デート・ア・ライブ 雷蒼の物語   作:バルクス

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はーい(。・ω・)ノバルクスですよ〜

更新遅くなりました。今回で四糸乃パペット編が最後ですので長く書いてしまった。(早く終わらせたから)

因みに今回、雷牙君は完全に空気でその代わりに白刃ちゃんが活躍しますよ〜!
ではどうぞー!(っ´∀`)っ


第11話: 絶対零度

「....何でパシリにされてんだ俺」

 

直線上に続いている歩道を雷牙は気怠そうに歩いていた。何故雷牙が外に出ているとかいうと、数日前。白刃に夕飯を作ろうとしたら突如折紙からメールが届いたのだ。その内容を見てみると、こう書かれていた。

 

『数日後。私の家にこの物を届けてもらえると嬉しい。』

 

と、打たれていて。その下にはその材料の詳細と写真も送られていた

 

最初は栄養ドリンクの何かと思ったがよくよく見てみるとどれも高級性欲剤ものばかりだった。雷牙も正直引いた。正直、「だったら自分で買いに行け」と内心では言っていた。しかしまぁこれも幼馴染の頼みなのだからと困ったらお互い様なので雷牙は仕方なく了承した。だが――

 

「マジでこれ買うの恥ずかしいんだよなぁ....」

 

これ(性欲剤)を大量に買うということはそれを売っている店員さんから有り得ないみたいな顔をしながら見てきたり。他には、道端で子供を連れている親御さんに見られそうになる。よく分からない緊張感のせいで雷牙は折紙の家に着く前から既に精神的にキツかった。近くに穴があったらすぐに入りたいと願いたがったが、流石にこの近くには無いことは既に分かりきっていた。今更何でこんなのをOKしたのか今もの凄く後悔した。あと一つ一つの値段高いし......

 

「まぁ、今更後悔しても遅いよな。買っちまったんもんは買っちまったんだし......」

 

しかし――雷牙は道中歩きながらこれ(性欲剤)を誰に使うんだと考えてみる。と、雷牙の脳裏に1人の男子が思い浮かぶ。

 

士道だった。

折紙の中で1番親しいのは俺と士道だ。時々ふと思う。折紙は何故そこまで士道に執着するのか本当に謎だ。雷牙の説だと昔何処かで会ったか、それとも他人の空似か、それ以上は分からない。

と。深く考え過ぎてて忘れていたが、もう目的地に到着して足を止めた。今雷牙の目の前には純白のマンションが立っている。折紙の家だ。

 

「ほんと相変わらず何も変哲もない白いマンションだなぁ」

 

 

雷牙はそんな一言をいうと再び足を前に出して歩きだすと、ポケットから折紙から貰った合鍵でなんも躊躇なく自動ドアを開け、そのままエレベーターに乗って、6階まで上がり、折紙が住んでいる部屋番号の前に到着した。

 

「そういや、ここに来るのも高校1年の時、以来だっけか....」

 

雷牙は懐かしむように独り言を呟く。彼は以前此処に来たのが高校を入って間もない頃にカロリーメイトやそんな栄養ドリンクしか食さなかった折紙の健康に心配した雷牙が彼女の家で夕飯を作りに来たのだ。折紙は「必要ない」とは言ったが、雷牙の粘り強さで折紙は折れて彼女の家に入れた。その後は少し折紙に「確かに、栄養満点ですぐ食べ終わる食べ物はいいけど...たまにはゆっくりして食べれる食べ物を作れよ?」と注意したが.....それ以来雷牙は彼女の家に行っていない。まぁ今日はそれをついでに確認するために来たようなもんだから一石二鳥というものだ。そして雷牙は深呼吸してから、呼び鈴を鳴らした。

 

ピーンポーン

 

「折紙ー入るぞ〜」

 

――反応がなかった。仕方ないので彼女から貰った合鍵を使い、ドアを開けた。すると玄関の靴脱ぎ場に折紙以外の靴が並べられていた。

 

「お客なんて珍しいな」

 

雷牙は気になったがまぁASTの知り合いが来ているとそう思い靴を脱ぎ丁寧に並べて、リビングがある扉を開けた.....のだが――

 

「折紙ーお前から頼まれていたもん買ってきてやったぞ――」

 

雷牙は目の前の光景に足を止めてしまい。口もポカーンと開けながら思考が停止しかけたが、それはすぐに復旧して口を開く。

 

「......お前ら何してんの?」

 

そこには仰向けに倒れている士道の上に紺色のメイド服を着た折紙が跨っていた。

 

 

時は数分前。

 

「.......っ!?と、鳶一!?」

 

「なに」

 

まるで士道の方がおかしいとでも言うように、折紙が平然とした調子で返してくる。

 

何故士道がここにいるかというと、<ハーミット>が身に付けていた『パペット』が折紙の家にあるのが判明し、回収に向かったのだが、折紙の手厚い御奉仕?をされ。仰向けにされた士道は折紙に腹の辺りを跨がれ、マウントポジションを取るような格好で覆い被さってきて今に至る。

 

「い、いや、おまえ何を.....」

 

「だめ?」

 

「だ、駄目だ.....と思う」

 

士道は頭が沸騰しそうになるのをどうにか抑えながら、なんとか言葉を発した。折紙のほどよい重量とか、女の子特優賃のいい匂いとか、柔らかい感触とか、メイド服の衣擦れとか、そんなものが全て頭の中でぐるぐる交ざってヤバイ。少しでも気を抜いたなら、士道は即座にリバースカードをオープンしてしまいそうだった。

 

「そう」

 

折紙はそう言うと、ぱちりと瞬きをした。

 

「では、交換条件」

 

「は......?」

 

「ここから退くかわりに、私の要求を1つ無条件で呑んで欲しい」

 

「な、なんだ.....?」

 

ごくりと唾液を飲み下してから、問う。

すると折紙は、珍しく逡巡のような間をおいてから、小さな声で言ってきた。

 

「あなたは、夜刀神十香の事を十香と呼ぶ」

 

「え......?ああ....そ、そうだな」

 

士道は、小さく頷いた。確かにその通りである。

いや、そもそも『十香』という名を付けたのは士道なのだから、当然である。苗字は、戸籍を偽造する際に令音が付けたものという話だ。

 

「けれどあなたは、私のことを鳶一と呼ぶ」

 

「あ、ああ....」

 

「これは非常に不平等」

 

「へ........?や、えと....」

 

「私のことを折紙と呼んで欲しい」

 

「え......と」

 

「だめ?」

 

折紙が行ってくる。それはいつも通り抑揚のない声音だったのだけれど――少しだけ、不安そうな響きを孕んでいるような気がした。

 

「や......それは、駄目じゃない、と.....思う」

 

「そう」

 

「......」

 

「......」

 

またしばし、沈黙が流れる。

 

と――

 

「折紙ーお前から頼まれていたもん買ってきてやったぞ――」

 

玄関に続いている扉が開かれると士道が知っている声が聞こえて姿を現す。だがその彼は今の光景に情報処理が追いつかないのか扉を開けっぱにしながら止まっていた。するとすぐに今の現状を理解したのか彼は口を開く。

 

「......お前ら何してんの?」

 

そう。彼とは士道と同じ精霊の力を封印をする能力を持っていて折紙と同じASTに所属している雷蒼雷牙だったのだ。

 

 

「.....んで、要約すると――跨るのを止めて、退く変わりに苗字呼びとフルネーム呼びからお互い下の名前で呼び合う事になったという事か?」

 

「だいたい合っている」

 

「あ、ああ....」

 

たくっ......今日は厄日なんじゃないかと思う。折紙の家に来てみれば早々リビングで(士道が折紙に)襲われているんだからなそんな光景をまじかに見る幼馴染の気持ちも分かってほしいものだ。まぁ...それは置いといて、ちょっと士道と話したい事があるので雷牙は口を開く。

 

「あ〜折紙。汗もかいていると思うしシャワー浴びてこいよ」

 

「何故?別に少しだけの汗ならば問題はない」

 

やはり素直に行ってくれそうにはなかった。逆に雷牙の言葉で警戒が少し強くなるように感じた。だが、ここで雷牙も引く訳にはいかないので仕方なく切り札(小さな犠牲)を使う。雷牙は折紙の方に近づいて耳元で唇を動かす。

 

「ここだけの話だ。士道はな、少しの汗だけでも臭いが分かっちまうだよ。んで、ここでシャワーを浴びとけば逆に士道が襲って来るかもしれないぜ?」

 

「......」

 

いつも通りに折紙は真顔だがその顔は真剣に考えるように見えた。すると答えが決まったのか折紙は首肯したのち立ち上がり風呂場が方面へ向かった。

 

「ふぅ行ったか。さて士道、手短に話そう。何で折紙の家に来たんだ?」

 

「あー....それはだな」

 

士道は状況を簡単に説明した。

 

「....なるほどな。んじゃこの家の何処かに<ハーミット>の私物があるってわけか」

 

「ああ。そうだ」

 

話を聞いた雷牙は肩を組みながら折紙が何処に<ハーミット>の私物を置いたか考えると、思い付いたのか雷牙は口を開く。

 

「士道。悪魔で予想だが、その『パペット』は多分折紙の寝室にあると思う」

 

「本当か!?」

 

「いや、これはあくまで俺の予想だ。だが、断言は出来る。まぁ、早く調べてきな」

 

士道は頷いたが、少し疑問が残ったので雷牙に質問をする。

 

「なぁ。雷牙は一緒に探してくれないのか?」

 

「俺はこれから白刃と予定があるのでね、パスするわ」

 

「いや、少しぐらい手伝ってくれてもいいじゃねぇか」

 

士道は1人では不安なのか、雷牙にも手伝ってほしかったようだ。だが、雷牙はあえてそれを断る。だって幼馴染の部屋だよ?まぁ、確かに探してやりたい気持ちもあるけど、流石に折紙もれっきとした女の子だ。見られたくないものもあるんだそんなやすやす俺が入ったら殺されるに決まってる(多分ないけど)。内心ではそう言ってすぐ心の中にしまう。士道は納得がいかないようだった。

仕方ない――少し喝を入れてやるか。

 

「士道。その<ハーミット>はお前が探してくれることを信じているんだ。お前が見つけてくれればその子も嬉しいだろ」

 

「だけど....」

 

これでも不満なのかよ...まぁいいか。雷牙は士道の肩をポンポンと叩く。

 

「そんな顔すんなよ、兎は知らない人が近づくと逃げていくんだ。俺じゃ役不足だし俺と<ハーミット>はあの日以来接点がない。ならお前が適任だ。救うんだろ?」

 

雷牙はそう言うと士道は納得したのかさっきよりも表情が良くなり。頷いた。

 

「ああ!俺がかならず四糸乃救って、幸せな生活を送らせてやるんだ。」

 

決意が決まったようだ。雷牙はふっ、と鼻で笑い左手の拳を士道の胸に向ける。

 

「その意気だ。頑張れよ士道」

 

「おう!サンキューな雷牙」

 

士道も右手の拳を雷牙の左拳に向けて、2人はその拳を互いにぶつけコツンという音を鳴らした。

 

「んじゃ俺はそろそろおいとまするわまたな」

 

「ああ。またな雷牙!」

 

士道の言葉を最後に雷牙は折紙の家を後にした。

 

「士道。お前なら折紙を救って(・・・)くれるのかもな.....」

 

雷牙は来た道を歩きながら無意識にぽつりと寂しそうな声を発していた。そんな人気のない道を歩く中数分。

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ―――

 

突如天宮市に空間震警報が鳴り響く。

市内はすぐに緊張に変わり避難が始まった。

 

「......上手くやってくれよ士道。今回は全てお前に掛かってるんだからな」

 

雷牙は今回。何も出来ない自分の無力さに駆られ右拳をギュッと握りながら唇を動かすのだった。

 

 

「ん.....」

 

肌寒さを感じた白刃は自分の部屋のベットに横たわっている体を起こして、窓を見る。だが、それはいつも見ている景色とは違っていた。

 

「これは一体.......」

 

外はとても強い雨と結露に支配され、家や雑貨店、高層ビルは氷が貼られ、凍らされていた。だが、雷牙の家も例外ではなかった。少しながら窓に結露がなっていたのでいずれここも凍らされるのだろう。

 

「ライガ.....」

 

白刃は彼の名を口にする。今から1時間前、雷牙は鳶一家にある物を届けに行くと言って、家を出たのだが、そろそろ帰って来る時間のハズなのにいつまでも帰ってこなかったのだ。白刃の心の中は不安に満ちていた。

 

「探しに行かなきゃ....」

 

白刃はそう言うと勢いよく扉を開け、雷牙を探すべく家を後にした。しかし、彼女は気づかなかった。自分の服装が白い膜で覆われていた事に。

 

 

ビルの屋上で雷牙は今回の原因を遠くで眺めていた。

 

「やっぱり<ハーミット>の天使だったか.....」

 

その奥で動いている大きな影は<ハーミット>が出した天使。<氷結傀儡>形は大きな兎の人形だが、天使の威力は殺傷力も致命傷も与えることが出来る氷の弾やブレスを放つ。それを並の人間が食らったら1発で死ぬだろう。しかし、つい先程ASTの隊員達が<ハーミット>に攻撃を仕掛けていたが、<ハーミット>の天使を顕現した瞬間。天使がAST隊員にブレスを放ち、随意領域(テリトリー)ごと凍らせ戦闘不能にさせていた。一撃を入れたら<ハーミット>はそのまま凄まじいスピードで滑るように逃げっていった。それを見たAST隊員達はすぐさまCR-ユニットのスラスターを吹かせ後を追った。

 

「――これはちょっとマズイな......」

 

その様子を見ていた雷牙は唸った。それもそうだ。今雷牙に出来ることは何1つ無く、1つ言うならただひたすら傍観することしかなかった。

 

「クソ.....何もないのかよ.....」

 

雷牙は今自分の無力さに嫌気がして右拳に力が入り爪が手の裏にくい込んでそこから血がぽたぽたと流れ、雨に濡れた地面に紅いシミを付ける事になった。

 

「早く来いよ.....士道!」

 

そう愚痴を言った瞬間。とある建物の屋上から喉がはち切れそうな大声が響いてきた。

 

「――四糸乃ぉぉぉぉぉぉぉッ!」

 

その声に天使を具現した<ハーミット>の動きがピクッと止まり。声がした方面に向いたのだ。その方面にいたのは士道だ。

 

「たくっ遅せぇよ王子様(ロリコン)

 

雷牙はやっと来た士道にため息を吐きながらこれで終わると思い安心した。だが、それはすぐに崩れる。士道が肩がけバックから<ハーミット>の大切な私物。『パペット』を見せようとした瞬間。士道の後方から光線のようなものが通り過ぎ、<ハーミット>の肩口と頬のあたりを掠め、後ろへ抜けていった。これにも士道と雷牙も驚きその光線を放ってきた方をバッと振り向くとそこには、仰々しい装備に身を包んだ折紙が、殺意を向けながら巨大な砲門を掲げながらASTの部隊達も浮遊していた。士道も気づいたのか彼女の名前を呼ぶが、その状況も今は惜しいのだ。刹那――<ハーミット>が、叫びを上げながら臨戦態勢に入り周囲の空気を吸って、先程のブレスより強力なものを放とうとしていた。士道は<氷結傀儡>の、凄まじい威圧に気圧されて尻餅をついてしまって動けずにいた。

 

「まずい!――士道!?」

 

雷牙は今の状況に焦り、屋上の手すりを掴んで助けに行こうとした。だが、雷牙自身も分かっていた。今回自分は何も出来ないという事を。けど例え足でまといになろうとも、目の前で友達や身内が死ぬのは許容出来なかった。だってそれはあの時両親を助けられなかった(・・・・・・・・・・・・・・)時と同じだ。

 

「(――だから頼む。士道を....俺の友達を助けさせてくれ!)」

 

死なせたくないんだ。もう誰かが死ぬのは見てられない!雷牙はその勢いで、士道の方に届くはずもない左手を伸ばす。そして――<ハーミット>が時間切れの合図かのように、士道にブレスを撃ったのだ。しかしそれは士道に直撃しなかった。何故なら――

 

「――!?あ、あれは.....十香の!」

 

雷牙は目を見開きながら声を発する。

 

先程のブレスは突如出現した玉座に防がれ士道は助かった。あれは間違いない。それは、夜色の髪を靡かせる少女。十香の天使。<鏖殺公>だった。すると、ブレスを放った<ハーミット>がその場から逃げるように移動した。再び士道の方に視線を戻すと霊装を纏った十香がいた。だが、その霊装は先月見た鎧みたいなものではなく来禅高校の制服に薄紫の膜を足した感じの姿だった。

 

「精神状態が不安定だから霊力が逆流したのか」

 

つい先日令音から霊力の逆流について説明はされたが、やはり霊力は微かしか戻ってなく一時的なものなのだろう。例えるなら少し防御力が上がった鎧と言える。雷牙は冷静に分析していると――

 

 

「ライガ!」

 

後ろから綺麗な可愛らしい声音が響き後ろを振り向くとそこには白刃がいた。だがその姿は先程家を出る前とは違っていたのだ。それは少々十香と異なるが列記とした霊装であり、所々Yシャツの襟や袖に白い膜が纏っていて白のロングスカートは全て白の膜で形成された形になっていた。

帰りが遅いから心配で家を飛び出したのだろう。雷牙は白刃が来たことに驚き声を挙げる。

 

「白刃!?おま、何でこんな所に?」

 

「帰りが遅かったから心配して飛び出してきたの。それで、この状況を見たらいても立ってもいられなくて......」

 

――あぁ。そんな事を言われるなんて何時ぶりだろうか。こうやって人に心配されるなんて......あの日から二度とないと思っていた。だがどうして心配されるだけで心がこんなにも暖かくなるんだ?やっぱり、俺は彼女の事が大切なんだな。だが、悪い気はしない――寧ろ穏やかな気分だ。

 

 

「ライガ?」

 

白刃はさっきから一言も喋らない雷牙に近くで声を掛ける。すると、雷牙はハッ!と反応して少し後ろを下がり口を開く。

 

「――!?ど、どした?」

 

「?どうしたも何も、さっきから動かないし一言も喋らなかったから.....大丈夫?」

 

それを聞いた雷牙は左手で頭を抑えて白刃から聞こえない程度の声で「見蕩れてしまったのか......」と言いながら少し後悔した。だが、感傷に浸っている時間も今は惜しかった。早くしなければ<ハーミット>がASTに殺られてしまう可能性があるからだ。雷牙は即行動に移すため白刃に頼みを申し込んだ。

 

「白刃。頼みがある」

 

「......なに?」

 

何故かさっきまで穏やかな空気が一瞬にして緊張に変わる。雷牙は唾液をゴクリと喉を鳴らせて、口を開いた。

 

「......今俺には何もする事が出来ない。目の前でその悲痛で理不尽な光景を見ているだけの傍観者なんだ」

 

雷牙の言葉に白刃は表情を崩さず静かに聞く。

それは――彼の望みを、願いを叶えるためかのように。

雷牙は最後の一言が言い辛いのか唇を噛み締める。

だが、状況は一刻を争う。こんな所で躊躇してどうする?この数秒、数分で一体何人の仲間や精霊に傷を負わせず救える?んなもん迷うな。生涯一生の恥でもそれで仲間と精霊(折紙と<ハーミット>)が戦わずに済むのなら安い。

 

雷牙は勇気を振り絞って彼女に告げる(命令する)

 

「――白刃。俺の代わりに彼奴ら(AST)を撃退してくれ!」

 

雷牙は声を大きく響かせ強く眼を瞑り腰を曲げて白刃に懇願した。

表情は見えない。しかし、これが俺の唯一出来る最善の策だ!

 

「――ライガ。顔を上げて」

 

戦闘音の中一人凛とした声が雷牙の鼓膜に響き渡り、その声に彼は顔を上げた。すると突如。白刃は雷牙の顔を上げさせた瞬間、両手で彼の左手を自分の胸に抱き締めるように押し当てた。

 

「な、何を!?」

 

雷牙はあまりの大胆さに動揺したのか声を荒くするが、次の瞬間に白刃の言葉で元に戻る。

 

「前に言ったでしょライガ。私は貴方の(相棒)。貴方を護れるならこの身、全て捧げられるし......私は常に貴方の意志を尊重する。例え誰かにそれを否定されても戯言を吹き込まれても私が全て斬り伏せる。だから私は貴方をけして否定しない。寧ろもっと貴方を称えるって――」

 

「そう......だったな」

 

「貴方の願いを叶えるためなら何でもする。だから――私を存分に使って」

 

白刃は優しい声音で雷牙に問い掛ける。それもその言葉と表情には彼を信じているという、感情が伝わってきたのだ。

こうも言われればもう何も言うまい。なら――言うしかないだろ、彼女もそれを望んでいるんだからな。

 

「無事に帰って来いよ白刃。帰って来なかったら1週間シュークリーム食べるの禁止な」

 

「......分かった。無事に帰ってくるね」

 

白刃は眉を顰めるが渋々了承した。

すると、2人は片方の拳を前に出してコツンと音を鳴らし、後ろを向き、すぐさま行動を開始して動き出した。白刃はそのまま2mあるフェンスを軽々と飛び越え。十香達がいる場所へ向かった。

だが――雷牙はその後屋上から出ようとしたら突然体から浮遊感を襲い、姿を消した。

 

 

同時刻。

折紙率いるAST部隊は<ハーミット>を追い詰めることには成功したが、<ハーミット>が突如。周囲に凄まじい風が巻き起こり、刹那――あたりに降り注いでいた雨粒が雹のように氷結。<ハーミット>を覆うかのように渦巻いて吹雪の結界を形成した。だが、その策を破るように折紙が近くにあった事務所の建物を<ハーミット>が形成している結界に物量で押し潰そうとした。しかし、それを邪魔をするようにその建物が真っ二つに断ち分けられたのだ。それだけではなく。市街地から<ハーミット>とは違うもう1つの精霊反応が出現した。

瞬間――折紙の目の前に、夜色の髪を靡かせる少女。夜刀神十香がいた。

 

「ふん、防いだか」

 

「......っ、夜刀神――十香」

 

折紙はうめくように少女の名を呼ぶと、腰からレイザーブレイド<ノーペイン>を抜き、身体の所々にまばらな霊装を纏った十香に斬撃を放った。

 

「っと――」

 

十香はその一閃をかわすと、近くのビルの屋上のフェンス上に足を落ち着けた。

 

「なぜ、あなたがここに」

 

油断なく雨に濡れた前髪をかき上げるようにしながら、十香は不敵に笑ってみせた。

 

「――ふん、悪いが、シドーの邪魔はさせんぞ」

 

「......」

 

士道の名が出たことに疑問を覚えつつも、折紙はレイザーブレイドを握り直した。

 

『く――なんでここで<プリンセス>が。<ハーミット>を助けに来たっていうの?』

 

折紙の耳から忌々しげに燎子が言う。

そう。AAAランクの精霊――識別名・<プリンセス>。

目の前の少女からは、普段観測できない精霊の反応が、微弱ながら発せられていたのだ。

 

『――く、<ハーミット>はあとよ。総員、目標を<プリンセス>に変更!』

 

通信から燎子が叫ぶ。――妥当な判断だろう。

<ハーミット>を打つチャンスではあるが、そちらに集中している間に隙をついて<プリンセス>がこちらに仕掛けて斬って来る。それを受ければ随意領域(テリトリー)を展開していてもひとたまりもない。<ハーミット>の結界は厄介だが、距離さえ取っていれば積極的に攻撃を仕掛けてこない。今は後回しにして後から打つ。それだったら安全に討伐出来るからだ。

だが、その作戦は跡形もなく消え去った。何故なら右から斬撃がこちらに飛んできたからだ。

 

『――!?総員、上昇!回避!』

 

即座に気づいた燎子は班の仲間に指示を送り上に飛んだ。上空に飛んだ燎子は先程斬撃が飛んできた方向を向くとそこには、白い髪をした少女が立っていた。だが、その格好は普通ではなかった。良く目をこらして見るとそれは<プリンセス>とはデザインと色も異なるが白い膜を纏っており、スカート部分については白い膜がロングスカートの形になって靡かせていた。そして右手には白い刀を握っていた。

燎子は確信した。先月。4月に<プリンセス>と共に忽然と姿を消した精霊。識別名<ホワイト>が今目の前に現れたのだと。隊員も気づいたのか、<ホワイト>がいる方に顔を向きそれを見た瞬間。隊員達は慌てる様子を見せた。

 

『な、なんでこんな所に<ホワイトが!?』

 

『こっちは今<プリンセス>と<ハーミット>で手がいっぱいなのに!』

 

『ま、まさか<ホワイト>も<ハーミット>を助けに来たって言うの!?』

 

一気に士気が下がっていく。だが、引くわけにはいかない。なんせ、ここで引いてしまったらせっかくのチャンス(3体の精霊を倒せる)が遠のくだけだから。しかし、燎子も分かっていた、精霊一体でも厳しいのに2体の精霊が現れて、倒すとか馬鹿げてる。例えそれが実現出来たとしても何人の犠牲が出るのか分からないもしかしたら全滅だって有り得る。そんな無謀な作戦に仲間の命を捧ぐとか、隊長としても人間としてもダメだ。だからこそ燎子は1つの指示を隊員に通達する。

 

『全員――良く聞いて!目標と作戦を変更!目標。<ハーミット>から<プリンセス>と<ホワイト>に変更。作戦は......<プリンセス>と<ホワイト>の撃退!』

 

『『了解!!』』

 

燎子達率いるAST隊員は的確な指示により即座に全員が行動に移ったのだった。

しかし、ASTが結界からいなくなった瞬間に1人の中性的な男が左手に『パペット』を持ちながらその結界の中に入るともしらずに。

 

 

「どうにか......間に合ったのかな?」

 

白刃は<ハーミット>作った結界の外にAST要員達が固まっていたので、自身の天使。<天ノ白嵐(あまのしろかぜ)>で横に振って斬撃(空気)を作りASTの方面に放ったのだ。

ASTの隊長と思わしき人物はいち早く斬撃が来るのに気づき、周りにいる隊員達全員に指示をして、上空に飛んだ。

避けられはしたが、これも想定済み(・・・・)だ。刹那――

地上から空中に回避したAST隊員達に白刃は隙をついたかのように走りだし、そのまま十香がいる方に飛び。その建物のフェンスの上に足を着いた。

 

「大丈夫?十香」

 

「む、おぉ!白刃ではないか!何故ここにいるのだ?」

 

十香は一瞬。応援に駆けつけた新手ののAST隊員が来たと思ったがそんな事はなく。その優しい声音で気づいて白刃だと分かった。

 

「ライガの指示でここに来たの。まぁそれはこの戦闘が終わってからにしましょう――時間が惜しいわ」

 

「うむ。そうだな、まずはこのメカメカ団をシドーの方へ行かせぬ事が先決だな!」

 

「十香。鳶一の事は私に任せて、貴方は周囲にいるハエ(AST)達をお願い!」

 

「うむ!任された、白刃も無事に帰るのだぞ!」

 

2人の少女は自分の持っている天使を握り直し構える。そして――2人の少女は空中で固まっているAST隊員の方へ飛び出した。それに応えるかのようにASTの方も飛び出すのだった。

 

「.......っ、白風――白刃......」

 

折紙は白い髪を靡かせる少女の名前をうめくように呼ぶ。それもそうだ。今回は<ハーミット>だけを打つために出撃したと思いきや<プリンセス>と<ホワイト>の乱入。とても状況が有利から不利になった。折紙とってそれは関係なかった。例え精霊が何人束で掛かってきたとしてもそれを殺せるなら――命は惜しくなかった。しかし、折紙は少しながら躊躇いを感じていた。何故なら白刃は雷牙にとって大事な存在(・・・・・)だったのだ。彼女を殺せば雷牙はどうなってしまうのだろうか。折紙自身に恨みを買うのかそれとも―――

 

と、

 

「......ライガの事?」

 

「――!」

 

白刃がまるで折紙の心を読んだかのように声を発すると同時に刀を折紙の頭上に振るってきた。それを折紙は即座にレイザーブレイド<ノーペイン>を横にしてそれを防ぐ。

 

「大丈夫よ鳶一。ライガは私が切られても貴方を問い詰めたり責めはしないよ、だって私は雷牙の(相棒)なのだから」

 

白刃全て悟ったかのように上から目線で言う。それは折紙にとって憎たらしかった。それは雷牙の事を私より知っているような口調だったのだ。普段の彼女ならそんな挑発は乗らないのだが、彼の――雷牙の事を出されては怒りを露わにするしかなかった。

 

――気に食わない、彼女の言葉が。

 

「――な.....で....う...な」

 

「え?」

 

「彼を知ったような口で言うなァ!」

 

折紙は怒りに任せて受け止めていた刀を大きく弾いた。白刃は直ぐに折紙から距離を取ると、折紙が白刃に向かって口を開く。

 

「――何も知らない貴方に雷牙の何が分かるっていうの!ふざけないで!彼の事も分からないくせに、何も知らないくせに......彼の事を知った口でほざくなぁ!」

 

折紙はそのままブースターを吹かせ、白刃に向かって<ノーペイン>を振るう――だが、

 

「やっぱり、貴方はライガの家族だったんだね.....羨ましいよ」

 

白刃は剣先が触れる瞬間。後ろに回り込み、折紙の首筋に当て身を食らわせ気絶をさせる。気絶した折紙は白刃が近くにいたASTに投げ渡しされ回収された。

そこに一人取り残された白刃は上を見上げながら色が淀んだ雲を見ていた。

確かめたかった。どうして雷牙はそこまで折紙の事を大切に思っているのかを。先日、彼に自分の過去を聞かされた白刃はどうも不思議だったのだ。暗い過去話だったのに鳶一折紙の話になると途端。雷牙は楽しそうに話していたのだ。彼も無意識だったのか、表情が笑っていた。白刃といる時よりもずっと。いや、それよりの方が適当かもしれない。だからこそ、このタイミングで折紙がいた事は好機と見て折紙と接触した。少しカマをかけて見たが、それは予想以上で折紙の集中力を途切れさせたのだ。普段、人形のように感情を出さない彼女が彼の名前を出すと打って変わったかのように表情を変えたのだ。やはり――彼女も彼の事も士道と同等で大事なのだろう。白刃は鳶一折紙という少女を改めなければいけないと思った。

 

「少し、妬けちゃうな......」

 

白刃は自分の胸元をキュッと握りしめ誰もいない市街地で寂しそうな声を発した。すると、あんなにどんよりした雲から――太陽の光が注いできていた。

 

「――終わったんだね」

 

その一言を言うと、次の瞬間。白刃の身体から突然浮遊感を感じるのだった。

 

 

「あぁ.......」

 

雷牙は唸りながら、白刃と一緒に士道の家まで歩いていた。士道が<ハーミット>四糸乃を封印した日から、二日後。

何故雷牙がこんなにも死んだ魚の目をしているかと言うと、二日前。ビルの屋上から出ようとしたら突然身体から浮遊感を感じどこかに転移されたと思ったがそこは空中艦<フラクシナス>の中だった。どうやら雷牙がいたから回収されたらしい。まぁそれで司令(琴里)に『あんたが死んだら白刃や士道達も悲しくなるんだからあまり無茶なんてしたら駄目よ!わかった?』とこっぴどく叱られた事を良く覚えている。

 

「それで何人の人や精霊が救えるんだったら何度でも危険に飛び込んでやるさ」

 

雷牙は小声で独り言を呟く。と、

 

「ねぇライガ」

 

「どした白刃――」

 

ふと白刃が雷牙を呼び、雷牙その方に顔を向けると突如、唇から柔らかい感触が襲ってきたのだ。

 

「んっ」

 

「――!?」

 

意味が分からなかった。白刃がいきなりキスをするって誰が予想しただろうか?だが、雷牙は我に返ると、白刃から距離を取った。

 

「な、何すんだよ!」

 

「これでチャラ」

 

「へ?」

 

何の?と思って雷牙は返事を返そうと思ったが白刃が重ねるかのように雷牙の言葉を制止させる。けど、白刃は良く分からないが、顔を紅く染まっており、オマケに身体をモジモジしていた。一気に分からない、と雷牙は心の中で思った。

 

「そ、その......鳶一の事で私が貴方に強く当たってしまったから......そのお詫びというかそんな感じ.......だけど、これでチャラ!」

 

「お、おう......」

 

まぁ、別に嫌な訳ではないが、いきなりキスをするのは正直ビビった。一言言ってくれれば心の準備が出来たっていうのに....しかし、それでは白刃が怒ってしまうので言わない事にした。そんな事をしていると、いつの間にか士道の家に着いていた。それと、隣に立派なマンションが建っていた。

 

「なにこれ......」

 

その後。士道達が来て事情を聞くと、どうやら先日。司令から聞いた精霊用特殊マンションが完成したらしい。見た目は普通の何処でもある建造物だが、中は顕現装置(リアライザ)も稼働しており、精霊の霊力も感づかれないようにも出来ているのだと。

 

やっぱり――<ラタトスク>はすげぇや....と心の中で思った。その後は検査から終わった十香と四糸乃がやって来て、色々あったとさ。(因みに雷牙はきな粉パンをあげて十香と和解した。)

 

 

 

陸上自衛隊・天宮駐屯地の一角にあるブリーフィングルームには今、非戦闘員をも含めたASTメンバーが居並んでいた。先日の作戦報告会、及び近隣地域で観測された新たな精霊反応についての作戦会議のため、燎子によって集められたのである。

 

と――そこで、部屋の扉が開き、ASTの隊長である燎子が顔を出した。ブリーフィングルームにいた隊員たちが一斉に立ち上がり、敬礼をする。

 

「あー、いいわ。座って座って」

 

燎子は煩わしげにそう言うと、皆の前に立った。

 

「さて、皆集まってるわね。――じゃ、早速始めようかと思うけど......その前に。皆に愉快で最低なお知らせがあるわ」

 

『.......?』

 

メンバーたちが不思議そうな顔を作ると、燎子ははぁとため息を吐いた。

 

「......天宮は精霊現界が多いかわりに、今一つ成果が上がってないってんでね。補充要員が充てられることになったの」

 

『補充要員.....ですか?』

 

「ええ。バリバリのトップエース様よ。顕現装置の扱いにかけちゃ、世界でも五指に入るんじゃないかしら。――実際、単独で精霊を殺した(・・・)事があるそうよ」

 

『......!?』

 

燎子の言葉にメンバーの全員たちはざわめいた。それはそうだ。ASTの精鋭10人がかりでも手に余る精霊を、単独。たった一人で倒してしまうのだから。

 

燎子は予想通りの反応、というように肩をすくめてから、今し方入ってきた扉の方をチラと見やった。

 

「――入ってきて」

 

「はっ」

 

その声は随分と可愛らしい声音で周囲に響く。そして燎子の声に応えるように再度扉が開き――一人の少女がブリーフィングルームに足を踏み入れてきた。

 

『――!?』

 

瞬間、ブリーフィングルームに並んだAST隊員たちが、一斉に眉をひそめた。それも当然だろう。なんせ入ってきたのが、どうも見ても中学生の女の子だったのだから。

 

容姿は後頭部で一つ括った髪に利発そうな顔。それと左目の下にある泣き黒子が特徴的な少女だったのだ。

 

「――崇宮真那3尉であります。以後、お見知り置きを」

 

コスプレにしか見えない自衛隊常装を翻し、その少女が敬礼してみせる。と、一人の隊員が燎子に質問をする。

 

「日下部1尉......彼女は?

 

燎子の表情は「予想通りの質問が来た.....」みたいな感じに顔を作って口を開いた。

 

「さっき言ったでしょ。件のトップエース様よ」

 

『はぁ......!?』

 

メンバーたちが一斉に眉根を寄せて叫ぶ。

真那は、そんな皆の反応を不思議がるような首を傾げた。

 

「どうかしやがりましたか?」

 

なんとも奇妙で癖が強い敬語で、真那が言ってくる。

 

「ど、どうかって....き、君はまだ子供じゃ――」

 

隊員の1人が言うと、真那はふぅと息を吐いた。

 

「何か問題がありやがるでしょうか。年齢は個人の資質に関係ねーです。――それとも、この中に一人でも、私に勝てる方がいやがるのでしょうか?」

 

嫌味とかではなく、ただ事実を述べるように、真那が言う。

 

「......なっ」

 

そんな返しをされるとは思っていなかったのか、隊員が目を目を丸くする。

 

「そうですね。この中だと――」

 

と、真那が折紙の方に視線を向けようとした瞬間。バンッ!と、先程真那が入ってきた扉から一人の少年が勢いよく入ってきた。

 

「すんません!遅れましたァ!」

 

ある程度伸びた黒い髪に、濃い紅目を持ち、体格は太ってもなく、細くもない。顔は中性的な感じだった。

 

そう。勢い良く入ってきた男。陸上自衛隊の常服を着た、雷蒼雷牙だった。

真那は勢いよく彼が入ってきた事に驚いて目を細くするが、すぐに目が普通に戻ると雷牙の方と折紙の方を交互に向き、ニコッと笑いながら言う。

 

「――あなたと彼くらいでしょうか。ほんの数パーセントでも見込みがありそうなのは」

 

ブリーフィングルームに急いで入ってきた雷牙は状況が1歩も掴めず、目が点になってしまったのだった。

 

だが――雷牙は知らなかった。彼女が入ってきたという事は彼女(・・)がこの天宮市に潜伏しているということに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。如何でしたでしょうか?やっぱり自分が足りないの文力による表現が足りないと思いました(´・ω・`)

ですが、それでもこの物語を読んでくれている読者さん達がいるのでこれからも頑張って書いていこうと思います!

さて、話がそれましたが、次回は狂三キラー編ですね。
多分ですが、四糸乃パペット編より簡単に書けると思うので早く更新が出来るかもしれません!
まぁ、それは作者である私自身のモチベがあればの話ですがね.....けど、少しずつ書いて行くつもりです!

では次回にお会いしましょう!(*´∇`)ノ ではでは~

次回: 第12話 狂響の来訪

ゲームや映画のシリーズも入れた方がいいか(もしやるとしたら短く終わる。)

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