錬金術のアトリエ 1   作:東京のぷるぷる

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錬金術のアトリエ 46

錬金術のアトリエ 46

 

朝の4時、エアリスブローチが完成して、ソフィーとプラフタはアトリエを出る。

今日は種の日、人形劇の日だ!

「エアリスブローチ出来たのはいいけど、今日は仕立て屋さん忙しいからなぁ……」

仕立て屋さん、種の日事情を思い浮かべてソフィーは呟く。

「まあ、旅の時にでも、落ち着ける時に渡すのが良さそうですね」

プラフタも、アトリエの戸締まりをしながら話す。

 

……雨の降るキルヘンベル。いつ止むかは分からないし、雨でも何でも行ってるものだし、2人は教会のお祈りに行く。

「あらソフィー、今日は早いんじゃない……プラフタ!何そのお洒落!いいわねそれ!」

モニカの家を差し掛かった時に、モニカが出て来た。

今日も模擬戦の話はあったのだけど、あまり力を見せるのも良くない、とモニカとジュリオさん、フリッツさんは出場を見合わせた、と話をされた。

それと旅の話、プラフタの服の話、ソフィーがバーニィさんに杖の振り方を教えて貰った話……

そんな話をしながら歩いていると、ヴァルム教会はあっという間だ。

 

 

そしてお祈りの時間……雨は続く。

そして噴水端会議の時間に雨は止み、晴れた!

プラフタの服の話……

今日の人形劇の話……

最近鍛冶屋ロジックスが忙しい話をする。

シルヴァリア製の武器、ルビリウム製の武器がお高いのに人気で、ロジーさんもコルちゃんも忙しいそうで。

 

「最近は、依頼も結構こなされてる冒険者パーティーもありまして……今日はデート券をゲットされてしまいましたので、テスがデートなのですよ」

ホルストさんもそう話す。

カフェも賑わって忙しいみたいで……

そんな流れで、ソフィーは錬金荷車1号で、売り子をする事になった。

 

「人形劇……でもこっちも面白そうだよね~♪」

早速、南の人形劇でお酒とおつまみを売る。

おつまみも……

『初代コルちゃん☆クッキー川魚編』

『2代目コルちゃん☆クッキーかにとかげ編』

『新発売☆たこあし』

……と、種類があったりする。

 

「味見……してもいい?」

ソフィーはコルちゃんに聞いてみる。

なんかやたら売れゆくクッキー達。

それもオジサン達に大人気みたいで。

……あまり美味しそうな色合いではないんだけど……

「どうぞ。でもソフィーさんのお口に合うかどうか……」

コルちゃんは、口許を隠すいつものポーズで答える。

そしてソフィーは初代コルちゃん☆クッキー川魚編を食べてみる。

「うへぇ……」

ソフィーの口には合わない味……

『コルちゃん☆クッキー川魚編』は、ほんのり生臭い。

 

次に……

2代目を食べてみる。

「うやぁ……」

『コルちゃん☆クッキーかにとかげ編』は、ほんのり、にがじょっぱい。

でも、これが1番人気なのだそうだ。

 

そして……

たこあしも食べてみる。

こちらは串に刺さった赤いぷるぷるした何か。

「へやぁ……」

変なすっぱさに、ソフィーは舌を出す。

全部口に合わない……

「嬢ちゃん、面白い音が出るなぁ……」

その様子を眺めていた職人のオジサンが笑う。

既にほろ酔いっぽくて、ご機嫌みたいだ。

「いらっしゃいませ~」

コルちゃんが、ぱっ、と両手を広げて笑顔になる。

「コルちゃん、ラーメル麦酒と、2代目」

そして、ほろ酔いのオジサンはそう注文する。

「まいどです~」

コルちゃんは明るい声で応対して、ソフィーは、にがじょっぱい顔をする。

 

 

……お昼くらいに、笑い転げていたプラフタとオスカーがやって来た。

「ソフィー!プラフタの新しい服……いいな!凄くいいよ!必要とはいえ、お尻バッチリ出てるの、気になってたんだよな。これ、お昼のバスケットな」

コルちゃんが注文したらしい、でかいバスケットを置いて、オスカーは八百屋さんへと戻って行く。

八百屋さんも忙しいみたいで。

「私も、レオンとフリッツに、そしてエリーゼに会いに行こうと思います。衣装が変わったのもありますし、聞きたい事もあったりしますので」

プラフタは、終わって片付けをしている北の人形劇の方を見る。

「今日はあたし、テスさんの代わりだからね!しっかりやっておくよ!」

張り切ってるソフィーは、ガッツポーズで言う。

 

 

「……ソフィーさん……」

「ん?何?コルちゃん」

夕方頃、コルちゃんが険しい顔をしてソフィーを見る。

「おつまみが売れる度に、その味の顔になっていませんか?」

何となく引けの早いお客さんを見て、コルちゃんは気になった。

「え?だって……そんな味だったんだもん!コルちゃんは食べれるの?」

ソフィーは言う。

「私も、全然食べれませんけれど、お客さんはお気に入りなのです」

 

コルちゃんは呆れた顔をする。

どうやらそういう事らしい。

とんだ人に頼んだものだ、と今更思う。

「やっぱり食べれないんだ~♪コルちゃんもお子様だもんね!」

ソフィーはニカっと笑いコルちゃんを指差す。

悪気はないみたいだし、やる気が無い訳でもない。

そこが、タチ悪い。

「も~!そういう話ではないです!でも、もうそろそろお客さんも少なくなってきましたし、ソフィーさんはもう、ここは離れて大丈夫です。今日はありがとうございました。こちらの勝手に付き合って下さいまして」

コルちゃんはそう言うとニカッ!と笑う。

「え?そうなの?……でもそろそろ夕方かぁ……今日は楽しかったよ!色々あったもんね!」

ソフィーはそう言って、荷車1号に預けた杖を手に取る。

そろそろアトリエに帰ろうか、みたいな時間だし。

 

 

そしてプラフタを探しに本屋さんへ。

長居するなら本屋さんだろうと思って行ってみる。

「いらっしゃいませ~……」

脱力系ゆるふわボイスの店員さんが、カウンターに居た。

「あ、あれ?エリーゼお姉ちゃんは?」

ソフィーは聞いてみる。

……新しい店員さんだろうか………

 

「エリーゼさんは、人形劇作りでフリッツさんの所に行ってるよ~……」

脱力系ゆるふわボイスで、新しい店員のお姉さんは答える。

プラフタも居て、ソフィーダちゃんに聞いてみると、新しい本屋さんの戦力として加わった、シェリルさん……だそうだ。

ともかく、プラフタとアトリエに帰る。

明日は旅の日。

 

 

夜、雷雨が降りだした。

アトリエの中で、ソフィーは窓を見る。

特性研究でやたらと中和剤ばかり作っている、錬金術生活。

 

「明日はどこに行くのですか?」

そんな錬金術生活の中、色々な会話の中でプラフタがふと尋ねる。

「あ!それを言っておくの忘れたぁ!」

ソフィーはプラフタに振り向く。

「一応、レオンとフリッツに聞かれましたので、ソウルストーンの在庫が無くなった話は、しておきましたけれど」

「さすがプラフタ!明日は是が非でも1番乗りしなくちゃだね!」

ソフィーは能天気な笑顔を見せる。

「よし、時間をうま~く使うべし!」

……錬金術生活は続く。

 

 

朝の4時……

雷雨は止んでいて、晴れてる感じになっている。

「よし!ソウルストーンを是が非でも調達しなくちゃ、だね!」

ソフィーとプラフタでアトリエから出る。

カフェに向かう道。

途中、ジュリオさんとモニカと会った。

 

「おや、今回は早いんだね?ソフィー」

ジュリオさんはそう挨拶する。

エルノアさんとモニカ、ジュリオさんで3人で過ごし、夜には眠り……

この時間なのだそうだ。

「エルノアさんの食事、美味しいですもんね!」

ソフィーは能天気に笑う。

「なんか、しっくり来る家庭、って感じなのよね」

モニカは言う。

なんかゆとりのある穏やかな表情。

今日これから行く場所とか話しながら、カフェへと歩く。

 

コルちゃんの朝ミルクの儀式を眺めて、カフェへ。

今日の行き場所をホルストさんと話し合う、朝食の時間。

いにしえの厨にて、強力な本の魔物がうろつき回り、その近くに金の糸の噂……

今や強さ的には物足りない場所、忘却のナーセリー行き。

その後、ソウルストーンを求めて北への山越えルート、大地の傷痕……

と、予定を立てた。

そしてレオンさんとハロルさんが来て全員揃い、錬金荷車2号とキルヘンベルを出る。

「さて、今日はのどかな旅ね!」

何故かジュリオさんはオスカーの護衛となり、レオンさんが荷車を引く。

「そうですね~……天気もいいし、もうすっかりこうして、街の外に出るのがクセになっちゃったわ」

 

その隣をモニカが歩く。

ソフィーもオスカーを追いかけて、今回はオスカー3人組で荷車から離れて、植物達に挨拶回りだ。

そしてお昼、ソフィーとプラフタからレオンさんに、エアリスブローチをプレゼントする。

「種の日は忙しそうでしたので、今になってしまいましたが……」

「へへへ~……気に入って貰えるといいんですけど……」

そんな贈呈式。

プラフタ監督のもと、ちゃんとふわふわクロース(水色)に、香り花びらの布留めも付けて、しっかりとプレゼント然としてる。

「……あなたたち、中々ハイセンスなんじゃないかしら~?でも、今はプラフタの服は違うけど、凄く笑顔になっていたし……ソフィーもその服、看板として認めてくれたみたいだから、良かったわ」

レオンさんはプレゼントを受け取る。

 

そうしてまた歩き出す旅の道……

オスカーとソフィー、ジュリオさんは、また植物と挨拶回り。

荷車よりも急ぎ足なもんだから、ジュリオさんもいい汗かいてた。

「今日はどういう風の吹き回しだい?」

オスカーに続くソフィーとジュリオさんに、オスカーは振り返る。

「今日はオスカー観察だよ!でも、そんなブツブツ話してないんだねぇ……って感心してるトコだね」

ソフィーは振り返ったオスカーにずずい、と近寄る。

「お、おお……まあ、最近話さなくても伝わるって感じの時も多いからな……」

あんまり近いソフィーに、オスカーは少し身体を引いた。

 

「しかしオスカー、君は足が早いんだね。いつも変な所をスタスタしてるのは見てるけど、道じゃない所なのに、スイスイ行けるのは、感心するよ」

ジュリオさんは、少しお疲れな感じで話す。

荷車のペースよりも、倍くらい早いのだ。

立ち止まる時間があると、走り出したりするし。

「それも、何でか全然疲れないんだよな。皆の話とか面白いからかな~……」

オスカーはおとぼけボイスで言う。

ソフィーもジュリオさんも草まみれで、服の汚れも凄い。

 

 

そしてお昼過ぎ。

忘却のナーセリーに到着。

そしていにしえの厨へと行ってみる。

緑のプニプニ達が、なんかリッチオーダーという本の魔物を崇めていた。

「……なんかの信仰があるのかしら?」

モニカが囁く。

「冒険者の話によると、ずっとああしているんだとか。よく分からないんだけどね……」

ジュリオさんも囁きに応えて囁く。

「これは召喚の儀式だな。まだ充分な力を得てはいないようだ。早めに摘み取っておくとしよう」

フリッツさんが言い、戦いを挑む事に。

 

そして危なげなく倒した。

この辺りにしては強いんだろうけれど……

「こうした現象が起きた、というのは由々しき事態だな……おそらく各地でこうした召喚が行われる筈だ」

フリッツさんは消えたリッチオーダーの跡を見て、そう呟いた。

「え……?って事は……ひょっとして世界がヤバい!?」

ソフィーが反応する。

「世界……というよりはこの地域、だろうがな」

フリッツさんが考えるポーズで言う。

ともかく、忘却のナーセリーでは目的がもう1つ。

金の糸を探しに行く。

 

 

金の糸をぼちぼち見つけつつ、また死告花の精を倒し……

夜営をする頃は、雷雨になった。

疲れからソフィーはコルちゃんと眠り、そして翌朝になる。

 

 

「うわぁ!……あれ!?朝!?」

すっかり寝過ごして、ソフィーは起きる。

「金の糸、バッチリ採っておいたぜ」

オスカーが荷車に乗った、素材の山を指差す。

「コルちゃんの足にしがみついて眠っているの、可愛いかったわよ~♪姉妹みたいに見えたわ」

レオンさんもウィンクする。

ともかく、一旦キルヘンベルへ道標して、それから第二部、北の山越えとなった。

 

 

錬金荷車を空っぽにして……

北の山越えルートの街道を錬金荷車2号は行く。

ジュリオさんとモニカ、レオンさんハロルさんが眠る錬金荷車2号。

オスカーが引いて行く。

「なんか、3人で街を出てる時の事、思い出すなぁ……」

相変わらずのおとぼけボイスで、オスカーが言う。

「そうだね♪あの頃は植物に挨拶回りしてなかったもんね♪」

隣を歩くソフィーが上機嫌でそう応える。

「確かになぁ……」

そんなまったりな旅の道……

 

 

お昼の夜営からは、オスカーは相変わらずの挨拶回り。

ジュリオさんが荷車を引くいつものスタイルとなった。

「ぜひ、もう1度寝てくれ、ソフィー!コルネリア!」

何かインスピレーションがあったみたいで、荷車の1階でフリッツさんが頼み込んでいたり。

「眠くないし~……」

ソフィーも困った顔で頬を掻く。

「そんな改まって言われると、さすがに眠るどころじゃないです。そろそろ汗臭いですし」

そしてソフィーとコルちゃんは、フリッツさんから逃げる為に荷車から飛びだして、オスカーの所へ避難した。

「なんか、オイラの所が今回は賑やかだなぁ……コル助は、草で足を切ったりするんじゃないか?」

オスカーは相変わらずのおとぼけボイスで呟く。

 

 

夕方になる前に、大地の傷痕に到着。

そしてソウルストーンを探し歩く。グスタフ、カイゼルピジョンも、今や退屈な魔物……ぷにちゃんパワー強すぎるんじゃないか……

 

 

「あ~!!」

今回は谷底も調べた夜中過ぎ。

レオンさんが叫んだ。

「どうしました!?」

「何があった!?」

「どうした………?」

恐ろしいスピードで駆けつけるジュリオさん、フリッツさん、ハロルさん。

ソフィーは、あまりにも鮮やかに飛んでいった、ハロルさんを見送ってた。

「この巨大宝石と巨大宝石の間!」

皆揃ってそちらを観察すると、アポステルが這い出てくる。

飛んでないと猫みたいな小悪魔だけど、ほかほかしてる。

飛んでるアポステルを倒すと、地面に落ちて猫みたいに逃げて行くんだけど、逃げる先もここなのだ。

「ほかほかしてるよね……?」

這い出すほかほかアポステルを見て、ソフィーが呟く。

ほかほかアポステルも、ソフィー達の事を見て、どこかへ歩いて行く。

「温泉があるに、違いないわ!」

そして、ここは錬金荷車2号は入れないので、番人としてフリッツさんとジュリオさんとプラフタを残して奥へ。

 

宝石の洞窟に、広大な湖!

それがなんとほかほかしてる!

アポステル達がめっちゃ沢山居て、泳いでいたりくつろいでいたり、寝ていたりする。

「わお~!!」

湯気が凄い。

そしてその湯気の大部分は、今ソフィー達がくぐったスキマではなく、真上へと登っている。

「すげぇなぁ……あと、この湯気の感じだと、綺麗なお湯だな……」

オスカーが鼻をひくひくさせる。

そしてお湯を調べる。

「アポステルが沢山居るんじゃ、服は荷車に置かないと取られてしまうわね」

 

レオンさんが呟く。

綺麗な物を持ってってしまう習性があり、小悪魔モードでも猫モードでも、手癖は悪いのだ。

結局、錬金荷車2号の所で水着に着替えて……

温泉を楽しむ事にする!

「ここは臭いがいいわねぇ……朝凪のほとり温泉はお猿さんが可愛いけど、臭いものねぇ……」

 

巨大温泉のほとり、仰向けで寝ていたアポステルの一匹を捕まえて、レオンさんは温泉を堪能する。

アポステルは手足をぱたぱたさせている。

可愛い。

「熱くて入れないですけど……レオンさんは平気なのです?」

コルちゃんは温泉のほとり、これまた仰向けで寝ているアポステルのお腹をさすさすしながら聞く。

アポステルは手足をぴくぴくさせている。

可愛い。

「おおおおおおおお……」

ソフィーは変な声を上げながら温泉に浸かる。

その変な声に、アポステル達が離れていく。

「ふ~っ……なんか染みるわねぇ……」

モニカもアポステルの一匹を抱いて、足だけ浸かる。

モニカの抱いているアポステルは大人しい。

皆揃ってアポステルを捕まえてしまうくらい、アポステルは可愛いのだ。

「しかし、何だってこんなにアポステルだらけなんだ?しかも人に慣れてやがる……」

ハロルさんも温泉に浸かる。

一面、アポステルだらけなのだ。

上を見上げると、グスタフとカイゼルピジョンも羽を休めていたり。

何故かそんなグスタフを見て、ソフィーはハッスルベルトのレシピを閃き、メモを走らせた。

そして朝……

錬金荷車2号もいっぱいになり、またも道標でアトリエに帰る。

 

 

開花の日、朝……

温泉帰りみたいな感じなので、皆揃って綺麗だったりする。

「じゃあ、オイラも帰るかな。また夜に来るよ」

オスカーも帰って行く。

今回は外で待つ人は居ない。

そして4人でゆっくり眠る。

 

 

「スッキリシャッキリです!」

コルちゃんがスッキリシャッキリのポーズで出て来る。

既に3人が、服と運ばれた素材達に取り付く番人ぷにちゃん達を眺めていたり。

「スッキリシャッキリ!」

モニカも片ヒザを上げて両手を開く。

「やっぱモニカ、ダントツだよねぇ」

ソフィーが顎に手を置いた、感心する人のポーズでハダカ族モニカを見つめる。

「そうですね。あまりにも女性的な身体かと」

プラフタも同じポーズで、ハダカ族モニカを見つめる。

「ちょっと!そういう目で見ないで!それにプラフタは充分大きいんじゃない?」

モニカは怯み、身体を閉じる。

そんなハダカ族4人の日常……

 

 

「さて、では……錬金術を前に進めて行きますか!」

コルちゃんとモニカは帰って行き、ソフィーとプラフタの錬金術生活は始まる。

「カテゴリパワーも充実した素材も増えて来たし……素朴な焼き菓子……ついに甘くなるかも!」

ソフィーは釜を混ぜる棒を手に、錬金釜を見つめる。

「しかし、凄いこだわりますね焼き菓子に……」

そんなソフィーの横で、プラフタは呟く。

「この浸け置き1時間で、マッスルベルトのレシピを詰めるよ!」

スッキリシャッキリなソフィーは錬金釜を見つめる。

素朴な焼き菓子、何の素材で作ったものか……

「おお~地底湖産、シロヒメクサが!これは絶対甘くなる!」

配置を決めて納得しつつ、ハッスルベルトのレシピ構築をする。

……そんな錬金術生活。

 

 

そして昼食。

カレースパイス使った煮物を食べていると、ジュリオさんがやって来た。

「ジュリオではないですか。どうしました?」

プラフタがお出迎え。

ソフィーは食事しつつ、ジュリオさんを眺める。

「食事時だったかな……なんか変なタイミングで来てしまったね」

ジュリオさんはバツが悪そうに頭を掻く。

「いえ、それは気にせずとも。それよりも何かあったのではないのですか?」

プラフタが尋ねる。

熱いとかないみたいで、プラフタの食事がやたら早かった。

ソフィーはまだ冷めない煮物を、ふーふーしてる。

「錬金術を進める手掛かりがあったからね。忘れないうちに伝えに来たんだよ」

そしてジュリオさんは地底湖の奥底に眠る、同調の錬金釜の話をすると、帰って行った。

 

「新しい錬金釜……達人の錬金釜も、手に入れただけで使っていませんけれど」

プラフタはようやく食事を終えたソフィーを眺める。

「24時間かかっちゃうのが痛いよねぇ……それとカテゴリパワー足らないんだもんなぁ……それよりも地底湖の奥底……危険な場所だよねぇ……ツインヘッダーの巣だったりしたら……」

ソフィーは考える。

もっと防御的な錬金術アイテムを……

 

 

帰って来た開花の日が終わり、果実の日の早朝……

そう言えばオスカー来なかった……

「よし!分裂発動ぷにゼリー!偽りの花の精霊織りの帳!これさえあればツインヘッダーと言えども……安定した戦いが出来そう!」

ソフィーは錬金術を進めて、更に強力アイテムを作り出してため息をつく。

「なるほど……これは恐ろしい品物ですね。これの加護があればツインヘッダーと言えども、そうそうこちらの防御を突破出来ないでしょうね」

 

ついに出番となったドンケルシュテルンの特性、「偽りの花」

一時的に全ての能力が上がり、更に戦闘不能になっても、復活できるようになる!

更に精霊の帳パワーで防御アップなのだ。

 

そして分裂発動。

こちらは1回使うと3回効果が出るというシロモノ。

これで更にパーティー強化になるので、地底湖の奥底にも、行きやすくなる。

 

 

更に昼過ぎに来たコルちゃんが、武器と防具の強化の話と、その為の素材のレシピ表を持って来た。

「なんと!こんな物をロジーと研究していたのですか!」

プラフタがその表を見て驚愕する。

しかもレオンさんとも相談した所、似たような感じなので防具の分もあるのだ。

 

「クロースとシュタルメタルが、最高峰ではないにしろ、扱い易い感じになるみたいですので、こういう特性を持たせた物が、更に能力を上げるみたいです」

コルちゃんがオススメ的な所も紹介する。

強化できるロジーさんとレオンさんも、こうした強化をした事があるので、特性も詳しいみたいだ。

「と、いう事はここの他の地域でも、そうした特性やら魔物やら、というのはあった……という事なのでしょうね」

 

プラフタは考える。

でもレオンさん曰く、あんな猫みたいなアポステルの群れとか、仲良く歩むマンドラゴラと緑プニとか、おっぱいだけ触るお猿とか、不思議みたいなんだとか。

「ぷにちゃんにも聞いてみようかなぁ……」

「それはいい考えです!」

そして会議は、ぷにちゃんの部屋へと移る。

 

 

「ふむ~……危険なパンドラの箱……仲間を失った人達……まあ色々と悩みがあるのは解っているけどねぇ……」

ぷにちゃんは相変わらず、あっけらかんとしてる。

「ぷにちゃんの力も強くなってるから、大丈夫ではあるんだけど、不安なんだよねぇ……」

ソフィーが悩む。

 

「それも解るんだよね?フリッツおじさんも、ナザルスおじさんも、そして過去のプラフタも、ぷにちゃんパワーがあったハズ……だもんね。でもプラフタはともかく、ナザルスおじさんもフリッツおじさんも、私の力ではないよね?プラフタはひょっとしたら……的な所あるけど……記憶ないもんねぇ……」

 

ぷにちゃんの中で、不安定な風が吹いた。

そして彼らに何が起こったか分からないので、ぷにちゃんにもよく分からない……

「地底湖の奥底……行くしかないかぁ……手に負えない事が起こらないといいんだけど」

ソフィーが悩む。

この悩みが根深いのだ。

「でも、そういう場所に近づいたら、フリッツのおじさんが教えてくれるんでしょ?なら安心なんじゃない?」

ぷにちゃんがそう伝える。

「ん?そんな仕組みなの?」

ソフィーの意識が前向きになった。

「ソフィー、言われてるの忘れてるね~……でもそれならそれで、不安なら確認しとけばいいじゃん」

ぷにちゃんも交えた会議で、どうやらソフィーのうだうだしてる原因も取り除けそうだ。

「でも、ソフィーさんの不安から、パーティーは更に強くなりそうですので、つまづいて転ぶ、みたいな事はきっと大丈夫です」

コルちゃんは胡座をかいて、ふわふわしてる。

ともかく、ここはキッチリ休んでスッキリシャッキリする事にした。

 

 

「よし!武器強化と、防具強化用のクロース、シュタルメタルを作らないとだね!」

コルちゃんが帰って行き、ソフィーは錬金釜の前に立つ。

更に錬金術生活が続く。

 

 

「昨日はごめんソフィー!なんか母ちゃんが具合悪くてさ」

夕方、オスカーがやって来て、そう話す。

「マルグリットさんが!?大変じゃん!お見舞い行きたい!」

ソフィーは手を上げる。

これまでマルグリットさんが具合悪くする事なんて、なかった。

「いや、今はコル露店で買った薬が効いてさ、元気過ぎるくらい元気なんだけどな」

オスカーは笑って話す。

ソフィーは上げた手を降ろす。

「なら良かったぁ……でもマルグリットさんも具合悪くなる時、あるんだねぇ……」

ソフィーは感心したように話す。

「それは、少し失礼では……」

プラフタが苦笑いする。

「だなぁ……オイラもびっくりだぜ」

オスカーも、そう話す。

マルグリットさんが具合悪くする時なんて、今まで無いし。

 

「ともかく、私はマナの柱の部屋に行っておくとしましょうか」

プラフタが言うと、ソフィーがプラフタに飛び付いた。

「早いから!まだこれから夕食だから!」

そしてプラフタの腰辺りにしがみつくと、うねうねする。

「もう!なんで抱きつくんですか!」

プラフタは苦笑いしながら、ソフィーを振りほどこうとする。

「オイラ、ちゃ~んとプラフタの分も食材持ってきてるんだぞ?つれない事を言うなよ」

オスカーはそんな2人を眺めて、窓際テーブルへと行く。

そして加熱ブロックと鍋、まな板を取り出す。

 

 

そしてゆったりまったり過ごす錬金術生活。

夜も遅くなると、プラフタはぷにちゃんの部屋に行かないと眠る事が出来ないので、ぷにちゃんの部屋へと。

そしてソフィーは、オスカーとゆったりまったり過ごしたり。

 

 

「さて、オイラは帰らないとな」

特にエロエロする事なく、朝の3時にオスカーは服を着る。

ソフィーも服のまま、オスカーにひっついて寝ていたけど、調合仕上がりの時間なので起きたタイミング。

「今日も種の日だし、人形劇を見に行くね!」

ソフィーは、ぐるこん棒を片手にオスカーに笑いかける。

「そうか、オイラは八百屋だな。コル助に昼食バスケットの注文受けてるし、ソフィーの分も作っておこうか?」

オスカーはそう尋ねる。

最近、種の日は八百屋バスケットの時が多いし。

「お昼は、そうだね!コルちゃんと一緒がいいよね!」

ソフィーは謎のポーズで答える。

「コル助とソフィー、姉妹みたいに仲良しだもんなぁ……じゃ、お昼前には荷車1号に届けておくよ。プラフタの分もな」

そう言って、オスカーは帰って行った。

ソフィーは時計を見る。

もうちょい錬金術生活出来る……

 

 




ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。

[バーニィさん]
キルヘンベルの治安を守る子供達の先生。ソフィーやオスカーが子供の頃の先生でもある。

[錬金荷車1号]
種の日の賑わう教会前広場を彩る、2階建てハデハデ屋台。色々と売ってる。

[シェリルさん]
脱力系ゆるふわボイスの、本屋の新しい店員さん。
[エルノアさん]
レストランで張り切る、モニカと住む可愛いおばさん。飾り付けも料理も華やか。

[錬金荷車2号]
軽く引けるようにマナフェザーを装備した2階建て荷車。モニカもレオンさんも引いたりする。

[大地の傷痕、アポステル温泉]
大地の傷痕のくぼんだ先の巨大宝石の隙間から入れる、アポステルの群れが住む巨大温泉。魔物がわんさか居るけれど、ここでは襲って来ない。

[ぷにちゃん]
ぷにちゃんの中には、やたら心地好い風が吹いてる。涼しかったり暖かかったり。それでいてふわふわ出来たり眠れたりして過ごせる素敵空間。

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