雷牙は恥を承知で風呂の扉を思いっ切り強く開ける。

 

「――――ッ!」

 

瞬間、雷牙は目の前の光景に身を凍らせた。何故ならば――風呂場の中に、ここにいるはずのない少女の姿があったのである。背を覆い隠す長い白髪に、宝石の如き紅い瞳。形容の頭に「絶世の」を10つけようとも、その美しさの1割も表しきれないほどの、圧倒的な存在感を放つ美少女。そんな少女は、雷牙の記憶の中に一人しかいなかった。

世界を殺す災厄・精霊。――そして、都立来禅高校二年四組のクラスメイト。白風白刃が、そこにいた。――その身に、一糸纏わぬ姿で。

 

「し、白刃.....?」

 

呆然と、呟く。芸術的とさえいえる美しい肢体が、一瞬のうちに雷牙の網膜を、視神経を、脳細胞に電撃をあたえる。十香よりではないが、手の平にフィットしそうな胸に、きゅっと締まったウエスト、柔らかそうな臀部。その全てが魅力的な裸体だった。

 

「......ッ!?」

 

そこでようやく、白刃が肩をビクッと震わせ、顔をこちらに向けてくる。

 

「!あ、いや、違うんだ......!これはその――」

 

雷牙は間違えてはいないが、何故かこれはいけないような気がして言おうとしたが白刃の裸体を見たせいで思考が追いついていかず言葉を詰まらせる。

 

「みッ、見ないで......っ!」

 

「ゴックゥ.......!?」

 

雷牙は、見事過ぎる右ストレートを顔面に喰らい、そのまま後方に吹き飛ばされ、壁に背を、床に尻を預けて経たり込んだ。間髪も入れず、ピシャン!と、風呂場の扉が閉められる。

 

「――けほッ、けほッ.....アイツ、本気で殴ってくるとかそりゃねぇぜ.....鼻が折れたらどうすんだよ全く.....」

 

そう言ったのち脳内で今起こったことを整理する。家に着くと鍵が開いていた、泥棒かと思い各部屋を確認し、最後に風呂場を見に行くと白刃がいた。つまり白刃が家に入ってきてこうなった。だが、雷牙は疑問が残っていた。なんで白刃がここにいる?そして何故家の合鍵を持っている?このピースに果てはまるのにそれ程の時間は掛からなかったのだ。なにせ白刃は<フラクシナス>に住んでいるのだ。あのロリっ子司令の事だ、何かあったから白刃がここにいるのだろう。

 

「たく、何かあるなら先に連絡しろよあのロリ司令が」

 

と、風呂場の扉が少しだけ開かれ、頬を少しだけ真っ赤にした白刃が顔を覗かせてきた。

 

「.......ライガ、見た?」

 

「.....あーまぁ、少しな?」

 

雷牙はじとーっとした視線を送ってくる白刃に、正直に言った。......実は少しじゃなくてだいぶ見てしまったかもしれない。だがバカ正直にぜ「全部見ました!」てっ言えるわけがない。そんなこと言ったら、第二派の顔面右ストレートが飛んできて死ぬ予感しかしない。一応それで納得したのか、白刃は「.....分かった」と言ってから扉を全開にする。雷牙は一瞬反応が遅れ後ろを見ることが出来なかったが、良く見ると白刃はタオルを巻いていた。水分を吸っているのでそのタオルは白刃の体のラインが浮かび上がっている。ので少々目に毒だ。

 

「ねぇライガ、何か着る服とかない?」

 

「え?ああちょっと待ってろ」

 

そう言うと雷牙は脱衣所のタンスから着替えを出し白刃に手渡す。ちょっと大きいが、その上にパーカーとか着るからまぁ大丈夫だろう。

 

「ありがとう、じゃあすぐ着替えるからリビングで待ってて」

 

「あ、ああ別にゆっくりでいいからな」

 

白刃は首肯すると着替えを置いて脱衣場にたるタオルで髪を吹いていく雷牙は急いで脱衣場からリビングへ行く。

 

それから数分後、雷牙はキッチンでコーヒーを作っていた。少し味見してみるがやはりインスタントだからか、少し不味い。

 

「うーんやっぱ豆を扱う専門店行った方が良さそうだなぁ金足りるか?」

 

雷牙はじっくりと考えているとリビングの扉からガチャと、音が聞こえてた来たので見てみると着替えた白刃が来た。

 

「おう白刃。コーヒー飲むか?」

 

「うん、飲む」

 

白刃は椅子に座り雷牙は出来たコーヒをコップに移し、角砂糖とミルクと一緒にお盆でテーブルに持っていく。

 

「はい、おまち堂」

 

「ん、ありがとう」

 

雷牙は自分の座るテーブルにコーヒを置き白刃の前にコーヒーを置く。

 

「いただきます」

 

「おう召し上がれ砂糖とかミルクがあるから苦かったらそれ入れろよ?」

 

白刃コクっと首肯し、右手でコップの塚を持ちコーヒーを飲む。それと一緒に雷牙も口の中にコーヒーを流す。すると、白刃が少しビクッと身体を震わせた。

 

「うぅ....ライガこれ苦い」

 

ちょっと涙目で雷牙に向けているのでなんとまぁ可愛らしい。それを雷牙は心の中で思ったが、すぐにその思考を捨て、白刃に砂糖とミルクを前に出す。

 

「やっぱお前には無理だったか、ほれ砂糖とミルクだそれ入れればだいぶ苦味も無くなるぞ?」

 

「うん。ありがとう」

 

白刃は砂糖とミルクを取り出しコーヒーにたくさん入れた――そう。それが、無くなるまで。雷牙はそれに驚き声を出す。

 

 

「ちょ、ちょっと待て!それは流石に入れすぎだって!」

 

「だってこのコォーヒィ?てっやつ苦いわよこのぐらい入れて当然でしょ.....ふー美味しい」

 

砂糖とミルクを限界まで入れたコーヒーを白刃何も躊躇いもなく飲んだ。これについて雷牙は驚くことしかできなかった。あの量は絶対糖尿病になりそうでやばかったのだ。あのコーヒーの中で一番甘いEXコーヒーより甘いと思った。さて、それはさておき。雷牙は白刃に重要な事を聞く。

 

 

「なぁ白刃、何でお前ここにいんだ?」

 

白刃は今の言葉を聞いて少し首を傾げる。

 

「.....雷牙は琴里から何も聞いていないの?」

 

「は?何が?」

 

雷牙は全く話の糸が分からなかったが白刃はそのまま話を続ける。

 

「良く分からなかったけど雷牙の家で訓練をするからしばらく此処でお世話になれてっ言われたのだけど、もしかして何も聞いてないの?」

 

なんて、言い放った。

 

「は?訓練........!?」

 

雷牙は眉根を寄せると、視線を玄関の廊下の奥の方にやった。そしてそのまま立ち上がり、白刃の方へと向く。

 

「白刃。士道の家(・・・・)に行くから準備するぞ」

 

「ん、分かった」

 

そして2人は士道の家に向かうべく準備をするのだった。

 

 

一方その頃――

 

「琴里ぃ!どういうことだッ!」

 

「おー?」

 

士道も雷牙と同じ状況になっていた。

 

「おー、おにーちゃん。おかえりー」

 

「お、おうただいま......じゃなくて!」

 

思わず普通に返事をしてしまってから、首をブンブンと振る。

 

「おまえが十香を連れてきたのか....?訓練てっ、一体何のことだよ.......っ!」

 

「まーまー、落ち着いて落ち着いて」

 

「落ち着いてられるかっ!な、なんで十香がうちに.....?今日も、いつもみたいに令音さんと一緒に帰ったじゃねぇか」

 

「え?んー、それなら――」

 

琴里が、指を1本ピンと立て、キッチンの方に向ける。

 

「あ........?」

 

士道は、琴里の指が指し示す方向に目をやり――また、固まった。

 

「......ああ、邪魔しているよ」

 

なんて、言いながら。やたら眠そうな顔をした女が、リビングと、キッチンを隔てるダイニングテーブルに着き、湯気を立てるカップに角砂糖をいくつも放り込んでいたのである。村雨令音。<ラタトスク>の解析兼、士道と雷牙のクラスの副担任だ。

 

「れ、令音さん?何やっているんですか......?」

 

「........ああ、すまない。砂糖を使いすぎたかな」

 

「いや、そうじゃなくて!」

 

たまらず叫ぶ。

 

「どういうことですか?十香は今、<フラクシナス>に住んでるんじゃ?」

 

<ラタトスク>に保護された十香は今、組織が所有する空中艦<フラクシナス>の内部隔離エリアで生活しながら、学校に通っているという話だった。たとえ力が封印されてるとはいえ、かつては世界を殺す災厄とさえ言われていた精霊なのだ。厳重な封印が施された隔離エリアに部屋が用意されているらしい。ゆえに、十香は学校が終わると、令音と<フラクシナス>に戻っていたのだが.....

 

「......ああ、そうだね。まずは説明をしなければならないね」

 

令音が、分厚い隈に彩られた目を擦りながら声を発してくる。

 

「.......しかし、だ。その前に」

 

「その前に......?」

 

「......着替えてきた方がよくはないかね?床が濡れているよ」

 

言われて、士道は「あ」と短く声を発した。と、令音が再び口を開く。

 

「.....それと、もうじきこちらにお客がやってくる。着替えるついでに玄関の鍵を開けて来るといい」

 

「誰か来るんですか?」

 

士道は首を傾げる。だってこの家を知っているのは琴里や、令音だけだ。そう考えていると、玄関からインターホンの音が聞こえてたきた。士道はすぐに玄関に向かい扉を開ける。するとそこには士道が知っている人物が二人いた。

 

 

「......んで?これは一体どうゆう事だ?」

 

部屋着に着替えた士道と先ほど来た雷牙(白刃も一緒に来た)は、テーブル向かいに座った琴里と令音に視線を向け、雷牙が言う。何故ここに雷牙いるのかというと、白刃の件について五河家に来たのだ。(元々左側の家の一つ隣の家に住んでたので意外と近かった。)因みに何故五河家の場所を知ってるかと言うと、前に琴里に住所を渡されたからだ。さて話を戻そう。

今4人がいるのは、五河家1階に位置する、リビングだった。十香と白刃は2階の空いている部屋(十香の部屋)に移動してもらった。何故なら二人の耳に入れたくない話もあるらしい。因みに十香と白刃は今、2階の部屋で一緒にカードゲームをしている。とりあえずあと十分くらいは大人しくしているだろう。もしこちらに来てしまったら白刃が何とかしてくれるだろう。雷牙は移動する前に白刃には伝えていたのだ「もし十香がこっちに来たらお前が何とか食い止めてくれ」と、言った。白刃はこれをすぐさま了承した。まぁ、十分と一分があれば大丈夫だろう。

 

「んーとね」

 

と、琴里が、指で頬をぷにっ、と持ち上げた。

 

「今日からしばらくの間、十香がうちに住むことになって、白刃は雷牙の家に永久的に(・・・・)住むことになったのだ!」

 

そして、えっへんと胸を反らすようにしながら、無邪気な笑顔を作る。

 

「「だから、どうして(そうなったか)訊いとるんじゃぁぁぁぁぁぁぁッ!」」

 

「......まぁ落ち着いてくれ、しんたろう、ライ」

 

士道と雷牙が叫んだところで、令音が声を上げた。案の定というかなんというか、名前は士道は名前を間違えられ、雷牙はあだ名のままだった。

 

「しんたろうじゃなくて士道です」

 

「雷牙です。つか、あんた本当にわざとだろ......」

 

「.....ああ、そうだった。訂正しよう。悪いね、シン、ライ」

 

「「........」」

 

訂正されていない。ただの愛称になっている。わざとやっているとしか思えない.....のだが、令音のぼうっとした顔を見てみると、なんか本気で間違えて覚えてしまっているのではないかという疑念が浮かんでくるのだった。しかし、士道と雷牙はそれ以上、名前の件に関して追及できなかった。

 

「......理由は大きく分けて二つある」

 

令音が、静かな声で、そんなことを言い始めたのだ。

 

「......一つは―――2人のアフターケアのためさ」

 

「アフターケア.....っていうと?」

 

「.......それで?それがどうしたんだ?」

 

「.......シン。ライ。君達は先月、口付けによって十香と白刃の力をその身で封印したね?」

 

「.....っ、は、はい」

 

「......あーあれね......」

 

士道は小さく首を前に倒し雷牙は少し思い出したのか頬を染める。同時に二人は唇にあの時の感触が蘇ってきて少し顔が赤くなる。

 

「あー、おにーちゃんと雷牙赤くなってるー。かーわいいー」

 

「う、うるせ!」

 

「ほっとけ....」

 

琴里が二人の反応に心底楽しそうに言ってくる。

 

「.......まぁ、そこまではいいのだが、一つ問題があってね。........今、シンと十香、ライと白刃の間には、目に見えない経路(パス)のようなものが通っている状態なんだ」

 

「パス?どういうことですか?」

 

「詳しく説明を頼む」

 

「........簡単に言うと、二人(十香と白刃)の精神状態が不安定になると、君たちの身体に封印してある精霊の力が、逆流してしまう恐れがあるということさ」

 

「な.........ッ」

 

「マジかよ......」

 

士道と雷牙は戦慄に身を凍らせた。

 

――封印された十香と白刃の、精霊の力が逆流する?剣の一振りで天を、地を裂く力と無数の斬撃で全てを切り裂く力を、再び二人に備えてしまうということだろうか。もしそうだとしたなら――考えるだけでも怖気をふるう事態だった。(雷牙は普通)

 

「......君たちも知っての通り、十香と白刃は今、<フラクシナス>の隔離エリアで生活している」

 

士道の狼狽を知ってか知らずか、令音が静かな調子で言葉を続ける。

 

「......二人の精神状態は常にモニタリングしているのだが......どうも、<フラクシナス>にいると、学校にいる時に比べて、ストレス値の蓄積が激しいんだ」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「そこまで、ストレスが溜まるものなのか.....」

 

「.....ああ。それに一日二回の定期検査もあまりお気に召さないようでね、白刃の説得で何とかまだ許容範囲内だが、このまま放置しておくのも好手とは言い難い。――そこで、だ」

 

令音が、立てた指をあごに当てた。

 

「.......検査の結果も安定してきたし、そろそろ<フラクシナス>外部に、二人の住居を移そうということになってね」

 

「ふーん、それで?」

 

「.....というわけで、精霊用の特設住宅ができるまでの間、十香をこの家に住まわせる事になったんだ」

 

「「プリーズ。ウェイト(ちょっと待て)」」

 

士道と雷牙は頬をぴくつかせた。

 

「......どうしたかね?」

 

「な、なんでうちになるんですか......?」

 

士道が問うと、令音は小さくうなりを上げた。

 

「......まぁ簡単に言うと、だ。君といる時が、一番十香の状態が安定するんだよ」

 

「え......っ」

 

急にそんなことを言われ、息を詰まらせる。

 

「.......逆に言えば、君と白刃以外の人間は、まだ十香の信頼を得ているとは言い難いのさ。私や琴里、ライなんかは比較的に顔を合わせる機会が多いが――それでもね。後、特に一番警戒しているのはライ。君だ」

 

「は?俺?」

 

いきなり自分の名前が出てきたのか雷牙は困惑した。令音はそれを気にしないそぶりで話を続ける。

 

「.......知っての通り、先月。君は十香と1回抗戦したね?それがまだ残っているのか十香はまだ君のことを少し警戒していてね、こうも言っていた「あやつの中になにかドス黒い(・・・・)ものがある」と言っていた。私も詳しくは分からないがなるべくストレス値を上げないために十香と仲良くなるといい。」

 

「.....分かりました」

 

雷牙はあまり信用されてなくてちょっと悲しかったが、まぁ仕方の無いことだろうあの時は折紙を助けてその後に十香と激戦を繰り広げていたのだから。それが終わって、はいお互い仲良く!(白刃のおかげ)てっなるわけがない同じ立場だったら絶対警戒はする。今度学校の時にきな粉パンを20個買ってこよう。十香の仲良くなる作戦は決まった。だが、雷牙は少し十香の台詞に疑問があった。ドス黒いもの(・・・・・・).....それは一体なんなのか、雷牙自身にも分からなかった。興味は湧いたが今はその事を考えるのはやめよう。今はアフターケアの話なのだから後で考えればいい。雷牙はその思考をすぐに捨てた。

 

「......話に戻るが、まずは少しでも安全性の高い場所で、十香がきちんと生活できるかどうか試したいところなんだ」

 

「......むう.....」

 

士道は、額に汗を滲ませながらうなった。確かにそう説明されると、整合性がある気がしないでもない。しかし、士道はそう軽々に許可を出せるような問題でもない。食い下がるように、また令音に問いを発する。

 

「それで.......もう一つの理由ってのは何ですか?」

 

「......ああ、これはもっと単純明快だ。――シン。ライ。君たちの、訓練のためさ」

 

「......っ」

 

先刻、服を着替える前に言われた言葉が繰り返される。訓練。その単語には、あまりいい思い出がなかった。と、士道が頭の中で考えていると、雷牙が令音に質問をした。

 

「んじゃ、俺の家に白刃が居たのも訓練てっわけか?」

 

「......いや、これは彼女の要望でね。先程のシンと同じ話になるが、ストレス値を溜めないためでもあり、彼女自らの希望なのさ」

 

雷牙はやっと理解した。だから白刃は「何も聞いてないの?」と言ったのだろう。だが、先程琴里が言い放った永久的に住むということはどうゆうことなのだろう?雷牙はそれが分からなかった。十香は精霊の特設住宅が完成するまでの間。士道の家で住むと言っていたが、白刃は雷牙の家に永久的に住む。まさかだと、思うが白刃が無理に言ったのであろう。が、少し疑問があり、雷牙はそれを確認すべく令音に問う。

 

「.....なぁ令音さんや、俺から見て白刃はそこまでストレス上げないと思うし精神的に少々大人びているから大丈夫じゃないのか?」

 

雷牙はそう言うと令音は目を細めた。物静かだが、うって変わって唇を動かす。

 

「......本当にそう思っているのかい?」

 

「は?それってどういう.....」

 

令音は自分のポケットから携帯を取り出し、それを雷牙に見せた。雷牙はスマホに映し出されていたモニターを見るとそれには、雷牙自身も驚愕した。なんせ―――

 

「....君が驚くのも無理はないだろう。これが今、彼女に起こっている数値さ」

 

令音の携帯に映し出されていたのは白刃や十香の感情値やその他色々が記録されていたデータだったのだ。雷牙はそのデータから白刃のストレス値を見てみると、十香より白刃の感情値が上がっていたのだ。

 

「これは一体....何があったらこうなるんだ」

 

「.....分からないのかい?彼女は内心は隠しているつもりだが、君がいないだけでもここまで感情値やストレス値がぐっ、と上がるんだ」

 

雷牙は白刃を軽く見ていたのかもしれない。白刃なら大丈夫。白刃なら大人の対応出来るから大丈夫。そんなことを考えてたのがこれだ。雷牙は何一つ白刃の事を分かっていなかった。いや、軽く受け流していたんだろう。白刃を封印してからもう1ヶ月位が経つ。自分はどこかでまだ覚悟が決まっていなかったかもしれない。だからそのせいで起こったのがこの結果だ。自分でも腹立つ。あの時、白刃に「その自虐的を否定して正してやる」と、約束したのは嘘だったのか自分でもそう思ってしまう。なら何故雷牙は白刃を軽く見てしまったのか、それは雷牙の過去(・・)に関係する事なのだろう。―――怖いのだ。もし、白刃が両親を殺した仇だったら、雷牙は躊躇わず白刃を殺すだろう。だが、それはもしもの話だ。雷牙はその思考を捨てた。

 

「.....ライ。君の気持ちは分かるしかし、白刃は白刃だよ君が知っている白刃は人を簡単に殺すかい?」

 

「!?」

 

令音が物静かに優しい言葉を発する。

 

「....君が命を張って救ったのなら分かるはずだよ.....だからもう少し彼女を信用してあげようじゃないか」

 

「――はい。分かりました」

 

雷牙は令音の言葉で目が覚めた。そうだ――白刃は白刃だ。あんなに可愛くて純粋で、物静かだけど、甘えて来る時は、なんとも可愛いらしい。ギャップ萌えてっやつだ。そんな彼女が殺すわけがない。今度白刃にラ・ピュセルの限定シュークリームを買ってこよう。雷牙は昨日よりも今日よりも白刃をちゃんと見ると心の中で誓った。

 

 

「――話は以上よ」

 

何故アフターケアの話から飛んでいるかというと、雷牙は話をあまり覚えていなかったためである。簡単に説明すると、<ラタトスク>。精霊保護団体と言っても、表向きではそう言っているが、その機関の中でも精霊の力を兵器として扱うと言う輩もいるらしい。まぁ胡散臭い組織だが、<フラクシナス>にいるメンバーは大丈夫だろう。そして、精霊について。これは雷牙は知っていたが、今までただの一般市民だった士道はこの話には身を凍らせていたのだなんせ士道は精霊は十香と白刃だけだと思ったが、令音や琴里(司令官モード)に真実を伝えられた。それは精霊が十香や白刃だけではないこととそれにその精霊は数種確認されている。これには士道も驚愕せざるおえなかった。だが、士道はその現実をを受け止めた。(後十香が家に住むことを認めた)そしてその数種の精霊を攻略するために今日から士道は訓練(失敗したら黒歴史暴露)を始めた。因みに俺はその訓練がなく、その代わりに白刃の面倒を見ることになった。まぁ願ったり叶ったりだな。なんせ、俺は白刃をあの仇の精霊と少し重ねていた。たが、白刃は白刃それさえ分かればそれでいい。この面倒は甘んじて受けようそれが俺の罰なのだから。

 

「さて、今日から士道は夕飯を食べたら訓練を開始するわよそして雷牙は死ぬまで白刃の面倒をみなさい分かった?」

 

「....わ、わかったよ......っ.......」

 

「ああ」

 

 

琴里や令音の話を聞き終わった雷牙は白刃と共に家に戻って夕飯を作っていた。一方。白刃は二階の部屋(客室)で自分の荷物を荷解きしている。直ぐに終わってリビングに来るだろう。―――しかし、白刃の面倒を死ぬまで見ろ.....か....別に、士道の訓練をしたいっていう理由ではない。ただ俺はあまり人に好かれるタイプではなかったのでそれが珍しかったのだろう(好かれているのを自覚していないだけ)。まぁそれは置いといて。雷牙は夕飯を作るのに集中した。と、するとリビングから続く廊下の扉が開き白刃が来たどうやら荷解きが終わったらしい。

 

「おう、荷解きお疲れさん。もうじきご飯出来るからそこのソファでテレビでも観て寛いでな」

 

「........」

 

雷牙は白刃にソファーで寛げというが、白刃それを無視して雷牙がいるキッチンに来た。雷牙は無言の白刃に何か恐怖し、額から冷や汗をかく。

 

「ど、どうした白刃?浮かない顔して....」

 

雷牙も白刃が何を考えているのかあまり分からない。それが分からないので雷牙は1歩少し下がってしまう。すると、白刃が頬を少し赤く染めて口を開く。

 

「....わ、私も料理。手伝っていい?

 

「え?あぁ、いいってすぐに終わるし白刃はそのまま寛いでていいぞ?」

 

「やだ」

 

雷牙はそれを断ろうとするが白刃が雷牙の袖を指で掴みそれを止める。

 

「私も料理習いたいし、ここに住むんだから私だけ呑気に寛ぐのも嫌なの」

 

律儀だなぁと、雷牙は内心でそう思ったが折角白刃か手伝ってくれるんだ素直に受け取ろう。

 

「分かった。んじゃそこに野菜を切ってくれ。一様確認するが、包丁の持ち方分かるか?」

 

「大丈夫。任せて」

 

 

夕飯を食べて皿洗いを終えてから1時間後。雷牙は風呂に入っていた。

 

「ふぅー今日は色々あった気がする....」

 

精霊についてのことや白刃が家に住むこと――もうひとつは.....帰り道に出会った、左腕に兎のパペットをはめ込んでいて兎の形をしたフードを被っていた少女だ。今でも覚えていた。最初はただの少女だと思っていたが....あの異常な怯え――それはまるで人に毎日襲われているような感じだった。そして服の袖やスカートにヒラヒラと付いていたあの膜みたいなもの....あれは紛れもなく精霊だ。人類の災厄で倒すべき存在。だが、雷牙はあれは本当に精霊なのかまだ半信半疑で今は決められなかった。外見で判断しても勘違いてっのもあるかもしれない。観測機で確認しなきゃ分からないものだ。

 

「あ、やべ長く考えすぎたな早く出なきゃな」

 

今日の事で考えていて風呂に長く浸かりすぎてしまった。雷牙は浴室を出ようと扉を開けると、今ここには誰もいなかったはずの脱衣場に白刃が服を脱いでいた。すると、2人は互いに目が合って数秒固まってしまった。

 

「よ.......よう......は、ハハ...」

 

雷牙は手をあげ乾いた笑い声で未だ固まっている白刃に挨拶をした。それから数秒ののち。

 

「.....っっっっっっっ―――――………!?」

 

白刃は、顔をリンゴみたいに真っ赤に染めて、声にならない悲鳴を上げた。

 

「え....あ、ちょっ!落ち着いてくれ白刃!――ズゴックフゥ!」

 

「――――っ!バカ!見ないでよ!」

 

白刃が雷牙の右腕をガシッと掴み、脱衣場にある廊下まで強く背負い投げされ背中から壁に激突した。勿論、思いっきり投げられ強く打ったので肺に溜まっていた空気が一気に吐き出された。雷牙は意識を手放しそうになったが、何とか保ち。自分の着替えとタオルだけ持って自分の部屋に向かった。

 

 

「はぁ.....今日は.....厄日かよ....」

 

雷牙はパソコンと睨めっこしながら愚痴っていた。もう時計の針は11時を回っている。白刃はもう寝ている。だが、何故雷牙はこの時間になっても寝ていないのかそれは陸上自衛隊ASTの基地でもある天宮駐屯地にある設計図(・・・・・)を送っていた。

 

カタカタカタ―カチッ

 

「ふぅ...終わったぁー」

 

雷牙はパソコンをゆっくり閉じて、ベットにダイブしてすぐに静かに眠りに落ちた。だが、雷牙は知らなかった――自分の部屋の扉がゆっくりと開き、そこから白い髪をした少女が雷牙のベットに潜りこんだのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい雷牙は強気に言っていましたが、怖かったんですね。そりゃ仕方ないw相手がもし仇である精霊なのかもしれないんだからねw
さて次回は精霊会ですよぉ!ですが!雷牙君はAST側なので出番あまりないかも(´・ω・`)

では次の更新に会いましょう。バァイ!

次回:第9話 嫉妬の視線

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