錬金術のアトリエ 1   作:東京のぷるぷる

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錬金術のアトリエ 52

錬金術のアトリエ 52

 

「さて……どうした事でしょうかね……」

双葉の日、朝の4時、あまりにも事後ハダカ族のソフィーを見て、プラフタは呆れて呟く。

「んぅっ……あぅ……」

そしてソフィーはピクピクし出した。

ベッドの下のプニ助はどうやら爆睡中のようで、あまりにも能天気な寝顔をしている。

「さて、仕方ありませんので、運びますか……」

プラフタは1つため息をついて、ソフィーを抱えると、コンテナへと入って行く。

 

 

コンテナの1番奥、ぷにちゃんの扉を開け中に入り、プラフタはソフィーをぷにちゃんに渡す。

「全く……なぜ夜の営みは普通だったのに、その後でハジケてたのですか?」

プラフタから見て黄緑色のぷにちゃんの中で、ソフィーはふよふよと浮かび、そんなソフィーに向けて、プラフタは手だけをぷにちゃんに入れて、尋ねる。

「違うんだよぉ……なんかオスカーがね、いつものオスカーよりも格好良くてさぁ~……」

ソフィーはそんな思いを反芻して、能天気に笑う。

「事情はマナの柱の部屋で見たのですが、よく分かりませんでした。なぜ1人になってからあのような……マナの柱も不思議がっていましたよ」

プラフタはただ不思議に思う。

2人交わっている時には、それほどでも無かったのに……

そして気に掛かる。

 

 

ともかく旅立ちの日。

遂にナザルスさんに薬を使う為に、封印された寺院へと行く予定だ。

ソフィーとプラフタで、カフェに向かう途中にモニカとジュリオさんと合流して、晴れたキルヘンベルを歩く。

「そうだ。ぷにちゃんの部屋は入れないけれど、ジュリオさんも、コンテナの中に入れるみたいだよ!」

そうジュリオさんに話す。

でも、番人ぷにちゃんにでも触れれば、隠し事とか出来ない、という話もする。

モニカも詳しい話。

 

「そうか……それなら、しっかり考えてから入らないといけないね」

ジュリオさんはそう言って笑う。

 

 

そしてカリカリトーストの朝。

カフェで依頼の話をしている、ジュリオさんとフリッツさんを眺めながら、ソフィーは呑気にカリカリトーストを食べる。

いつもの風景。

ソフィーの隣で、オスカーもカリカリトーストを食べていたり。

 

依頼が纏まった所で出発!

今回は封印された寺院が目的地。

1回だけ予定だ。

……と、言うのも新しい錬金術、モニカの教えてくれた日輪の雫の調合に72時間掛かる、との事なので、プラフタとジュリオさんで旅を調整していたみたいで。

 

「雨降りそうだねぇ~……」

ソフィーは空を眺めて、呑気な声で呟く。

とびきりご機嫌で、気持ちがいい風が吹いてる。

「なんか、凄くご機嫌だね、ソフィー」

すぐ隣で荷車を引くジュリオさんが言う。

「へへへ、まあ、いつもの事ですよ。でも怖い場所なんですから、怖い場所に着く頃には、ピリッとします!」

ソフィーはごまかし笑いをする。

 

「ナザルスさん……本当に大丈夫だろうか……まあ、しっかりとした足取りで行かないと、いけないね」

ジュリオさんは唇を結び直し、ソフィーを見る。

「そうですね!」

ソフィーもガッツポーズをする。

 

 

ソフィー達は恵みの森を抜け、境界の裾野へ。

境界の裾野を通過する頃には、夕方だった。

 

 

「プラフタ、あたし気付いたよ!ナザルスさんの居る所って、キルヘンベルを朝に出ると、夜に着くんだよ!」

荷車の後ろを歩くプラフタの、更に後ろを歩くソフィーが言い出した。

「あの場所は朝に到着したとしても、中は不気味なのではないでしょうか?」

そう言ってプラフタは振り向くと、両足を浮かせてふわふわ~っ、と進む。

「それ、あたしもやりたいな~……」

そんなプラフタを見て、プニ助を肩に乗せたソフィーが呟く。

「あなたも魔力があるのですから、やれば出来るかと思いますが……あと、ラクそうに見えてラクではないのです」

プラフタは言う。

このパーティー、みんな魔力がある!

「……レオンさんも、出来たりする!?」

ソフィーはプニ助と共に目を輝かせて、荷車の後ろを歩くレオンさんを見る。

「スパ~ッと動くのは出来るけど……ふわ~っとやるのは無理ねぇ……」

レオンさんは、苦笑いしながらそう答えた。

ソフィーもふわふわ~っ、と進む事は出来なかったりする。

 

そしてこの後に控える72時間の大調合、日輪の雫の話をして歩く。

「モニカのくれたレシピだと、どうしても72時間の漬け置きが必要なんですよ~……」

ソフィーは、カフェでジュリオさんにもした話をする。

「言ってたわねぇ、そんな事。だから今回の旅は1回だけなんでしょ?まあ、今回はゆっくりするわ。新作の服とか作りたいものもあるし」

レオンさんはそう言って微笑む。

 

 

20時……

夜に封印された寺院に到着。

寺院に入る前に野営をして、ここの赤うにが夕食となる。

「ここの赤うには、侮れない旨さをしているからな……」

オスカーが、不気味な空に向けて伸びるうにの木を眺める。

「確かに、他には無い美味しさがあるのよね」

そんな野営準備をするオスカーを手伝いながら、ハロルさんとレオンさんが話す。

「ここの赤うには、土がいいんだろうなぁ……それと、風かな……」

オスカーもそう話しながら、煮物の準備をする。

ソフィーとプラフタは赤うに拾いをしたり。

 

 

野営で一息ついてから、ソフィー達は封印された寺院へと入る。

「やっぱり不気味だよね、ここ……プニ助もほら、怯えてるもん」

ソフィーは荷車1階の隅に居る、プニ助を撫でながら言う。

「プニ助が怯えている……というよりも、ソフィーさんが怯えているから、怯えているのではないでしょうか?」

コルちゃんが口許を隠して言う。

プニ助は、やたらとソフィーとリンクしているので、そう思う。

荷車を引くジュリオさんも頷いた。

 

そしてナザルスさんの落ちた穴……

よく見ると急な斜面になっており、元々はここから行き来出来る場所だったみたいで、ソフィー達は荷車と共に降りて行く。

 

「坑道……だな」

フリッツさんが呟く。

「悪魔の魔物がふらふらしていますね……」

ジュリオさんも辺りを見る。

それと、メタルなプニプニ、ぷにぷに?

が、転がっている。

「まずはナザルスさんは……居ないみたいだね」

そして奥へと続く道へと向かう。

アークデーモン達と戦闘になるも、こちらの防御を抜けないので、あっさりと倒す。

 

「ここまで強敵が居なくなってしまうと……なんか拍子抜けするわね……」

モニカが呟く。

なんかHPMPLPバリアが厚くなり、防御が厚すぎて、並大抵の魔物では敵わない集団となってしまった。

「絶対に、とんでもない魔物のハズなのにねえ……」

完全にソフィーにとって場違いな場所なのに、脅威ではなくなっている。

そんな倒れたアークデーモンを見て、ソフィーも呟く。

 

「そうした気持ちは大事にするといい。この場所は、ソフィーのマナの柱の領域。魔物は出会った時には、マナの柱の力にやられている……そういう事なのだろう」

フリッツさんはそう話し、先へと進む荷車を追いかける。

 

 

石畳の地下室……

その内の1つの部屋に出た。

ドアみたいなのは無く、部屋を出た廊下と、向かいの部屋が見える。

「……プニ助が居るね」

ソフィーが呟き、荷車のプニ助を確認する。

「すーぱーぷにでしょ?」

モニカが言う。

向かいの部屋で、すーぱーぷに達がころころしてる。

そしてそれぞれは別の場所へと転がっているけれど、部屋からは出て来ないみたいだ。

 

「……部屋の中央に……何かあるわね……」

レオンさんが言って、皆で部屋の中央を見ると、紙きれが落ちている。

この辺りは紙きれが落ちてるのは珍しくないのだけど、部屋の中央の紙きれだけは、なんか新しい。

「確かに、気になるね」

ジュリオさんも賛同して、部屋に入ってみると……

すーぱーぷにが1匹ずつ襲い掛かってきた!

 

……相変わらずの防御力……

時間は掛かるけど、危なげなく倒せる。

そして1匹が終わると、もう1匹が襲い掛かってきた!

合計3匹……

なんか時間ばかり掛かって、ソフィー達は、すーぱーぷに達を倒した。

 

「ふぅ……なんで1匹ずつ挑んで来たのかしら……」

モニカが呟く。

「能天気オーラにやられた魔物ってのは、分からないわね」

レオンさんも疑問に思う。

ともかく、部屋の中央の紙きれを手に入れた。

「これは……装飾品のレシピのようです。ソフィー、どうですか?」

プラフタが目を通して、ソフィーに渡す。

「わお。レシピ考えたりする必要がないやつだね。生命のバングル……装飾品だねぇ~」

ソフィーはメモに挟んで、懐に入れる。

 

「さて、ともかくナザルスさんが気になるから……先に進もうか」

他の部屋はちょっと見るだけにして、ソフィー達は奥へと進む。

 

 

そして進むと、荒れ果てた錬金術の工房に辿り着いた。

「これは……炉ですね……」

「こっちは錬金釜だった、みたいな……」

だだっ広い石造りの工房。

ソフィーは、ひび割れた丸い錬金釜だったと思われる釜を、撫でる。

「大昔には、この辺りも錬金術の屋敷があり、教会があった……そういう事なのだろうが……」

ハロルさんが呟く。

「ソフィーとは違う錬金術士が、勤めていた……若しくは働かされていた……そんな感じの部屋だな」

フリッツさんも、そう話す。

「……ん?……そりゃあ、あたしはこんな所知らないし……」

その話にソフィーが言う。

「錬金術士になりたくて仕方ない、錬金術が楽しくて仕方ない……というのがソフィー、あなたですが、ここの錬金術士はおそらく……やらされていた……という話ではないでしょうか?」

そう言うと、ソフィーの後ろでプラフタが話す。

 

「これは……ニトロ水か。コル助、入れ物を作れるか?危険物だが」

ハロルさんが、部屋を調べて煙の出る水?を見つけた。

「ふむ……ガラスを溶かさなければ、厚いガラスのコップがありますので、今用意するです」

コルちゃんも荷車の2階で、何やらごそごそと作り出す。

人に見られるのは困るらしく、コルちゃんがどうやって物を作っているのか、見た者は居ない。

とはいえ、ぷにちゃんの中に入って、気になった事のあるソフィーとプラフタは知っている。

両手の掌の間に、光の「壺」を呼び出し、壺から物を産み出す。

その時にSPバリアを消費する。

 

 

「これでどうでしょうか?」

少し待つと、コルちゃんがコップを作ってニトロ水を入れてみたりする。

採取品が液体だったりすると、入れ物も考えないといけないので、大変だ。

コルちゃんが解決してくれるので、さくさく集められるけれど。

「これは!錬金術パワーを感じるよ!」

ソフィーは焦げた欠片にパワーを感じて、プラフタと集める。

今回、少し変わった素材は錬金術にかなり使えそうな感じだ。

「確かに。これは中々……」

プラフタも真剣な眼差しで焦げた欠片を拾い、荷車に入れて行く。

レオンさんは不思議な顔をして、そんな2人を眺める。

 

「なんか色々と残ってるものなのねぇ……見る人が見れば……」

そうこうしながら奥へ奥へと進んで行く。

 

「この先……強力な魔物の気配がします!」

プラフタが言い、ジュリオさんと前に出る。

錬金荷車2号を引くハロルさんが、少し下がる。

視界を遮る壁の向こうに、なんか赤オレンジのナタが飛んでるのが見えた。

壁の向こうはなんかやたらと明るい。所々に錬金術製と思われる照明が光っているのだけど、少し明りの強い場所みたいだ。

 

「ルゥゥ……ワンマァァ……」

そう声が聞こえて、4本のナタが飛びまわり出した!

「どうやら、こちらに気付いてるみたいですね」

そのナタを防ぎながら、プラフタとジュリオさんが前に踏み込む。

ナタを叩き、防ぎ、ナタは力なく、くるくると回って宙を舞う。

ソフィーも前進し、真っ赤なザリガニ人間みたいな魔物が長い白髪を振り乱していた。

「ナザルスさん!」

大剣でガードを固めながら、ジュリオさんが近寄る。

「うごおぉぉ……スッッ!プッツェエェ!」

ナザルスさんが持っている剣を振り下ろす。

ジュリオさんのガードに引っ掛かり、ジュリオさんが少し後ろに下げられる。

「とにかく、薬を使おうにも、まずは無力化しないとどうにもなりません!」

プラフタがそう言って、コルちゃんとソフィーが前衛に加わる。

ナザルスさんの攻撃は、凄く近寄ってガードを固めるジュリオさんに阻まれ、一方的に叩いて倒す事になった。

 

 

「ウゴオォォォ!!」

ザリガニ人間みたいなナザルスさんよりも、ジュリオさんの方が化け物だった。

ともかく、ザリガニ人間みたいなナザルスさんは倒れ、眠っているみたいな感じになり、プラフタが万能厄除け香を使う。

部屋全体に回復の煙がどこからともなく現れ、その煙はソフィー達の誰も回復する事なく、すぐに消えた。

 

「あれ?失敗作……?」

実際に使った事は無かったのだけど、広範囲に強力な回復を振り撒くハズ……

なのに何も起きなかったので、ソフィーは呟く。

「いえ、万能厄除け香は、異質な魔力がある場合、その異質な魔力に呑まれてゆくのです。今回の場合は成功なのかと思いますが……」

プラフタは話す。

そう話しているうちに、ザリガニ人間だったナザルスさんが、片腕だけを残してナザルスさんに戻った。

 

「おお~!大成功!?」

ソフィーとプニ助が目を輝かせて、すぐ後ろに居たモニカを見る。

「すーぱーぷにとリンクしすぎじゃないかしら?」

モニカはダブル能天気笑顔に怯む。

「ナザルスさん!」

ジュリオさんがナザルスさんに声を掛ける。

長い間気にしていたみたいで、泣いてるみたいな声でナザルスさんと話し、ともかく道標する事にする。

 

 

……蕾の日、お昼過ぎのキルヘンベルは少し雨が降っていて、錬金荷車2号の物を降ろす。

「じゃあ、ちょっと待ってて下さいね。このタイミングで日輪の雫を調合しますので」

ソフィーはプラフタとモニカ、コルちゃんとスッキリシャッキリした後に錬金釜へと向かい、日輪の雫の調合を始める。

錬金釜の中に素材を配置するのは、ほんの5分程で終わる。

 

……あとは漬け置き72時間だ。

 

 

「ナザルスは取り敢えず、このアトリエの側に居るのが良いのではないでしょうか?」

プラフタがそう提案する。

マナの柱の力の発生源であるこの場所ならば、魔物の力も暴走しづらいだろうし、やはり魔物のひしめく封印された寺院に居ては、治るものも治らない、と説明した。

「確かに、プラフタの言う事には納得できるね。それに、暴走した後だし、少しはゆっくり出来る環境がいい……」

ジュリオさんは、そう呟きながら考え込む。

 

 

ナザルスさんは、ソフィーのアトリエの側に錬金荷車2号を置いて、そこで寝る事になった。

プラフタとジュリオさん、モニカの見張り付きだ。

 

 

「こんな肉料理、見るのも久しいな」

そして夕食の時間には、すっかり目も覚めて、ナザルスさんは元気そうな笑顔を見せる。

ソフィーとプニ助も出て、5人で囲む夕食となった。

「ナザルスさん、いつも何を食べていたんですか?」

ソフィーが尋ねる。

雨は止み、眩しい星空の夕食タイム。

「赤うに、それとヴァイツェ粉が採れたりするからな。パンを焼いたりも出来たな」

ナザルスさんはそう話す。

錬金術士という話だから、錬金釜を使ったりしていたのだろうか。

「1人であの場所に住むなんて、ナザルスさんは凄く強い人なのかしら?私はソフィーの力ありきで旅をする身だから、信じられないわ」

モニカもそう話す。

錬金釜は漬け置き72時間だし、旅で過ごす事も多くなったもので、なんだかのんびりしても良さそうな、そんな時間。

「まあ、その場所に身を置けば、どう立ち回るか見えても来る……とも思うが、君は若いからな。焦らずに精進するのが大事、としか言えないな」

ナザルスさんはそう話す。

それからはじっくりゆっくり、ナザルスさんの錬金術、旅の話を聞いて、ソフィーの錬金術、旅の話……

そしてぷにちゃんの話をしたり、軽業を見せたり……

 

 

そんな夜中、プラフタも錬金荷車2号の番をしているので、アトリエにはプニ助とソフィーだけ。

そしてプニ助はベッドの下で爆睡中。

なんか目が覚めてしまって、でも錬金釜は使えないし……

ソフィーはなんとなく外に出てみる。

少し雨の降っているアトリエ前、錬金荷車2号は少し離れた場所に止まっていて、車輪が回らないように地面に埋められていたり。

 

「……」

皆寝ているのか、ただ錬金荷車2号が止まっているだけだ。

せっかく杖まで持って来たし、ソフィーはパメラでも探そうかと山を降りてみる事にする。

夜に1人歩きなんて、初めてかも知れないな……

と、考えてみたり。

そして山を降りて市街地に差し掛かると、人の気配に振り返ってみる。

すぐ近くにモニカが居た。

 

「じっとしていられないのねぇ……」

ソフィーに気付かれて、モニカはそう呟く。

「へへ~……錬金術も出来ないし、ふらふらしたくて。パメラでも居ないかな~……ってね」

ソフィーはそう言って笑う。

「そんな、人をカブトムシみたいに……」

モニカも苦笑いして見せる。

そうして2人で歩き、誰も居ない噴水広場へと出る。

ソフィーが空を見上げると、まだ雨は降っているけれど、眩しいくらいの星空が輝いていた。

「なんか、旅にでも行きたい気分。錬金術が進みまくっちゃって嬉しいんだけど、なんかさ……」

杖を持つ両手を拡げて、ソフィーは星空に向けて呟く。

 

「そうね。なんか目まぐるしいくらい、色々と変わっちゃったから、心の整理をしないと……なんて思ったりもするわ」

モニカも、そう呟く。

そんな夜の散歩……パメラは居なかった。

 

 

開花の日を1日潰し、果実の日も、そんなまったりのんびりな1日となる予定。

街に居て暇になるのなら、とナザルスさんがお酒を求めたので、オスカーが持って来たり。

キルヘンベルのラーメル酒と、秘密のシェリー、幸せのワインを八百屋荷車1号改に積んで持って来た。

「うおお!こんな山奥なら、ちょっと……ひと口……」

ソフィーはウキウキダンスする。

「まあ、秘密のシェリーはソフィー向けのお酒だし、気に入るのかもな」

オスカーは布が詰まった箱を開ける。

1本足丸グラスが沢山入った箱だった。

たるの中にも、お酒の瓶。なんかお洒落な感じ!

1本足丸グラスに、ちょこっとずつ秘密のシェリーを入れて、アトリエ前のテーブルに並べる。

「普通に飲む時も、香りを楽しむくらいだから、秘密のシェリーはこんな量だな。もう10年くらい寝かせたやつらしいけどさ」

オスカーがそう紹介する。

そしてその作法通り、グラスに口を付けて、香りを楽しみ、唇を濡らすくらいだけ、飲む。

「凄い!甘い!ぶどう大爆発!」

興奮さめやらぬソフィー。

プニ助もやってみると、目をキラキラさせる。

「こんな甘い香り、甘い味なの?」

不思議がるモニカとジュリオさん。

「ぶどう農家はワインとビネガーも作ってるからな。オイラの調味料師匠のとっておきシェリーだよ」

ラーメル酒は、普通にキルヘンベルに出回っている物らしいので、ナザルスさんに。

ソフィーも味見だけしてみる。

 

「うへぇ……」

コルちゃんクッキー☆かにとかげ編的な味に、ソフィーは苦い顔をする。

プニ助はそんなソフィーを不思議そうな顔で見る。

お酒の匂い!

……って感じに苦いピリピリ。

ソフィーは、よろよろとステップを踏むと座り込む。

 

「おお……!秘密のシェリーも酒的な香りをしていたが、私が求めていたのはこちらだな!」

ナザルスさんは笑顔になる。

秘密のシェリーは、甘過ぎるワインなので、ケーキに垂らして食べたりする、いわば調味料的なお酒なんだと言う。

唇を濡らすだけ、なんて飲み方も、このお酒ならではの作法なんだって。

 

そしてこの場所は、ぷにちゃんのお膝元。

魔物に変化してしまう力が恐ろしく弱まり、ナザルスさんも凄く安定していて気分もいい、と話した。

「そう言えば、そうだね?特に自警団の人と騎士の人が警戒してるだけだけど、魔物は寄り付かないもんね」

ソフィーはそう話す。

魔物が来る、という話もないキルヘンベルなのだ。

そんなまったり過ごす果実の日も過ぎる。

ちなみに、幸せのワインも渋い感じで、ソフィーには合わなかった。

 

 




ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。

[事後ハダカ族]
ハダカ族の戦いの後。女の子の側が事後ハダカ族になる。男の子の側は、そうはならない。

[プニ助]
元はマナの柱だったとゆう、すーぱーぷに。虹色の可愛いヤツ!

[マナの柱]
この世界の不思議の根源。不思議パワーが渦巻いてる。
[ぷにちゃん]
ソフィーのアトリエの地下にある、マナの柱。人格が2つ。

[カリカリトースト]
ホルストさんのカフェで出てくる厚切りのパン。焼き具合がいい感じにカリカリ。

[荷車]
錬金荷車2号。2階建て屋根付き、マナフェザーで重量を不思議パワーでごまかしているので、軽い。

[能天気オーラ]
ソフィーを主とする、マナの柱が地域に与える不思議パワー。スライムはプニプニに、小悪魔はネコみたいに、水棲モンスターは、「遊んで~♪」って感じになっていたりする。

[SPバリア]
コルちゃんの物を増やすポイント。枯渇すると背が縮む。
[光の壺]
ゲームにおいても、どう増やしてるのかは謎。

[ナザルスさん]
ゲームでも登場する。だけどアトリエで過ごしたりはしていない。

[秘密のシェリー]
干しブドウ的な甘さのワイン。濃い!
[幸せのワイン]
ブドウから作るワイン。渋みが強かったり弱かったり。



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