デート・ア・ライブ 雷蒼の物語 『凍結』   作:バルクス

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どうもバルクスです。:( ; ´꒳` ;):ガタガタガタガタ
2ヶ月小説投稿出来なくて申し訳ございませんでした!_○/|_ 土下座

リアルが忙しすぎて小説を書くモチベが上がらずにいました......ですが!たとえ時間が経とうともこのシリーズは完結まで書いていく所存です!

では、(⊃σ▂σ)⊃ドウゾドウゾ⊂(σ▂σ⊂)


第13話: 狂食の晩餐

「......精霊だと?」

 

一瞬、雷牙の心臓が脈を打つかのような感覚に襲われた。

学校に精霊が転校?何かの冗談かと思ったが狂三の目を見てみれば嘘を言っているわけでもなかった。

一体何の目的で?その思考が頭の中を駆け巡る。

本来簡単な答えの筈なのに冷や汗をかきながら彼女の言葉にどの意図があるのか、次々に仮説が増えていくが――

 

「ライガ。大丈夫?」

 

雷牙の表情に気づいたのか、隣席にいる白刃が心配そうに小声で雷牙に話し掛けてきた。

白刃の声掛けにハッと我に返り、笑みを浮かべ白刃の方へ顔を向ける。

 

「あ、いや、大丈夫だ......」

 

「......」

 

白刃が無言になるがすぐさま口を開く。

 

「――大丈夫。ライガは私が絶対守るから」

 

彼女の言葉を聞いた雷牙は少し心が揺らんだ気がした。安心する、彼女の言葉。本来守護対象である精霊が前戦で立つことは決して許されるはずがないのに雷牙はその言葉を聞くと先程まで波を発していた心臓の音が無くなった気がした。

息をすぅと吐き、心を落ち着かせ口を開く。

 

「ありがとう白刃。お陰で落ち着いたよ」

 

笑顔で返すと白刃もニコッと笑うとお互い転校生、時崎狂三の方へと顔を戻す。

するとたまちゃん先生が狂三が言った特殊すぎる言葉にフォローを入れるべく口を動かす。

 

「え......ええと......はい!とっても個性的な自己紹介でしたね!」

 

狂三がもう言葉継がないことを察してか、タマちゃん教諭がパン!と手を叩いて終了を示す。

 

「それじゃあ時崎さん、空いている席に座ってくれますか?」

 

「ええ。でも、その前に、一つお願いがあるのですけれど」

 

「ん?なんですか?」

 

タマちゃん教諭が言うと、狂三は指を1本立ててあごに当てた。

 

「わたくし、転校してきたばかりでこの学校の事がよくわかりませんの。放課後にでも構いませんから、誰かに案内していただきたいのですけれど」

 

「あ、なるほど。そうですねぇ.....じゃあクラス委員の――」

 

だが狂三は、先生の言葉の途中で前方に歩き出すと、士道の席の真ん前までやってきた。

 

「ねぇ――お願い出来ませんこと?士道さん」

 

「え......?」

 

士道の席に来た狂三が校舎の案内を士道に指名したのだ。

 

 

「では、よろしくお願い致しますわ士道さん」

 

「あ、ああ......」

 

放課後の午後3時。士道は狂三に学校の案内をすべく教室から廊下に士道の腕を絡めながら出ていった。

 

それを自分の席で寝たフリをしながら見ていた雷牙が2人が行った後に顔を上げた。

 

「.......一体何がしたいんだ、時崎狂三......」

 

雷牙は左ポケットから<インカム>を取り出すと左耳にはめ込み、それを2回つついた。すると<インカム>を付けた左耳から可愛らしい少女の声が響き渡る。

 

『――さて、そろそろよ雷牙。士道達が10m離れたら追跡を開始して』

 

空中艦<フラクシナス>の司令、五河琴里。士道の妹である。彼女は年齢や容姿では普通の中学生だが、司令官モードに入ると、それとは思えない精神に司令官が持つ頭脳を持ち合わせている。雷牙は琴里の指示を受け、教室の扉の前に待つ。

あれから、狂三の自己紹介を終えてから昼頃に士道と雷牙は琴里に連絡を取り、狂三が精霊だと伝えた。琴里はすぐに司令官モードに入ると<フラクシナス>から観測機を出して調べると言って一旦電話を切った。その後<インカム>から通じてやはり彼女が精霊だったという事を伝えられた。

そして、士道が狂三を校舎の案内するため雷牙も参加した。そう、監視だ。琴里曰く。『まだ狂三がどんな精霊なのか分からないから雷牙が後ろから気付かれず2人を追跡して』との事で今に至る。

雷牙は心の中で本当にお兄ちゃん好きだなと思ってしまった。

 

「.....追跡てっいっても俺がいなくなると十香と白刃はどうすんだよ」

 

ふと、精霊2人の事が気になったので琴里に質問をする。

琴里はすぐに返答した。

 

『安心しなさい。貴方が一時的にいなくなっても白刃達は精神を乱れたりしないはずよ?十香の方は白刃が何とか引き止めてくれるでしょう』

 

「それはそうだけど――」

 

視線だけ白刃と十香がいる方に目を向けた。だが――そこにいたのは表情は分からないが少し困った顔をしていた白刃だけだった(・・・・・・・)

雷牙は席を立つと白刃がいる方へ歩き、白刃に話し掛ける。

 

「白刃、十香は?」

 

言いづらかったのか視線を横に逸らし口を開く。

 

「......鳶一と一緒に士道の方へ行っちゃった」

 

「え?」

 

雷牙は白刃の言葉に困惑するしかなかった。

すると白刃は話を続ける。

 

「私も止めたんだけど、二人の圧に押し負けちゃった.......」

 

「いや、負けても止めろよ.....」

 

と、<インカム>から琴里の声が響いた。

 

『雷牙。そろそろ二人を追跡してちょうだい』

 

「それはいいんだけど、十香はどうすんだよ」

 

『それはこっちで探しとくから安心していいわよ』

 

「.....了解した」

 

<インカム>から左手を離すと白刃に目を向けた。

 

「んじゃ白刃俺はそろそろ用事に行くから先に家に帰ってるんだぞ?」

 

雷牙は小走りで教室を離れようとしたが、白刃に服の袖を捕まれ止まってしまった。

 

「白刃?どうしたんだ?こっちは早くs「時崎狂三の所へ行くつもりでしょ?」は?」

 

雷牙は硬直してしまう。白刃はそれを気にせず続けた。

 

「お願い。私も連れて行って」

 

「......」

 

するとまたもや<インカム>から通信が入る。

 

『仕方ないわ雷牙。彼女も連れて行きましょう』

 

「ば、何いってんだよ司令!アイツは精霊だぞ?そこに行かせるなんて......」

 

『えぇ。でも彼女には嘘は付けないわ。もう確信しちゃってるわけだし』

 

「......」

 

雷牙は息を短くはぁと吐くと、白刃に向かって口を動かす。

 

「分かったよ。ただし、危険な事があったら離れるからな?」

 

「うん。分かった」

 

二人は一緒に教室から廊下に向かい士道の後を追った。

 

 

その頃。

士道は狂三から頼まれた校舎の案内をしていた。道中、<フラクシナス>から訳の分からない選択肢を選ばされたりと散々な目にあってきたのだが、その逆。狂三が魅力的すぎて全ての状況がギャルゲー並の展開に網膜を焼き付けるかのような錯覚に襲われる羽目になった。

士道も男の子なのでそれを拒否する事も出来なかったのである。

 

「――ねぇ、士道さん」

 

狂三が、その小さな唇を蠢かせる。

 

「な......ん、だ?」

 

「わたくし、士道さんにお願いがありますの。......聞いてくださいまして?」

 

不思議な感覚。士道は今、狂三のお願いになら、無条件で首を縦に振ってしまいそうだった。

 

だが、その瞬間。

 

「ぬわ.....っ!」

 

「......っ」

 

そんな叫び声とともに、後方からドンガラガッシャンという音が響いてきて、士道はビクッと体を揺らした。

どうやら廊下に設えていた掃除用具入れが倒れて閉まったらしい。そこら中に箒やちり取りやらが散乱している。

そして――その中に、犯人と思しき生徒が二人、重なり合うようにして倒れ混んでいた。

 

「と、十香......折紙!?」

 

士道は声を上げた。そう、そこにいたのは十香と折紙だったのである。

 

「あらあら?お二人して何をなさっておられますの?」

 

狂三が、士道の手を掴んだまま不思議そうに首を傾げる。

その様子を見てか、十香と折紙がバッと立ち上がった。

 

「そ、それはあれだ!シドーが狂三に学校案内をするというから、その......あれしたのだが、そのあれは聞いてないぞ!」

 

「――時崎狂三。学校案内で手を握る必要はないはず。今すぐ話すべき」

 

「!そう、それだ!」

 

十香が珍しく折紙の言うことに同意するように大仰に首肯する。

 

「あ.....」

 

言われて、士道はまだ手を繋いでいる事に気づいた。慌てて離そうとする――が、そのタイミングに合わせて狂三が指に力を入れてきたため、手を解く事が出来なかった。

狂三は士道を一瞥してから二人に目を向けると、芝居がかかったセリフを言う。

 

「実はわたくし、酷い貧血持ちですの。そこで優しい士道さんが、わたくしの手を取ってくださったのですわ。士道さんを責めないであげてくださいまし」

 

十香と折紙は、狂三の言葉を一通り聞いてから士道に目を向けてきた。「本当なのか?」と問うような視線で。

 

「え、ええと......その、まぁ、うん.....」

 

なぜか、ここは誤魔化さねばならない気がしたので、士道は曖昧に返事をした。

と、狂三が廊下側を一瞥すると、クスッと笑い廊下側の方へ顔を向いたかと思うと狂三は口を動かした。

 

「ふふ、忘れる所でしたわ。そういえば二人ではなく四人でしたわね。そろそろ出てきてもいいではないですか?雷牙さん、白刃さん?」

 

狂三が言うと誰もいないはずの廊下から二人の男女が現れる。その人影は士道達も知っていた。雷蒼雷牙と白風白刃だ。

 

「雷牙に白刃!?なんでここに....」

 

「気になったから来たに決まってるだろ」

 

「私も同じ」

 

雷牙と白刃は士道に返答を返したのち、白刃は十香の方へ向かい雷牙は狂三の方へ睨みつけるように顔を向けた。

 

「時崎狂三。お前の目的は何だ?」

 

「さぁ、どうなんでしょうか?」

 

狂三は雷牙の表情に何も躊躇なく彼の質問をはぐらかした。

やはりそう簡単に言うわけがないか、と雷牙は心の中で思った。雷牙はそう来ると分かっていたため、あえて単刀直入に狂三の目的を聞こうとした。しかし、おいそれと答えてもらうほど彼女も馬鹿じゃない。だがそれだけで十分答えを得た。

彼女のはぐらかし方である程度の情報を掴んだのだ。

が、まだ確信に至っていない。あとは今後の彼女の様子を伺うしかない。

数秒、雷牙と狂三はお互いを睨むかのように見続ける。すると次の瞬間、不意に折紙がその場に膝を突いた。

2人の会話は中断され雷牙は折紙の方へ向かった。

 

「っ!折紙!?大丈夫か?」

 

突然の事で雷牙が驚き折紙の方へ膝を折り肩に左手を置くと折紙はくっと顔を上げて唇を開いた。

 

「貧血」

 

「.......は?」

 

雷牙は、口を開きながら困惑した。たが何故か、額に汗が伝ってくるのだけは理解出来た。嫌な予感がする。

 

「1人では歩けない」

 

「.......いや、嘘こけ――」

 

「雷牙。お願い」

 

「.......」

 

雷牙は異様なプレッシャー(上目遣い)に気圧されそうながらも、空いている右手を差し出した。

すると、折紙が貧血らしからぬ速度でその手を取り、雷牙の隣にぴったりと寄り添った。その後ろで見ていた白刃は何故か機嫌が悪くなったのかその仕返しかのように雷牙の先程空いた左手に自分の胸が当たるかのようにギュウゥと絡みつきながら抱きついた。

 

「何だ2人とも。情けないな!」

 

十香はそんな狂三と折紙を見てふふんと腕組みし――

 

「......はっ!」

 

士道の方を見直してから、ハッとした顔を作った。

 

「し、シドー!私もヒンケツなのだ!」

 

「そうなのか......?」

 

「う、うむ、実はあまりお尻の肉付きが良くないのだ!」

 

「いや貧血ってそういう意味じゃ......」

 

「十香、貧血の意味が違うよ.....」

 

士道と白刃が苦笑すると、十香は困ったようにあわあわと両手を蠢かせた。

 

「と、とにかく、私もなのだ!」

 

言って、十香は士道の空いている左手を取り、自分の胸が当たるぐらいにギューっと押し付けるように抱きついた。

十香は反対側にいる狂三を警戒しながら睨みつける。

それを見ていた狂三は手を抑えながら「あらあら」と言いながら笑った。

と、その瞬間、どこからともなく携帯電話のバイブ音が鳴り響いた。

 

「――もしもし」

 

と、折紙がポケットから携帯電話を取り出し、話し始める。

電話口に向かって淡々と相づちを打ったのち、なぜか狂三に鋭い視線を送った。

雷牙はその状況は理解した。多分だが、相手は日下部隊長だろう。先程狂三が精霊だと断定されて折紙に出動命令が下ったのだ。

 

「......了解」

 

そして、静かに電話を切る。

 

「急用が出来た」

 

折紙はそう言うと、名残惜しそうに雷牙の手をきゅっと強く握ったあと、手を離した。

その瞬間、白刃がさっきよりも雷牙の腕をぎゅっとしがみつく。

何故だろう、夏場なのに妙に寒気がするのだが?

 

「......」

 

折紙はそんな白刃を一瞥したあと、もう一度狂三に刺すような眼光を向け、歩き去っていった。

去り際、雷牙の耳元に「時崎狂三に気をつけて」という言葉を残して。

折紙の後ろ姿を見ながら士道はいまいち状況が掴めずにいた。

 

「折紙のやつ、一体どうしたんだ.....?」

 

「気にするな。それより士道、女の子待たせる気か?」

 

雷牙が言うと士道はハッ!と顔を狂三の方へ向けた。

 

「す、すまん狂三!」

 

「いいえ大丈夫ですわ。それでは士道さん、他の場所に参りましょう」

 

「あ、ああ.....」

 

狂三に促されて、士道は両腕を拘束されたまま歩いていった。

因みに雷牙と白刃も後ろを着いていくように歩きだした。本来は狂三の監視が目的なのだから気にしなくていいだろう。白刃は雷牙の腕にくっついたまま歩いているので、少々雷牙の顔が赤くなっておりそれに......廊下を歩きながら周囲から注がれる嫉妬や妬みの視線が一層濃厚なものになったことは、言うまでもない。

 

午後6時。

 

人通り学校内の施設の案内を終えた士道は、狂三、そして半ば無理矢理くっついてきた十香、狂三の監視で着いてきた雷牙と白刃とともに校門をくぐり、夕日に照らされた道を歩いていた。――もちろん、もう士道の両手は自由になっている。だが、雷牙の方を見てみるとそのまま白刃が離さないように強く抱きついていた。雷牙は顔には出さないが眉は疲れているように垂れていた。これは流石に士道も苦笑する他なかった。

 

「とまぁ、大体あんな所だ。分かったか?」

 

「ええ。感謝いたしますわ。.....本当は、二人きりが良かったのですけれど」

 

冗談めかして言ってくる狂三に苦笑で返す。

正直、士道は十香達に感謝していた。

たとえ<ラタトスク>の指示があったとしても士道一人じゃ何も出来なかった。

しかし、狂三は不思議な女の子だ。精霊だというのに、どこか大人びた振る舞いや今まで出会った精霊より大人しいというのだろうか?それくらい妖しい魅力が、彼女にはあった。

十香達がいなかったら今頃士道は狂三の虜になっていたのだろう。しかも彼女に身を任せたら何をされるか分からないのだ。自分でも危なかったと感じた。それぐらい、彼女は危険なのだ。まるで――そう、見る者を問答無用で虜にする、食虫植物のような。

 

「いやいや.......」

 

士道は自分の思考に小さく首を振った。いくら狂三が魅力的に見えるからって、女の子に向かって食虫植物とか、いくら口に出していないとはいえ十分失礼に過ぎる。

 

――と。

 

「それでは今日はありがとうございましたわ。士道さん、十香さん、雷牙さん、白刃さん、わたくしはここで失礼いたしますわ」

 

十字路に差し掛かったあたりで、狂三がぺこりと礼をして、そう言った。

 

「え?お、おう.....」

 

「む、そうか。ではまた明日だ」

 

「......」

 

「うん。また明日学校で」

 

士道と十香が小さく手を振り、白刃は頷き返すと、狂三は夕日の中に消えていった。

その後ろ姿が見えなくなるまで4人は眺めていた。

狂三が見えなくなる距離まで見ていた士道達はやっと緊張の糸が取れたのか深く息を吐いた。

 

「.....助かったよ十香、白刃、雷牙。三人がいなかったら今頃どうなってたか.....」

 

士道は苦笑しながら言う。すると十香が首を横に振り唇を動かす。

 

「何を言うか、シドーを守るのが私の役目だ!もしシドーに何かあったら私は耐えられないぞ......」

 

「うん。十香の言う通り。仮に士道を一人にしたら十香や雷牙や琴里、<フラクシナス>の人達が心配だったはずだよ?」

 

何を当たり前の事をと2人は即答に応えた。確かに、逆の立場だったら士道も十香達を助けるだろう。今回は十香を心配させてしまったので士道は帰りにきなこパンを買おうと心の中で約束したのだった。

と、

 

士道が雷牙の方を視線で見てみると何かしら考え事をしているかのようだった。士道はそれが非常に気になったので声をかけてみた。

 

 

「......雷牙どうしたんだ?何か考え事か?」

 

「......あぁすまん、少し、な」

 

士道は雷牙の応えに首を傾げた。すると雷牙は何かを思い出したのか士道の方へと顔を向いて口を開く。

 

「すまないが士道。ちょっと用事を思い出したから今日の夕飯は白刃も入れて貰えないか?」

 

「え?あ、ああ。いいけど、そこまで遅くなる用事なのか?」

 

「いや、そんなには時間は掛からないが、ちょっと雑用が残っててな少し夕飯に間に合うかどうか分からないんだ」

 

雷牙は士道に申し訳なさそうに言った。それについて士道は気にしなかったが、少し気がかりだったのだ。普段雷牙は用事、つまりバイトや習い事をしていない。まぁ、今月に入ってやるようになったのかもしれないが、彼からその情報は知らされてないし、しかも雷牙がそんな事を隠すわけもない。一体何故?士道は頭の中で自問自答を繰り返していた。

すると、雷牙は先程狂三が向かった道の方へと歩き出そうとした。

 

「んじゃ頼んだぞ?白刃も大人しく待っててくれ」

 

「うん。気をつけて」

 

雷牙はそう言うと走りながら狂三が通った帰り道を走り、その影は夕日に消えていった。

 

 

「――はぁはぁ......」

 

士道と別れてから雷牙は先程狂三が向かった帰路を駆けていた。

 

「はぁはぁ......何処行ったんだ.....<ナイトメア>!」

 

その叫びは狂三が見つからなくヤケになっているのかそれともこれ以上無関係の人が彼女に殺されないように願っているのかどちらなのか分からなかったが、後者が正しいだろう。

だが、そんな願いが届くもなく数分走ったぐらいで突如トラックが通れそうな道を曲がろうとした瞬間。近くの路地裏から光線を放つ音が響いて来た。

雷牙はその音に気づくとその路地裏方へと向かい中を覗いて見るとそこには―――霊装だと思わしき格好をして横たわっている狂三とその右横には後ろにポニーテール結んで、左頬に泣きぼくろが特徴的な女の子がいた。

でもその女の子の装いは機械的な格好で形は違うがASTがよく使うCR-ユニットと酷似していてその右手には巨大なブレイドが握られていて先端には血が付着していた。

雷牙は驚きも動揺もしなかった。なんせ、彼女も彼と同じ仲間だったのだから。

すると丁度。気配を感じたのか彼女は雷牙がいる方へ顔を向けて来た。

 

「雷蒼二尉じゃねぇーですか。一体ここで何をしてるんです?今日は出動命令は下されてないはずですが?」

 

崇宮真那 三尉。見た目は中学生だがこれでも彼女はDEMから出向してきた魔法師(ウィザード)であり、この自衛隊に所属している魔法師の中では群を抜いていると言っていい。

真那は突然現れた雷牙に驚き質問をしてきた。

 

「いや、たまたま通りかかっただけだよ」

 

雷牙は真那の質問をはぐらかした。こういう真面目な奴は適当に返せばそこまで追求してこないだろうと判断した。

すると真那は「ふーん、そーですか」と心底どうでも良さそうな声で話を流した。そして再び地面に横たわっている狂三に顔を戻した。

 

「.......なぁ真那、これはお前が?」

 

雷牙は頭の中では分かっているが聞かなくてはならないと思ったので真那に質問をした。

 

「――えぇ、そーです。何か問題でも?」

 

「いや、問題ない」

 

雷牙は真那がいる方へ足を歩かせるとそこにしゃがみ、横たわっている時崎狂三の死体を直視した。

体には先程真那が付けたと思われる光線の後や、喉の方を見ると深く切られているのが見受けられる。

それにここの壁には狂三とは違う他人の血が付着しているのも確認出来た。既に狂三は真那が来る前に数人を殺したのだろう。

遅かった。もう少し早く来ていれば人は救えただろう。

雷牙は自分の無力さに左手を強く握り締めた。

そして数分後に狂三の死体をAST部隊が回収すると真那は何も言わずにどこかへと消えていった。

だが、雷牙の前を通り過ぎる時に雷牙は見てしまった。

彼女の目の光が先程より薄暗くなっている事に――

 

「(これが.....精霊を殺した彼女の力......か......)」

 

雷牙は心の中で自分の無力さを悔やんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?今回は長めに書いたつもりですが、やっぱりもう少し長めに書いた方がいいでしょうか?まぁ、いいや笑

次回は雷牙君が活躍?する所と士道がデートに誘われる所まで書くつもりでいます。

投稿するのに(リアルの事情で)時間は掛かりますが、長々と待っててくれると嬉しいです((。´・ω・)。´_ _))ペコリン

では次回の投稿でお会いしましょう!でわでわ〜(o・v・o)/~

次回 第14話: 狂気の始動

ゲームや映画のシリーズも入れた方がいいか(もしやるとしたら短く終わる。)

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