錬金術のアトリエ 1   作:東京のぷるぷる

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錬金術のアトリエ 30

錬金術のアトリエ 30

 

「朝ですよ、ソフィー……」

種の日の朝。

プラフタはソフィーを起こす。

あまり根を詰めても良くないから、オスカーとのラブラブに絞って寝る事になったので、プラフタもゆっくりしていただけだ。

 

「ん~っ!はうぅ……」

ハダカ族のソフィーとオスカーは起き出す。

昨日は特に絡む事もなく、イチャイチャして眠った感じ。

足取りもしっかりさんだ。

「おお!びよんびよんだな……」

オスカーは、朝勃ちのちんちんを指で左右に揺らす。

「あははっ!も~っ!オスカーケダモノなんだから~っ♪」

ソフィーはハダカ族のまま、錬金釜の方へと逃げて来た。

「……これ、なんでだろうな?オイラすっげえ冷静なのに、こうなってる時って不思議なんだよなぁ……」

オスカーはいつものおとぼけボイスで、ちんちんみつめながら、のそのそ歩く。

「オスカーは、早く服を着て下さい!私も居るのですよ!」

 

プラフタは、ソフィーの近くをパタパタする。

プラフタ的にも慣れてきた感じはあるけれど。

「お……おお、そう言われてみればそうだな……」

オスカーは、のそのそと暖炉前へと行く。

「ソフィーも、服を着て下さい……」

「え、えへへ……」

2人は服を着る。

 

 

「じゃあ、出発~!」

ソフィーは、もふもふモフコットに包んだプラフタを抱えて、オスカーとアトリエを出る。

そして、アトリエに鍵を掛けた。

 

「なんか、赤ちゃん抱いてるみたいだよね~……」

そして歩き出す山を降りる道。

ソフィーは呟く。

「……それはプラフタに失礼じゃないか?錬金術の師匠なんだろ?」

オスカーが周りの木々を眺めながら呟く。

「オスカーの方が、そういう所を弁えているようですね。ソフィーはそういう、思った事を考えなしに言ってしまう所が良くありません……」

「うう……」

プラフタに怒られながら、広場へと向かう。

 

 

朝のお祈りの時間、賑わうヴァルム教会。

ソフィーとオスカーは噴水広場でお祈りをする。

モニカも歌う聖歌が聞こえてきて、ソフィーは目を閉じる。

……やっぱりモニカ、歌声いいよなぁ……

そんな事を思いながら、お祈りの時間を過ごす。

 

 

そして噴水端会議。

ハロルさんやらレオンさんやらマルグリットさんやら……

皆集まって、わいわいする時間……

ロジーさんとコルちゃんは、職人さんの集まりの方に居たり。

「こんなに賑やかなのですね」

プラフタがそう呟く。

思い思いに語らう人々の時間。

その後に、人形劇の時間がある。

お祈りの時間のすぐ後に人形劇をしたのは、最初の1回だけだったのだ。

 

 

エリーゼお姉ちゃんとパメラがやる、子供向けの人形劇に、ソフィーとオスカー、コルちゃんは演じる側で参加する。

噴水広場の北側、南側で人形劇が2つあった。

 

エリーゼお姉ちゃんは北側の人形劇。

南側は、芸人師匠と弟子、自警団のお兄さんと一流冒険者が演じているけど、芸人の芸とかもあり、職人さんやおばさんに人気だった。

……むしろ南側のが賑わっている……

 

 

そんなこんなでお昼。

カフェごはんして、錬金粘土をコルちゃん露店に登録して……

明日は旅に行く事を伝える。

 

そしてフリッツさんに錬金粘土を届けないと……

と、エリーゼお姉ちゃんと一緒に歩き、また教会前、噴水広場にさしかかる。

北側の人形劇は午前だけ。

南側の人形劇は午後もやっていた。

……人形劇ではないけど……

笑いを取りまくっていて、コルちゃんはそっちで楽しんでいる。

錬金荷車1号は、相変わらず飲み物を売っていたり、お酒を出していたり。

賑やかなキルヘンベルだ。

 

 

そしてフリッツさんの屋敷に。

お昼も一緒だった、エリーゼお姉ちゃんと一緒に歩く。

エリーゼお姉ちゃんはカフェで買い求めた、フリッツさんの分の食事も携えて……

「エリーゼは、フリッツと仲がいいのですか?」

プラフタが尋ねる。

「人形劇の打ち合わせとかするじゃない?食事もせずに人形に打ち込んでるのよね……それで食べ物くらい差し入れてあげないと……ってだけよ?ソフィーは?」

エリーゼお姉ちゃんはそう話す。

「あたしは、この錬金粘土を届けに行くんです。プラフタの人形を作るのに、この素材が必要なんですよ!」

ソフィーは背中の鞄いっぱいの錬金粘土を、エリーゼお姉ちゃんに見せる。

1個でこのサイズなのだ。

でっかい!

 

ともかく、フリッツの住む民家に入る。

広場に現れなかったフリッツさんは、なんか沢山の紙に更に書き加えていた。

「ふう……あまり包まれているのも、落ち着かなくなるものですね」

プラフタがパタパタと浮かび上がる。

「おお、プラフタにエリーゼ、それにソフィーか。頼んだ物は出来上がったのかな?」

「バッチリ!これです!もうコルちゃん露店にも登録してきました!」

ソフィーは錬金粘土を鞄から取り出す。

 

「ほほう……」

「フリッツ、エリーゼから食事のお届けもありますよ。まずは食べないと悪くなってしまいますよ?」

プラフタが、パタパタとフリッツさんの目の前を飛ぶ。

「あ、ああ……これはありがたい。どうにも目の前に仕事があると……まあ、いつもの口上だな」

フリッツさんは、プラフタに促されて……

まず食事を取る事にした。

錬金粘土を渡したら、また食事を忘れるのだろうから………

「それと、明日は旅に行く予定なんですけれど、フリッツさんはどうします?」

「ふむ、錬金荷車2号で眠る事をアテにさせて貰って、ついて行く事としたいが……勿論、それでもいいのなら……だな。いや、魔法のねじまきの話をハロル君にせねばならんな……是非とも行かねばだ」

 

フリッツさんはそう答える。

まあ……大部分の時間は移動なので、寝ていて問題ないけれど……

「じゃあ、また誘いに来ますね!」

ソフィーは元気よく言う。

「すまん!助かる。その変わり、プラフタの人形は任せてくれ。君達の期待以上のものを作り上げてやる」

フリッツさんは自信満々に微笑んだ。

「はい、楽しみに待ってますね!」

そしてソフィーはフリッツさんの屋敷を出ようとして……

もふもふモフコットを手にする。

「プラフタ、どうする?エリーゼお姉ちゃんの所に行く?」

「今日は特性を詰めた装飾品などを、見守らねばなりません。帰ります」

プラフタはソフィーの手の、もふもふモフコットに着地すると、横たわる。

「じゃ!またアトリエに帰るね、エリーゼお姉ちゃん、フリッツさん」

そうして、ソフィーは元気良くアトリエに向かう。

 

 

「ソフィーも……楽しみつつ、色々と忙しいのですねぇ……」

プラフタを抱えて帰る道、プラフタは呟く。

広場には、まだコルちゃんが南側で人形劇をしていた。

ソフィーは後ろ髪を引かれながらも、足を止めずに、アトリエへと向かう。

「ダークマターしか作れなかった時は、そうじゃなかったんだけど……これもぷにちゃんとプラフタのおかげかな!」

そうして歩いていると、後ろからコルちゃんが来た。

「ふふふ、アトリエが閉まってると思いまして、ソフィーさんが通りかかるのを待っていました」

「また特性研究……忙しくなるね!コルちゃんも錬金粘土は、増やしづらいんじゃない?」

「あれは厄介ですね。ですが……なんとか都合するです」

コルちゃんは、ネコの目で笑う。

「さすがコルちゃん露店店主!」

「明日は旅に出るです?」

「うん、なんか小悪魔討伐の依頼がね、結構あるみたい。だからそんな突っ込んだ場所じゃないと思うけど……」

「それは楽しみです。ちょっと旅のお休みが長かったもので」

そう話しながら、アトリエへと帰る。

 

 

そして錬金術生活……

「全能の力」の特性を纏めた所で双葉の日……

朝になった。旅立ちの朝だ。

 

「よ~し、行ってくるね!プラフタ!」

ソフィーは朝の暗いうちからアトリエを出る。

フリッツさんの所に寄って行かないとだし……

ソフィーは、爽やかな夜明けのキルヘンベルの景色を眺めながら歩く。

まさに今、夜が朝になってゆく。

そして晴れたいい天気なのだ。

 

「キルヘンベルの……夜明けぜよ……」

ソフィーがそう呟く時、丁度モニカが居る場所……

広場の前だった。

「……なにそれ?」

モニカがメガネをくいっ、と上げる。

「え?えへへ、なんとなく、ね!ちょっとフリッツさんを呼んでからカフェに行くね!」

ソフィーは、そそくさとフリッツさんの屋敷に向かう。

 

 

そして皆で集まるカフェ。

それぞれホルストさんのモーニングを食べる。

 

「青葉の丘に小悪魔の儀式……それに大星魚の討伐……結構遠くなるね、ソフィー」

ジュリオさんとソフィー、モニカで依頼の相談をする。

行き先はジュリオさんとソフィーにお任せで、コルちゃんもフリッツさんもレオンさんも、ホルストさんから離れたテーブルで食事していたりする。

 

「遠くに行かないとパワー素材ってないから……遠ければ遠い程アツいけど……魔物もパワフルになるんですよねぇ……」

色々とあーでもないこーでもないして……

結構、東の方角……

静寂の湖畔を目的地とした。

大星魚の討伐だ。

 

そしてアポステルの儀式……

アポステル討伐は青葉の丘……

黒プニ天国の洞窟がある場所だけど、今回は洞窟の外だ。

錬金荷車2号と、ソフィー達はキルヘンベルを出て旅に向かう……

 

 

「ふふふ。見てくださいこれ!あたしの新しい武器を!」

旅の道、ソフィーは荷車を引くレオンさんにフローリッシュハートを見せる。

「へぇ……いつまであの杖なのかしら?とは思っていたけれど、遂に新しくしたのねぇ~……」

「とはいえ、ちょっと急いで作り過ぎた感じがありまして……もっと良い特性が出たから……また作り直しになっちゃうんですよね……」

 

「全能力ブースト」「攻撃力ブースト」

……と付けている武器だけど、フローリッシュハート作った後に「全能の力」を発見してしまい、悔いの残る1品となってしまった。

「どれどれ、斧みたいな作りだな………」

ハロルさんがその杖を見て、ソフィーの所へ寄って来た。

そして手を出すので、ソフィーはフローリッシュハートを渡す。

「そうなんですよ……強そうでしょ?」

「ふん……軽いし、しっかりした作りだな……これをロジックスで作ったのか?」

「はい!ロジーさんに作って貰いました!」

「レオン……ちょっと荷車変わろう」

 

ハロルさんはレオンさんにフローリッシュハートを渡し、荷車を引く。

今度はレオンさんがフローリッシュハートを眺める。

「いい出来だわ……まだ拙い所はあるけど、ここまで出来るなら、鍛冶屋としては一流じゃないかしら」

そしてソフィーにフローリッシュハートを返す。

「オスカーのシャベルも作ったんですよ!ねっ!……て……あれ?」

ソフィーはオスカーを探す。

相変わらず1人離れて、植物に挨拶回りしていた。

 

 

巡礼街道を抜けて、メーベルト農場へと向かう道。

フリッツさんは、人形の両手の設計図と材料だけは持ち込んでいて、眠ったり人形の手を作っていたり……

「……これは……なんと美しい手なのでしょうか……」

コルちゃんが、その手を見て呟く。

「まだ荒く削り出しただけだがな……女性の手だからな……まだまだこれから……ふふふ」

そんなお昼の野営。

ものの1時間、荷車が止まった時間にしか作業をしていないのに、フリッツさんの仕事は早い。

 

お昼の野営が終わり、また荷車を動かして移動になると、2階で眠っていた。

 

 

「なんか、ああして寝られるとダメ親父な感じがあるわねぇ……」

荷車を引くジュリオさんに、レオンさんがこぼす。

「確かにそうだね。でも、フリッツさんはそれだけプラフタの人形の事を、まっすぐに考えているんだろうね……」

ジュリオさんは、そう言って微笑む。

「すっごく頼もしいですよね!」

荷車1階から、ソフィーが顔を出す。

「おデブちゃんも、まっすぐに考えているわよねぇ……」

レオンさんは、またも離れて植物に挨拶回りしているオスカーを見る。

「あははっ!そうですね!」

笑って、ソフィーもオスカーを見る。

 

 

そしてメーベルト農場から有閑広場へ……

森の中の街道に、夜に突っ込む。

しかも雨が降り出した。

モニカが荷車を引いて、ジュリオさんも荷車の1階に乗せられて……

「ジュリオさんを休めるべく、バッチリ捕まえておくです!」

そんなジュリオさんに、コルちゃんとソフィーがしがみつく。

「あたしも!だからモニカ頑張って!」

「……もう逃げないから離れてくれないかな……」

荷車の横で歩くハロルさんは、時折銃を眺めながら歩く。

むしろ雨の中を歩き、それでも銃が使えるのか、そこを研究したいそうだ。

 

……なんだかんだでハロルさんも、荷車乗らない派だった。

「なんか、皆元気よねぇ……」

荷車の横、反対側をレオンさんが歩く。

 

 

そして静寂の湖畔……

24時の到着となった。

雨は長く続いていて、もうずぶ濡れだったり……

 

「静寂の湖畔!ここに来れるなんて夢でも見てるみたいだ!ダラダラの木!フジフェアリー!アカシアモドキ!巨大な生きる宝箱の中に居るみたいなものだからなぁ!は~っ!はっ!はっ!」

少し離れた場所で、ずぶ濡れオスカーは生き生きと駆け回る。

「……あの倅、いつ活動を停止するんだ?」

ずぶ濡れのハロルさんが、嫌そうな顔で言う。

「あはは……植物の無い場所だと、しおれて大人しくなりますけど……」

荷車2号の1階、ソフィーが顔を出す。

コルちゃんとジュリオさんは眠っていた。

「……じゃあ、ずっとあの調子なのか……」

「時折、目触りよねぇ……」

ずぶ濡れでも涼やかなレオンさんも、ハロルさんみたいに嫌そうな顔をする。

「そうなんですよねぇ……」

そこに荷車を引く、ずぶ濡れモニカも加わった。

 

 

「夕食にしようよ……コイツでさ!」

なんかソフィーの顔くらいの大きさの種?

……を、拾って来る。

やたら遅い晩ごはんだけど、皆揃ってお腹減ってるし、街道を離れて静寂の湖畔に突撃する前に、野営にする。

 

「これは……なんなの?」

ソフィーが尋ねる。

「フジフェアリーの種だよ!沢山落ちてるけれど、ずっしりしてるヤツは珍しいんだよな。フジフェアリーって同じ名前の付いた虫が食べちゃうからな」

オスカーがそう言うと、ハロルさんが立ち上がる。

「コル助、レオン……サポートしてくれ……」

そして森へと消えて行った。

「え?何?何?」

ソフィーはオスカーと焚き火を見る。

フリッツさんは、相変わらず人形の手を削ったりしていた。

 

 

そしてハロルさん達が帰って来る。

でかいカマキリみたいなのを捕まえて来た。

……コルちゃんより少し小さいくらいなので、カマキリとしては凄く大きい。

「幻の珍味、フジフェアリー……捕まえて来たぞ……」

ハロルさんがフジフェアリーの首を掴み、高く持ち上げている。

巨大カマキリ、フジフェアリーは太い足をわさわさしてる。

「……珍味なの?」

動じないレオンさん。

ソフィーとモニカは、素早く距離を置く。

「すぐに食べられる物ではないが……」

 

ハロルさんとレオンさん、コルちゃんとオスカーでフジフェアリー(カマキリ)の調理も始めた。

 

 

そんな野営を過ごし、静寂の湖畔へと突撃する。

大星魚が居るという噂の場所……

そして入るとすぐに、それっぽい巨大な魚が陸に居る。

青い島魚的な……ちなみに島魚はきみどり色だ。

「……こんな所で暇そうにしてるのに、一体どこの誰が討伐依頼を出したんだ?」

ハロルさんが囁く。

大星魚は、水に向かって大アクビしてる……

そして目をぱちくりする。

ソフィー達はゆっくり慎重に近寄る。

 

……近寄る……

……近寄る……

……近寄る……

「なんか、触れるくらい近いんだけど……」

大星魚に気づかれないまま、触れる所まで来てしまった。

大星魚はどすんどすん、と跳ねたり、またアクビしたりしてる。

「バカか!お前!下がれ下がれ!」

そこまで近寄ったのはソフィーだけだったみたいで、少し離れた場所で皆して慌てていた。

「うぉぉぉ……ん~~♪」

そうこうしてると大星魚がそう鳴き出して、戦闘になる。

「うわぁぁ!」

「うわぁぁ!……はコッチの台詞だ!」

 

隊列を整えて戦闘になる。

「うぉぉぉ……ん~♪」

なんか嬉しそうな顔をして大星魚が跳び跳ねる。

バゴォォォォン!

ドゴォォォォン!

ドゴォォォォン!

地震が起きて、錬金荷車2号までダメージを受ける!

「なにこれぇぇぇ!」

「いいから黙らせるぞ!」

ハロルさんが銃を構える。

雨でずぶ濡れでも、いつも通りに使えてるみたいだった。

 

 

2回程地震を起こされるも、集中攻撃をしたら魚のヒレを落として水に帰って行った。

「はぁぁ~……びっくりした~……」

地震は凄いんだけど、パーティーの防御力が勝った。

銀いもパワーの回復が上回る。

「ああぁ……錬金荷車2号が……」

傾いた錬金荷車2号を見て、コルちゃんがため息をつく。

「車輪が、地面に埋まってるだけではないか?」

ハロルさんが埋まった車輪を持ち上げる。

別に壊れてもいないみたいだ。

 

「あ♪なんか見っけ♪」

ソフィーは、なんか煙を出してる砂利を見つける。

くすぶる鍛石を手に入れた。

「うぉぉぉ………ん~~♪」

また出てきた!

 

 

……3回目の大星魚を撃退して、パーティーは静寂の湖畔を後にする。

アポステルの儀式とやらにも行かないと……

それに何度でも「遊んで~♪」って感じで出てくるものだから、キリがない。

 

 

そして青葉の丘に戻る。

ジュリオさんが荷車を引いて、散々頑張っていたハロルさんとレオンさんは、仲良く荷車の1階で眠る。

荷車の左右を、ソフィーが、コルちゃんが歩く。

オスカーは、相変わらずだ……

 

 

途中で朝の野営をして、青葉の丘到着は12時だった。

赤プニがころころしてる。

「……悪魔の儀式だから……夜だよね?」

荷車を引くジュリオさんに、ソフィーは尋ねる。

「そうだね。しかし、晴れたねぇ……暑いくらいだよ……」

ジュリオさんは空を見て、眩しそうにする。

「夜まで時間を潰すのなら、こういう場所なら、サカサキノコを探すのがいいかな……」

いつの間にやらフリッツさんが、ソフィーの後ろに居た。

「うわあっ!」

さすがに驚くと、フリッツさんは微笑んだ。

 

フリッツさんの言う、サカサキノコ……

草花の葉っぱの裏にくっついている、キノコみたいな形の虫を探す。

先端がぬるぬるしていて、そのぬるぬるが強壮剤として強力なんだそうだ。

「ん?キノコみたいな形で先端がぬるぬるしてるの!?……恐ろしく卑猥な虫ねぇ……」

モニカは気づき、回りを見る。

「あははっ!ちんちんだよぉ!これ、ちんちん!」

ソフィーが見つけて笑い転げている。

「これはっ!はははははっ!うねうねするのは反則です!はははははっ!」

コルちゃんも大笑いして、そんな所をライトニングが襲い掛かって来る。

 

「気づかれたなら仕方ないな……」

フリッツさんとジュリオさん、ハロルさんですぐに隊列を組む。

ソフィーも参加して、ライトニングを倒す……

もはや格下の魔物だ……

そのまま、サカサキノコを探す。

先端のぬるぬるを小ビンに取って、虫は放す。

そこらじゅうの葉っぱの裏に居た。

カーエン石や峰綿花、気まぐれいちごもよく採れた。

 

そんな中、ウシガエルも見つける。

小さなツノがチャームポイントの、様々な色になれるカエル。

「大物です!大物です!」

コルちゃんが捕まえて、抱えて見せる。

コルちゃんと比較すると、尚のこと大きく見える。

「お腹♪お腹♪」

ソフィーが食いついて、ウシガエルのお腹をさする。

「ウゲッ……ウゲェェッ……ウゲッ、ウゲッ」

ウシガエルが鳴く。

「これは……モニカのおっぱい的な感じ!」

ソフィーはウシガエルのお腹に、そんな感想を漏らす。

「単に大きさ的に、そんな感じですね……」

コルちゃんも、それに乗っかる。

 

「しかし、本当に天真爛漫だな……あの2人は」

そんな2人を眺めて、フリッツさんが呟く。

「カエルがお似合いよねぇ……」

レオンさんも呟く。

ソフィーとコルちゃんは、そんな事はお構いなしに、ウシガエルのお腹に夢中だったり。

 

 

そして、穏やかな晩ごはんの野営……

そしてアポステルの儀式を叩く……

「なんか、寒くない?」

ソフィーが呟く。

なんだか足下から冷えるみたいな……

「ちょっと!何してるのよコイツ!」

レオンさんの足許から、アポステルがブリザードブレスを弱~く吐いてた。

 

今や格下の魔物……

危なげなく倒す。

「なんか……リスっぽくて可愛いですね……」

倒れたアポステルを、コルちゃんがつんつんする。

尻尾の宝石も綺麗な感じだ。

倒れたアポステルが気付いて、のそのそと動き出してコルちゃんから離れて行く姿は、なんだかネコっぽくて可愛い。

 

ソフィーとコルちゃんは、そんな倒れたアポステルへの追い討ちも忘れない。

「ふかふかです〜♪」

アポステルのお腹も、ふっくらやわらか。

「可愛いよね〜♪」

抱き上げてみたり。なでなでしてみたり。

そんなされるアポステルも、まんざらじゃない顔をしていたり。

それからもアポステル討伐は続く。

なんか飛んでるアポステルは狂暴なんだけど、飛んでいないのは穏やかな感じで、むしろ逃げていく。

「滅びたマナの柱から産まれる魔物……って……大星魚といい、アポステルといい、プニプニといい……可愛くない?」

モニカが呟く。

「ぷにちゃんも可愛いからかな……」

ソフィーも呟く。

ともかく、朝まで戦闘と採取をして、妖精の道標で帰る。

 

 

開花の日、晴れたキルヘンベルの早朝……

アトリエ前に帰って来た。

「さて、私はまたプラフタの身体を作らなくてはな……」

フリッツさんは仕事道具と、作りかけの両手を持って帰って行った。

……帰るの早い……

皆でその後ろ姿を見送る。

 

そして、いつものように解散して、ソフィーとモニカ、コルちゃんはアトリエに帰る。

 

 

「おかえりなさい。古本の補修も捗るそうで、エリーゼが寝ていますが……」

プラフタがそう言ってお出迎え。

コンテナの入り口は、ベッドとベッドの間にあるから……

寝ているエリーゼお姉ちゃんの真横を通って、素材を運び込むのだけど、エリーゼお姉ちゃんは起きなかった。

そして3人はぷにちゃんの部屋へと行く。

 

 

「おかえり~♪」

番人ぷにちゃん達が、わさわさと素材に、ソフィー達が脱ぐ服に取りつきながら、そう言う。

相変わらずのわっしょい具合だ。

「ただいま~……なんかゆっくり寝たい気分だよ……」

そしてぷにちゃんの部屋に入る。

「30時間あるね。まずはお疲れみたいだし、ゆっくりしてってね♪」

3人はぷにちゃんの中で眠る……

 

 

「ん~……はふぅ~……」

ソフィーが最初に起きた。

「おはよう♪なんかプラフタの人形を作ってるんだってね。ソフィー、夢にまで見てたよ」

ぷにちゃんがそう伝える。

「そうなの~?あ、ぷにちゃんにも伝えなきゃだったね?」

「まあ、結構伝わってるから大丈夫だけどね。でも魂空っぽで人形に力を与える……ってのはちょっと難しい注文なんだよねぇ……プラフタの魂を一旦私の所に……というのも無理だし……」

「そうなの?」

「まあ、人形が出来たら、私の所に入れておいて。フリッツさん……とやらの行動言動から察するに、それも工程に入ってるっぽいけどね♪」

「そうだったんだ………」

「ともかく、朝から元気に色々としたい事あるみたいだし、魂結いの石も探さないとね。忘れてるっぽいけど」

「ありがとう!実際に忘れてたなぁ……」

ソフィーは、ぷにちゃんの部屋を出る。

ソフィーが服を綺麗にする番人ぷにちゃん達を眺めていると、コルちゃんが、モニカが出てくる。

 

「魂結いの石の話の事、聞いて回らないとだったんだけど……モニカ、コルちゃん、何か知ってる?」

ソフィーは、ただ服を眺めてるだけの時間に、コルちゃんとモニカに聞いてみる。

「私は聞いた事もないのですが、ロジーさんは石マニア……賢者の石からさざれ石まで、結構詳しいみたいですから……聞いてみましょう」

コルちゃんがそう言って胸を叩く。

ハダカ族だから、おっぱいが揺れた。

「賢者の石……は究極の錬金術だよね!?さざれ石??それは何?」

番人ぷにちゃんの1つを抱き締めて、ソフィーは尋ねる。

抱かれてる番人ぷにちゃんは、ぴょこんをぴょこぴょこしてる。

「私も知らないけど、きっと凄い石からくだらない石までって事でしょうから……くだらない側の石ね」

ハダカ族モニカは、棚に並ぶ蒼剛石を眺めて、そう言って笑う。

「モニカさん、惜しいです。貴重な石からありふれた石まで……という感じです」

コルちゃんも、モニカの眺める蒼剛石を見る。

採取した時は結構汚れてたりするんだけど、番人ぷにちゃん達が汚れを食べ尽くして、ピッカピカになってる。

「さざれ石ってありふれてるの?」

モニカは蒼剛石達を撫でて歩く。

「土とか埃みたいなのが固まった石で、アトリエ前にもたくさんあります。砂粒の大きいやつ、みたいな石なんです」

コルちゃんは隣のカーエン石を撫でる。

いつも熱を持ってるカーエン石も、ここの棚に乗ると、ほんの少しあったかいだけになる。

 

「そんな名前があったんだ……」

ソフィーは、そんな2人を追いかけてみたり。

棚に並ぶ採取品を眺めてみたり。

「ロジーさんなら、魂結いの石も知ってるんじゃないかと」

コルちゃんは、ソフィーの抱いてる番人ぷにちゃんのぴょこぴょこに指を出して、ぺちぺちされてみたりしながら言う。

「知ってそうだね!」

ソフィーはぺちぺちされてるコルちゃんの指を見て、抱えてる番人ぷにちゃんをコルちゃんの胸に寄せる。

コルちゃんはすいっ、とかわした。

 

 

アトリエに戻り、コルちゃんとモニカは帰る。

エリーゼお姉ちゃんは寝ている……

「古本の直し、捗ってるみたいだね?」

テーブルの上に、少し開いて立つプラフタにソフィーは話し掛ける。

テーブルには、作業途中の本とクレヨン、蝋絵の具が置いてあったり。

「はい、ウメさんが頑張っていまして」

プラフタは飛び上がり、ソフィーの眺めている暖炉前のテーブルに向いた。

 

「まあ……錬金術生活するかな!何か仕込んでお出掛けして、ロジーさんに魂結いの石の話を聞かないといけないよね!」

ソフィーはくるり、と錬金釜に向いた。

 

「……今日は天気がいいですねぇ……」

プラフタが窓際をパタパタ飛ぶ。

……天気がいいからお散歩したい……

そんなソフィーの気持ちを見透かしているようだ。

 

 

コンコン……

とドアをノックされて、ウメさんがやって来た。

今日もアトリエで、古本の直しをする予定だったみたいで。

「いらっしゃい~♪」

1つ錬金釜に仕込み終えた所で、ソフィーが顔を出す。

「あらあらソフィーちゃん、またまた2日もどこに行ってたんだい?」

ウメさんはにこやかにそう言って、お辞儀をする。

ソフィーはウメさんを招き入れる。

「えへへ……今は冒険もしてまして……静寂の湖畔で大星魚討伐と、青葉の丘で小悪魔の討伐をしてました……」

ソフィーはお茶の準備をする。

どのみち3時間、待つ時間だし……

「なんか、ソフィーちゃんは野山を駆け回ってばっかりだねぇ……」

ウメさんは暖炉のテーブルに着く。

そして古い本を少し眺めて、置いた。

「エリーゼお姉ちゃん……起きないのかな?」

ソフィーは寝ているエリーゼお姉ちゃんの方を見る。

 

 

ウメさんが古本を眺めて、ソフィーとプラフタとおしゃべりしていると、エリーゼお姉ちゃんも起きた。

賑やかな朝食になる。

「誰かと一緒の食事って、いいですよね~♪」

遠くの森で採れた土いもの煮物を前に、ソフィーは能天気に笑う。

「なんか、夜遅くまで頑張っちゃって……プラフタに誘われるまま生活しちゃったけど、いいのかしら……」

エリーゼお姉ちゃんも、煮物を前にそう話す。

「寄りつかなかった頃よりも、全然いいよお姉ちゃん。ダークマターのアトリエの頃なんて……オスカーしか来てくれなかったもんなぁ……」

ソフィーはそう話し、笑う。

「あたしも、あの臭いは苦手だったわぁ……」

ウメさんも苦笑いして見せる。

 

そんな話をして過ごす朝食。

そして、なんか今日はソフィーが居る、という事で、エリーゼお姉ちゃんは古い本とか、道具を纏めて帰る。

ウメさんも帰って行った。

 

そして錬金術生活。

お昼を過ぎた頃にコルちゃんがやって来た。

「ソフィーさん、魂結いの石の在処は……山師の水辺だったみたいですけど……20年に1度しか出てこないとかなんとか……」

コルちゃんがそう教えてくれた。

山師の水辺……

つい最近に行って水遊びしたけど……

つるつるの丸い石なんて、見掛けなかったけど……

 

「魂結いの石は、ダウジングロッドを使って探すと見つかるとか。ロジーさんが作ってくれますので、次の旅にでも、それで探しに行きましょう」

コルちゃんはそう言って、ぷにちゃんの部屋へと入る。

「なんか、トントン拍子に進むね!」

「ソフィー、キルヘンベルという場所は、頼りになる方々に恵まれていますね……」

「よ~し、今は全能パワー装飾品、作らないとね!」

錬金術生活は続く。

 

 

夕方、雨が降ってきて、雷まで鳴り出した。

ソフィーは錬金釜に向かい、次なる装飾品を仕込んでいる真っ最中、窓が稲光で光る。

ドドーン……

そんな雷の音も聞こえた。

「あーっ!」

「イキナリ叫ぶのですねソフィー、どうしました?」

「特性、3つ移せた!」

悪天候をものともせず、ソフィーは錬金釜かき混ぜ棒、人呼んでぐるこん棒を手に、勝利のポーズになる。

 

「なんと!あなたの錬金術は、本当に急成長しますね。ついこの前まで、山師の薬しか作れなかったとは思えない成長ぶりです」

「へへ~……プラフタの教え方が、なんかあたしの錬金術にピッタリなおかげだよぉ~」

錬金術生活は続く……

 

 




ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。

[ハダカ族]
産まれたままの姿……というと何か違和感があるけれど。赤ちゃんの事をハダカ族とは言わないし。

[もふもふモフコット]
ちょこっと調合品。もふもふ!

[北の人形劇]
ソフィーも楽しみにしている人形劇。パメラとエリーゼお姉ちゃん、子供達でやっていたり。
[南の人形劇]
コルちゃんが商売していたりする人形劇。芸人師匠と弟子が、切り盛りしてる。

[植物に挨拶回り]
旅のオスカーのいつもの行動。皆より余計に歩きまくって、食べられる物とかじゃんじゃん持って来るのに、不思議なくらい疲れない。

[ダラダラの木]
葉っぱがダラダラしてる木。キルヘンベルから離れないと、生えてない木。

[フジフェアリー]
紫の花がダラダラと吊り下がる様は、美しいの一言。なのだけど、この時期はもう実になっていたりする。

[アカシアモドキ]
白い花がダラダラと吊り下がる。花が食べられるみたいだけど、凄く蜂の巣だらけ。しかも狂暴な蜂が飛び回るので、危険な植物。

[フジフェアリー(カマキリ)]
フジフェアリーと共に生きる緑の巨大カマキリ。フジフェアリーの葉っぱに紛れると、どれがカマキリでどれが葉っぱか分からなくなる。

[サカサキノコ]
ちんちんみたいな芋虫。葉っぱの裏にくっついてぶら下がってる。
[ウシガエル]
牛みたいなツノを持つ大きめのカエル。ツノは柔らかい。

[ぷにちゃん]
魔力の源。植物とか動物にも影響を及ぼしていて、魔力のある世界とない世界では生態系も違う。
[番人ぷにちゃん達]
コンテナの番人達。ぴょこぴょこがぴょこぴょこするのが可愛い。

[古本の直し]
文字が掠れていたりする本。仕入れた時からこんな感じ。という物も多いんだって。
[クレヨン]
ちょこっと調合品。古本の直し用。
[蝋絵の具]
ちょこっと調合品。古本の直し用。

[ウメさん]
アトリエの前の井戸によく居る。お住まいは住宅区。

[土いもの煮物]
土いもの良さを味わえる1品。

[ダウジングロッド]
魂結いの石を寄せる、とも言われる2本のハリガネ。昔から伝わる製法でロジーさんが作ってくれた。何でも恐ろしく簡単な物なのだとか。
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