錬金術のアトリエ 1   作:東京のぷるぷる

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錬金術のアトリエ 48

錬金術のアトリエ 48

 

オスカーと一緒に、アトリエへと帰る。

ディーゼルさんの言ってた事について色々と話しながら……

魔物だらけの世界。

マナの柱の力があれば、ソフィーみたいに冒険出来る……

でも、今でも冒険者達が冒険していたりするし……

アトリエに戻ると、プラフタも交えてその話となった。

 

「ふむ……取り敢えずソフィー、あなたは裏ストリートへ行くのは止めた方が良さそうですね」

「まあ、そうなんだけどねぇ……」

「オイラも軽率だったよ……反省しないとだよな」

少し落ち込む2人。

夕食時を過ぎて、アトリエにバーニィさんとディーゼルさんがやって来た。

しかもモニカとジュリオさんもやって来た。

 

 

「え?バーニィさん!?」

ソフィーは驚く。

バーニィさんもディーゼルさんも、アトリエにやって来るなんて珍しい。

しかも神父さん的な服装じゃなくて、普段着みたいな……

「ディーゼルが少しキツイ事を言ったみたいでな。少しフォローしておこうと思って来たんだが……」

シャツに上着、何だかさっぱりしてるバーニィさんはそう話す。

「お、お茶の準備しますのでっ!ちょっと外で待ってて下さい!」

 

ソフィーは、オスカーを追い出してコンテナの中に入り、ちょこっと調合でお茶の用意をする。

「バーニィさんもディーゼルさんも……いつもと違う格好だからオイラびっくりしたよ。追い出されたのにもびっくりしたけどさ……」

オスカーが頭を掻く。

「ソフィーの方が、ただならぬ驚きようだったみたいだけどな」

バーニィさんとディーゼルさんは、肩を竦める。

モニカは日輪の雫のレシピになりそうな本、ジュリオさんは久遠の竜鱗の話で来たそうだ。

 

 

「お待たせしましたぁ~♪」

ソフィーがアトリエから顔を出して、オスカーとモニカ、ジュリオさんにバーニィさん、ディーゼルさんを迎え入れる。

お茶とお菓子の準備もバッチリだ。

「ほぉ……!なんだか熱烈歓迎な感じだな、ソフィー」

バーニィさんは、そう言って驚く。

それから、プラフタの自己紹介とかして、ソフィーの服の話、プラフタの服の話……

八百屋で働く問題児の話なんてする。

 

ジュリオさんは、久遠の竜鱗が大地の傷痕、ドラゴネアという凶暴なドラゴンの鱗なのだ……

と、言う話をしてくれるし、モニカは日輪の雫のレシピになりそうな本まで届けてくれて。

「なんか、本当に色々知ってますね!」

そんな色々な話に、すっかり夢中になるソフィー達。

バーニィさんもディーゼルさんも、キルヘンベル情報に詳し過ぎる。

伊達にいつもパトロールしていない。

それに、モニカとジュリオさんまで、色々と間違った噂が流れるのを防いでもいるみたいで、キルヘンベルがキナ臭くならないように、日々頑張っている話も聞けた。

 

 

……ソフィーのアトリエも、魔女屋敷とか、ダークマター工場だと噂されているらしいけれど、黄色い能天気娘と、笑いの浅いプラフタの家、と修正されているそうだ。

「笑いの浅い……この評判は凄く広まっている気がしますけれど、皆が笑っている事を考えると、適当ではないかと」

プラフタが反論すると、皆で意外そうな顔をした。

 

「……まあまあ、お陰で師匠も弟子も新ネタの仕入れに余念がないようだし、アトリエの評判も良くなる、と思えば」

ディーゼルさんが話す。

師匠と弟子は嫁も彼女も居ないみたいで、裏酒場で女の子を買う常連さんらしいけれど、女の子をバンバン笑わせるサービス精神に溢れているらしく、人気なのだとか。

「また、生々しい話だなぁ、バーニィさん」

そんな話を聞いて、オスカーが呟く。

「まあ、そこはソフィーは大丈夫だろう。オスカー、君と生々しい関係な訳だし」

バーニィさんは答える。

「まあ……そうだけどさ……」

ソフィーとオスカーの仲は、13歳の頃に知れ渡っていたりするので、あまり動揺もないのだけど、モニカとプラフタが、くすくす笑っていたり。

 

……それはともかく、マナの柱の話になった。

バーニィさんは、他国の兵士をしていたと言う。

ディーゼルさんも同じ国で武器屋を営んでいたのだけど、マナの柱の間、という場所でマナの柱の祝福を受けた巫女を抱いた、と話した。

そうしてマナの柱の力を得たバーニィさんは、兵士として仕え、マナの柱の力を得られなかったディーゼルさんは、武器屋を手伝う事になったのだと言う。

兵役を終えて、2人して旅人となり、このキルヘンベルへと流れ着き、今は教会に仕えている訳なのだと、自身の経緯について話した。

 

 

「ディーゼルは、その巫女と交わったにも関わらず、マナの柱の力を得られなかったのですか?」

プラフタが尋ねる。

「そうなんだよ。そういうパターンは俺以外だと、1人しか居ないそうなんだよ」

ディーゼルさんはそう答える。

そしてマナの柱について語り出した。

 

 

……まずマナの柱の主が居て、巫女が居て、兵士が居た。

キルヘンベルの場合、ソフィーがマナの柱の主。

ぷにちゃんの1番の友達、となるみたいだ。

そしてマナの柱は主の性格も乗せて、その地域に影響を及ぼす。

……巫女に当たるのは、コルちゃんとモニカ、プラフタ。

主以外の女の子が巫女に当たり……

……兵士に当たるのは、オスカーとロジーさん、ジュリオさん……

って事になりそうだなぁ……

と、ソフィーもモニカもプラフタも思う。

 

ネコみたいにふらふらするアポステル、じゃれついてくる島魚。

やたら可愛い顔のお化け。

そしてプニプニ。

魔物は特に大きく、マナの柱の影響を受けるから、分かりやすく変化する。

なんかゆるふわな感じになるのは、主の影響が大きいのだと話した。

人食い蜘蛛なんて、人を食べないし。

猿も人に懐いていたりするし。

蜘蛛も猿もカラスも、魔物だったのかも知れない。

 

 

「なんかあたし、この辺りの支配者みたい……」

「そうだなぁ……オイラもびっくりだよ」

2人は呑気なリアクションをする。

「この辺りを支配するのは、マナの柱だけどな。そのマナの柱の性格付けをするのが、主なのかと思うのだ。特にこのキルヘンベル回りを見ると分かりやすいだろう?」

ディーゼルさんが話す。

プラフタも頷いた。

「すると……ソフィーが主になっている間は、プニプニはコロコロしながらニコニコしてるって事なのかしら?」

モニカが呟く。

「一応、テンパッた顔で襲って来るのも居るけれどね」

ジュリオさんが言う。

「……まあ、主がどうの、というのはディーゼルの仮説だけどな。ソフィーの影響を受けてゆるふわしてる分には、我々も過ごしやすい」

バーニィさんはそう言って、更に個人特性と戦術について話した。

 

 

バーニィさんの場合だと、個人特性として「針」が使えるらしく、それは遠距離から暗殺に向いた魔法なのだと話した。

その一撃はHPMPLPバリアを数千抜いて、相手を死に至らしめる。

ただ、それはソフィーの近くだと使えないと言う。

ソフィーは周囲の個人特性を殺して、ソフィーの特性を適用させる能力なのだと話した。

モニカも、ジュリオさんもコルちゃんも、それぞれに個人特性があるはずだと教えてくれた。

そしてそれは、マナの柱と主、それに他の人も……

本人が打ち明けない限り、分からないのだそうだ。

 

戦術、というのは……

その分からない能力同士で、お互いに戦う歴史を積み重ねた結果、セオリーとなる立ち回りなんかを指す。

 

バーニィさんとディーゼルさんは、今回……

もしソフィーが人と戦う場合、魔物との戦闘とは全くもって勝手が違って来るハズだから、人と争うなんて事があった場合に、軽率な行動に出ないように。

と、忠告をしに来たのだと話し、帰って行った。

 

 

バーニィさんとディーゼルさん、モニカとジュリオさんを見送った時には、もうすっかり夜になってた。

 

「ふむぅ……て、事はオスカーもプラフタも、あたしの知らない能力が、あたしから離れると使えるようになる……って事なんだね?」

バーニィさんもディーゼルさんも帰ったアトリエで、ソフィーは口許に指を置いて呟く。

「なんか、凄い話だったよなぁ……オイラの秘められた力……一体なんだろうなぁ……」

オスカーは考える。誰にも分からないって事は教えてくれる人も居ない……

と、いう事みたいだ。

「私も、どういう能力なのでしょうか?能力がシンプルなのではなく、秘められた能力の部分が大きい……そういう事なのでしょうか?」

プラフタも、腕を組んで考え込む。

でもともかく、もう夜だし寝る事にした。

朝5時に、ついに同調の錬金釜が出来上がるし。

 

そしてソフィーは、オスカーと能天気にラブラブして眠る。

 

 

「さて……もはや言葉を失う光景な訳ですが」

朝の4時半、事後ハダカ族のソフィーを眺めてプラフタがため息をつく。

オスカーはもう既に居ない。

「なぜ昨日の話から、そういう展開になれたのか、不思議でなりません。ソフィー!起きなさい!」

プラフタはソフィーのお尻をぺちぺちする。

「あうぅ……」

ソフィーは起き出し、ベッドの寝床セットと共にコンテナへと向かう。

プラフタは掃除を始めた。

 

 

ともかく、同調の錬金釜が完成!

広くて柔らかくて、これからは幾らでもスペシャルな調合が出来そうな、そんな逸品が出来上がった!

「よ~し!これからはステキ錬金釜でステキ錬金術!練習用の錬金釜も卒業だね!」

ソフィーはテンションを上げて、ガッツポーズを取る。

「確かに。これだけの物が出来上がれば、そうも言えますね」

プラフタも頷く。

そしてレシピ構築して、調合していなかったアイテムの調合を始める。

でも、心眼のモノクル作成の水晶玉が足りず、これを2つ調合。

 

6時間×2……

12時間かかる。

そして外はいい天気!

そしてルビリウム作るとしたら……

9時間………

ノーブルサファイア作るとしたら……

12時間………

 

24時間とかあっという間に、しかも準備だけで飛んで行く!

 

 

「人形劇の時間だ~!」

気が付いたら種の日。

お祈りの時間、人形劇の時間、明日の冒険、大地の傷痕行かなくちゃの話をしないと!

……そんな時間だ。

「昨日はアトリエ前で暴れてましたから……あなたは元気過ぎますねぇ……」

プラフタは呆れて言う。

調合の待ち時間の度に、ソフィーはアトリエの外で杖を振り回していたり。

逆立ちしてみたり。

 

 

……そんな訳で雨模様のキルヘンベルだけど、ソフィーはアトリエを飛び出す。

プラフタも追いかける。

南の人形劇と演劇で笑ってると評判上がるみたいだし……

プラフタとしても、何故か行かなくちゃと思わせる、種の日の噴水広場。

 

 

……お祈りの時間。

ソフィーは杖を立てて、お決まりのお祈りのポーズを取る。

 

そして噴水端会議の時間。

ソフィーとプラフタ、ジュリオさんとモニカ、コルちゃんとホルストさん、マルグリットさんとレオンさんとパメラで集まる。

 

今回はもっぱら、秘められた各々の力の話で、会話は弾んだ。

「なるほど……マナの柱の力ですか……冒険者の方々や商人の方々には、正規兵の儀式と聞いていましたが、そんな物がソフィーのアトリエにあるのですねぇ……」

ホルストさんが感心して頷く。

「おばあちゃんの時も、マナの柱の力が活躍していたハズなんですけど……あたしも含めておばあちゃんの記憶って、無いんですよねぇ……」

ソフィーはそう呟いて、考え込むポーズを取る。

「個人個人の秘められた力か……あまりにも夢がある話だね。僕は一体どんな力があるものやら……」

ジュリオさんはそう言うと嬉しそうに微笑む。

「私も、なんだかウキウキしてくる話よね!」

モニカも満面の笑顔だ。

「そんな力があると~、何だか物騒な事になりそうで怖いわ~」

パメラが頬に指を当てて言う。

確かにツインヘッダーとの戦闘とか、黒プニの群れとか……

厳しい戦いもあった……

 

「あたしもゴメンだねぇ……八百屋での戦いだけで充分だよ……」

マルグリットさんもそう話す。

そして話は、新しく生まれ変わったらしい大白玉ニンニクの話になったり、カフェによく来る、迷惑なお爺さんの話になったり。

 

 

そして人形劇の時間になると、雨は止んでソフィーは子供達に混ざって北の人形劇を堪能する。

プラフタは南の人形劇で、冒険者やらオジサン人気の中、ゆったりと過ごす。

 

そしてお決まりのお昼は、八百屋バスケットのサンドイッチを噴水の側、錬金荷車1号にて。

コルちゃんとテスさんと4人で食べる。

そんな日常の時間が流れる。

 

 

午後はプラフタは南の演劇、ソフィーは教会に行ってみる。

人形劇用の人形達と台本なんて読んでたら、夕方になった。

 

 

そして夕焼けの光に染まるキルヘンベル。

今日もぷにちゃんに綺麗にしてもらうコルちゃんとソフィー、プラフタでアトリエに帰る。

「ああ~……人形達がめっちゃ可愛かったよおぉ……コルちゃんも可愛いけれど」

ソフィーはコルちゃんに抱きつく。

「ソフィーさんは人形の可愛さに骨抜きです。フリッツさん恐るべしです」

人形劇の人形は、みんなクオリティーの低い可愛い人形なんだけど、それがソフィーにはたまらなく可愛くて、同じ台本の物語も、何度でも見れてしまう。

 

ぷにちゃんの部屋の中でも、ソフィーはコルちゃんに抱きついてうねうねして過ごし、ぷにちゃんに眠りに落とされる。

 

 

「はぁ~……冷静さを取り戻せたよぉ~……」

ぷにちゃんの部屋の前、ソフィーとプラフタは、呟きながら服を見る。

そしてコルちゃんが出て来た。

「ふむぅ……スッキリシャッキリです!」

そしてスッキリシャッキリのポーズを取る。

「あははっ!あたしもスッキリ~……シャッキリっ!」

ソフィーもプラフタも、スッキリシャッキリのポーズを取る。

コルちゃんはご機嫌そうに笑う。

「明日は大地の傷痕……そこから第2回もありそうですね。妖精の道標は残っています?」

それぞれ服着るタイムに、コルちゃんが言う。

「そうだ!無かったんだ!作らなきゃだね~」

ソフィーが気づく。

その為に特性研究と称して「増殖」ゼッテルとか作っていたのに、忘れていた。

「先の錬金術ばかり考えていましたね。コルネリア、いい所に気づいてくれて助かります」

プラフタもそう話す。

コルちゃんは服の隣に置いてある、使用回数残り0の、ぼろぼろの道標を眺める。

「ともかく、無いと困る物ですので……作っておくといいです」

そしてコルちゃんは帰って行った。

さっそく妖精の道標の作成に入る。

 

 

……朝の6時。

浸け置き長いからって、ぷにちゃんの部屋でプラフタとイチャイチャエロエロしてたりしたら、あっという間に朝になった。

 

「お腹減ったよぉ~……カリカリトースト食べたい!カフェに行かないとだね!」

出来上がったばかりの妖精の道標を握り締め、ソフィーはアトリエを飛び出す。

曇っていて、雨でも降りだしそうなアトリエ前の山の中。

「こんな生活でいいのでしょうか……幸せの後に、なんだか複雑な思いがします……」

元気いっぱいのソフィーに、プラフタが呟きながら続く。

 

 

そしてカフェに。

皆揃っていた。

妖精の道標の完成に時間が掛かる、と聞いていて、もう依頼の話も目的地も決まっていた。

「妖精の道標は、出来上がったのかい?」

ジュリオさんが尋ねる。

「はい!おかげさまで遅れましたけれど」

ソフィーは元気いっぱいに答える。

そしてカリカリトーストを食べる。

今回の目的地は、大地の傷痕を経由して西へ。

「失せし者たちの都」へと行く予定となっていた。

昔はキルヘンベルよりも大都市だった場所だけれど、今は魔物の巣となっている場所だ。

 

ここの文献等が依頼となっていた。

結構高額の依頼だし、ここの情報を知る事でキルヘンベルも、何をどう警戒して過ごせばいいのか分かる。

重要なお仕事。

そして第2回も計画されていて、こちらも西方面。

「淀の小島」の側にある、「願い無き供物台」という場所。

 

 

「なんと完璧な計画!ジュリオさん凄いです!」

ソフィーは能天気に喜ぶ。

そんな旅の道。

「今回はコルネリアがね、旅の商人から仕入れた話があって、それでこういうルートがいいんじゃないかってね」

荷車を引くジュリオさんが、そう話す。

コルちゃんはスタートから、「コルネリア露店の看板娘、コルネリアを応援する会」の商人のおじさんのプレゼントだと言う、トマトのぬいぐるみを抱いて、錬金荷車2階で寝ていたりする。

「錬金術の話も、コルちゃんなら顔が広いからなぁ~……」

ソフィーは呟く。

今回は北へと向かう道。

「ソフィーは錬金術で忙しいものねぇ。そこまでは手が回らないんじゃない?」

モニカも言う。

「それはあるね!出来上がりには帰らないとダメだもんねぇ……でもあたし、顔が広い訳じゃないし、裏ストリートは出入りしない方がいいって言われてるし……」

ソフィーはそう話す。

思い思いにおしゃべりして歩く旅の道は、やっぱりなんだか癒される。

 

 

そして夕方、少し手前くらいに大地の傷痕に到着する。

プラフタが言うには、この場所は錬金術によって穿たれた傷痕。

谷みたいになってるから、どんだけの規模の爆発なのか……

恐ろしい話を聞いた。

「でも、一体誰がこんな事をしたんだろう……」

ソフィーは呟く。

「案外、プラフタだったりしてな?500年前に物凄い錬金術士だった訳だろ?」

オスカーが片方の眉を上げて、そう話す。

「まさか……ですが記憶が完全ではない以上、違うとも言い切れない所が辛い所ですね」

プラフタは深い渓谷を眺める。

「さて、ドラゴネアとやらを倒したら、早くあの温泉に入りましょう!」

レオンさんが言う。凶暴なドラゴン、ドラゴネアとこれから戦うと言うのに、何だか気楽な雰囲気。

「プラフタ、相手の空気感、よろしくね」

ソフィーはプラフタに身体を寄せて言う。

色々と感覚がないプラフタが、何故か戦闘の空気感には敏感で、相手の力量を計るのに長けていたりする。

 

「はい。これから誘き寄せる訳ですが……空気を感じたら警告します」

伏し目がちに、プラフタは答える。

そして一行はソウルストーンがよく採れた、高い所へと向かう。

その途中でアポステル4匹と出会う。

飛んでいて、目が血走っている。

とはいえ、格下も格下。

ソフィーの杖でさえ一撃で倒せる。

倒すと地面に落ちて、ネコみたいに歩いて帰って行った。

行き先はきっと、あのアポステルだらけの温泉なんだろう。

アポステル達は下へと向かい、ソフィー達は上へと向かう。

「戦闘準備を取ってから呼び出せるのは有難いね」

 

 

ソウルストーンの採れる場所。

高い所でジュリオさんが準備する。

ドラゴネアの好む干し草と、道中に採った、死んだ豚ネズミ達を置く。

少し待つと、白い巨大ドラゴンが飛んで来た。

食べてる時に襲ってはいけないらしい。

豚ネズミを丸のみしてるドラゴネアを見守る。

隠れて見守ってる訳でもないのに、ドラゴネアは食事に夢中。

全部食べると、ドラゴネアがため息を吐いた。

 

 

……ボホーオオオォォォ……

巨大なため息。

凄く新鮮な草の香りがした。

凶暴……

というより、何だか呑気なドラゴン……

その後でドラゴネアがソフィー達を見る。

目が合うと両の翼を広げて吠えた。

「ウギャアアア……!クギョオオオォォォ!」

やる気満々のドラゴネアを相手に、ソフィー達は身構える。

「やっと来るか……」

戦闘パーティー最前列、フリッツさんが構える。

「どう?プラフタ?」

ソフィーが尋ねる。

ソフィー的には、あまり空気も震えない。

それほど強敵ではない感じがする。

「それほどでもありませんね。攻められる時に攻めてしまいましょう」

そしてぽかすか祭り戦法で叩く。

 

「グギャアアアァ……」

ドラゴネアからは何もされずに、ドラゴネアは倒れた。

そしてごろごろすると、どっかに飛び去って行った。

「あれ?なんか……あっけなく勝っちゃったけど……」

ソフィーはそんなドラゴネアを見送る。

ドラゴネアがごろごろした所に、久遠の竜鱗は落ちていた。

「フリッツおじさんの剣がとんでもなく強いとか、なのかしら?」

レオンさんが首を傾げる。

 

「ドラゴンまでも、こうもあっさり退ける……となると、不思議になるな……」

ハロルさんも疑問に思うみたいだ。

ともかく、目的の久遠の竜鱗を手に入れたので、ソフィー達は大地の傷痕の渓谷を降りる。

今度はアポステル温泉へと向かう。

 

 

今回は、荷車2号の番人をフリッツさんとオスカーが引き受けてくれて、アポステル温泉へ。

「本当に!ソフィーの旅に来るようになって良かったわぁ……こんなの、夢にも見た事ないもの!もう幸せったらないわ!」

アポステルの1匹を抱いて、めちゃくちゃ笑顔のレオンさんが言う。

「確かに。こんな温泉で過ごせるなんて、本当に夢のようです!」

コルちゃんも、アポステルの1匹を抱きしめて話す。

相変わらず、まだそこいら中にアポステル達が転がっていて、ごろごろしてる。

「なぜこんなに大人しいのか……毒の爪もすっかり引っ込んで……」

ハロルさんもそう呟いて、アポステルの肉球をぷにぷにする。

ぷにぷにされてるアポステルはその大きな目を細めて、口をパクパクさせてる。

めちゃくちゃ可愛い。

 

そんなアポステル温泉を満喫し、大地の傷痕から更に西へと一行は進む。

 

 

真夜中12時、骸の森を通る。

そこから悟りの岩山を通過して……

原っぱ遺跡。

ここのミニデーモンが依頼だと言う話なので、ミニデーモン探しが始まる事になった。

 

「清々しい朝~♪」

晴れ渡る原っぱ遺跡。

黒プニがころころしてて、カイゼルピジョンがバッサバッサしてる。

ミニデーモンの角が、なんか薬になるみたいでそれが依頼となっていたみたいなので、探すけれど居ない。

 

「美容にいいという噂だったこの水溜まりは、結局は迷信だったのでしょうか……」

原っぱ遺跡の水溜まりを眺めて、コルちゃんが呟く。

今日は黒プニ君が半身浴をしていた。

「襲っては来ないみたいだね。なんだか魔物なのに穏やかな……」

コルちゃんの隣でジュリオさんも呟く。

そしてミニデーモンが見つからない。

 

 

昼くらいにやっと3匹見つけて倒す。

ミニデーモンは倒されて地面に落ちると、アポステルみたいにどこかへ歩き去って行く。

ヤギの角みたいなのが付いてるんだけど、それの先っちょだけポロリと落ちている。

 

ここの依頼目的も達成したし、と一行は更に西に向かう。

この先が今回の目的地のその1……

「失せし者たちの都」だ。

「都ねぇ……雅な響きだわ……」

錬金荷車を引くモニカが呟く。

もう夜の道。

星明かりはここでも眩しく輝いて、辺りを照らす。

 

「キルヘンベルは田舎、とはいえこの辺りではキルヘンベルしか街がないから……でもこの先が都会、って事になってたのかなぁ……」

モニカの隣でソフィーも呟く。

そして歩く旅の道。

失せし者たちの都が近付くにつれて、道の端に看板がにょきにょきしてる。

「おお……酒蒸し屋オープン28コールより……なんか美味しそうなお料理屋さんって事かな」

ソフィーは看板の1つを読む。

「本屋さんに仕立て屋さんもあったみたいね。仕立て屋さんなんて、何軒もあった……みたいな感じかしら」

折れた看板やら風化した看板……

かろうじて文字が読める……

そのくらいの看板を、モニカも眺める。

「俺の親父の頃にも、ここの都は既に魔物の巣だったみたいだからな……」

ハロルさんもそう呟く。

そしてもう読む事も出来ない、朽ちた看板の群れを眺めて歩く。

 

 

そうして、失せし者たちの都へと着いたのは、夕方だった。

これから夜……

寂しい場所で寂しい時間……

「ん?」

ともかく、それぞれがあまり離れないようにして、採取生活に入る。

戦闘もあって、ヘルゲート、すーぱーぷにとの戦いがちらほら。

 

そんな採取生活の一行……

ふとソフィーが、物陰から覗く目に気づいた。

虹色のプニ、すーぱーぷにがこちらを見ていて、ソフィーが見ると、物陰に引っ込んだ。

ちょっと目を離す。

そしてまた同じ物陰を見ると、またすーぱーぷにがこちらを見ていて、物陰に引っ込んだ。

「捕まえました~!」

コルちゃんが反対からすーぱーぷにを捕まえる。あっさりと捕まって、抱き上げられてる。

「この子、魔物なのに大人しいのねぇ……アポステルみたいな感じなのかしら?」

レオンさんがすーぱーぷにをつんつんしながら言う。

すーぱーぷには、つんつんされながらも、ぷるんぷるんしながら笑っていたりする。

 

敵として出てくると恐ろしい防御力をしているすーぱーぷに。

ただ、攻撃力が無いのと、必ず単独で現れるのと、ブレイクさせると防御力が剥がれる為、危なげなく勝てる相手だったりする。

そして倒されると、他のプニは顔を無くして死ぬのだけど、ぷにぷに?

と、すーぱーぷには、地面に吸われて消えてってしまう。

……黄金のプニプニ玉、虹色の体液を残す事がある。

 

とりあえず、敵対してないみたいなので、すーぱーぷにを離す事にすると、ソフィーの後をついてくる。

「ん?なんだろ?なんでついてくるのかな?」

ソフィーはすーぱーぷにを抱き上げる。

「懐いてるのかしら?」

モニカも、すーぱーぷにを覗き込む。

すーぱーぷにと、バッチリ目が合った。

 

「……凄く引き込まれるけれど、笑っちゃうくらい何を考えているのかわからないわ……」

顎に手を置いて、モニカは言う。

ともかく、採取生活をして、朝になった頃に荷車が満載になったので帰る事にした。

 

 

開花の日、朝5時……アトリエ前に一行は道標する。

「あれ?すーぱーぷにも荷車に乗ってるじゃない!」

モニカが驚く。

そしてすーぱーぷには何だか苦しそうな顔になると、頭をふるふる振り回して、青プニになった。

「ふむ。違うマナの柱のテリトリー、しかも中心地に踏み入ったからだな。みるみる力を失ってしまったみたいだな」

フリッツさんがそんなプニを眺めて呟く。

「ぷにちゃんに鑑定して貰う……という事で、一緒にコンテナにしまっちゃいましょう」

コルちゃんに持って行かれて、荷車満載の採取物と共に、すーぱーぷにだった青プニは、コンテナ行きとなった。

 

 




ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。

[ディーゼルさん]
マナの柱の力についてもよく知っているみたい。
[バーニィさん]
マナの柱の力についてもよく知っているみたい。マナの柱の力も持っているのだとか。

[八百屋で働く問題児]
教会の子供達も、いい子ばかりじゃないみたい。

[事後ハダカ族]
幸せきゅんきゅんの、後遺症。

[噴水端会議]
皆で話したりするのだけど、おばあちゃんの話は一向に出てこない不思議。本当にキルヘンベルにおばあちゃんが居たのだろうか……

[秘められた力]
マナの柱から得られる能力。魔力を用いて人を殺す能力でもある。ソフィーだって、オリフラム公爵を誰かに使えば、人を殺す能力、としても使える。

[八百屋での戦い]
納品、販売、雇用、金銭のやりとり……毎日が戦いなのである。
[大白玉ニンニク]
更に臭いが強烈な、茶色バージョンが出回っているとか。もう、白玉ニンニクと呼べない……
[迷惑なおじいちゃん]
最近、引っ越して来たんだって。

[北の人形劇]
なんか、人形の後ろに背景が出てきた。色とりどりの蝋絵の具、恐るべし。
[南の人形劇]
歌うまお姉さんや、歌うまオジサンの歌の時間もちょこちょこ挟まるようになったとか。

[錬金荷車1号]
種の日の噴水広場に現れる屋台。コルちゃんとテスさんが売り子として頑張っていたり。
[八百屋バスケットのサンドイッチ]
燻製小屋の余り物を、八百屋さんで、ごっそりと引き取っているんだって。

[イチャイチャエロエロ]
終わると、こんなんでいいのかな的な虚しさが胸をよぎったりする。

[錬金荷車2号]
2階建て荷車。もふもふモフコットやふわモフタオル、隣の国からやって来たトマトのぬいぐるみ、そうしたアイテムも増えて、寝心地も良くなっていたりする。

[トマトのぬいぐるみ]
太陽の果実。みんな大好きトマト!キルヘンベルではあまり馴染みがなかったりする。

[アポステル温泉]
大地の傷痕の谷にある、無数のアポステルがごろごろパチャパチャしてる温泉。

[失せし者たちの都]
ゲームにもあるマップ。朽ちた看板の群れはない。

[すーぱーぷに]
ゲームにも居る魔物。ついてくる、というイベントはない。
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