あまりにもモチベがなくてやりたいのにやれないという現象に襲われてしまいこの始末です。
この先更新にどれだけかかるのか分かりませんが
なるべく早く更新できるように心がけますので宜しくお願いします。
では、(∩´。•ω•)⊃ドゾー
世界の
その光景はとても神秘的で、無邪気な子供でも遊ぶのをやめて瞳が食いつくぐらいに綺麗で儚いものだった。
だがそれは何回みても常に同じもので、変化は一切ない。
それは彼女自身にも分からない。でも――それでもいい。
分からないのならそれが来た時にだけ考えればいいだけの話だ。
すると日が沈むのと同時に、何処から機械的な鐘の音が鳴り響き始めた。
◇
キーンコーンカーン
2年4組のクラスから聞きなれたチャイム音が響き渡る。
そのチャイムを聞いた生徒達は人それぞれに
現在、午後12時20分。昼休みが入る時間だ。
するとチャイムがなり始めた瞬間まで1人の生徒が机で伏して寝ていたが、生徒達の声で目が覚めてしまう。
「んぅ.......」
可愛らしい声音を鳴らしながら少女は意識を覚醒させ、机から身体を起こした。
周囲を見渡しながら少女は口を開く。
「......もう、お昼なんだ」
少女の髪は雪のような白髪、肌は人並みより白で瞳は日に当たると輝きそうな綺麗な紅い瞳。
白風 白刃。世界を破壊する災厄、精霊と呼ばれた少女であり、今ではこの都立来禅高校の生徒だ。
白刃は腕を上に上げ伸ばし、白い髪を靡かせながら周囲を見渡し声を発す。
「ずっと寝ちゃったな.....」
どうやら4時間目の後半から考え事をしていたら寝落ちしてしまったらしい。
今回の授業の中で分からない所があったので自分で考えて答えを導き出そうと思ったが、身体が許容量を超えたのか分からないが。白刃は自分でも気づかず意識を手放したのだろう。
「初めてだな.....事業中に寝落ちするなんて」
白刃は自傷気味に声を発する。人生初めて寝落ちという現象を味わった。
だが、何故寝落ちしたかは分かる。
授業の疲れもあるが、大体がある程度予想がついてしまう。
いや、忘れてしまっていたに近いだろう。
白刃は自身の机の端に掛けているバックから白色の袋を取り出した。
その袋を取り出すと、結んでいる所に指を掛けてゆっくり引っ張った。
その中身はこれもまた白に近い銀色の弁当箱が入っていた。
そう、つまり白刃が寝落ちした答えがこれなのだ。
昨日の夜、自身の就寝時間を少し削り弁当のレパートリー広げていたのだ。
全く、自分でも馬鹿だと思う。だが白刃はそれでよかった。
彼、雷蒼雷牙が彼女の料理を美味しく食べてくれるのだから。
これを見た彼は何を思うのだろう?呆れるのか、それとも優しく微笑んでくれるのか分からないが。でも少しぐらい自身の睡眠時間を削っても彼は怒りはしないのだろう。
だって――この自虐的だった
だったらその分のお礼を返しても何も罰は当たらないだろう。
そして白刃はいつも一緒にお弁当を食べている雷牙の机の方をみると、雷牙が
「あれ?ライガ?」
白刃は教室全体を見渡すが、いくら見ても先程いた雷牙の姿が見当たらず疑問を抱いた。
だが、別にそこまで深刻に考えなくても大丈夫だろう。
白刃は誰よりも雷牙の事を信用している。
だから直ぐに戻ってくるだろう。そして白刃は気持ちが落ち着きやっとお昼ご飯を食べようとお弁当の蓋を開けようとしたが――
「白刃ー!」
いきなり後ろから声をかけられた白刃は後ろを振り向いた。
そこには夜色の髪を靡かせた夜刀神十香が白刃の机に立っていた。
「どうしたの?十香」
「実はシドーが何らかの用事で一緒に昼餉が食べられなくなったのだ」
十香は少ししょんぼりした顔で白刃に話す。
「だから、白刃と昼餉を食べようかと思ったのだが.....ダメか?」
まるで見捨てられそうな子犬のような顔で十香は白刃を見つめる。 それを見た白刃はニコッと微笑み口を動かす。
「別にダメじゃないよ?私も十香と食べたかったんだ」
白刃はそう言うと十香はにぱぁと明るい顔に戻り声を上げる。
「そうなのか! ならば一緒に食べようではないか!」
「うん」
白刃は頷き。十香の席の方へと自分が作った弁当を持って向かっていき士道の机を借りて座り、再び弁当に視線を戻して蓋を開けた。
弁当の蓋を開けるととてつもない匂いが食欲を唆られる。
その匂いが十香の方に漂うと反応して顔をこちらに向けてくる。
「む?.....こ、これは!?」
十香が白刃の弁当の中身をみると、途端に目をキラキラさせる。
「今日も白刃のお弁当は美味そうだな!」
「いつもありがとう十香」
白刃は少し微笑む。 十香は白刃の料理をみるといつも褒めてくれる。
そう言われると作った甲斐があったというわけだ。
「じゃあ、お昼ご飯食べよ」
「うむ!」
2人は今日あった事を話す。十香の方は最初は士道と摂ろうかと誘ったが用事があると断られ、1人で先に食べていいと言われた。それを話すと十香が突如涙目になったのでちょっと焦った。
だが、白刃も十香の気持ちが十分 分かる。彼女も最初は雷牙と昼食を一緒に摂ろうかと思い雷牙の方へみると何時の間にかいなくなっていたのだ。 でも彼がいなくなったらちょっとだけ心がドクンと少し震えた。
怖かったわけでも驚いたわけでもない。
でも、なんだろう......この感情は一体――
と、少し自分の事を考えていたら十香の所に女子三人組がいた。
確か名前は亜衣、麻衣、美衣。何故か名前が似ているかの縁で仲良くなったらしい。
するとその三人組は涙目になった十香に話を聞いたら情緖不安定なのか怒ったり泣いたりした。ちょっと私には分からない。
少し落ち着いたのか三人組の1人亜衣が自分のポケットから二枚の紙切れを十香に渡してきた。どうやら十香のために人肌脱いでくれたらしい。
だが、ついでがてら十香に変なメモ切れを渡したのはちょっと気になったが気にしなくていいだろう。
その光景を何気に見ていると、ふと白刃はあることを思いついた。
「明日.....ライガをデートに誘ってみよ」
と、白刃は小さく呟きながらゆっくり昼食を摂るのだった。
◇
もう時期夕暮れになり始めそうな空が道端に一緒に歩いて帰っている雷牙とその隣で無表情の折紙を太陽が沈みながら照らしている。
現在――16時。 学校の授業が終わり数々の生徒が下校する時間だ。
道を淡々と歩きながら他校の生徒達が帰宅するのを数秒眺めていた。
だが、それも興味を無くせば前を向く。 ただそれだけの単純差だろう。 その他は道端から度々車が通り過ぎていく。
その流れが数分間続き、やっと目的地にたどり着く。ただそこにポツンと建っている建物を雷牙は見つめた。
その外見は白を基調とした普通のマンションだった。
折紙の自宅だ。 以前、ハーミットの私物が彼女の部屋にコレクションとして保管されていた所でもあった。
だが、今回はそんな事はないだろう。なにせ、今回ここに来たのは折紙を自宅まで送る事なのだから。 これは雷牙が何時でも時崎狂三に襲われても対応出来るように彼女のボディーガードを努めていた。
と、そんな感じに周囲を警戒しながらマンションの扉の前付近まで来て雷牙は止まった。
「じゃあ俺はここで」
雷牙は口を開きながら手を振る。
その言葉に折紙は無表情に声を発する。
「うん。今日はありがとう」
「んな事気にすんなよ。俺が勝手にやったことなんだから」
当然かのように手をヒラヒラと揺らしながら雷牙は笑った。
「.......」
折紙は口を噤んだ。いや、何も言えなかったのかもしれない。 雷牙は気にしなかったがやはり昼休みのことについて負い目を感じているのだろう。
「じゃ、俺はそろそろ帰るわ」
「......うん」
雷牙はそう言うと先程来た道へと歩き出した。
と、帰る最後に足を止め、折紙の方へ振り向き表情を見てみると相変わらず無表情なのは変わらずなのだが、何か言いたそうにしていた。
でも、学校であった事でお互い疲れている。だから今は聞かなくていいと判断した雷牙は再び歩き出そうと足を動かすが――
「雷牙!」
後ろから折紙の声が響いた。それに雷牙は驚き振り向く。
「ど、どした?」
恐る恐る振り向く雷牙だったが、彼女の発した言葉に思考を停止せざる得なかった。
「明日の土曜、私とデートして欲しい」
まるでその場が凍り付く――いや、新しい春が来たかのような感覚に襲われた。
◇
「......」
雷牙は淡々と歩道を歩いていた―― 虚無感を感じながら。
先程折紙に『デートして欲しい』と言われた。何故?何故?今はそんな事はどうでもいい、ただ少し嬉しかった。
あの折紙が自ら誘ったのだから。
「少しだけど
歓喜が胸の中から鳴り止まない。 でもそれでいい、それすら懐かしいと思ってしまう。
「でも、俺はどうすればいいんだ?」
どうして雷牙はこのような事を言うのか、デートに相応しい服が無いわけでも財布が空で払えないとかでもない。
何故なら――詳細が分からなかったのだ。でも、集合時間だけは分かったが、後は分からなかった。
「敢えて教えなかったのか......」
雷牙は頭を悩ませながらやっと自宅に着いた。
「まぁ、それは明日考えればいいか――」
鍵を開け扉を開こうとしたら突如、勢いよく扉が勝手に開いた。
「......うぉあ!」
それに反応出来ず、雷牙は勝手に開いた扉に左手を掴まれ引きづり込まれた。
◇
「ライガ.....遅いな」
雷蒼家リビングのカーテンを閉めながら白刃は退屈そうに呟いた。
学校の放課後に一緒に帰ろうと誘ったが、折紙の体調が悪いから家に送ると言ってから別れて白刃は先に1人で帰ってきていた。
だが、少し心残りなのだ。白刃にとって鳶一折紙という少女は天敵なのだ。幼馴染だからなのかすぐに雷牙の事が気になってこちらに寄ってくる。まるでハイエナみたいに.....でも雷牙はそれを嫌がろうともせずそれを受け入れる、これが幼馴染の特権なのだろう。
ちょっと妬ましい。
だからこそ、今雷牙は折紙に何かされてはいないかとても気になって心配なのだ。 決して卑猥な事はないと思いたいが、彼女だったらやりかねないかもしれない。
「大丈夫だと願いたいなぁ.....」
憂鬱と思いながら家事に取り行おうと思い。キッチンに向かおうと足を踏み締めると、玄関から鍵が開く音が聞こえた来た。
「――ライガ!!」
白刃は玄関から聞こえた音に気づき、すぐさま向かった。
そして、勢いよく扉を開け、その前にいた雷牙の手を掴んで強引に引っ張り。雷牙の驚く声が聞こえるが、今の彼女はそんな事は気にせず自身の胸に抱き寄せた。
そして彼女は口を開く。
「ライガ......お帰り、心配したんだから」
まるで我が子の心配をする母親のようだと胸に抱き寄せられている雷牙は思ったのだった。
◇
「それで?なんで抱きついたんだ?」
白刃に抱きつかれてから数分後。やっと落ち着きを取り戻したのか白刃はリビングのソファーに腰を掛けながら、今キッチンで料理をしている雷牙を申し訳そうに見ていた。
白刃は少し震えた声で口を動かした。
「ライガの帰ってくるのが遅くて......怖くなった」
「怖くなった?」
白刃の言葉に雷牙は首を傾げる。
それにつれて白刃は再び口を動かす。
「ライガが鳶一と今日は一緒に帰るからてっ言ったからとても心配で.....」
「あぁ......」
雷牙は自嘲気味に笑った。
確かに雷牙は今日、折紙を自宅まで送ったが別にそこまでの事はしていない。
だが、白刃と折紙は四糸乃の件があって以来、何時の間にか仲が(元々?)悪くなっていた。
それを白刃は気にしていたのだろう。
雷牙は ため息を零しながら口を開く。
「それは悪かったな。でも、心配はいらないぞ」
「――ほんとに?」
まるで見捨てられそうな子猫のような眼差しで白刃は雷牙を見ると彼は一旦ガステーブルを切ってキッチンから出て、白刃の前に向かうと彼女の頭に自身の左手を置き、撫で始める。
「勿論だ」
雷牙は笑顔でそう言うと白刃に優しく声を掛けた。
と、頭を撫で終わり、そろそろキッチンに戻ろうとしようとするが――
「......ライガ」
「ん、どした――」
後ろを振り向こうと雷牙はしようとしたが、いきなり右手を白刃に引っ張られ、ソファーに仰向けにさせられその上に白刃が乗っかる感じになった。
いきなりだったので少しびっくりしたが怪我はしていないようだ。
「ライガ――」
白刃の声が近くで聞こえる。少しだけだが、息遣いが荒かったように感じる。
だが、その仕草も何故か魅力的で愛くるしく感じてしまう。
そんな事を考えていると再び白刃が口を動かす。
「.....あ、明日.....私と、デートに.....一緒に、行かない?」
頬をほんのりと赤らめながら白刃は言った。
勇気を振り絞って彼女なりに頑張ったのだろう。
「.......ああ、分かった」
雷牙は白刃の誘いを断り切れなかった。罪悪感なのかもしれないが、ここで断ったら白刃の頑張りが無駄になるかもしれないと思ったからだ。
自分の私情がここで出るとは自分もまだ甘い部分があったということだ。
でも、それで良かった気がした。
白刃は雷牙の応えに笑みが溢れて、気持ちが昂ったのか、さっきよりも上機嫌になっていた。
「じゃあ、明日の11時半に天宮駅にあるショッピングモール前に集合ね!」
白刃はそう言うと雷牙から、離れて自分の部屋に戻って行った。
リビングに1人だけ残された雷牙は仰向けになっていた体を起こした。
「まるで嵐みたいだったな......」
雷牙はそう思った。以前の彼女だったらそこまで大胆な行動に出ないと思ったが、三ヶ月でここまで変わるものなのか?と思ってしまう程に白刃は変わりつつある。
多分これが白刃の本質なのかもしれない。
そんな事を考えていたらふと、ある事を思い出す。
『明日の土曜、私とデートして欲しい』
頭の中に彼女の言葉が蘇る。その事で雷牙は脂汗をかいてしまった。
「やべぇ......そういや、折紙とのデートが先にあったんじゃんか......」
自分でも愚かだと思う。約束してる相手がいながら他の子にも約束を付けてしまうとは....あまりにも愚の骨頂だ。
まさに目から出たサビというのこういうことなのだろう。
因みに、折紙の集合時間は午前11時で11時半。
その間の30分で何とかするしかない。流石に<ラタトスク>に協力を仰ぐわけにも行かないのだ。
明日は士道が狂三とデートする日で尚且つ、ここで雷牙が入るとサポートもしきれない状態に陥ってしまう。
ソファーから身体を起こすと雷牙は頭をポリポリとかきながら口を開く。
「明日......1人でやるしかないよな......」
雷牙は明日は2人を楽しく過ごせるよう努力をすると胸に固く誓うのだった。
◇
「.......」
土曜日の休日。大人が子供を連れて歩き、学生は友達か彼女と楽しんでいる中。
雷牙は1人天宮駅前広場にある噴水前で折紙を待っていた。
流石に今日はデートなので、雷牙自身もオシャレをした。
黒と赤の半袖パーカーとその中に紺のTシャツ、下は黒のジーンズで靴はグレーのスニーカー。
あまりこういうのはどうも種類は分からないが多分そうだろう。
と、左手につけてある腕時計を見たら11時を回ったので周囲を見回すと駅の付近にあるエスカレータから以下にも夏服姿の折紙が見えた。
折紙がこちらを見つけると歩きながら駆け寄り口を動かした。
「ごめん。待った?」
折紙が少し困り気味にそう言うと雷牙はニッコリと笑みをしながら首を振った。
「いや、こっちも今さっき来たとこ」
定番の言葉を雷牙は軽々と言って見せた。
少々恥ずかしいがこれも折紙達のデートの為ならプライドが少し削れても容易い。
「さて、今日はどこ行くんだ?」
「映画」
雷牙はきょとんと顔を捻った。
「映画?」
「そう」
「何の?」
「恋愛物」
(いや、ちょっと待てぇぇぇい!?何で、何で寄りにもよって映画なんだよぉぉぉぉぉ!)
雷牙は心の中で叫んだ。まさか、自分が恐れていた事が今目の前で起きてしまったのだ。
映画と言えば上映時間は短くて1時間30分が妥当だろう。
まぁ、これはあくまで噂なのだが、超人気小説が映画アニメ化したものがあったらしくてその映画は最初は1時間だと思っていたが何故か重要な所をすっぽかしてその1時間を30分という2作品に分けてファンを怒らせたとか何とか。
それぐらいの映画時間の方が雷牙にとって嬉しかったものだが、流石に現実はそう、甘くはない。
だが、泣き言は今は言ってられない。これは自分自身で何とかするしかないのだ。
「そ、そっかぁ....楽しみだなぁ」
「なら、早く行くべき」
「え、あっ、ちょ!折紙!?」
雷牙は出来る限りの笑顔で言ったが折紙はそれを半ば無視するぐらいに雷牙の手を握って映画館がある天宮クインテットに向かった。
と、思ったのだが――
「あのー折紙さん?何故自分らはレストランで食事をしているのでしょうか?」
真っ先に映画館に行くと思ってはいたが、先にチケットだけを取りに行ってその後にこのレストランに来た。
「上映までにまだ時間がある。先に軽く昼食を食べておく」
「そうか」
どうやら先走っていたようだ。折紙は少しだけ食べて後は映画館で腹を満たしていくのだろう。
だが、先程折紙から映画館のチケットを渡されて上映時間を見てみたがやはり、1時間は超えているときた。
だが、こちらとしては好都合。まだ40分ある。後の10分で白刃と合流してその後の30分は白刃とデートする。そして、間に合うかは分からないがギリで折紙と映画が見れるぐらいだろう。その後はまたさっきの繰り返しだろう。
よし、完璧だ。
と、折紙の方を見てみると表情では分からないが何か思い詰めてるような感じに見えた。
「なぁ、折紙。何で今日、俺の事をデートに誘ったんだ?」
雷牙がそう言うと折紙は肩をピクッと少しだけ動かし、その後に口を開き始めた。
「今日はできるだけ1人にならないで欲しかった」
「は?」
雷牙は眉をひそめるがそれを構わず折紙は続ける。
「デートが終わったら私の家に泊まってほしい」
「要領を得ないな。一体何をそこまで怯えてるんだ?」
「........」
雷牙は思わず聞いてみることにした。しかし折紙は頑なに答えようとしない。
でも、雷牙は分かっていた。最初は話が分からなかったが
それでやっと分かった。
「もしかして昨日の狂三の事だろ?」
「........」
折紙はコクッと頷いた。
雷牙はやっぱりかとため息をこぼした。
「折紙、お前の気持ちはありがたいが、こっちは大丈夫だ」
「でも、それでは時崎狂三が何時雷牙に襲い掛かるか分からない」
「でももクソもありません。こっちは大丈夫だったら大丈夫なんだよ」
雷牙は流石に折紙には危険な目にあって欲しくはないため引き離そうとしたが、流石の折紙も引くわけにはいかないようだった。
彼女が優しいのは分かってるけど、こっちも引けない理由もある。
「何時もお前には迷惑掛けてるかもしれないけど、俺には俺なりの引けない理由があるんだ。それだけは譲れない」
「その理由は一体なに?」
真っ直ぐな目で折紙は雷牙を見つめる。
その顔は何かを見定めている目だった。
「それは今は教えられない」
「.......そう」
折紙は少し悲しそうな表情をしたが直ぐに元の顔に戻った。
「早く料理を食べないと、冷めてしまう」
「あ、ああそうだな」
何とか切り抜けたのか怪しいがこれで折紙は雷牙を泊める事はないだろう。
そんな事を考えながら腕時計の時間を見ようとすると、時間が2分オーバーしていた。
「(やっべえぇぇぇ!話してたら時間すぎてたぁぁぁ!)」
「雷牙、どうしたの?」
やばい、と雷牙は焦る。今折紙に勘づかれるとマズイので雷牙はどうにかしてきり抜こうと考えた。そして――
「あ、アイタタタタ!や、やばいちょっと朝冷たいもの飲みすぎて腹を壊したかなぁー!」
「大丈夫?」
「大丈夫だからぁ!俺はちょっと時間掛かりそうだから映画館近くのトイレに篭ってくるから折紙は上映時間に戻って来なかったら先に行っていいから!それじゃあ!」
雷牙は腹を壊した真似をしながら店を出た。
急いで白刃の所に行かなかければと思い、全力疾走で雷牙は向かったのだった。
◇
「危ねぇ......ギリセーフだ」
奇跡的にもショッピングモール前にはまだ白刃は来ていないようだった。
少し走りすぎたので近くにあるベンチに腰を掛けた。
「ふぅ.....これじゃあ幸先思いやられるな.....」
そう思うとふと、視界に見慣れた人がこちらに向かってくるのが見えた。
「ごめんライガ!待った?」
どうやら白刃も少し遅れたようだった。でもまぁ、これぐらいの時差なら大丈夫だろうと雷牙は思った。
「大丈夫、俺も今来た所だ」
そう言うと雷牙はベンチから立つと白刃の方を見た。
すると、その方を見てみると白刃の服装がとても綺麗だった。
白刃も雷牙の目に気づいたのか、服を見せびらかすようにクルクルと回って見せた。
「どうかな?」
白刃の服装は白の半袖のワイシャツに白のロングスカート。靴は黒と白のシューズ。 とても魅力的でまるで、映画館にも入ったかのような感覚だった。
「あ、ああとても綺麗だ」
嘘偽りもなく、雷牙は白刃に伝えた。
それを聞いた白刃は少し頬を赤らめながらニコッと笑った。
「.....ありがとう、ライガも似合ってるよ」
「お、おう。そうか.....」
まるで付き合いたてのカップルみたいな光景だが、これが自然なのだろう。だが悪い気はしない。寧ろ、嬉しさが勝っている。
「さて、じゃあ行こうか」
「うん!」
雷牙は白刃にそう言うと歩きだし、白刃はその後ろからついて行った。
「すごい!」
ショッピングモールの中に入るとそこは色々な物品やアクセサリー、食べ物が様々売られていた。
それを見た白刃は目を大きく広げながら周囲を興味津々に見ていた。
雷牙はその後ろを淡々と眺めながら歩いていた。
「ねぇ、ライガ!」
「ん?どした?」
白刃が何かを見つけたのか、雷牙を呼んだ。
そこに向かうとそこはアクセサリーショップだった。
種類は雷牙には分からないが、分かるぐらいだったらミサンガやネックレス、ペアネックレスとかだろう。
白刃がその店の中にある棚を見つめていた。
「ライガ、これはなに?」
「これはペアネックレスだな」
「ペアネックレス?」
白刃が見ていたのは2つが別れていたネックレス中称ペアネックレス。よく、カップルとかが買うアクセサリーだ。
それを白刃は見ていたのだろう。
形としては羽型のようだ。
「これ、欲しいのか?」
「.....いいの?」
どうやら欲しかったようだ。少し気恥しいが、これも白刃のためだ。腹をくくろう。
「ああ。もちろん」
雷牙は羽型のペアネックレスを持って会計に言った。
少し高かったが、偶にはこういうのもいいと思ったのだった。
買った早々雷牙はすぐさま白刃につけるべく雷牙は口を動かす。
「白刃後ろ向けよつけてやるから」
「うん」
白刃は後ろを向いて背中まである髪を上に上げて、ちょうどうなじが見える形になった。
雷牙はそこにネックレスの紐を通してフックで固定させる。
「よし、終わったぞ」
「ありがとう!ライガ!」
ニコッと白刃は笑って見せた。それを見た雷牙は笑みをする。
すると今度は白刃が雷牙の袖を引っ張る。
「ん、どした白刃?」
「私が.....ライガのもつけていい?」
「え、あ、まぁいいけど」
少し戸惑ったが仕方がない。あまりにも白刃が積極的すぎてやばいのだ。
どうしてそこまで好きでもない相手にこんな事をするのか雷牙には分からなかった。
「じゃあ後ろ、向いて?」
「お、おう.....」
言われた通りに後ろを向くと少し、冷たい感触が首筋に当たる。少々こそばゆいが、それは仕方の無い事だ。
「はい、終わったよ」
「サンキュ」
そう言うと雷牙は白刃の方に向くと胸元にさっき雷牙が着けたネックレスが目に入る。そして、雷牙の胸元にもその同じネックレスがあった。
「じゃあ白刃、良かったらつけてみるか?」
「付けるってどうやって?」
白刃はあまりこういうのを知らないので雷牙は手本がてら付け方を見せてみた。
「この片方に窪みとかあるだろ?それをその空いたやつに付けるんだ」
「なるほどね」
だが、雷牙はミスを犯した。このペアネックレスを付ける時は距離がだいぶ近くでやらないとくっつかないと出来ない事を。
それに気づいたのは付けた直後だった。
「......ご、ごめん白刃!!」
「別に....気にしてないよ」
白刃は笑みを浮かべながら雷牙に言う。
「でも、この感じは嫌いじゃないよ......寧ろ、好きかな」
「ッ!?」
白刃の言葉に雷牙は頬を赤く染まってしまった。
「そ、そうかそれなら買ったかいがあったな」
雷牙は自分の表情を隠そうと後ろを向き口を動かした。
「さてと、まだまだあるから次、行くぞ」
「うん!」
雷牙と白刃は再びそのままショッピングモールの中を歩き出した。
だが――まだこれからの事は何も知らずに.........
はい、如何だったでしょうか?
今回は士道達の下りはないです。ご都合主義てっすごいね(汗)
次回は士道達も出ますので( ̄▽ ̄;)
さて、今回はデート編でしたがこれが大変でしてねw
折紙の方はまぁ.....オリジナル要素入れなくてもいいかなぁて思って敢えて入れなかったんですけど、どうしてもオリ精霊が大変でね、<ラタトスク>にも協力を仰ごうてっ言うのもあったけどそれじゃ原作とほぼ同じだし、ややこしく(長く)なるので今回は雷牙君が頑張ってる感じに書きました。
んで、オリ精霊のペアネックレスですが、あんまり意味はなくてただ親密度を高めたかっただけです、すいません。
あ、でもその変わりデアラ民の人には分かるネタはこの話数にありますので是非探してみて下さい。
(見つけてもコメントとか使って怒らないでね?)
さて、次回はアニメだと狂三さんが人を的にする会まで書くつもりでいます。(分けるかもしれないけど)
では次回もサービe.....ゲフンゲフン 次回もお楽しみに!
次回: 第16話: 正義と悪
ゲームや映画のシリーズも入れた方がいいか(もしやるとしたら短く終わる。)
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はい
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いいえ