この度は読者さんや運営様に互いな迷惑をかけてしまい申し訳ございませんでした<(_ _)>
そのお詫びとして番外編を書かせてもらいました。
久々というのもあって、小説として成り立ってるのか心配ですが.....まぁそれは置いていてw
長らくお待たせ致しました!
どうぞ(∩´。•ω•)⊃
これはまだ時崎狂三が来禅高校に来る前の話。
「うーん.....」
白刃はキッチンで料理本に載っているレシピ本を睨むように目を細めて悩んでいた。
白刃が
彼女は彼――雷蒼雷牙に料理を作っている。
白刃は日頃お世話になっている
「これが......これで、この材料の量がこう.....かな?」
レシピ本を見ながら、料理を進めていく。
30分後。第1作目の料理が完成した。白刃は味見をしようと早速皿に料理を乗せ、箸を使って口に入れた。
しかし、白刃の顔は満足とは程遠い顔をしながら眉を歪めながら口を開く。
「......私的には美味しいと思うけど、ライガ的にはしょっぱいかな......」
味は差程問題はないと思うが、レシピ本の見本と今作っている料理の形は少し違ったように見える。
白刃は唸るように今の失敗を改善するように考えた。
「もっと上手くなってライガを驚かせたいな」
白刃は今の現状が自分自身の挑戦だと捉え、笑った。
「苦難.....上等」
そう告げた後白刃は料理に専念すべく再び誰もいないキッチンで作業を再開したのだった。
彼――雷牙に成長した料理を食べてほしくて。
◇
「......」
その頃。雷蒼雷牙は天宮市にあるショッピングモール入口の壁に背中を預けながらポツンと静かに立っていた。
何故ここに来ているかというと前日に折紙から電話が掛かってきた。内容は、買い物をするから手伝ってとの事。
後は集合場所と時間を指定された。雷牙は反論を言おうとしたが直後にプツリと切られ伝えられなかった。
雷牙は少し眉をピクっと動かす。でも折紙から買い物の誘いがあるのは久し振りだった。
もう怒るより楽しみが勝ってしまってるため雷牙はさっきの事は水に流すことにした。
そして今、雷牙は約束の場所で待ってはいるのだが、肝心の本人が来ていなかった。
「遅せぇ.....」
雷牙は唸りながら人際が漂う広場の中を凝視しながら折紙と思わしき人物を探し当てようと思ったが、如何せん人盛りのせいで判別が困難し断念した。
と――
「なぁなぁそこのお嬢さぁん?ちょっとこっち来て一緒にお茶しない?」
「今ならお兄さん達がタダでご馳走してあげるよ」
「........」
二人の男性が女子高生にお茶の誘いをしているのが視界に映った。
遠くから見てもナンパだ。しかし、雷牙はナンパされている女の子の方を見てみると目を大きく開けさず負えなかった。そう、そこにいたのは待っても来ないはずの鳶一折紙だった。折紙はナンパをしている男性に興味を示さず無言で首をキョロキョロと誰かを探しているような素振りを見せていた。
すると、焦れたのか折紙にお茶を誘ったナンパ男性A(名前が分からないので個体名してもらう)が先程の優しさの口調より強い言葉に変わり始めた。
「ちょっと無視しないでくれる?ねぇ、こっちは声を掛けてやってんのに何か反応してくれてもいいんじゃないの?」
「それは酷いなぁ?僕達こんなに親切なのに」
「......」
もう1人のナンパ男性BがナンパAに便乗しながら折紙に言ってきた。折紙は何も動じず、ただひたすら無言を貫いた。
その彼女の態度に堪忍袋の緒が切れたのかナンパ男性2人が遂に折紙の手を掴み始めた。
「さっさっと来いよ!可愛がってやるからよぉ!」
「そうそう、大人しくしてくれれば何もしねぇからグヘヘ」
「ッ......」
そこで折紙はやっと表情を変え始め、手を掴んできたナンパ男性の手を地面に掴み投げようとした瞬間――
「――おい......俺の大事な
ナンパ男性2人組の背後にもう1人男が現れ、冷徹な声音が響いてきた。しかしその言葉は折紙に向けてはなく、ナンパ男性に向けて言っているようだった。
折紙はこの声を知っていた。
雷蒼雷牙だ。しかし、今の雷牙はいつもの雷牙ではなかった気がした。
すると声を掛けられたナンパ男性2人は後ろを振り向き、機嫌が悪い言い方で口を動かした。
「あぁん?んだよガキ。ちょっとこっちは大事な用事をしてるから邪魔しないでもらえるかなぁ?」
「痛い目みたくなかったら早く消えろよ?」
雷牙はそれを聞くと少し口に笑みを浮かべながら口を開いた瞬間。
「――そか。じゃあ......死んでも――」
文句ないよな?
と言った刹那。
雷牙は何も躊躇せず、右側にいるナンパ男性Aの顔面目掛けて殴り付けた。
殴られたナンパ男Aは2mぐらい吹っ飛び、受身を取れず衝撃で気絶した。
その左にいたナンパ男性Bは吹き飛ばされたナンパ男性Aの方を見て驚愕した。
すると、雷牙は今度はもう1人の標的であるナンパ男性Bの方へ顔を向ける。
ナンパ男性Bはその顔を途端、雷牙に恐怖をしてしまいそして見てしまったのだ彼の
その表情はまさに自分の
「.....ひっ!」
ナンパ男性は恐怖で足を動かせず、尻もちを付いてしまった。
逃げたくても身体が言うことを聞いてくれない。
すると雷牙が足を一歩ずつゆっくりとリズムを取るかのような足取りで近付いてきた。
「――う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!」
ナンパ男性Bは恐怖に耐えれず叫ぶと力が抜けるように失神した。
ナンパ男性Bが失神したのを確認した雷牙は息を大きく吐くといつも通りの表情に戻り、折紙の方へ向かった。
「怪我はないか折紙?」
「......問題ない」
雷牙は折紙に被害がないか声を掛けた。だが、折紙の声が少し元気がないように聞こえた。
「本当に大丈夫か?いつもより元気ないけど――」
すると折紙がいきなり雷牙に抱きついてきた。雷牙は頬を赤くしながら慌て始めた。
「お、折紙!?ちょ、さすがにこんな公共な場で抱きつくのは.....」
「――ごめんなさい」
「え?」
雷牙は折紙の言葉にキョトンと首を傾げた。
折紙は気にせず口を開く。
「私があの男2人に遅れをとっていたのが悪かった。そして今の状況を、雷牙の怒りを作ってしまった......」
折紙は雷牙の顔を見ながら申し訳なさそうに口を揺らす。
「――本当にごめんなさい」
「......」
雷牙は無言になると両手に思いっきり力を入れ折紙の身体を抱きしめた。
「......雷牙?」
「俺こそ助けに行けなくてごめん......俺が早く助けに行ければこんなことにはならなかったかもしれない」
そう、今雷牙達がいる広場は人盛りが先程の状況を確認するために束になって囲んでいたのだ。
時にはヒソヒソ声や見て見ぬふりを人々が四方八方に聞き飽きれる程に――
雷牙は目立ってしまった。よりにもよって、幼馴染を巻き込んでしまったのだ。
今はこの状況を作った自分を許せなかった。
最初は穏便にすまそうと思ったが、ナンパ男性の一人が折紙の手を掴んだ瞬間。雷牙は頭の中で何かが切れた音がした後、先程の状況を作ってしまったのだ。
「だから折紙が謝る必要がないんだ。悪いのは俺、ただそれだけで十分なんだ」
雷牙は折紙の肩に顔を俯かせたまま強く抱きしめながら悲しそうな口調で話した。
すると、雷牙の腕の中にいた折紙は俯いた雷牙の頭に右手を置き、ゆっくりと撫で始めると同時に静かに口を開いた。
「――貴方の何処に悪い要素があるの?」
「.....え?」
雷牙は折紙の言葉に俯いてた顔を上げてしまった。
折紙は気にせず話を淡々と進めるように口を動かす。
「あれは列記としたセクハラ。それを雷牙は助けてくれた」
確かにそうだ。ナンパ男性2人組が折紙に向かってアプローチを仕掛けてきたのが始まりだ、そこに雷牙が現れナンパ男性2人組を再起不能にした、でも――
「それじゃあ折紙を巻き込んだのと同じじゃないか!」
雷牙は口を動かすと折紙は眉を少し歪ませ次に抱き締めていた腕を雷牙の顔に添えた。
雷牙は少し驚いてしまったが今照れても仕方ないので我慢した。すると、折紙が息を大きく吐き口を開く。
「貴方はバカ。どうして私の責任も背負ってしまうの? 」
「......」
「本当に貴方は昔から変わっていない。前に私は言った、その思考を直した方がいいと 」
何も言えない。
確かに、2ヶ月前。以前雷牙は似た様な事を折紙の口から聞いたのだ。まさに同じ事を言われてしまった。
やはり無自覚なのだろう、この面倒くさい思考と性格は―――
「ごめん.....」
今返せる言葉がこれしかなかった....なんとも情けない。
それを聞いた折紙は雷牙の身体を再び強くぎゅう と力を入れ、数秒後には顔が見れる距離をとった。
「私は別に直せとは強く強要はしない。でも、それ以上すると貴方の心が壊れてしまう」
折紙は一旦息を吸うと再び口を開いた。
顔こそ表情はでていないが、その目からは本当に雷牙を心配しているようだった。
「――だからあまり自分を責めないで。時には誰かに頼って」
「.......」
そうだった。彼女はこういう子だったな......今は感情をあまり出してはいないが、根は優しいのだ。
今の雷牙がいるのも彼女がいてこそ成り立っているとも言っていい。
彼女がいなかったら雷牙はこんなにも感情豊かではなかったはずだし、家族の温もりや大切なものが出来なかったのだろう。
「.......ふっ」
思わず笑いが込み上げてきてしまい雷牙は大笑いした。
「ふふっははははははは」
「.....雷牙?」
笑うのが気になったのか折紙が不思議そうに雷牙に声を掛けた。
「あぁ、ふふっ、悪い......少し面白くって」
ごめんなと口を動かし、息を大きく吸って、吐いた。
何かが吹っ切れた気がする。でも雷牙自身はそれに気付いておらず。ただひたすら、肩の骨を鳴らしながら歩き始めた。
「よし!色々あったけど
雷牙は後ろを振り向き左手を折紙に差し伸べると折紙は、呆れた様子で息を吐き口を開く。
「本当に雷牙は変わらない、振り回される気持ちを考えてほしい――でも」
雷牙からの距離では見えなかったが確かに折紙は無自覚に口元が揺らみ笑みをこぼしていた。
そして折紙は差し伸べられた手を取り、再び口を動かす。
「この振り回され方が丁度いい」
2人は手を繋ぎながらショッピングモールの入口へ入っていたのだった。
後書きで言うこと一つも思いつかねぇw
あるとしたら14話のことだけですが、今月中には出せるようにするのでお待ちを!
そして何時も雷蒼の物語を読んでくれている方々に感謝を!
ではまた次回の投稿でお会いしましょう!
PS:番外編がまた思いついたら書きますので長々とお待ち下さい。
ヒロインもっと増えるかもで誰がいいか
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七罪
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夕弦
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耶倶矢