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錬金術のアトリエ 8
ソフィーのアトリエでは、今日もオスカーとラブラブするソフィーの姿があった。
……明日の朝は、また街の外におでかけだ。
そんな夕方、コルネリアはロジーの鍛冶屋に居た。
鍛冶屋ロジックスはまだ営業中なので、剣マニアの少年と他愛の無い話をしながら、売り物の剣とか斧とかを見ていたり。
農家の人々がよく訪れて、農具の直しの注文が多く、ロジーの直した農具は、木の柄の形などが丁寧ないい出来で、農家の人々に評判だった。
武器を作りたいロジーではあったけれど、注文は農具ばかり。
しかも後10日程、農具の予約の消化……
むしろぽつぽつ現れた冒険者は、ハロルの店の投げナイフを買うという……
アイツ時計店じゃないのか……
……しかも、かなり評判の高性能ナイフだ。
ロジーも1つ見たが、バランスといい刃といい……
かなりハイレベルなナイフだ。
それに時計の針のようなデザイン……
この見た目のお洒落さで、冒険者も投げナイフというロマンを追い掛けているという。
そして更に近々、拳銃の開発もしているとか。
そう、コルネリアから情報を聞いた。
……日も暮れて、ロジーは店を閉める。
コルネリアは手甲も付いた、小柄な身体に似合わず大きな袖で口許を隠し、にこやかにロジーを見ている。
「……気は済まないか……」
ロジーが言うと、コルネリアは、にこやかに頷いた。
「夕食、何を食べるです?」
コルネリアは顔を上げる。
ロジーの背が高くて、顔を見るにはそうなる。
「近い所、でまた壺屋になるかな……」
コルネリアと2人で、ロジーが毎食食べるという、壺屋へと行く。
鍛冶屋の隣で、冒険者や行商人も良く訪れているこじんまりとした店だ。
ちなみに他の選択肢としては、ホルストさんの裏酒場エリアの屋台になる。
どかん、と勢いのある料理を売りにしていたりする。
「壺屋じゃなかったら、壺屋をオススメする所でした。……今日の壺屋は……へへ……」
ロジーとコルネリアで、壺屋へと行く。
ストリートの謎の壺が看板の、行商人と農家の人がやっている店で、とにかく安い。
ただ、出て来る食事は、その日その日で決まっていて、注文出来るのは芋の調理法だけだ。
そしてロジーとコルネリアで壺屋へ行くと、中にハロルが居た。
「おお、ロジーにコル助か……」
ロジーとコルネリアは、ハロルの着くテーブルに着く。
3席しかないこの店のルール。
顔見知りで、嫌っていないなら相席だ。
「へへへ……今日は15コールでいいよ。芋はどうする?」
行商人が寄って来る。芋は煮るか蒸すか焼くか選べる。
「蒸してくれ」
「同じで……お願いします」
2人は注文する。
ハロルはヌルヌル魚と蒸した芋を食べて、もう食べ終わる所だった。
「今日は……ヌルヌル魚なのか?15コールでいいのか?」
ロジーはハロルに聞く。
「……団子になってるのを捕ったらしい。高値で売ろうにも日持ちしないからな。多くの人に振る舞いたいんだとさ」
ハロルが答える。
……冒険者風の客が3人、やって来た。
そして沈黙のテーブル……ハロルは黙々と食事をする。
ロジーは考え事をしていて、コルネリアは冒険者風の客を眺めていた。
「明日、また恵みの森かなァ……だといいんだけどなァ……」
「まあ、予定は木の実拾い、蜂の巣拾いだからな……」
冒険者の、そんな会話が聞こえて来る。
店が狭いので隣のテーブルが近い。
なんとなく汗の匂いも、ふんわりと漂って来たり。
「ハロル……買ったナイフだが……なかなかの出来だ。どうやって作るのか教えてもらえないか?」
ハロルの食事が終わる頃に、ロジーがそう尋ねた。
「……商人から買ったナイフを研ぎ直してバランスを取っているだけだ……細工品は焼き繋げている」
ハロルはそう言うと、器を手に調理場へと向かう。
ロジーとコルネリアは、ようやく運ばれて来た、蒸した芋とヌルヌル魚を食べる。
「これ……!めちゃくちゃ美味しいです!」
コルネリアは目を輝かせる。甘いタレがどストライクだ。
どうせここで食べられるから、とソフィーのアトリエでは断ったのだけど、ソフィーとモニカも大好きな甘さ。
「なるほど……これは……」
ロジーも食べる。
ヌルヌル魚なんて、以前はいつ食べたものか……
食べたら店を出て、店の外の歯磨き桶で歯を磨き、そしてロジーは鍛冶屋に帰る。
少し混み合う夕飯時……コルネリアは壺屋に並ぶ順番待ちの商人の人達、職人の人達、冒険者と自警団の人達なんかとお話タイムだ。
壺屋の行列が無くなってから、コルネリアは鍛冶屋に入る。
ロジーは鍛冶屋の地下の部屋へと、コルネリアを通す。
「では……お待ちしています」
コルネリアは地下の寝室へと行き、ロジーも地下の寝室へと降りる。
壺屋の行列の商人達、職人達と顔を繋ぐ目的のおしゃべりタイムはそこそこ長く、ロジーはもうすっかり身体も洗い、軽く片付けや掃除までしてしまっていた。
……それに昨日は色々と勉強になった。
子供に懐かれたと思いきや、コルネリアは店を出すと言うだけあって、今のキルヘンベルの流通の情報に通じていた。
ハロルの店に冒険者が行ってるのも、ナイフが人気なのもコルネリアから聞いた話だ。
そんなコルネリアは、ロジーに恋をしているらしい。本人が言っていた。
寝間着を着てるロジーは、コルネリアと並んでソファーに座る。
コルネリアは淡いピンクの民族衣装的な……
肌襦袢とか言う寝間着を着ていた。
……普段着は露出が多いのだが、寝間着は露出は少なく、足首まで隠すくらい、丈が長い。
「……へへ……よろしくお願いするです」
コルネリアは少し顔を赤らめて、袖で口許を隠す。
子供と言うには、着物や仕草に品がある。
「いや……こちらこそ……?」
戸惑いながら、ロジーは黒い革のソファーに座っている、コルネリアの肩に手を回す。
「はぁぁ……ドキドキするです……」
コルネリアはロジーに頭を寄せて、ため息をつく。
……ロジーもドキドキしている。
女の子とどうのこうの、といった経験もなく、あまり考えてもいなかった。
コルネリアは小さく、肩も細く……なんか壊れてしまいそうな……
「いや、コル助の増やしてくれた木の棒、凄く助かってるよ。おかげでこちらは金属部分に集中出来るからな」
平静を装って、ロジーはそう言ってみる。
「いえいえ、まいどありです……あの棒は何か特別な棒なのですか?」
コルネリアは目を閉じたまま、ハスキー眠くなるボイスで呟くように言う。
「持ちやすく削ったり磨いたりしているし、特に丈夫なやつだからな。アレが増えてくれたから、予約をこなすのもひと月かからずに済みそうだ」
ロジーはそう言って、コルネリアの頬に顔を寄せてみる。
「はぁぅ……」
目を閉じているのに、コルネリアはそれを感じて、変なため息を吐いて顔を逃がした。
ロジーは小さく笑い、ソファーに身体を預けて眠る。
……朝になり、コルネリアは鍛冶屋を出る。
晴れたキルヘンベルの乾いた石畳は、少し眩しい。
コルネリアがそれに目を細めてると、ちょうどソフィーとモニカが通りかかった。
「おはよう……です」
コルちゃんは挨拶する。
「コルちゃんおはよ!……昨日はどうだったの?」
ソフィーとモニカが尋ねる。興味津々の眼差し。
「昨日より……ドキドキが弱かった気がします。……その分、大人になったと言う事でしょうか……」
コルちゃんは、そう言って口許を隠す。
少しノロケ話を聞いて、ソフィーは八百屋へと行き、オスカーと合流してカフェへと行く。
ホルストさんのモーニングのサービスを食べて、依頼を受ける。
豚ネズミ需要に、うにの雨が降り注ぐ噂を聞いて、雛鳥の林へと行く事にした。
「豚ネズミが人気だって知らなかったなぁ……しかも地面魔法カキーンってやらないと出て来ないみたい」
ソフィーが呟く。
「まあ、あれ美味しいよな。肉って感じだしさ」
オスカーが答える。オスカーも大好き豚ネズミだ。
「ホルストさんも、持ってきただけ買い取るって言ってたものね。でも地面に何か突き刺して、音を立てれば取れるんじゃないかしら」
モニカが呟く。
「それだな。駆け出し冒険者も稼げる豚ネズミ……ホルストさんに教えてやらないとだな」
そんな話をしながら歩く、雛鳥の林までの道。
何故か緑プニ3匹が出て来た。
緑プニ1匹でも強いのに……
「フラム大先輩!お願いします!」
叩き合いしてたら、こちらの身が持たないのは明白。
ソフィーは素早くフラムを投げる。
……どすっ……ころ……ボボーーーーン!!
フラムは爆発して、緑プニ2匹がそれで俯き、顔が無くなった。
「つ……つええええーー!」
本当に動かなくなった緑プニを確認してから、オスカーが叫ぶ。中々にトンデモな威力だ。
周りで豚ネズミが飛び出して右往左往し出した。
「わおーーー!」
作った本人もビックリして、思わず声が出た。
残った緑プニはテンパッた表情で必殺プレスしてくる。
戦意喪失したりはしない……
更に、フラム大先輩が敵を倒しても、ちゃんとマナの柱の力が強くなる!
「なんかズルい気はするけど、これでバンバン強くなれちゃうね!」
ソフィーもモニカもオスカーも、ニンマリしてしまう。
強くなれば、もっと違う場所へも冒険に行けそうだし……
そして夜はゴースト退治をする。
なんか幾らでも居るのは不思議な話だけど、よく落とすガラスの破片も、需要がある。
錬金術素材としても欲しい。
今やゴースト相手なら、フラム大先輩も必要ないし。
なので朝までゴーストを倒し、朝になったら豚ネズミを捕まえて帰る。
芋やトゲが鋭いうにの群れ、豚ネズミに夕暮れ草、魔鳥の羽根と、荷車を結構満たして帰る。
……キルヘンベルには、お昼過ぎに帰って来た。
「ふう。野営にも慣れてきたね!」
プニべたべた(緑)の3人は街の入り口を通る。
「そうね。魔物と戦って帰る為に出かけるなんて、本当になるなんて思わなかったわ」
「今日はモニカ、そればっかりだな……」
自警団の人がまた、そんな3人を見て微笑んでいた。
オスカーは八百屋に帰り、ソフィーとモニカはアトリエに向かう。
中和剤石鹸(赤)と教会で貰える麦とか蔦の灰で、プニ汚れとの闘いが始まる。
中和剤石鹸の改良を企む時間だ。
「おかえりなさい。ソフィー」
プラフタがパタパタと浮き上がり、ソフィーとモニカを出迎える。
「ただいま~……さて、石鹸の力を試すよ~……」
ソフィーはやる気満々で服を脱ぐ。モニカは少し遅れて服を脱ぐ。
灰の水はなるほど、プニ汚れを溶かして綺麗になる。
灰は服にこびりついたりしないようだった。
「私はこっちの方が、オシャレな感じするから好きだけど、ソフィーの灰の方がよく落ちるみたいね」
モニカが中和剤石鹸(赤)を使って感想を言う。
「中和剤石鹸を粉にしたら……もっと使い勝手良くなるかも」
そんな話をしながら、2人は服を暖炉に干す。
……コンコン。
ドアをノックする音。ハダカ族の2人。
「またぁ!?」
慌てる2人。今度は昼間だから、誰か分からない。
「カーテンとか付けたら、どうですか?」
プラフタは冷静に言う。
そしてノックの主はコルちゃんだった。
イタズラっ子な笑顔で、窓からこちらを覗き込んだから、分かった。
「……お昼過ぎくらいに行きますって……言ったのですけど……」
コルちゃんは口許を隠して言う。
「……コルちゃん、洗濯って何か使ってる?」
ソフィーはハダカ族のままで、中和剤石鹸と灰の話をして、コルちゃんに聞いてみる。
もはやコルちゃんは、マナの部屋でのエロエロ仲間。
ハダカ族でもへっちゃらだ。
「ふむ〜……紙で汚れを吸う感じで使っています……汚れ紙と言いまして、服の汚れを吸ってくれるです」
なんて便利な物を使っているのか。でもソフィーは閃いた。
でも今はハダカ族なので、メモをするに留める事にした。
「ソフィー……あなたと言う人は、裸で……」
ハダカ族のままで窓際の台に向かい、ペンを走らせるソフィーに、プラフタが呆れて声を上げる。
「コルちゃん脱ぐまで時間あるから……大丈夫」
何が大丈夫なのかは不明だけど、ソフィーはそう言って書き込み、そしてハダカ族3人でぷにちゃんの部屋へと行く。
ぷにちゃんに時間を膨らませてもらう、エロエロマッサージ……
その後でコルちゃんに、オスカーとの交尾の話を聞かれた。
「な……あの……コルちゃん……?」
モニカが慌てる。
ソフィーはどんなだったか想像して、それが2人に伝わって行く。
最近はマナの柱の力で、エロい匂いがするとかで……
オスカーがその太い指で、お股をくちゅくちゅして……
ソフィーはオスカーのほっぺたを両手で捕まえて、キスしながら、くちゅくちゅされてハジケる。
それが交尾する前の儀式みたいな感じで……
明るいアトリエのベッドで、ソフィーが太って来た事もあって、オスカーに匂い嗅がれたり……
太ももとか二の腕とかおっぱいとか……
恥ずかしい事を言われながら、色んなポーズで品定めされて……
そうした後に、オスカーのギンギンなちんちんが入って来ると、ソフィーは身体を震わせて叫ぶ。
エロい声で、オスカーを抱き締めて……
抱き締められて………
もう正気が保てないくらい、めちゃくちゃにされて……
何度も魂が抜ける感じになって……
ソフィーから、そういうイメージが流れだす。
「あ……そ……そんな……ぷにちゃんよりも……凄い……」
コルちゃんがうろうろと、うろたえる。
気を失いかけてる所に、抱き締められて中を突かれて……
足を震わせて身体を震わせて……
エロい叫びが止まらなくて……
「我も……やれば出来るが……時間が膨らみ過ぎる……からな……その調節を1番に考えて……いる……」
そんなイメージに狼狽える2人に、届くか届かないか……
ぷにちゃんは冷静に、そう伝える。
「えええええ!?……ソフィーって……最近はそんな感じだったの……!?」
モニカも顔を赤くして……
落ち着かなくうねうねしながら思う。
……エロ気持ちいいのが、ちっとも終わらないし、へろへろで目を覚ました時に、また始まるし……
ハジケ地獄のインパクトが凄い。と、いうか酷い。
「オスカーがそんな野獣だったなんて……」
「私も……そんなされちゃう……です?」
モニカとコルちゃんは混乱して、うねうねする。
そんな事はお構い無しにソフィーは眠り、2人も悶々としていたけれど、眠る。
時間を膨らませているので、起きても昼過ぎのまま。
コルちゃんは少しモニカのおっぱいに甘えて、おヒゲで指を遊ばせて遊ばれて……
ぼよんぼよんして過ごしたりして……
膨らんだ時間が終わると、3人はぷにちゃんの部屋を出る。
「さて……錬金術頑張りますか!」
ソフィーは元気いっぱいに、替えの下着姿で錬金釜に向かう。
「私は……これで鍛冶屋に行くです。お店の小道具も、ロジーさんと一緒だと良いものが出来そうです」
コルちゃんはアトリエを出る。
「乾くまで……待つしかないわよね……」
モニカは服が乾いてないので、不思議な毛布にくるまり、暖炉の側のテーブルに着く。
「……ん?モニカそれひょっとして……」
ソフィーは、もう1つの不思議な毛布を手に取る。
……この毛布やたらと汚れるのが早く、そして干して井戸水を掛けると綺麗になる。
乾くのがやたら早い……
そしてモニカの服を、もう1つの不思議な毛布にくるんでみる。
すると、濡れて居たのがみるみる乾いて、着れるようになった。
「……おばあちゃん……使ってなかったの?」
すっかり乾いた服を見つめて、モニカが聞く。
「うん……汚いまま寝ても、綺麗になる……という代物でして……」
ソフィーは申し訳無さそうに答える。
「次から、洗濯……ラクかも。凄いわね」
モニカは感心する。
……そういえば……この毛布は毎日干してたな……
ソフィーは思う。
モニカが帰り、翌朝まで錬金術生活。
そして翌朝になると、モニカとオスカーがやって来た。
「ソフィー……行きたい所があるんだけどさ……」
オスカー曰く、メーベルト農場行きの馬車があって、昼に出発なのだけど、乗せて貰えると言う。
「馬車!行く!」
ソフィーは手を上げる。
痩せていた頃、お酒を運んで来る大馬車と黒王丸、キルヘンミルクを運んで来るメーベルト農場の馬車……
お馬に会えるのが嬉しくて、それとやたらとヒマヒマで、教会の子供達と一緒に、お馬と遊びに行ってた。
けれど、メーベルト農場なんて危なくて、行った事は無い。
「ただ、メーベルト農場の荒れてる所にはさ、キメラビーストっていう……強烈な魔獣が居るらしいんだよ。そこでは宝石だか……鉱石だかが採れるらしいんだよな」
対キメラビーストどうしようか会議をして……
ソフィーとオスカーはフラム装備、火力重視で行く事にした。
午前中のうちにホルストさんのカフェで、トーストとホットミルクにありつく。
青プニと緑プニの魔物退治依頼を受ける。
「メーベルト農場ですか……黒の鍾乳洞付近となると……危険な所ですが、大丈夫ですか?ソフィーとモニカとオスカー……だけで……」
ホルストさんが心配する。
「大丈夫です。この錬金術爆弾、フラム大先輩が合計12発分あるのです」
ソフィーはホルストさんに、フラム大先輩を見せる。
「ほおぉ……いかにも爆弾!って感じの爆弾なんですねぇ……」
ホルストさんは感心する。
「それとホルストさん、雛鳥の林でコイツを使うと、豚ネズミがわさわさ出て来るんだよ」
オスカーが、その話をする。
いずれ、このフラムを調達する依頼も、出て来るだろうと話をした。
馬車の出発を待つ。
既に馬車は居て、街の入り口で自警団の人達に見守られて草を食べていた。
「ロ~ザリ~♪」
ソフィーは白い馬、ロザリに近寄る。
教会の子供達も、何人か馬車の馬を見に来ていた。
またこの馬が3頭ともでっかい!
結構懐いてたハズのロザリは、明らかにソフィーを嫌がっていて、草を食べていたのに止めて、少し向きを変えた。
「がび~ん!なんか良く分からないけど、ロザリに嫌われてる……!」
ソフィーは衝撃を受ける。
「ソフィー姉ちゃん、もはや別人ぐらい太っちゃったからじゃないか?」
「ロザリ、人見知りだもんね」
どうやらロザリは、もうあの時のソフィーと今のソフィーを、別人認識しているみたいなので、ソフィーはロザリの視界の、少し離れた所でしょんぼりする事にした。
視界に入る所からやり直しだ。
「ブレスト、マレフも元気そうだなぁ……」
オスカーは焦げ茶の馬、ブレストを撫でる。
ロザリも、オスカーに対してはあまり変わらない態度だった。
モニカも、マレフと仲良くしてるし。
「待たせたね」
麦わら帽子をかぶったおじさん達が来て、馬車は出る。
かなり大きな馬に車。
3人と、オスカーの荷車も乗れた。
「いつもより目線が高いからかな。景色がよく見えるね」
ソフィーは馬車の上の、古い屋根の支柱を掴み、立ち上がって景色を見る。
「お嬢ちゃん達が、メーベルト農場の黒の鍾乳洞付近に行くのかい?」
おじさん達も、ソフィー達を心配する。
でもフラム大先輩達を見せると、納得した。
でもマナの柱の力が無かったら……
こんな軽装で来る所でもない。
「しかし、こんな可愛い女の子がなぁ……」
「ウチのヤツよりも綺麗な肌をしてるねぇ。なんか秘密があるのかい?」
おじさん達に、肌の綺麗さを誉められる。
ソフィーもモニカも、ぷにちゃんに舐め取られてるのが効いてるのか、やたら肌が綺麗だ。
けれど、中和剤石鹸(赤)のせいにして、宣伝してみたり。
おじさん達と楽しくお話をしてから、野営なんかもして夕方まで過ごす。
「ロ~ザリ~……」
夕日に照らされるロザリに、少し離れた所から呼び掛けてみる。
明らかにロザリは、ソフィーの方を見ないようにしている。
ともかく、メーベルト農場に着いたのでお別れした。
おじさん達も楽しかったようで、また機会があれば、と誘われた。
ともかく、プニも獣も出る麦畑と、黒の鍾乳洞エリアへと行く。
「麦の香りが凄いわね……ここの畑、棄てられてる割には麦でぎっしりねえ……」
モニカが、金の髪を風になびかせながら言う。
「ムギイチゴ、ムギキノコがこの廃棄畑の名物だな。どっちもきのこなんだけどな……」
オスカーが麦の根本に生えるキノコを取りながら言う。
「食べられるの?」
ソフィーが聞く。
「調味料に使えるぐらいかな。香りが強いから。それとムギイチゴは痛み止めの薬にもなるよ」
そして採取生活。
麦畑を3人は探す。
魔物は青プニがちょこっと居るくらいで、ラーメル麦、きまぐれいちご、カーエン石を採取。
麦畑のど真ん中でカーエン石が採れるって………
そして黒の鍾乳洞を見ると……
キメラビーストが入り口を守るように、うろうろしている。
……もう夜だった。
「よし、防御陣形で、フラム大先輩、モニカはうに爆弾で……あれを倒すよ……」
3人はキメラビーストに闘いを挑む。
こちらの空気を震わせる敵の気配が、かなり強烈な戦いを思わせる。
出会い頭に、フラム大先輩の一撃を2発当てる。
更に、うに爆弾も当てるも、キメラビーストはまだ生きていた。
「生きてるしー!」
そしてキメラビーストが飛び掛かって来る!
「はあっ!」
モニカが肩の盾からキメラビーストに突っ込み、キメラビーストの攻撃を受けながら、レイピアの切っ先を向ける。
鮮やかな戦士の動き!
キメラビーストは素早く身を翻し、また距離を取った。
そして、さらに襲い掛かるフラム大先輩……
キメラビーストは倒れた。
「これ、爆弾無かったらやられてたわね……」
モニカが呟く。
そこそこ増えたモニカのHPバリアも、さっきの一撃で4割ほど削られていた。
オスカーは豚ネズミよりも更に、ひと回りでかいネズミが、麦畑の外周でうろうろしているのを、捕まえる。
「ここにも居るんだな……餌がいいからなのか、でけえなぁ……」
20kgクラスの豚ネズミ……雛鳥の林のと比べて重さ大きさ2倍だ。
なんか心なしかお肉が、がっしりしてるし。
ともかく、黒の鍾乳洞へと入る。でっかい穴……
中は明るく、青い色をした石英の塊、蒼剛石を採取。
冷たい鉱石、ハクレイ石を採取。
ありふれた便利鉱石、アイゼン鉱も採取した。
「緑プニでも、叩き合いになったら厳しいからなぁ……フラム大先輩に余裕が無くなったら帰らないと、だね」
そう話して歩く黒の鍾乳洞。
黒の鍾乳洞と言う名前だけど、景色は青く輝く洞窟だった。
……そして甘い香りがする。
そんな、こぢんまりとした洞窟ではあるけれど、緑プニと時折戦闘になり、ジェントルファントム3体とも戦闘になる。
ソフィーとオスカーのフラム大先輩2連発で倒す。
「フラム大先輩の音……耳がキーンってする……」
こぢんまりとした洞窟に、フラム大先輩の爆音が響く響く。
少し離れた緑プニも、その音に目を回していたり。
「フラム大先輩、頼りになるなぁ……」
ソフィーは耳を押さえながら、フラム大先輩を見つめる。
これがなかったらどうにもならない。
そんな戦いで、マナの柱の力がどんどん強くなっていく。
HPMPLPバリアも厚くなってるし、その他の能力も、どんどん目を覚ます感じがする。
……そして洞窟の中の蒼キノコを採取する。でかい。
オスカーの片足程もある、デカイきのこなのに、食べられるくらい柔らかい。
黒の鍾乳洞を出ると、昼ぐらいだった。
早速、蒼キノコを焼いて食べる。
「オスカー……これ本当に大丈夫なの?」
モニカが聞く。つやつやブルーで綺麗なんだけど、それだけに怪しい……
毒キノコっぽい見た目なのだ。
「これに似たキノコもあるけど、匂いが特徴的だからな、コイツは。焼くと更に特徴的だから、間違いようがないんだよな」
焼くと甘い香りが漂う。
つやつやブルーな傘も、焼くと飴色になって美味しそうな色になった。
食べると甘くて、香ばしい香りがして、凄く美味しい。
「これ、街に持って帰る分、採らなくていいの?」
モニカが聞く。
辺りを見れば、でっかい蒼キノコはまだまだ生えている。
「ん~……コイツはどうだろうかなぁ……」
オスカーは考える。
そしてお腹いっぱい食べた後に、なんか邪悪な……
イタズラな笑顔を見せる。
「そろそろかな……ソフィー、モニカに息を吹きかけてごらんよ」
そう言われて、ソフィーは素直にモニカに向かって息を吐く。
「くっさああぁぁ!!なにこれ!?」
モニカは鼻を摘まむ。
「え?本当に?」
ソフィーは口を手で覆って息を吐く。
「ぐっはぁぁ!?スッゴいうんちの臭いがする!!」
ソフィーは仰け反る。
そしてオスカーを捕まえて、モニカと共にくさい息攻撃を仕掛けた。
「や、やめろぉ!うわあぁぁ!くっさぁぁ!!」
オスカーは、ごろごろと転がって逃げる。
転がり進むオスカーが、あまりにも早くて驚くソフィーとモニカ。
「なんて物を食べさせるのよ!オスカー!」
それは取り敢えず、モニカもお怒りになった。
「まあまあ……だからコイツは街で食べるには……あまり良くないんだよ」
オスカーはそう話す。
でも食べたキノコが胃袋を通過すると、口の臭いは無くなるらしい。
更にうんちになって出る時には薬的な匂い、変な花の匂いになり、悪臭ではなくなる……
……と、エリーゼお姉ちゃんの本屋で情報を仕入れた、などとオスカーは供述した。
「なんだか面白いね。錬金術で使えないかなぁ……」
ちょっと1つだけ、お持ち帰りする事にした。
そして麦畑で少し採取して帰る事にする。
「うんち臭い息の女の子、好き?」
帰り道、ソフィーが2人に尋ねる。
「さすがにヤバいよ、それは……」
「今は匂わないのかしら?もうトラウマだわ……これ……」
ソフィーとモニカで、それぞれの息を確認する。
あの衝撃的な匂いはしない……ようだけど……
「でも植物って面白いよな」
荷車を引きながらオスカーは笑う。
「なんであんな匂いになるんだろ……さすがのあたしもトラウマになりそうだよ……」
ソフィーもモニカも、もう息の臭いはしなくなっていた。
そんな呟きやら談笑しながら……
途中の泉とか、香りのいい花とか……
そんな道草を食いながら、一行はキルヘンベルへの道を歩く……
……キルヘンベルに帰ると、夜中だった。
オスカーとは別れて、モニカとアトリエに帰る。
「おかえりなさい。ソフィー」
プラフタがお出迎えする。
「ただいま、プラフタ」
ソフィーとモニカは、汚れた服を不思議な毛布で洗ってみる。
なんと水を使わなくても、みるみるガンコなプニ汚れも不思議な毛布に移っていき、今までにないクオリティーで綺麗になった。
しかも時間も掛からない。
「これ……なんで今まで気づかなかったの!?」
モニカが至極もっともな事を言う。
「えへへ……知らなかったよ~……でもあたしの力で綺麗にしたいかなぁ……」
ソフィーは不思議な毛布を見て言う。ヒントがあるなら、ソフィーにも作れる筈なのだ。
綺麗になった下着にコートを羽織り、ソフィーとモニカは、外に出て不思議な毛布に水を掛ける。
外の物干し竿に引っ掛けられた不思議毛布は、井戸水を掛けると、汚れと水をぼたぼた落として、みるみる綺麗になってゆく。
「便利すぎる~♪」
はしゃいで水を掛けるソフィー。
下着姿で、井戸水の桶を持つモニカ。
「本当に、凄いわよねぇ……」
夜中にはしゃぐ2人。
でも、少し寒いので早めにアトリエに戻り、毛布を暖炉の前に干す。
「ところでソフィー……実は……」
そんな2人に、プラフタがパタパタと近寄って声を掛ける。
……昼過ぎくらいになると、コルちゃんが訪れてぷにちゃんの所へ行き、少し過ごして帰る。
その際にプラフタとも話すのだけど、どうやら鍛冶屋のロジーさんの所で、加工する前の金属がどうも足らないらしい。
その話を受けて、プラフタはインゴットのレシピを思い出したのだそうだ……
ソフィーとプラフタで、インゴットのレシピを構築する。
そして新しい採取地を思い出したので、地図にそれを書き加えた。
「プラフタの記憶、ちゃんと戻るといいよね」
ソフィーは図鑑にペンを走らせ、プラフタに笑い掛ける。
「はい。ですがここのアトリエでの生活なら……きっと記憶も取り戻せると思います」
プラフタは言う。ソフィーには、その声はどことなく嬉しそうに聞こえた。
「ともかく!ちょっと時間を膨らませて寝たい!」
ソフィーはモニカに抱きつく。
「膨らませるの?」
暖炉の前に干した毛布を整えていたモニカは、あまり動じずにソフィーを見る。
「2人で膨らませたら、エロエロされるのは半分で済むし!普通に錬金術生活すると、引きこもりになっちゃうし」
そしてソフィーとモニカは、ぷにちゃんの部屋へと向かった。
ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。
[ハロルの店の投げナイフ]
冒険者に売れている。冒険者たるもの、スッとナイフを飛ばす、なんてのは憧れるカッコよさ。
[壺屋]
職人さん御用達の食事処。農家のおじさん達がやってる。ロジーさんもホルストさんも、コルちゃんもよくここで食事をするみたい。鍛冶屋のお隣。
[ホルストさんの裏酒場エリアの屋台]
キルヘンベルの裏市街、スラムエリアの食事処。冒険者の誰かがやったりやらなかったり。
[鍛冶屋の地下室]
居抜きで借りた鍛冶屋。以前の住民がワインとかの保存場所としてつかっていた。寝室としても、ひんやりと寝心地がいい。
[ピンクの肌襦袢]
コルちゃんが着る、薄いピンクの色っぽいパジャマ。
[歯磨き桶]
虫歯怖いもんね。
フラム[大先輩]
歴代の錬金術士達も、このフラム大先輩のお世話になったらしい。
[麦と蔦の灰]
教会で配ってる灰の正体。尚、ゲームでは洗濯という概念も無いので、灰なんて出てこない。
[不思議な毛布]
不思議なアトリエの、不思議な毛布。汚れを吸い取り、竿に掛けて水で流すと汚れを吐き出す。
竿とセットのアイテム。
[ハダカ族]
温暖なキルヘンベル。寒くならない都合で、ハダカ族が暮らしやすい土地でもある。
[エロエロ]
温暖なキルヘンベル。エロエロすると暑い。夜ならまだ涼しい。
[メーベルト農場行きの馬車]
キルヘンミルクを持ってくる。
[大馬車]
[黒王丸]
お酒、塩なんかを持ってくる。巨大な馬1頭で馬車を引いてくる。巨大なので、めっちゃ迫力あるけど、穏やかな性格。後ろから近付いてはいけない。
[ブレスト]
焦げ茶の馬。人にも動じないおじいちゃん。黒王丸に比べると半分程の大きさ。
[マレフ]
茶色の馬。人懐こいお兄ちゃん。ブレストよりちょこっとだけ小さい。
[ロザリ]
白い馬。人見知りする妹ちゃん。マレフよりもちょこっとだけ小さい。なお、3頭は家族ではなく、他人。
[ムギイチゴ]
キノコの一種。痛み止めになる。香りが強いので調味料にもなる。
[ムギキノコ]
キノコの一種。香りが強いので調味料になる。
[蒼キノコ]
オスカーの片足程の大きさ。でかい。甘い。でも食べた後の息が絶望的に臭い。
[外の物干し竿]
生活アイテム。魔法の毛布を干して水を掛ける台でもある。