錬金術のアトリエ 1   作:東京のぷるぷる

16 / 55
ソフィーのアトリエDXで登場。
おばあちゃん、ラミゼルって名前らしい。


錬金術のアトリエ 16

錬金術のアトリエ 16

 

「ふあぁぁぁ……」

まだ暗い時間、ソフィーが先に目覚めた。

……オスカーはまだ寝てる。

「おわぁっ!」

オスカーは起き出したソフィーに手を伸ばして、ベッドに引き寄せる。

ソフィーは驚きながらも、素直にオスカーに引き寄せられる。

「……おはよう、ソフィー……」

昨夜は絡み合うも、疲れからかあっさりとオスカーが眠ってしまったので、どちらもハダカ族だった。

「おはよ♪」

オスカーに捕まえられたまま、ソフィーは唇を寄せる。

「ホルストさんの所に8時……今は?」

 

オスカーの寝ぼけボイスにそう聞かれて、ソフィーは時計を見る。

「……4時だね……」

そう言って、またベッドに戻る。

……オスカーが眠い時は、なんか甘えられる……

ソフィーは少し嬉しく思いながら、オスカーに抱きしめられる。

 

……思えば貧相な自分に、「ソフィーはもっと食べないとな」とか言って付き合ってくれた……

そんな頃を思い出す。

……あと、やたらアトリエ前に植物を求めてうろついていたのもあって、ソフィーに近しい人だった。

……夜通しカワニレの木達と話していたり。

 

ソフィーには……

何も無かったし、だから将来の事もあまり考えつかなかったけれど……

 

 

「2人とも……もう7時ですよ。……いいのですか?寝ていて……」

プラフタの声にハダカ族の2人は起きる。

「……お?」

「うわぁ、プラフタ!ありがと!行かなきゃだね!」

ソフィーは飛び起きて、オスカーはまだ寝惚け眼だ。

ともかく、ホルストさんのカフェで冒険者救出のお祝いとかしないとだ。

 

 

雨の降る朝……2人はカフェへと急ぐ。

「あら。なんか慌ただしいのね?」

モニカが奥様方と雨の中……井戸端会議していた。

「モニカも、そろそろカフェ行かなきゃだよ?」

ソフィーに言われて、モニカと3人になる。

そしてカフェへと行くと、救出した冒険者達と、ジュリオさんにレオンさん、ハロルさんとコルちゃんもロジーさんも来てた。

「うわぁ……賑わってるぅ……」

朝から、お酒の匂いがやたらと………

ともかく、冒険者達と、ホルストさんに感謝されて、派手な朝食を食べる。

オスカーとコルちゃんで大食い競争しているような……

コルちゃんよく食べるな……あんな小さい口で……

 

「そうだ!遂に念願の荷車改造計画があるんだよ。オスカーもこれは手伝って欲しいんだよね」

マナフェザーを取り付ける改造で、軽くなりつつ、荷車を2階建てにし、更に車部分の改造……

もう設計図までがプラフタと作られている。錬金術生活の賜物だ。

「本当かい?それは僕も手伝っていいかな?」

ジュリオさんも加わった。

オスカーもやる気満々だ。

「さて、どんな設計図なのかも気になる所だよな」

オスカーがそう話す。

 

 

レオンさんに引っ張って来られたハロルさんも参加する事になり……

賑やかなアトリエ前、ソフィーはちょこっと調合版、荷車用スプルースを追加で作りつつ、荷車の改造。

エリーゼお姉ちゃんがアトリエに遊びに来てた。

レオンさんはなんか、注文が立て込んでいて帰ってしまった。

 

 

ソフィーとオスカー、ハロルさんにジュリオさんとプラフタで……

あーだこーだそーだこーだしながら……

夜には錬金荷車が完成した。

 

少し広くなった荷台、更に2階の荷台に、3ヶ所の梯子が横と後ろに付いて、更に屋根まで付けた傑作となった。

「これ、もう1個作れれば冒険者達も……ホルストさん管理で貸し出したりして……使えるんじゃないかな……オイラ達に続いて、特に豚ネズミなんか日々採ってるみたいだし……」

オスカーが言って、ジュリオさんも賛同して……明日、もう1台、錬金荷車2号を作る事にして、解散する。

オスカーからホルストさんに言っておくみたいで、その返事次第だけど。

 

 

「ふぅ……さて……」

ソフィーはアトリエに戻り、プラフタを見る。

「錬金術で木の加工とかしてましたから、今日は疲れているのではないですか?」

プラフタは、ふわふわと飛びながらそう言った。

「ぷにちゃん部屋で時間を膨らませて貰えば、休まるからね。ここで朝まで錬金術生活しないと………」

そんな裏技を使い、朝まで錬金術生活する事に。

錬金術生活すると、プラフタが生き生きするし!

 

 

ふわふわゼッテル(ほのかな青)作成。中和剤(青)をやたら薄めたやつを使って、オシャレにしてみた。

ふわふわゼッテル(ほのかな緑)

ふわふわゼッテル(ほのかな赤)と追加する。

リフュールボトルのレシピ構築、リフュールボトル作成!

3時間で出来上がる。

瓶詰めの液体だけど、瓶を開封すると回復の強い魔法の香りが対象に襲い掛かり、リフレッシュしたり、身体の回復力をどかんと上げる。

山師の薬の更に強くて便利版だ。

 

更に錬金毛布……アトリエの不思議毛布を作るべく、熱を帯びるクロースの作成計画。これ、結構遠い……

 

 

なんてやっていると朝になり、もう一度ぷにちゃんのお世話になる。

 

 

そして錬金荷車2号の作成。

「こんなの、もう1台作るなんて聞いて、見に来たよ~」

ジュリオさんが引いてきた錬金荷車に、オスカーもパメラもレオンさんもモニカも……

テスさんまで乗せて、アトリエにやって来た。

いつものどかな、このアトリエ前が賑やかで、ウメさんがびっくりしてた。

「ちょっとテスさんがイケメン過ぎるんですけど!」

ソフィーが普段着のテスさんに食い付く。

少しダメージのある皮のパンツに、白いシャツ、そしてショートジャケット。

「レオンさんの店のね、冒険者の払い下げだから、凄く安かったんだよね。ソフィーもこういう格好の方が似合うんじゃない?」

テスさんと服の話に脱線しつつ、皆でわいわいするも、荷車2号を作る事を思い出す。

 

 

「どうです?ジュリオさん、引き心地は?」

ソフィーが尋ねる。

荷車の調子を確かめつつ、ホルストさんにも見せないと……

って事で昨日引いて帰った荷車1号が、またアトリエに戻って来た感じだ。

「いやぁ……ちょっと物足りなく感じるくらい軽いね。高さはこれで丁度いいよ。バランスも、マナフェザーの位置をちょっと変えれば……だから自在だしね」

ジュリオさんは荷車を停めて、レオンさんが降りてモニカが降りて……わらわらと荷車を囲む。

「マナフェザーを付けると重さが無くなるんですけど……あたしはそこまでの錬金術じゃないから、少し軽くなるだけなんですけどね」

ソフィーは指を重ねて笑う。

オスカーが2階の底を見つめてる。

 

「これ、高い所から見るキルヘンベルも新鮮よねぇ~、こんなのあったら~、色々と~……月と太陽の原野からも持って帰れるのに~……」

パメラが2階からふわっ、と飛び降りて来た。

「……月と……?」

ソフィーが尋ねる。なんか素敵な名前の場所?

「あら~、知らないの~?お墓が沢山ある、ヴァルム教会の埋葬場所なのよ~?」

パメラはゆるふわ高音ボイスで話す。

声を聞くだけで癒されるような……

「いや、おばあちゃんのお墓は、近くの森にあるものだから……」

ソフィーが言う。

キルヘンベル近くの森に、訳ありなのか何なのか、おばあちゃんの墓だけがあるのは、キルヘンベルの誰もがよく知らない、謎だ。

「そう言えばそうよね~……」

パメラが月と太陽の原野の伝説と、場所を教えてくれた。

 

 

「それはそうと、全く同じ物を作るつもりじゃないでしょうね?もっとお洒落で、更に魔物からは目立たないようにしなくちゃダメなんだからね!」

レオンさんにダメ出しされた。

……確かにお洒落でもない……

「私が、キッチリお洒落で目立たない荷車にしてあげるわ!」

 

やる気満々だった。1号も見た目を手直ししてくれるそうだ。

 

それはそうとマナフェザーの作成はしないといけない………木材も心許ない………そんな悩みは、パメラとテスさんを乗せた荷車1号が、やたら素早く色々と調達してきてくれた事で、あっさり解決した。

 

ついでに、ウメさんは荷車1号に乗って帰って行った。

 

 

そしてシックでお洒落な錬金荷車2号……夜に完成。

コルちゃんも活用しまくって……

錬金釜もフル稼働で出来上がった!

 

……皆お疲れで、明日も旅休みになったので、テスさんとお昼に、レストランに行く約束をしてみたり。

その時間だけオスカーとジュリオさん、ハロルさんがカフェの働き手を、代行してくれるそうだ。

 

 

夜、熱を帯びるクロースの続き、モフコットを閃く。

そしてモフコットのレシピ構築、モフコット作成!

 

「これ、結構遠回りしたね~………」

しかも、これは別に不思議毛布ではなく、単に暖かい丈夫な毛布……

防具を作るのに向いているやつなので、また更にひと工夫しなければならない。

「しかし、ソフィーももう一端の錬金術士なのですねぇ……」

プラフタも感心したように言う。

「さて!明日はテスさんとお洒落なレストランに行けるかもだよ!とは言え……錬金術生活だね!ゆくゆくはプラフタを人間に戻すよ!」

ソフィーはガッツポーズをする。

「それは壮大な野望ですね……」

プラフタは少し嬉しそうな笑みを含んだ声で、そう言った。

そしてぷにちゃんに頼りつつ、錬金術生活をする。

 

 

朝、ホルストさんのカフェへ。

「やっほー☆ホルストさんも、仕事中ではあるけどいいってさ。デート券的な扱いにしてくれるみたいだから、お手伝いも要らないって言ってたよ」

テスさんがそう言ってウインクした。

「あはは……でももう、やる気みたいだから……」

ソフィーは胸元で指を重ねて笑う。

 

レオンさんが1番やる気で、オスカーとジュリオさんとハロルさんは、そんなレオンさんに引きずられる形ではあるんだけど。

「そうなのですか?今人気の、キルヘンベルのスター達ですから気が引けますが……」

ホルストさんがそう言って考え込む。

そんな話をしながら、朝食をカフェで食べてカフェを出ると……

レオンさんのお店が何か賑わってる。

 

「ん~?何かな?」

ソフィーも覗いて見ると……

「うわぁぁぁ!!オスカー!格好いいぃぃぃ!!」

 

黒いオーバーオールに緑のシャツ、かぼちゃの帽子はそのままで、超格好良くなってる!

元々もハイセンスだけど……これもいい……!

集まった人々の背後で黄色い悲鳴を上げたソフィーを、集まった人々が驚いて振り返る。

ジュリオさんはモニカみたいなスッキリキッチリした感じの服で、青ベースで赤のポイント。

こちらも格好いい。

 

「こ、これ高いんじゃないのかい?レオンさん……」

オスカーが自分の服を見てレオンさんに聞く。

「いいのいいの。ウチの広告塔みたいなもんだし、お世話になってるし!タダでいいのよ。その代わり旅がお休みなら、なるべくそれ着て宣伝してちょうだい」

ハロルさんは、なんか少しずつアクセサリーが増えて、貴族らしさに磨きがかかってる。

そして時計店に引っ込んでった。

……テスさんの代打……恐ろしく気合いが入ってる。

 

「ででで……デートしよう!オスカー!」

ソフィーが血眼を向けると、オスカーは怯む。

「どどど……どうしたんだソフィー?……まあ、でも昼前から仕事だから……ちょっと本屋に行くぐらいしか時間ないぞ?」

そんなオスカーにしがみつくと、ソフィーは人の集まりから、オスカーを引っ張り出す。

「それでもいい!なんかとにかく一緒に歩きたい!」

そんな有頂天のソフィーとオスカーで、本屋に向かう。

 

 

「おおおおお!?オスカーさん……!なんか格好いいです!新鮮さが凄い……!」

途中に通るコルちゃん露店で、コルちゃんが食い付く。

「いつもの服もいいだろ?」

オスカーはコルちゃんを見る。

こちらはレオンさんの露店に注目を取られて……

などと思いきや「コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会」のおじさん達が、近くのテーブルを占拠しつつ、溢れていた。

 

……果実の日……

種の日のお決まり……

コルネリア露店のお菓子おつまみで、お酒を飲む会だ。

すごくリーズナブルなんだとか。

「アレはアレでかなりの完成度……マルグリットさん恐るべしなのですが……オスカーさんのお腹が所々覗いてまして……小さくなった感がありまして……」

子供とおじさんで賑わう一角に、ディーゼルさんの姿もあった。

……お酒飲んで職人さんと話してる。

 

そんな事はよそに、コルちゃんとオスカーで話す。

「コル助も人の事は言えないだろ?……でもコル助の方が気合い入ってる感じするけどな……」

オスカーはそう言って「コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会」のおじさんを眺める。

「私も成長しているみたいで、ちょっと小さい感はありますね……」

コルちゃんも、太ももを眺めるおじさんに目を向ける。

 

 

……レオンさんが来て以来、コルちゃん露店のお手伝いは女の子ばかりになり、衣装もなんか……ソフィーはそんな教会の女の子達を見る。

……華やかになってきたもんだ。

「私の服は看板のような物でして……お店を開く前に、もっと足を出さない服にしとけば……などと思ってみたりもしています」

コルちゃんもそう言って「コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会」のおじさんをまた見る。

足を見てたおじさんが視線を外してた。

「ソフィーのも看板なんだよな……」

オスカーは本屋へと歩き出す。

ソフィーもそこについてく。

……でもおじさんの気持ちも解るかも……

今、オスカー見てるだけで幸せだし……!

「おばあちゃんが作ってくれた、錬金コートだからね!」

ソフィーはそう答えて、オスカーと本屋へ向かう。

 

 

「あら。ソフィーと……えええ!?オスカー!?」

本屋にはモニカが居て、本屋一同もオスカーに食いついた。オスカーってば本屋の常連だし。

「いやぁ……お昼にさ、カフェで手伝う事になったから、それ用にってレオンさんが夜なべして、ジュリオさんとオイラの分を……」

オスカーが言いかけた時、モニカは居なくなった。

……分かる……その気持ち……

 

「ふふふ。お昼……こうしてはいられないわね。本屋は今日、臨時休業にします!」

エリーゼお姉ちゃんが立ち上がる。

「ええええええぇぇぇぇ!?」

本屋を追い出されてしまった……まだお昼には時間あるのに、皆してカフェへと向かっちゃうし……

 

 

「……おや?」

フリッツさんが来た。

「あ、どうも。作業台の方は……」

……なんか久しぶりに見た……そう思いつつ、挨拶をする。

「ああ、おかげで良い物が出来た。今は人形作りに集中出来ているが……本屋に用があったのだが今は……臨時休業?」

臨時に作ったエリーゼお姉ちゃんの貼り紙を見て、フリッツさんは尋ねる。

相変わらずの落ち着いた、ナイスミドルボイスだ。

「はい……今日は……」

 

ソフィーは経緯を説明する。

オスカーの話だと、フリッツさんもまた、本屋の常連みたいだ。

「ふむ。楽しそうだな……私も乗り遅れぬように、足を運ばなくては……」

そしてフリッツさんもカフェへと向かって行った。

「……まだ9時なのに……」

ソフィーがそんな後ろ姿を見送りながら呟く。

 

「オイラはソフィーに連れ出されたおかげで……ジュリオさんには悪いけど気楽になったな。本屋まで閉まるのは残念だけど、近くの森の植物達にも、御披露目しとくかな」

オスカーと2人で近くの森へと行く。

……はぁ~……なんか幸せ……

オスカーと昔話とかしながら過ごす……晴れた森……

 

 

そしてお昼、モニカとソフィーでテスさんを迎えに行く。

カフェの賑わいが……凄い。

店内から溢れて、テラスと空き地までお客さんで賑わってる……

「これはあたしも、レストランとか行ってる場合じゃないと思うんだ……」

テスさんが呟く。

レストランも営業してるのか怪しい。

そんくらい、おばさん達がカフェに来てる……

「私も……こんなジュリオさんを逃しながら、レストラン行っても涙の味がすると思うのよ……」

モニカも言う。

コルちゃんはコルちゃん露店が忙しいし、レオンさんも服の注文が立て込んでたりしてる。

「あたしも、オスカーが頑張る姿、見ていたいよね~」

ソフィーも頷く。

まさかこんな事になるとは……

 

 

「ジュリオさん、私達、うに豚ランチ!3つね!」

結局、カフェ裏の職人ランチ場所に座る。

そしてモニカが注文する。

「あれ?レストランでオシャレな食事は……まあ……それはいいけど、なんかカフェってこんなに忙しかったんだね……」

スマートな佇まいの、ウェイターの似合うジュリオさんが注文を取りに来て、そう話す。

「今やソフィー達、キルヘンベルの注目の人だもんね……テスさん勝てないや……」

制服を脱いで私服になったテスさんが、頬杖をついてジュリオさんを見つめる。

私服……相変わらず格好いい……テスさんパンツ派で、髪とか短くしたらイケメンな感じ……

「いやいや、新鮮味ですって!でも……あれ?オスカー居なくない!?」

ソフィーはそう言って探し続けてるオスカーをまだ探す。

「オスカーはテーブルの間が狭いし……料理作ってるんでしょ?」

モニカが答える。

「せっかく格好いいのに~……!」

ソフィーはじたばたする。

それからもテスさんと色々と話して、注文が来るのを待つ。

 

「ところでソフィーってさ~……いっつも同じような服じゃない?せっかくカワイイんだから……お洒落とかすりゃ~い~のに」

頬杖のまま、テスさんは話す。

「あ、あたしのは……制服なんですよ。錬金術士としての……とか言いたいけど、貧乏なんですよ……だからかな……」

ソフィーは指を重ねて俯く。

「ホルストさんの依頼で稼いでるんじゃないの?まあ……八百屋とコル露店とレオン仕立て店で散財してるって聞いてるけど……それにあんな豪華な荷車とか作ってくれて……なのに自分には遣わないんだな~……ってテスさん、感心してるのさ」

テスさんは頬杖から顔を起こして微笑む。

 

「おい……お前らレストラン行くから、俺達が代行なんじゃないのか……それに……なんで今日に限ってこんなに繁盛してるんだ……」

ハロルさんがうに豚ランチを持って来た。

テーブルの隙間、お客の隙間をすいすいすり抜けてる身のこなし……

ハロルさんてば器用……

「あはは♪だってやっぱり格好いいトコ、見ないとね?」

ソフィーは答える。

ハロルさんはすい、すいとランチをテーブルに並べる。

「格好いいも何も、八百屋の倅は厨房だ。それにいつもの服だったぞ。……あいつは太いし、厨房のが得意だからな……」

そう言ってするすると戻って行った。

……早い。愛想ない。

 

 

「なんか……予定狂っちゃったね……」

お昼を終えて、カフェに戻るテスさんに、離れるに離れられなくなったジュリオさんを見て、ソフィーは呟く。

……なお、ハロルさんはいつの間にか居なくなってた。

……それでジュリオさんが離れられない感じもあるけど……

「そうね。でもなんか……やっぱりジュリオさん、格好いいわ~……」

モニカも、長いお昼ラッシュを捌くジュリオさんを眺めて、しみじみとそう言った。

 

 

せっかくなのでモフコットをコルちゃん露店に登録し、レオンさんに頼んで混合毛のシャツ……

防具を注文する。

コルちゃん露店で買ったアカツキの毛皮……

「肉体を強化する」の特性がモフコットに付いて、コルちゃんに量産されてゆく。

……それも73コールで。

なんか増やしやすいらしい。

そんなモフコットが、混合毛のシャツとしてコルちゃんとソフィーを守る計画。

パーティーの防御弱い所の補強となる。

 

そしてアトリエに帰る。

 

 

アトリエに帰ると、エリーゼお姉ちゃんとフリッツさんが遊びに来てた。

「おかえりなさい、ソフィー」

プラフタは軍手で本をめくりながら、帰って来たソフィーを出迎える。

「カフェで一緒しちゃって。そのままプラフタの話になったのよ。それでフリッツさんも……遊びに来てたんだけど……大丈夫かしら?」

少し心配そうにエリーゼお姉ちゃんが言う。

「全然平気だよ?むしろ大歓迎ですよ。あたしもお茶入れようっと……」

 

 

だけどせっかくの時間……

モノクログラス12時間は仕込む。

その仕込む間は、エリーゼお姉ちゃんもフリッツさんも、プラフタに誘われて外のテーブルでお茶してくれていた。

今日のカフェの話で盛り上がり、夕方には2人で帰って行く。

 

 

そして夜中にモノクログラスが完成して、素朴な焼き菓子を作って過ごす錬金術生活をする。

「取り敢えずカタチにしてる感じなんだけど……カテゴリーパワーMAXを目指したいとこ、あるよねぇ……」

ソフィーは錬金釜を見つめる。

……素朴な焼き菓子……

どうにか、にがいのはクリアしたけど、しょっぱい……

「確かに。ですが今ある素材の限界という物が……錬金釜はもう少し柔らかい空間を持っていると、幅が広がったりするのですが……」

プラフタも錬金釜の近くをふわふわする。

「それだよね……まあ……採取が大事、的な所なんだろうねぇ……」

 

素朴な焼き菓子……

ちょこっと調合の方は美味しくできるのに、1時間掛ける図鑑の調合では……

しょっぱい出来上がりになる。

この辺りが課題なんだろう……

 

 

朝……

種の日……

結構な雨……

雷まで鳴っている……

それでも皆で噴水端会議の日。

「うひゃー!」

ソフィーは教会へと行く。

中は満員……外でお祈りする事にする。

雷雨に打たれながらのお祈り集団……

なんかご利益ありそう……

 

 

さすがに噴水端会議まではせずに、皆足早に帰って行く。

そりゃそうだ。

 

ソフィーもカフェへと向かう。

今日は旅立ちの日だ。

 

……なので、カフェで朝食。

そしてどこ行くか会議をする。

今回こそ温泉を突き止めたらしく、朝凪のほとり、と話が決まっていた。

 

「今度こそ温泉なんですか?」

「今回は確かな情報よ。なんてったって旅の商人から仕入れた最近の情報なんだから!……2年前らしいけど……古文書から仕入れた木材小屋よりは、確かだわ!」

レオンさんが張り切ってる。

温泉への情熱がアツい。

そしてホルストさんからの依頼も、ちゃんとあった。

 

「しかし……大丈夫ですかね……などと心配するのは、ベテラン冒険者でもある、レオンさんやジュリオ君に失礼なのですが……」

ホルストさんはソフィー、オスカー、コルちゃんを見る。

この3人が特に……見た目的に強そうではない。

それにパーティーの防御力を担うのが、服とシャツ……

装飾品は消えてしまっていて見えない。

つまり、魔物の出る場所に冒険しに行くスタイルにも見えないのだ。

……モニカは、ギリギリ冒険者スタイルと言えなくもないのだけど。

 

「ははっ、錬金術士ですから……でも彼女はちゃんと僕らも守ってくれていますよ。すごく真摯に錬金術に取り組んでいますから……」

ジュリオさんはホルストさんにそう伝えて笑う。

「おデブちゃんの野営能力も凄いのよ。食事なんて楽しみになっちゃうんだから。私もいいパーティーに巡り会えたものだわ。ハロルにも勧めてるんだけどねぇ……」

レオンさんもホルストさんにそう伝えて、笑った。

 

 




ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。

[ハダカ族]
一糸纏わぬ出で立ちだけどおヒゲ生えていたり。ずっとハダカ族で過ごしていたら、ひょっとしたら全身に毛が生えて猫みたいに……なるかも?

[貧相な自分]
痩せてたソフィー。人間の骨の場所が分かるくらい。

[冒険者救出のお祝い]
2日くらい床下に隠れていたみたいで、水と食事で復活した冒険者の方々と、お祝い。

[モニカと奥様方の井戸端会議]
エルノアさんの友達が凄く多くて、モニカもいつからかよく話すようになったのだとか。

[コルちゃんがよく食べる]
育ち盛りなので。

[荷車改造計画]
改造計画とはいえ、イチから作っていたりする。
[錬金荷車]
スプルースを参考にしたちょこっと調合、錬金木材が主な材料。車輪については、ハロルさんがやたらと詳しかった。
[錬金荷車2号]
色使いが地味な出来上がり。旅に使う荷車は、こういう少し地味な感じがいいみたい。

[ふわふわゼッテル(ほのかな青)]
ふわふわゼッテル、さやわかバージョン。
[ふわふわゼッテル(ほのかな緑)]
ふわふわゼッテル、お洒落バージョン。
[ふわふわゼッテル(ほのかな赤)]
ふわふわゼッテル、情熱バージョン。

[ウメさん]
旦那さんが屋根職人だったみたいで、錬金荷車の屋根では、色んな知恵を貰った。

[テスさんの普段着]
今回は腰の辺りの鎖のアクセントが、ワイルドな感じ。自分で作った服なんだとか。普段着は格好いい感じ。お下がりを弟たちが着るので、結構張り切って服作りしてるのだとか。

[カフェの働き手代行]
レオンさんがノリノリ!
[黒いオスカー]
シャツが少し短め。ズボン長め。ちょっとだけ足が長く見えてカッコいい。
[スッキリキッチリしてるジュリオさん]
なんか、凄く真面目そうになった。イケメンジェントルマン……ホルストさんの若い頃、こんなんだったんじゃないかと思われ……

[コルネリア露店のお菓子おつまみで、お酒を飲む会]
コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会の主な活動。コルちゃんの足が細すぎず、ふっくらしててあまりに素晴らしい!らしい。

[ディーゼルさん]
いつの間にか、コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会に混じってもいたり。

[カフェ裏の職人ランチ場所]
ふわふわゼッテルの利用で、もっと多くの人に使って貰える空間に!

[うに豚ランチ]
香ばしく甘い豚ネズミ肉料理。大人気の素敵ランチ。

[素朴な焼き菓子(ちょこっと調合品)]
ハチミツとか銅いもエキスとか使われていて、甘くて美味しい。でもHPLPバリアの回復効果なんかは、無くなってるバージョン。素朴からは離れて行く感がある。

[温泉]
あったか~い泉。病気も治るんだとか。

[オスカーの野営能力]
食べられる植物の知識、料理上手。泉発見能力、水質鑑定に戦闘までこなせる完璧超人!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。