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錬金術のアトリエ 39
「さて、ちょっとアトリエに行ってきます」
ヴァルム教会前、噴水広場。
南の人形劇も日が傾く頃には終わる。
後片付けの人々で賑わう中、コルネリアはテスにそう言って、アトリエへと歩くソフィーとプラフタを追いかける。
「お~よ☆……コル助はやいなぁ……相変わらず」
テスはそう言ってコルネリアを見送ると、キラキラ飾りの錬金荷車1号を引いてカフェへと帰る。
「本屋さんですか?」
コルネリアは、旧市街からやって来たソフィーとプラフタに、そう話し掛ける。
「コルち~ゃん♪実はね、フリッツさんの所でエリーゼお姉ちゃんの事を聞いてたんだよ~」
ソフィーは笑い、そう話す。
「これ、ソフィー……そんな広めるような……」
プラフタがそんなソフィーをたしなめる。
「エリーゼさんとフリッツさんですか……言われてみれば気になる所です……」
コルネリアは考えるポーズをして、呟く。
そして色んな話をしつつ、アトリエへと向かう。
「ようこそ~♪あと140時間あるね♪」
なんかやたらゴキゲンな、番人ぷにちゃんの群れがお出迎えする中、扉の側で服を脱ぐ。
今回もマナの柱はゴキゲンみたいで、早くエサ寄越せオーラ全開で、脱いだ服を棚に置かれるのを待って、ぴょこんとした手?をふらふらさせる。
しかも集団で。
つまり、わっしょいわっしょいしてる。
「も~……脱がせたがりなんだから~……」
ソフィーはそんな番人ぷにちゃんの群れに、脱いだ服を渡していく。
「今日もめちゃくちゃ可愛いです♪」
コルネリアも、番人ぷにちゃんに脱いだ服を渡していく。
マナの柱の部屋で、ソフィーとコルネリアでプラフタのおっぱいに甘えて眠る。
エロエロは疲れるし、ストック140時間もあるから、余裕だし……
2時間くらい眠るのが凄く都合がいい。
「2人ともまだ子供なんでしょうか……」
プラフタは思ったりもする。
「おはよう♪」
コルネリアが起きた時、ソフィーもプラフタも居なかった。
マナの柱によると、コルネリアだけ5時間、ソフィーとプラフタは30分程で起きて出ていったみたいで。
「錬金術、複。の能力を使ってると、疲れが出るものね。眠る事は凄く大事だからね」
マナの柱はそう話す。
繰り返し、言われてる事。
「ここで寝ると、凄くスッキリシャッキリするです」
コルネリアはそう言って扉を出る。
扉を出ると、服に取りつく番人達を待つ時間に、食材をまとめてる、ハダカ族ソフィーとプラフタが居た。
「スッキリ……シャッキリです!」
コルネリアは片足を上げて両手を広げる、スッキリシャッキリのポーズを取る。
「スッキリ……シャッキリです!」
プラフタが、そんなコルネリアを見て、同じポーズを取る。
「むう!?まさかプラフタさんが……!?」
コルネリアは片足でぴょんぴょん飛びつつ、ポーズを維持して近寄る。
「あたしも!スッキリシャッキリ!」
ハダカ族3人で、上げた片足の膝を付き合わせて、スッキリシャッキリ争いをしてみたり。
棚の廊下が広いので出来てしまう芸当だ。
「もう!なんですかこれは!」
プラフタが大いに苦笑いをして、上げていた片足を落とした。
「元気!元気の証です!」
コルネリアも笑う。
そうした後にピッカピカになった服を着て、3人でアトリエを出る。
ソフィーとプラフタは、モニカのお家で晩御飯だそうで。
コルネリアは、モニカのお家で別れて1人で歩く。
……今日はロジーさんと……
そんなワクワクしながら、軽い足取り。
……
「鍛冶屋ロジックス、注文はコルネリア露店で受付中」
新しくした、可愛いカラフルな貼り紙が出たままで、もうコルネリア露店は終わっている時間。
コルネリアは貼り紙を剥がして中に入る。
「ただいまです~」
中に入ると、汗だくのロジーが注文の品々を完成させて、釜の火を落としている所だった。
その中に、コルネリアの手甲もある。
「おかえり。コルネリアの手甲も完成してるぞ。しっくり来るか、着けてみてくれ」
ロジーはそう言って笑う。
コルネリアは貼り紙をドア裏に貼ると、汗だくのロジーに近寄る。
「長らくこの手甲でしたが、新しい物でも馴染むでしょうか……」
ロジーに近寄ると、コルネリアは後ろを向いて、背中の帯止めを向ける。
「あ!……先にお水を汲んで来ます。ふわモフタオルも用意しないとでした」
コルネリアはばっ、と袖を開くように両手を広げると、そう気付く。
「2度汲んだ水も、もう無いか……」
ロジーとコルネリアは、鍛冶屋の裏口を出てすぐにある、井戸広場へと行く。
壺屋と八百屋、並びの家と共同で使う井戸。
そして4つの桶を水で満たして、鍛冶屋へと戻る。
「じゃあ、解くぞ……」
桶を置いて、ふわモフタオルを用意して、ロジーはコルネリアの側に寄る。
「はい。お願いします」
ロジーは帯を解く。
コルネリアのいつもの服は、するっ、と落ちるとすぐにショーツだけになる。
ロジーもソフィーも、最初はびっくりの構造だった。
服を落とすと、すぐにVショーツと乳帯だけの、肌着姿になる。
「服に縫い付けて仕込む……感じか……」
そしてロジーは服を持って、作業台の方を見る。
「あまり新調の予定が無かったもので。でもやはり縫い付けてしまって、使って行きたいかな……と」
コルネリアは答える。
「まあ、極力変わらない使い勝手にするよ。俺はそういう職人だからな」
ロジーは慣れた手際で手甲を外し、新しい手甲を取り付けて行く。
そしてものの5分で取り替えて、コルネリアに服を着せる。
「さすがロジーさん!しっくり来てるです!」
手甲をふらふらさせてみて、コルネリアは言う。
なんとなく、新調した今のやつの方が安定している感じもある。
「実戦になると、更に仕込まれた金属が電撃を放つから、危険なまでに威力もある。コルネリアは手甲をふらふらさせて日常生活をしているから、少し危ないけれど、日常でも実戦でも使って行けるハズだよ」
ロジーはそう言って手甲を撫でる。
「それはそうと……お腹減ったです!」
コルネリアは外を見る。
「地下室に特製バスケットがあるから、食べてしまおうか」
「なんと!それは素敵です!食べるです!」
コルネリアはそそくさと地下の寝室へと行く。
その後ろ姿を見送り、ロジーは微笑む。
こうした姿はまるで子供のように思えて、ついつい微笑んでしまう。
「はんは、はんほひはははっはへふ」
サンドイッチを咥えながら、コルネリアが戻って来た。
「ははっ……そうか昼に食べたんだったな……壺屋にでも行かないとだな」
そんなコルネリアに思わず吹き出しながら、ロジーは手を出す。
3切れのサンドイッチの一つを受け取り、それを口に運ぶ。
「もぐもぐ……」
コルネリアは食べながら頷く。
最後のサンドイッチも口に運んだ。
口は小さいのだけど、食いしん坊だったりする。
空のバスケットを置いて、2人は壺屋へと行く事にした。
「しかし……汗臭くないか?」
ロジーは自分の体臭を気にする。
コルネリアはその胸に顔をくっつける。
頭の陰陽飾りの帽子がロジーの顔に当たる。
「おおっ!飾りが……」
そんな2人を、順番待ちしているオジサン達が眺める。
「特に平気ですね……」
コルネリアが近づいたまま、ロジーに向けて顔を上げる。
陰陽飾りの帽子は、ロジーの顔から遠ざかって行った。
「そ、そうか……」
ロジーは既に並ぶオジサンを見る。
4人だけど、4人ともこちらを見ていた。
ともかく、食事を終えて壺屋の外で歯磨き。
オジサン達も歯ブラシ持参で、塩軟膏で歯磨きする。
そうして鍛冶屋へと帰る。
コルネリアは行列のオジサン達の所に少し残り、商売の話をする。
ロジーは1人鍛冶屋に帰ると、まだ熱の残る釜に向かい、身体を洗う事にする。
少し洗った頃には、コルネリアは戻って来る。
壺屋で食べる時の、いつもの光景。
「壺屋のおやじさん、どんどん煮物も芋も美味しくなっているです!今は豚ネズミの骨を煮込んで、更に美味しくなっているそうで、おやじさんもノリノリなんだとか」
コルネリアはそう、ロジーに話しながら服を脱ぎ、陰陽飾りの帽子も外す。
これもいつもの光景になった。
「そうか……確かに揚げ芋を浸けたスープ、旨かったもんな。おやじさんもノリノリか」
コルネリアに中和剤石鹸の泡付き、ふわモフタオルを渡し、ロジーは話す。
「井戸の桶掃除、最近やってないのでやって欲しいと言われてしまいました」
ロジーを洗いながら、コルネリアは話す。
お互いに旅に出てたりするので、忘れたりする事もあったり。
「そうだな……明日、俺は日帰りだから、やっておくよ。コルネリアは?」
洗われながら、ロジーは呟く。
「未定ですが、双葉の日、蕾の日と旅先で。開花の日に帰ってくるのかと思います。強敵を求めて遠くへ行きますので」
コルネリアはロジーの背中を、首の後ろを洗う。
解いたピンクの髪が、少しくっつく。
「まあ、そうだよな。新しい手甲は今までとは違うから、そこは気を付けてくれ」
ロジーは顔を上げて、コルネリアに振り向く。
「はい。着け心地からなんだか良くなりました。さすがロジーさんです」
中和剤石鹸の泡を、ひとしきりロジーに付けて。
コルネリアは、熱の残る釜で温かくなった桶の水に、ふわモフタオルを浸ける。
今度は泡を流すのだけど、少し中和する時間を置く。
「明日は何時です?」
コルネリアは身体をくっつけて、尋ねる。
「5時に迎えが来るな。近くの森で、豚ネズミ取りのパーティーの護衛を頼まれてるな」
ロジーは、おっぱいをくっつけて来たコルネリアの、首に掌を当てる。
コルネリアはロジーの頬をぺろっ、と舐めた。
「今日もエロエロしたいのか?」
「はい。エロエロしたい……というかイチャイチャしたいです」
コルネリアは少しにやけて言う。
昨日散々ハジケて鳴いて過ごしたのだけど……
と、ロジーは思うものの、まんざらでもないし、むしろ大歓迎だ。
「俺もだ。眠くはないのか?」
泡だらけのロジーは、コルネリアの頬と頬をくっつけるように、コルネリアを引き寄せる。
「はい。ぷにちゃんの所で寝てきていますので。もう、好き好きってしたいです」
コルネリアはネコの目で笑う。
甘い、誘うような可愛い声が、ロジーの耳許で聞こえてくる。
……そして昨日の事を思い出す。
「ひあぁっ!あっ!ロジーさんっ!ハジケてっ!はじぃぃぃっ!」
花柄の細い銀の布を首に、左腕に、右の太ももに。乳首には、金の糸で作られたリングで彩られたコルネリアが、甘い悲鳴を上げる。
人より小さな身体は敏感で貪欲で、ロジーの欲望を受け止めてハジケて、ピンクの髪を振り乱して震えて身体を反らした。
「ちゅ~……ちゅ~してください……」
コルネリアはロジーの顔に手を伸ばす。
女の子が皆そう望むのかは、ロジーは知る由もないが、コルネリアは頻繁にキスを求める。
キスをすると嬉しそうな顔をして、頬を赤らめるし、ハジケやすくなるみたいに感じる。
コルネリアの手はロジーを捕まえて、舌を絡めるキスをする。
ロジーもコルネリアの頭を捕まえて、そのキスに応える。
もう何度こうした事か……
「こうしてるの、素敵です」
キスしている唇をわずかに離して、コルネリアは可愛い声を向ける。
涙に濡れた瞳は微笑むように細めて、ロジーをときめかせる。
「可愛い……綺麗だ……」
ロジーはそんな気の利かない台詞を吐き、また唇を合わせる。
「はんっ……はんっ……んちゅっ、ちゅっ……」
お互いに身体をもじもじうねうねさせながら、唇を吸い合う。
お互いの愛おしさを擦り合わせるように。
ロジーの所へコルネリアが押し掛けて来てから、冒険者に色々と男女の話を聞いた。
曰く、チンコをしゃぶらせてからどうの。
曰く、ワレメを舐めてどうの。
曰く、後ろから尻の穴をどうの。
曰く……
コルネリアは下半身に唇を寄せるのも、寄せられるのも嫌う。
尻の穴をどうの。
は、成就したものの、後ろからを嫌う。
とにかく、キスを中心に回る。
イチャイチャする時もエロエロする時も、キスが凄く多い。
顔と顔が近いと安心するみたいで、ご機嫌にもなる。
涙に濡れた目を細めて、ロジーに微笑む。
そんなコルネリアとのイチャイチャにもエロエロにも……
お互いに溺れてる。
………
ふわモフタオルで身体を流して、そして乾いたコルネリアはロジーの肩を、胸を撫でる。
「バッチリです!ロジーさん、考え事です?」
正面で目の前に、ネコみたいなコルネリアの瞳があった。
「あ、ああ……昨日の事を考えていた。こんなんじゃロクな鍛冶屋になれないよな……」
ロジーは正面のコルネリアを抱き締める。
コルネリアは抵抗なくロジーと胸を合わせて、ロジーの唇のすぐ横にぱくついた。
「はむっ……」
コルネリアの唇の温かさが、耳の下の方へと滑る。
「そんな事ないです!鍛冶屋さんにも、素敵で可愛い奥さんは居ても平気です」
コルネリアもロジーに抱きつき、そう話す。
「素敵で可愛い奥さんか。確かに、素敵で可愛い奥さんが居るんだから、仕方ないな」
ロジーはコルネリアを抱きしめたまま、その手をお尻に降ろし立ち上がる。
お姫様抱っこになった。
「おおう!?パワフルです」
「コルネリアは軽いから、パワフルでもないだろう」
「意外と重いと思っていましたが」
「そうでもないよ」
ロジーはそのまま、地下室への扉に向かう。
そして膝をつき、コルネリアは手を伸ばし、右の扉を、左の扉を、と持ち上げる。
「愛の共同作業です」
「はは……まあ、そうなのかな」
そして地下の寝室へと降りて行く。
「明日は早いから、無理しないで寝てしまってください」
コルネリアはロジーにひっついて、頭をベッドに沈める、眠る構えになった。
「コルネリアは、もう眠いのか?」
ロジーはコルネリアの乳房に手をやり、ふにふにと軽く押してみる。
「ふふ、ロジーさんが元気なら、私も元気ですけど……今日は汗だくで頑張っていたんじゃないですか?」
コルネリアは身体をうねうねさせる。
「まあ、そうだよな。眠らないと明日に響くよな」
「昨日頑張って頂きましたので。それに、こうしてるとほんわかして、幸せな気分です」
「そうか……」
ロジーは目を閉じる。
コルネリアもロジーの腕に額を付けて、目を閉じた。
朝、コルネリアが先に目を覚まして、身体を起こす。
ロジーはぐっすり眠っているけれど、まだ目覚まし時計が鳴る前……
コルネリアはロジーから離れて、ハダカのまま階段を上がり、地下の寝室から鍛冶場へ。
そしていつもの服を着る。
ネコ耳シルエットの髪型にして、陰陽飾りの帽子を装着!
そしてもふもふモフコットに挟まれた、ロジーの服をチェックして、まだ残る汚れをやっつける。
ロジー冒険用の服を抱えて、また地下の寝室へ。
……ポコッ!ポコッ!ポコッ!ポコッ!
コルネリアが階段を降りてる時に、目覚まし時計が鳴り出した。
そしてハダカ族のロジーが身体を起こす。
「おはようございます」
コルネリアはロジーの服を抱えて、ネコの目で微笑み、ベッドへと向かう。
……なんか、素敵な奥さんの動き……
そんな事を思って、思わず笑みがこぼれる感じ。
「おはよう。なんか、ステキ奥さんだな……コルネリア」
気の利かない話しか出て来ないロジーの口から、そんな言葉が飛び出した。
「おおう!?」
コルネリアは後ろに飛びのいて驚く。
「………?」
「いえいえ、何でもありません。近頃はキルヘンベルの近くにも、何だか突然変異プニが見掛けられたりしていますので、お守りにこの、ぷにゼリーハウスを用意しました」
コルネリアは平静を装って話す。
ぷにゼリーは、ソフィーが作り出した回復アイテムで、勝手に飛び出して回復してくれるのだとか。
ただ、現状ではそんなことはないので、取り出し易くて食べやすい、バスケットになってるのだけど。
「なんか、いつもありがとうな」
ロジーは服を着ながら言う。
「へへ、そう思うなら、ごほうび下さい」
コルネリアはロジーに両手を伸ばす。
新しい手甲がふらふらと揺れる。
ロジーはコルネリアに近寄ると、上を向くコルネリアを抱き締めて、その小さな唇に軽くキスをする。
「寝癖のままだろうけど、大丈夫かな?」
キスが離れて、ロジーは尋ねる。
「うへへ~……全然大丈夫です♪」
コルネリアは嬉しそうにネコの目でにやけて、口許を隠す。
ロジーもその姿に、思わずにやけて、コルネリアから顔を背ける。
「ま、まだ時間……あるんだな」
ロジーは顔を背けた先の時計を見て、呟く。
まだ30分ほどの時間があった。
「留守にしてしまう分、少し早めにお店を見ないと、それにキルヘンミルクの納品は、もう終わる頃ですので」
コルネリアは、鍛冶屋を出る。
ロジーは冒険者の一団が来るのを、鍛冶屋で待つ。
「おや?ソフィーさんにプラフタさん……お早いですね?」
八百屋前、マルグリットにオスカー、ソフィーにプラフタと揃っていて、コルネリアと教会の女の子達と鉢合わせする。
「お?今朝のキルヘンミルク、バッチリ用意してるぞ」
オスカーがミルク飲む用のタルを示す。
コルネリア露店御一行様は、毎日朝ミルクの契約があるし、八百屋のお客さんが来るより早く、このミルクを飲みに来るのだから、いいお客さんでもある。
「プラフタさんも、いかがですか?」
コルネリアは、そう尋ねる。
「私とソフィーは、カフェでホットミルクを……と計画しておりますので、せっかくですが」
プラフタはそう言って頭を下げた。
コルネリア露店御一行様がミルク儀式をして……
カフェで冒険の旅路と依頼の話を、ジュリオとレオン、ハロルとホルストで話し合い……
そしてソフィー達を見送る。
プラフタはまだ、冒険には行けずに、キルヘンベルで留守番。
「お?綺麗な姉さんだけど、ここの人かい?」
キルヘンベルの街の入り口、出口でもある川沿いで、プラフタは5人程の男達に声を掛けられた。
「はい。プラフタと申します。ソフィーのアトリエで一緒に住んでいる者です。あまり外に出ていなかったものですから、お初にお目にかかります」
プラフタはそう言って頭を下げる。
「お、俺達は自警団の……」
男達はそれぞれに自己紹介をして、聞いてもいないけれど近況を話したりする。
妻の話をする者、広場の酒の話をする者、『コルネリア露店の看板娘コルネリアを応援する会』の会員活動を話す者……
それらの話をプラフタは時折笑いながら、聞いた。
「ふふ、外にも出てみるものですね。明日以降もこうした話を聞けるかと思うと、楽しみにもなりますね」
そんな談笑をして、プラフタはアトリエに帰る。
アトリエ前では、エリーゼとウメが外テーブルで、古本補修をしていた。
「おや。エリーゼは、アトリエの合鍵を持っていると聞いたのですが」
プラフタは、そんな2人に歩み寄る。
「確かに貰ったけれど、さすがに返したのよね。ソフィーったら、返した事は忘れていたのかしら」
エリーゼはそう言って笑う。
外テーブルで古本補修するにも、今日はいい天気だった。
「ともかく、アトリエを開けますね。それと、ソフィーと私で蝋絵の具など、画材を更に作っていたりします。エリーゼの感想があると、助かるのですが」
プラフタはアトリエのドアを開ける。
「本当に!?そんな事を今、言われちゃったら……古本補修に集中出来なくなるわ……」
エリーゼは凄く喜び、顔を綻ばせる。
「なら、今日は古本は置いておけばいいんじゃないかしら?」
ウメはそう話す。
「そうですね。心ここにあらずでは古本の補修もままならないでしょうし、力加減の難しい私では、古本補修には手が出せませんし」
プラフタも、そう言ってエリーゼを見る。
あまりにも嬉しそうなのだ。
「明るい、綺麗な色だわ!」
エリーゼは、おおはしゃぎで絵を描く。
女の子の絵、男の子の絵、木々、草花……
プラフタも、土いもの絵、錬金釜の絵を描いてみる。
あまりにも絵心が無い……
ウメの絵が凄く良く出来ていて、拙いながらもセンスを感じる出来上がりとなった。
「エリーゼは、本当に楽しそうに、夢中で絵を描くのですね」
ウメとお茶をしていたりするプラフタが、夢中で絵を描くエリーゼを眺めて呟く。
「今日のエリーゼさんは、昔の、私の娘を見るようで懐かしいですねぇ~……」
ウメもしみじみと呟く。
お昼ご飯は、プラフタがウメとエリーゼの分も作る事に。
ソフィーに材料の許可も貰ってあるし、特に煮るだけなのだけれど、誰かに料理を振る舞う、というのは気持ちの良いもので。
「何だか時間を忘れて絵を描いていたなんて、恥ずかしい所を見られちゃったわね」
目の色を変えて絵を描いていたエリーゼが、しつこく呼ばれて、ようやくプラフタの作ったお昼ご飯(ウメ監修)の並ぶテーブルに着く。
「しかし、夢中で可愛らしい絵を描くものですから、なんかエリーゼへの認識を改めました」
プラフタは微笑みながら言う。
今日ほどエリーゼが可愛く見えた時もない。
「え~!?そ、それほどの事だったの?……これ、凄くシンプルだけど、美味しいわね」
エリーゼは驚きつつ、土芋まるごと+肉と植物のスープを口に運ぶ。
「なんか、本屋さんの主人として、少し厳しい印象がありましたからねぇ~」
ウメもスープを口に運びながら話す。
食がすっかり細くなっているとかで、土芋は無しのスープ。
「そんなイメージなら……改めて貰っても大丈夫かしら」
エリーゼは苦笑いを浮かべて、そう話した。
エリーゼは午後も絵を描き、プラフタも絵を描く。
ウメは娘を思い出したと、家へと帰って行ったのが15時頃。
あまり上手く絵を描けないプラフタは、ふと錬金釜へと行き、窓を眺めたり、マナの柱の部屋で休んでみたり。
「何だか、何もかも放ったらかしで、夢中になっちゃったわ……」
夜の20時。
エリーゼは顔を上げる。
「今日は画材と出会えた記念日ですから、それにそこまで気に入って頂けると、作った側としても嬉しい限りです」
プラフタは微笑み、エリーゼの描いた絵を眺める。
可愛い、好みの絵柄。
明るいけれど、少しシュールな世界。
「何だか、みっともないわ……」
エリーゼはため息をつく。
「……?何がですか?」
プラフタは尋ねる。
「昨日はフリッツさんとの事、今日はこんな絵を描いて……思わず本性をさらけ出したみたいだから……ね」
エリーゼは画材をまとめながら、そう話す。
「この場所は不思議な場所です。私もまた、みっともない本性をさらけ出してしまいました」
プラフタも、それを手伝いながら話す。
「え?プラフタも何かあったの?」
エリーゼは少し驚いて、プラフタを見る。
「何だか、この話をすると、少し話が長くなりそうです。夕飯も作りましょうか?煮るだけの料理には、なりますが」
プラフタはそう言って微笑む。
マナの柱で、ソフィーに何もかもさらけ出す事になったからだろうか。
何だか開き直れるような、そんな気分がする。
ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。
[南の人形劇]
職人さんのお仕事も溢れ返る最近のキルヘンベル。休日の憩いの場。
[コル助]
コルちゃんと呼ぶのは気恥ずかしい人達の、コルネリアの愛称。
[番人ぷにちゃんの群れ]
どんどん増えてるコンテナの番人。
[マナの柱]
どんどんでかくなる。部屋ごとでかくなる。
[スッキリシャッキリ]
マナの柱の部屋で眠ると、元気になれる。
[ハダカ族]
服を脱げば、誰もがハダカ族。
[コルネリア×ロジー]
ラブラブ絶好調。
[ふわモフタオル]
ちょこっと調合品、ふわふわモフコットの白バージョン。
[井戸広場]
ソフィーのアトリエはぽつんと一軒家なので専用みたいなものだけど、普通は共有。
[壺屋]
ロジーとコルネリアも良く使う食事処。狭い店だけど大人気。
[塩軟膏]
歯みがき粉的な日用品。
[陰陽飾りの帽子]
ゲームでもかぶっているコルネリアの帽子。名前は出てこない。
[エロエロ]
ラブラブな証。ロジーも色々と勉強していたりする。
[ぷにゼリーハウス]
ロジーの身を案じてコルネリアの作った、回復アイテムを使いやすくする仕掛け。
[コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会]
皆に愛されるコルネリア露店。ファンも多い。
[ウメ]
料理センスも光るおばあさん。キルヘンベルを出て行ってしまった娘が居る。