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錬金術のアトリエ 55
ぷにちゃんの部屋の扉の前に、朧草の花が置いてあり、番人ぷにちゃん達がそこに固まっているコンテナ。ソフィーとプラフタが近寄ると、番人ぷにちゃん達は道を開けた。
「なんか、もう道も番人ぷにちゃんでギッシリなんだね~………」
ソフィーがそう、呑気に声を掛ける。
「どんどんマナの力が強くなってるからね~♪最盛期よりも更にパワーアップしてたりするよ」
番人ぷにちゃんの1人が、そう話す。
今は女の子の人格。
「ぷにちゃんは、一体どこまで凄くなるんだろ?」
ソフィーは呟きながら奥の扉へと進む。
それまでの距離も、かなり長くなっていたりする。
……ともかく服を脱いでハダカ族になり、ぷにちゃんの部屋に。そして身体を休める事にする。
「随時とお疲れなのね~………こんなに消耗してるなんて、珍しいんじゃない?」
ぷにちゃんはそう伝えて、ソフィーはだら~んとなって浮かび上がっていく。
「トンデモすぎる錬金術でねぇ………失敗する事に成功したからいいけど、失敗する事に失敗してたら………と思うと今更だけど怖いよね~」
ソフィーはそう言って、プラフタへと手を伸ばす。
「アシタバの帰舟とは、そんなに凄いものなのですか………?」
そう尋ねるプラフタに、ソフィーの失敗の記憶が流れて来る。葉っぱ4枚には何の力も無い。そこに魔力を注ぐ事でアシタバの帰舟にする事を目指すのだけど、注いだ場合に、注ぎ過ぎて吸われて行くような感じになる。そのまま吸われてしまえば、命に関わる危険な錬金術が、このアシタバの帰舟のレシピだった。
「これは………!何と危険な………恐ろしい錬金術ですね………それも今のソフィーでは手に負えない勢いがあるような………」
プラフタも、その記憶に触れて怯む。
「うん。今のあたしでも手に負えない感じするんだけど、これってさ、錬金術を更に重ねて行っても、結局は命がけなんだと思うんだよね。やってる事が普通とは違うから。どんな気持ちで臨むのか、って所が大事なんだと思う」
ソフィーはアシタバの帰舟のレシピを思う。理論を積み重ねて出来た………というよりは、なんか勢いで出来たような感じがするレシピ。
「確かに………もう少し、作戦を練る必要がありそうですね」
そして2人に立ちはだかる壁………アシタバの帰舟のレシピと向き合う日々となった。
………数日の時は流れて………
「あら、ソフィーの所?」
ソフィーのアトリエの山から、オスカーが降りて来て、それを見つけたモニカが尋ねる。
「ああ、なんかいつもと同じ感じだったけど、アシタバの帰舟ってのが出来たら旅に出る………んだよな?」
オスカーは不思議そうな顔をして話す。
「そうねぇ………オスカー、貴方も旅に出るって話だから、留守のアトリエとぷにちゃんをヨロシクされたんだけど………大丈夫かしら?」
モニカも首を傾げるばかりだ。
あまりふらふら出歩く、という事は無くなったものの、アシタバの帰舟は作っていないみたいだし、でもアトリエに籠ってはいるみたいだし………
ぷにちゃんの記憶を辿っても、アシタバの帰舟は作っていないみたいで、計画だけがあるみたいで………
不思議に思うオスカーとモニカは、アトリエの方を見る。
そこに少し強い風が吹き抜けた。
その風だけが、少し冷たくて2人は顔を見合わす。
「何かあったな……アトリエの方だ!」
そしてオスカーはアトリエへと走り出す。
「何!?何!?」
モニカもその後を続いて走り出す。
アトリエには誰も居なくなっていて、オスカーはカワニレの木に尋ねる。
「……え?……そんなハズ……」
そしてオスカーは戸惑う。
「何?何て言ってるの?」
モニカはオスカーに尋ねる。
「もう半年くらい前に、ソフィーは旅立ったって……そんなハズないよな?」
オスカーはそう言ってモニカを見る。いつになく困惑した表情に、モニカも怯む。
「え?……そんなハズないわよ……半年なんて」
2人はそう話し合い……
モニカはアトリエの中へと入る。
無数の番人ぷにちゃんのコンテナ、巨大なぷにちゃんは、巨大なまま……地下にある。
見慣れた光景に、モニカは胸を撫で下ろす。
「ソフィーはいる?」
モニカは番人ぷにちゃんに尋ねる。
「ソフィー?ずっと前に旅に出たよね?ちょくちょく来てるけど、今は居ないよ」
わっしょいしている番人ぷにちゃんは、そう答える。
「え?嘘!?ここで……葉っぱの舟の研究をしていたじゃない!?からかわないで!」
モニカはそう言い放つ。
「ん〜?……そうなの?アシタバの帰舟の事かな?」
番人ぷにちゃんワールドは、全員一斉にわっしょいを止める。
部屋の時間が止まったかのように、ピタッ、と停止してそう話した。
「そ、そうそれ!アシタバの帰舟てやつ!……は、ともかく、最近ソフィーがそれの研究してたでしょ?」
モニカは言う。
「ふむ〜?半年くらい前から、旅先からアシタバの帰舟でこちらに立ち寄ったりしてるけどね〜?」
番人ぷにちゃんは答える。
「そ、そんなハズない!だって……」
モニカは言いかけて止める。
ぷにちゃんは別に嘘を言ってる風でもないし、今までも素直に話すだけなのだから。
「……きっとソフィーが何かをしたんだわ。それでなんか時間的に混乱してる……きっとそんな感じなのね」
モニカは言う。
素直なぷにちゃんを疑うよりも、ソフィーの錬金術を疑う方が疑いやすい。
「ふむ〜……急になんか、変わったみたいだね〜……」
番人ぷにちゃんの群れは、またゆっくりとわっしょいし始める。
アトリエの山を降りたオスカーも、ソフィーの記憶が曖昧なキルヘンベルの街を歩き回った。
植物達までが、曖昧なのだ。
オスカーの思うソフィーだったり、かなり前に旅に出ていたり。
そして段々とソフィーの事を話す事を止めて行った。
ここには、ゲームには無い勝手に付け加えた設定を書いておく所。
そもそもエンディングが全く違うのだけども。
[ぷにちゃん]
この世界の魔力の源となる存在。巨大なプニプニ的な形だったのでこの愛称となった。
[番人ぷにちゃん]
コンテナに住む、ミニぷにちゃん。コンテナに預けた素材や服、武器なんかまで汚れを食べてくれる。
[ハダカ族]
毎度お馴染み。
[アシタバの帰舟]
究極のちょこっと調合。旅先に居ながらアトリエへと帰る事が出来る。そしてアトリエを出ると旅の続きが出来る品物。