デート・ア・ライブ 雷蒼の物語 『凍結』   作:バルクス

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投稿遅れて申し訳ない。<(_ _)>

今回は長めです。

ドゾー(*゚-゚)っ


第10話: 謝りと少しの過去

「白刃〜そろそろ部屋から出てきてくれないか?」

 

困惑に染まった声を発しながら、雷牙は白刃がいる部屋のドアをコンコンとノックした。しかし....反応はなかった。

 

「頼むよ、少しだけでいいから話を――」

 

もう一度、そう言いながら再び扉をノックしようとするがそれと同時に部屋から大きい声が響わたる。

 

『うるさい。いいから今は来ないでよ!』

 

突然のことに、思わず肩をビクッと揺らしてしまう。

 

「....っ!」

 

と、雷牙が今までノックを続けていた扉の向こうから、突き飛ばす声が響いてきた。

 

『......どうせ私より鳶一の方がいいんでしょ。だから早くどこか行っちゃえバーカ』

 

そしてそれきり、また何も反応がなくなる。完全に拗ねてしまっていた。

 

「.....うーん、どうすりゃいいんだよ.....」

 

雷牙は途方に暮れ、手で頭をポリポリかきながら陰鬱な調子でため息をした。雷牙が今いるのは、雷蒼家二階の客室――綺麗な字で『白刃』と書かれたプラカードが掛けてある扉の前だった。

 

<ハーミット>が隣界に消失(ロスト)してから既に一日が経過していた。あれから<フラクシナス>で回収してもらい、家に帰ってこれられたのはいいのだが...家に入るなり、白刃が雷牙に何も言わず自分の部屋にこもって出て来なくなってしまったのである。雷牙は白刃の機嫌を損ねる事をしたのか見覚えも心当たりもないのだ。強いて言えば、学校で、折紙に連れて行かれた時だろう。だが、それで機嫌を損ねるのか?と雷牙は頭の中で考えを巡らせるがやはり、答えは見つからなかった。

 

「....考えても仕方ないよな」

 

雷牙は一旦白刃を1人にするため、一階のリビングに向かって歩き出した。そして、リビングに到着すると、固定電話が置いてある引き出しの中からペンとメモ帳の紙を取り出しそれを机に置いて書き始めた。

 

「よし、これでいいか」

 

雷牙が紙に書いた内応は

『ちょい気分転換に外行ってくるわ。白刃は十香や村雨解析官と一緒にご飯食べに行きな』と書かれたいた。それを雷牙はテーブルの上に置くと、財布だけを持って家を出た。

 

 

ムカつく。ただその感情が白刃の頭の中をぐるぐると駆け巡る。何故こんなに雷牙の声や、姿を聞いたり見たりすると凄く腹が立ってくるのだろう。元はと言えば雷牙が鳶一とくっ付いたりするのが悪い。

 

「.......ッ」

 

白刃は自分の部屋にあるシュークリームクッションをドアの付近に投げた。そして、投げたと同時にポフとベットに前のめりで倒れ、大きいため息を吐く。

 

「....もう分からないよ、ライガ」

 

 

「やっぱ気分転換はここだよな」

 

雷牙は天宮駐屯地に来ていた。何故彼がここを気分転換をする場所と言っているのか、それは――

 

「おいすー。ミリィーいるか?」

 

ここでCR-ユニットを整備したり出来るのだ。

と、雷牙の声に反応したのか奥にいる作業服を着た整備士の少女がこっちに向かって手を振ってきた。

 

「あ、ライガじゃないですか!どうしたんです?こんな時間に来て」

 

雷牙に向かって手を振ってきた少女。ミルドレッド・F・藤村。ここの整備士でもあり折紙と同じAST要員なのだが、彼女はCR-ユニットの整備が出来ればそれでいいと言う頭を持っているため、雷牙にとっては少しやばいやつだと思っている。だが、整備の腕は十分で誰にも引けを取らないだろう。

 

「あーちょい気分転換に来たからさ、どっか整備する所ないか?」

 

「整備する所ですか?それだったらミリィの隣にありますから着いてきて下さい!」

 

雷牙はミリィに整備する場所を尋ねると丁度ミリィが作業している隣に空いている場所があるため案内された。

これが雷牙の気分転換の日課だ。何か暇な事さえあればいつも駐屯地に行きCR-ユニットを整備している。これをしている間は何もかも忘れられるので楽だ。そうして作業場に着くと雷牙はそこにある作業服を着て何時もの整備に取り掛かかった。

 

それから数時間後。

 

「ふぅー。今日はこれぐらいかな」

 

「お疲れ様です、ライガ」

 

ある程度の作業が終わった雷牙は右手で汗を拭う。すると、いつの間にかミリィが缶の飲み物を2つ持っていて1つを雷牙の方へ投げてきた。雷牙はそれを慌てず左手で受け取る。

 

「お、緑茶か丁度飲みたかったんだ。サンキューミリィ」

 

「いえいえライガが来てくれたお陰でいつもより作業が早く終わったのでお礼ですよ」

 

同時に2人は飲み物の蓋をかシュッ、と音を出しながら開け、喉に流す。

 

「かぁ〜。そうそうこれよこれ、この仕事終わりに飲む一口が美味いんだよ」

 

「思考がおじさんですよライガ」

 

ミリィが困った感じで雷牙のセリフにツッコむ。

 

「別にいいだろ。俺がどれになろうがならまいが俺の勝手だ」

 

指摘された雷牙は少し気に触ったのか口調を強くする。それを見たミリィはハッ!となり弁解しようとするが何を言えばいいのか分からなくなってあたふたとする。

 

「い、いやそういう風に言った訳じゃなくてですね!あ、あのその....気に触ったのならすいません」

 

ミリィは失言だと思ったのかしょんぼりと顔を落とす。

と、雷牙はいきなり笑い始めた。

 

「ぷっ、アハハハハ!!」

 

「ちょっ!何で笑うんですか!」

 

「いや、ふふ。お前がそんなにヘコむとは思ってなかったからさ。まぁ、今の冗談だから気にすんなよ」

 

雷牙はミリィの前に歩いて来ると思いきや肩をポンポンと叩き、出口の方へ向かう。

 

「んじゃ俺はそろそろ帰るわ。今日はありがとうなミリィ!今度何か奢るわ」

 

「え?あ、ハイ!また何かあったら呼びますねー!ん?ライガが奢る?も、もしかして何かを奢ると見せかけて、変な店に行って「さぁお前へのプレゼント(意味深)を買ってやるから選べ」てっ言ってきて、私に選ばせてその買ったもので私を犯すんですね!キャアァァァァ!なんて大胆なんですかぁライガ!私。壊れてしまいますぅぅー」

 

なんて、ミリィは自分の世界に入ってしまったので雷牙はさっさと此処を離れることにした。

 

「たくっ。あの妄想頭をどうにかしてくれれば良い奴なんだけどなぁ」

 

早歩きしながら雷牙は愚痴を零しながら家に帰って行った。

 

 

「.....何で十香と一緒にここに連れてきたの?令音」

 

一方その頃白刃の方では雷牙が家を出て、20分経ってからだろう。令音が十香を連れて雷牙の家に来たのだ。そして家に来たと思いきや、「....一緒にご飯を食べに行かないかい?」と誘われた。最初は断ろうと思ったが、家に1人でいてもイラつきが変わるはずもないので渋々了承した。

そして、向かった先はファミレス。そこで令音は足を止め傘を畳んで十香と共に店内に入る。白刃もそれに続いて行く。店員の案内に従い、禁煙席の1番奥の4人席に座る。

これが今の状況にあたる。白刃は令音に質問をしようとするがそれを声で静止する。

 

「.....その前にメニューを選ぼうじゃないか話はそれからだ」

 

すぐに、メニューに目を通して料理を注文する。そして料理が来るまでの間、令音が口を動かす。

 

「.....十香、白刃」

 

「なんだ?」

 

「何?」

 

「.....料理が運ばれてくるまでの間、少し話をしたいのだが....いいかな?」

 

「私は構わないけど、十香は?」

 

「ぬ....まぁ、構わんが.....一体何を話すのだ?」

 

十香は、少し警戒を示すように身体を離しながら頷いた。

2人は村雨令音を少し警戒していた。いつも何を考えているのか分からなくて――そのくせこちらの考えは全部見通しされている気がして少々気味が悪かった。

と、そんな2人の思考に気づいているのかいないのか、令音がぼうっとした拳動のまま鞄から機械のようなものを取り出し、テーブルの上に広げる。2人は気になるのか令音に問う。

 

「なんだ、それは」

 

「パソコン....なのかな?」

 

「....ああ、気にしないでくれ」

 

言いながら、令音が片手でそれをカタカタカタカタ...と軽やかに操作する。するとある程度の操作が終わったのか、令音は二人に視線を戻し、唇を開いてくる。

 

「.....まぁ、話が得意なわけでもないし、単刀直入で聞こう。十香、白刃。君達が苛立っていて――いや、今まさに苛立ちを覚えている、その理由と原因を教えてくれないかな?」

 

「――っ」

 

「.......」

 

令音の言葉に、二人は思わず息を詰まらせた。

 

「っ、私は、別に――」

 

「――それは....令音の思い込みよ」

 

「....やはり、シンとライが女の子と会っていたのが許せないのかな?」

 

シンとライ。それは令音が士道と雷牙を呼ぶ際の名前だった。

 

「なっ、なぜそこでシドーが出てくるのだ.....っ」

 

「....ライガには関係ない」

 

「.....おや、関係がなかったかな?」

 

「「.......」」

 

十香はテーブルに肘を突くと、観念したように頭をくしゃくしゃし、白刃はテーブルに置いてある水を手に取り。少し口に入れて飲む。

そして先に十香が大きなため息を吐いてから、重苦しい調子で唇を動かす。

 

「....わからないのだ」

 

「.....わからない?」

 

令音が、首を傾げながら聞き返してくる。十香はうつむけた顔をさらに前に倒した。

 

「うむ....自分でも、なぜこんな気分になってしまっているのか、わからないのだ....」

 

頭を抱えながら、言葉を続ける。

 

「昨日....シドーが私を学校に置いて――その、女の子と、キスとやらをしていたのだ」

 

キス。その単語を出すだけで、十香はなぜか胸の辺りが痛んだ。

 

「......ああ、そのようだね」

 

「別に.....何がいけないわけでもないはずなのだ。シドーがどこで誰と会おうが、誰とキスをしようが、私にそれを咎められるはずもない。....だが、それを見た瞬間、もう、なんとういうか、とても――そう、とても嫌な感じがしたのだ」

 

「.....ふむ」

 

「気づいた時には......声を荒らげていた。それに......そのあとあのウサギが、シドーは私よりもあの娘の方が大事だと言うのを聞いて......もう、どうしようもないくらい、悲しくて、怖くて、何がなんだかわからなくなってしまったのだ。......自分でも意味がわからない....こんなことは初めてだ」

 

再び大きなため息を吐く。

 

「やはり....どこかおかしいのだろうか」

 

「....いや、おかしくなどないさ。それは非常に健康的(ヘルシー)な感情だ」

 

「そ、そうなのか?」

 

「....ああ。心配することはない。だが――誤解は解いておいた方がよさそうだね」

 

「誤解.....?」

 

「.....ああ。あのキスに関しては完全な事故だし....シンが十香、君よりもあの女の子のことを大事に思っているとか、そんなことは決してない」

 

令音が機械の方を一瞥してから言ってくる。十香はバッと顔を上げた。

 

「っ、ほ、本当か....?」

 

「....本当だとも」

 

「だ、だがシドーは....」

 

「....君の事を大切に思っていなければ、自らの命を危険に晒してまで君を助けはしないと思うがね」

 

「――あ.....」

 

言われて――十香は言葉を失くした。

胸に、腹に渦巻くわけのわからない感情に気を取られ、完全に失念してしまった。――昨日、士道は、先月と同じように、十香を庇ってくれた。また、凶弾に倒れる可能性があったにも拘わらず。十香は、胸元のあたりを手で押さえながら、ごくんと唾液を飲み込んだ。

 

「......っ、私は――」

 

十香はうめくようにのどを震わせ。そして、バッとその場から立ち上がる。

 

「.....十香?」

 

「すまん、今日の買い物、後日に回してもらうことはできないか?」

 

十香は、唇を噛みしめてから再び声を発した。

 

「.....シドーに、謝らねばならん」

 

令音はあごに手をあててから、小さくうなずいた。

 

「......行きたまえ」

 

「感謝する」

 

十香は短く言うと、ファミレスの扉を抜けて傘を手に取り、雨の街を走っていった。

 

「.....さて、十香の方は一件落着だが.....君はどうするのかね...白刃」

 

令音は前の席にいる白刃に向き直り口を動かす。

 

「....私はライガに抱いたこの感情が知りたい...だけど、わからないの」

 

白刃は声を震わせて唇を動かす。

 

「別にライガ誰と話そうが私がとやかく言う権利がないし、それは自由よ。なのに鳶一とライガが一緒にいる時が一番幸せそうだった。それを見るとなんでか落ち着けなくなって胸が締め付けられるように痛くなるの.....」

 

「.....ほう」

 

「私が気づいた時には....鳶一に殺意を向けていた。それに....鳶一がライガと話していると何かを奪われるてっ感じになって......もう、頭がぐちゃぐちゃになってどうしようもないくらいに、寂しくて、怖かった。......もう自分でも意味がわからなくなっていつの間にかライガに当たってしまったの」

白刃は心を落ち着かせるために大きく息を吐く。

 

「やっぱり.....私。どこかおかしいのかな」

 

「....白刃、それはおかしくなどないさ。それも十香と同じく健康的な感情さ」

 

「そう....なの?」

 

「.....ああ。心配することはない。だが――白刃。君は少し誤解をしている」

 

「え?」

 

「....確かにライは君の事も大切にしている。だが、彼にも白刃。君と同じく大切な人がいる、それが鳶一折紙さ」

 

「――私と同じで....大切な...人」

 

「....ああ。君を蔑ろしてる訳でもないし君の事もちゃんと大切にしているさ」

 

令音が視線だけ機器の方に向き言ってくる。

 

「っ、ほ、本当?」

 

「.....本当さ」

 

「...だけどライガは.....」

 

「....君の事が大切に思っていなければ、自らの命を顧みず危険に晒してまで君を助けはしないと思うがね」

 

「――!」

 

何で気付かなかったのだろう。胸に渦巻くわけのわからない感情に気を取られて忘れていた。

――昨日、雷牙は先月のように白刃を助けてくれた。また、氷の銃弾に倒れる可能性があったにも拘わらず。

 

「.....っ、馬鹿だな.....私」

 

なんて、馬鹿なんだろう。

白刃はうめくようにのどを震わせると、飲み物を全て飲み干し。そして、バッとその場から立ち上がる。

 

「....行くのかね?」

 

「ええ、ごめんなさい。今日の買い物はまた後日お願い」

 

白刃は、唇を噛み締めてから再び声を発する。

 

「.....ライガに、聞きたい事が出来たから」

 

令音は小さくうなずいた。

 

「.....ああ行きたまえ」

 

「ありがとう」

 

白刃は短く言うと、ファミレスの扉を抜けて傘を手に取り、雨の街を全力で走っていった。

 

 

「....まぁ、ジェラシーも、立派に恋のうちさ」

 

令音は呟きながら、端末を閉じる。

 

「.....ただ、二人とも気をつけたまえよ。恋はきっと、世界を殺す感情だ」

 

そして、突然十香の注文したハイカロリーな料理が来たかと思いきやすぐにテーブルに並べられ令音はどうやって対応すればいいのか少し困ったのだった。

 

 

燃えている街が、家が全て灰や炭と化す。それを雷牙は見ていたがそれよりも目の前に印象的な姿をした者が空にいた。

 

『(こいつが父さんと母さんを....殺す絶対殺してやる。悪魔に魂を売ったとしても例え地獄に落ちたとしても!)』

 

彼にとって目の前にいるそれはまるで天使のようだった。だが、それは自分の家族を殺した元凶だったのだ。

そして彼は家族を殺した天使だけを狩る悪魔になるのだった。例えそれを邪魔する奴が親友だろうと知り合いだろうと身内だろうとも――

 

 

「......ん」

 

雷牙の意識は覚醒し、目をゆっくりと開け体を起こす。

 

「――ソファーで寝てたのか....」

 

雷牙は頭を抑えながら言う。

 

「もうこの(悪夢)を見るのは何度目なんだろうな.....」

 

雷牙は大きくため息を吐くと、リビングの扉がガチャリという音を立てながら開く。すると、その向こうから白刃が現れた。

 

「あ、戻ったのか。お帰り」

 

「うん。ただいま」

 

雷牙は白刃にお帰りを言うと白刃も普通に返してきた。そしてその会話からすぐに静かになった。雷牙はそれから何も言わなかったが、何か話そうと思って白刃に声を掛けようとすると――

 

「ねぇ...ライガ」

 

白刃が声を発する。でも彼女の方を見るととても真剣な表情をしていた。雷牙はそれを重大な事だと思い真剣な顔になり体を白刃の方へ向き唇を動かす。

 

「どした?」

 

「聞きたい事があるの――」

 

謎の緊張感が襲い雷牙は唾液を飲み込む。

 

「ライガと鳶一は本当に幼馴染の関係?」

 

「んだよ、そんな話か?前にも言ったけど俺と折紙はただの幼馴「そういうことじゃない」――どうゆう意味だ?」

 

白刃の話を流そうと思ったが彼女の言葉に反応してしまい少しドスのある声で発してしまったけど、白刃はそれに微動だにせず口を開く。

 

「ずっと気になってた。ライガは私と鳶一以外にあんな嬉しそうな笑顔はしない。だけど、私より鳶一といるとそれより幸せそうな表情になる。これは、幼馴染に向ける仕草?」

 

「.......」

 

雷牙は無言になり顎を手で抑えるような体制で何かを考えていた。と、折れたのかため息を吐くと真剣な声音で声を発する。

 

「.....はいはい分かった、分かりましたよ。話せばいいんだろ?話せば...ちゃんと聞けよ?」

 

「うん。分かった」

 

白刃小さくうなずき雷牙の隣に座る。雷牙は心を落ち着かせるために大きく息を吐くと、ゆっくり口を開く。

 

「――何で俺と折紙があんなに親しいのかだったよな?まぁ、簡単に言っちゃえば...俺と折紙は家族(・・)だったんだ」

 

「家族?」

 

白刃が言うと雷牙は小さくうなずくと再び唇を動かす。

 

むかーしむかーしあるところに男の子がいました。

ですが、その男の子はまだ5歳の時に本当の母親に捨てられました。理由もなしにいきなり捨てられ男の子は困惑しましたが、それよりもその母親の言葉により男の子は絶望しました。

なんせ実の母親に『お前は私の子供じゃない』と言われたからです。そして男の子は途方に暮れてどこかの電柱に体育座りしてて、ぼうっと空を見て何時間も見ていました。

そして――1日経ったある日。目の前に白い髪をした女の子が家族と一緒にいて心配して弱々しい少年に話し掛けて来ました。少年は意識がなかったからあまり覚えていませんでしたが、彼はもう全てに絶望して生きる意味も見失ってしまって今死んでもいいと思って家族にその事を言ってしまいます。ですが、その家族が発言した言葉は――「なら、私達が君の家族になろう。だから、家に来ないかい?」と少年が思っていた事と違っていたからです。そこで初めて少年は鳶一家に引き取られたました。ですが、引き取られていても未だに心に穴を開けて世界に絶望していた少年は生きる意味を見失っていました。そして、ただひたすらに過ぎていく日々の日常が続くだけでした。だが――少年の前に1人の少女が現れ、少女が少年の心にぽっかり空いた穴を何日もかけて埋めてくれました。ふと少年は彼女の行動に疑問を覚えました。何故――赤の他人であって仮の家族の自分にそんなに構ってくるのか、何故色んな事を教えてくれるのか少年はいてもたってもいられず、彼女に聞きました。すると彼女は目を大きく見開きますが、すぐに笑顔になって少年の両手を包み込みこう言います。「何であなたにそんなに構うのか、それはあなたが私の家族だからだよ。例え、赤の他人だとしても引き取られたらもう家族同然だよ。だから、私はあなたの家族であって、友達でもあるの。実は私、女の子のお友達は沢山いるんだけど、男の子の友達が全然いなくて....男の人と話すことはお父さんしかいなくてさ、だから私お父さん以外の男の人と初めて話すの!だから、私と初めての男の子の友達になって下さい!」その時少年は胸に空いた穴が再び塞がれていく事が分かりそして、心に暖かい温もりが伝わっていくと感じました。世界に絶望した少年は無邪気な少女に救われました。ですが――その幸せな日々はあまりにも長くは続かなかったのです。

 

と。

 

「ねぇライガ、その少女って....」

 

白刃が先程話していた白い髪をした少女が気になったのか雷牙に質問をする。すると雷牙はフッと鼻を鳴らし口を動かす。

 

「まぁお前の想像通りだよ。今ではあんな無表情で人形みたいなやつになっちまったけど、昔は凄く女の子らしくて、気を使える普通の女の子だったんだ。まぁ、詳しく事はまた話してやる。――話を戻すぞ」

 

雷牙は白刃の質問に答え再び過去の続きを話すため唇を動かした。

 

少女の――否。鳶一家に引き取られて一緒に暮らしてから初めて家族の暖かみを知れた男の子俺はもう一度生きる意味を見出し自分なりに日常を謳歌していましたが――その幸せは長くは続かなかったのです。その7年後の天宮市に大火災が起こり、その時彼は日々、家の手伝いで貯めて貯金したお金でいつもお世話になっている家族にプレゼントを買いに行っていたのです。ですが、彼はその焼かれる街を見てすぐさま家族の安否を確認しようと走りだした。たけど、もう家に着く頃には、既に家も焼け焦げていて両親は跡形もなく灰になっていた。いや、灰になったのではなく消されていたのだ。残ったのは彼と現状理解が出来ていないのか、ぺたりと座っている彼を救ってくれた少女だけだった。それで、彼は何か視線を感じると思い、上空に視線を向けたら空に白い天使がいたんだ。その時はまだ精霊だという事は分からなかった。だが、鳶一家の両親を殺したのはコイツだって事は今の状況でもすぐに確信した。そこからだった。彼と彼女の運命の歯車が動き出し、そして少女の性格が変わったのは。彼女は両親を殺した天使に復讐するため、怒りだけ以外の感情を全て彼とそこに居合わせたもう1人の誰かに預けた。彼はそれを渋々了承した。ですが、彼もまた。あの天使に復讐するために少女と一緒に復讐に身を投じるのでした。

 

お終い。

 

雷牙が話を終わると息を吐きながらソファーにだらーんと力を抜いて壮大に寄りかかる。すると言い忘れてたのか、それを聞いていた白刃に言う。

 

「そしてこれが今の俺達の出来上がりだ。だから俺があんなに折紙と親しいのはそんな理由な訳で後は少しでもいいから笑って欲しかったからかな?」

 

雷牙は少し悲しそうな表情をしたがすぐに笑って白刃に体を向ける。

 

「はい!これで俺の過去についての話は終わり!つまんねぇだろ?壮大に笑ってくれ」

 

雷牙は明るく言うが白刃は何故かずっと無言のままだった。

 

「さて、そろそろ腹減ったろ?飯にしよ――」

 

場を明るくしようとするが突如白刃が雷牙の方に向かってくると、雷牙を自分自身の胸に抱きしめた。

 

「ええ!?し、白刃...さん?これはその....何をしてらっしゃるんですかね?」

 

「ライガごめんなさいあんなに強く当たってしまって、あなたは良く頑張ってるよ.....」

 

というと白刃は謝罪と一緒にギュッと少し力を入れて雷牙を抱きしめる。

 

「いや、もうあの事は気にしてないよ過ぎたことだしな.....それより俺がやってることなんて小さなことで自分の自己満足なんだし...頑張ってるに入らないと思うけど.....」

 

「それでも私は貴方を尊敬する。私だったらもうそこで諦めてるよ.....だから本当に――」

 

 

良く頑張ったね。

 

 

「!?」

 

その時雷牙の中であの時以来今まで封じられていた感情が解かれたような気がした。

 

「ごめん。白刃、しばらくこのままでいいかな?」

 

「うん、いいよ。私は何度でも胸を貸すよ」

 

雷牙は顔を白刃の胸に俯きながら力を強く白刃を抱き締めていたのだった。

 

 

「すまん。恥ずかしい所を見せちまったな....」

 

頬をポリポリかいてから雷牙は恥ずかしそうに白刃から顔を背ける。

 

「いいよ。私はライガのためにやったんだから気にしないで」

 

白刃は恥ずかしがらずに平然と述べる。それを見た雷牙はさっきよりも恥ずかしく感じてしまったが彼女の真剣さに笑ってしまった。

 

「ぷっふふ、ははは!」

 

「な、何で笑うの!」

 

白刃は雷牙の笑いが少々気に触ったのか頬をプクーと膨らませて言う。

 

「いや別にただ俺もお前に色々救われてるんだなって思ってつい嬉しくてさ。まぁ気にすんな」

 

そう言うと雷牙は白刃の前にきて頭を撫でる。するとさっきまで怒ってた白刃が今度は幸せそうな感じで目を丸くしてただ雷牙の撫でを受けていた。こうして見るとまるで猫みたいで可愛らしい。そう思う雷牙であった。

 

と。

 

「――ライガ」

 

白刃が悲しい声で雷牙を呼ぶ。

 

「どした?やっぱ撫で方悪かったか?」

 

「いや、そうじゃないんだけど.....」

 

白刃の言葉に首を横に曲げてキョトンとする雷牙だが、その次に白刃が言いにくそうな表情で言う。

 

「え、えっと....さっきの家族を殺した精霊の話なんだけど、ライガは本当に殺すの?」

 

白刃はか細い声で話す。それもそう。彼女だって精霊だ。今は霊力を封印されてはいるが、両親を殺した天使も白刃と同じ精霊だ。それは変わらないよって、雷牙がやることはいわゆる彼女の仲間を殺す事。つまり白刃と一緒の存在を1つ消す。という事になる。彼女も気が進まないのか、対応次第で何かを言ってきそうな体制をとっていた。だが、雷牙の意思は変わらない、変われない。だって――あの日(・・・)に彼女に約束したのだ。絶対あの天使をこの手で殺すのだと。そして雷牙は素直に冷徹に言葉を吐く。

 

「――殺すよ。絶対に、確実に完膚なきまで。例えそれを邪魔をするやつが身内だとしても俺は手加減は出来ない。せめて骨は折らせて戦闘不能にはさせてもらうつもりだ――「だったら!」だけど!」

 

言葉に入り込んできた白刃静止させる。白刃それについて分からなかったが静かに聞いた。そして再び雷牙は、息を少し吐いて唇を動かす。

 

「俺はなるべくは殺さない(・・・・)何故なら最後はアイツ(折紙)が殺るからだ。だが、俺は殺しても何も残らないと思う、だからその精霊に罪を償ってもらうつもりだ。死んだ両親もそれを望んでると俺は思うからな」

 

明らかに矛盾してる。これを聞いている人が常識人だったら何言ってんだコイツと思われても当然だ。雷牙の言葉は所々穴だらけで、とても説得力に欠けていると思うのも目に見えている。それを目の前で聞いた白刃は静かに彼の話を聞いていた。雷牙は息を大きく吸って口を動かす。

 

「矛盾してるってのは分かってる。だがこれが今唯一出せる俺の――答え(意思)だ!」

 

「.........」

 

場が静かになる。すると白刃が雷牙の前に来て右手を雷牙の胸にポフッと拳を当てると白刃が唇を動かす。

 

「私はライガの剣。貴方を護れるならこの身、全て捧げます――だから...私はあなたの意思(答え)に尊重します。例え誰にそれを否定されて戯言を向けられたら私が全て切ります。だから私は貴方をけして否定しません寧ろもっと貴方を称えます」

 

白刃は自分なりに真剣に答えを出したのだろう。それなら雷牙も出そう。だって――もう引き返せないし引き返したくないのだから。それなら後ろを見るより前を見ていればいい。

 

「――ありがとう白刃。俺とお前は一心同体(相棒)だ、もし挫ける事がお前が俺を支えてくれ。逆の立場になったとしても俺がお前の背中を押す――俺が白刃を白刃が俺をそれで最強だ。これからもよろしくな白刃」

 

「うん。私もライガを絶対守ってみせる。約束する」

 

2人はお互いに拳をコツと音を立てながらニコッと笑う。

 

「さて、そろそろ腹減ったし飯でも作るか!白刃、今日のメニューは何がいい?」

 

「.....親子丼かな?」

 

「OK親子丼ね。少し待ってろよ〜すぐ作るからな」

 

「うん。楽しみにしてて待ってる」

 

その夕飯を作り出そうとした同時に雷牙の携帯から一通のメールが届いた。メールの送信主とその内容を見てみるとそこには驚きものの内容が書き込まれていた。雷牙は少しその内容を見たが今返信しなくとても後ですればいいと判断し、すぐに携帯の電源を落としポケットに入れ夕飯を準備するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうもバルクスです。
やっぱダメでした申し訳ない。<(_ _)>やはり自分の文力と表現力が無さすぎて長く書いてしまいました。それと、何回も言いますが四糸乃パペット編はどうも描きにくくて投稿が遅れる原因でもあり、展開が難しくてモチベが下がる部類に入るのです。まぁ、そこを何とかするのが自分の課題なんですけどねwそこは暖かい目で見てくれるとお願いします。┏○ペコッ
さて、次回は本当に四糸乃パペット編は最後になります!では、次回の投稿でお会いしましょう!

第11話 : 絶対零度

貯め書きして、ある程度たまったら投稿した方がいいか?

  • そうしよう。
  • しなくてもいいです。
  • どっちでもいい。
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