遅くなったのはリアルが一気に忙しくなったのと、モチベの急低下が原因です。少しずつ戻します。
遥か昔の地球。
現代において先史文明期と呼ばれるその時代に、地球は一度、滅びかけた事がある。
“ソレ”は最初、空に出来た小さな染みだった。それは空を毎日熱心に観察するような人でなければ気付かないような、小さな染み。
“ソレ”に意思は無く、ただ世界を喰らうもの。後に「侵食異世界カイバーベルト」と名付けられた“ソレ”は、時間を経るごとに大きくなり、空を喰らい、海は輝きを失い、地は荒れ、動物達は変質して化け物と化した。
悪意無き侵略者。
世界を喰らう異世界。
その正体が世界であるが故に、対抗手段となるものは存在しない。
それでも、
絶望の中でも諦めなかった。
故に、銀の輝きは奇跡と輝いた。
「──ウルトラマンノア」
チーム・フェネクス、装者達、そしてウルトラマンゼロによってEXエレキングが討ち倒された日の翌日。
立花響は何故か取調室にいた。
「あのぅ……何でわたし、取調室に連れてこられたんですか……?」
響の目の前には机を挟んだ向こう側にフィーネ、その後ろに八紘、弦十郎、そして翼がいる。
ちなみに、マリアとクリスは昨日の怪我を癒すために医務室だ。幸いにも大きな怪我は無く、二人ともピンシャンしている。
響の問いに八紘が答える。
「ああ、君の中にいるあの巨人について色々と聞かせてもらいたくてな。本来なら、帰投してすぐに問い詰めたかったところなんだが……彼女が必要ないと言ってな」
八紘がちらりとフィーネの方に視線をやった。
「フィーネさんが?」
「ええ、貴女の中にいるのはウルトラマンなんでしょう? なら、信じない理由は無いわ」
「ウルトラマンを知ってるんですか!?」
「ええ、当然よ」
そう言うとフィーネは手元のコンソールを操作し、空中ディスプレイを出現させる。
そこには赤黒い胎児にも似た化け物とそれに立ち向かう地を走る人々と、空を翔る人形の光、そして巨大な翼を持つ銀色の巨人が描かれた壁画の写真が映し出されていた。
「フィーネ女史、これは……?」
「中近東のバラージという国にあるバラージ神殿の壁画よ」
『ウルトラマンノア……ッ!?』
「ウルトラマンノア……?」
「そう、やっぱり知ってるのね」
「え? あっ、いや、わたしは……」
『ヒビキ、代われ』
「え、ゼロさ──回りくどいことしやがって。俺に用があるんだろ?」
「立花……!?」
一瞬で纏う空気が変わり、響の口から出た響でない声に場がざわつく。
「あなたは……」
「俺はゼロ。ウルトラマンゼロだ。
今はヒビキの身体を借りて喋っている」
「そう、そんなことも出来るのね。異星人の言葉を翻訳していたし、ウルトラマンは響ちゃんと交信出来る可能性があった。だから響ちゃんを通じてお話出来れば、なんて思ってたのだけど、まさかご本人とお話出来るなんてね」
「それで? 俺に訊きたいことがあるんだろ?」
「ええ、訊きたいことは2つ。あなたがこの星に来た理由と目的と、響ちゃんをどうするつもりなのかよ」
「フィーネ女史……」
フィーネの質問にゼロは優しい人だと心の中で笑みを浮かべる。
「いいぜ、まずは俺がこの星に、いや、この宇宙に来た理由はウルティメイトブレスレットの光に導かれたからだ」
「ウルティメイトブレスレット?」
聞いたことのない単語にフィーネが聞き返す。
「ああ、ちょうどその壁画に描かれているウルトラマンノアの力を宿したブレスレットだ。その力を使って、俺は宇宙を越えてやって来た」
「別の宇宙……
「そうだ。そして目的は……この星を脅かす脅威を倒すこと。戦いが終わったらヒビキとの一体化も解くつもりだ」
「つまり、我々と共に戦ってくれるということか?」
八紘の言葉にゼロは頷いて返す。
「だが、あんまり俺を頼りすぎないで欲しい」
「どういうことだ?」
「どういうわけかウルティメイトブレスレットが輝きを失っていてな、俺の全力を出せないでいる」
ゼロは響の左手首を見る。本来ならそこにあるはずのウルティメイトブレスレットは無い。
顎に指先を当てて何かを考えていた翼の脳裏にある可能性が閃いた。
「──もしや、ウルトラマンノアというのは、神では無いのか?」
「ええ、確かに私達はウルトラマンノアを
『あっ! そうか、神殺し!』
「神殺し?」
「神と定義されるものであれば何であろうとも噛み砕く。それが立花のガングニールだ」
「神殺しの哲学兵装というわけね、だとすると……響ちゃんと一体化したことで響ちゃんのガングニールが持つ神殺しの特性によってウルティメイトブレスレットのウルトラマンノアの力を無力化された。そう考えるべきかしら」
「なるほどな……」
『あの、ごめんなさい。私のガングニールが』
(ヒビキが悪くないさ。こうなったのはただの偶然だ。
それに、その哲学兵装がこの宇宙の
『それなら、良かったです……!』
ピリリっと八紘の端末が着信を告げる。
失礼、と一言告げて端末を繋ぐ。
「私だ。──ああ。──何だとッ!? 分かった。すぐに調査隊を編成するッ!」
険しい表情で通信を切る八紘。
「どうした、兄貴。何かあったのか?」
「ああ。三日前に突如現れた謎の建築物へ調査に向かわせた者達からの消息が途絶えた。最後に送られてきた画像データには、明らかにヒトとは違った姿をした者の影が映っていたそうだ」
「つまりは、その謎の建築物は異星人の秘密基地である可能性が高い、と」
翼の言葉に八紘が頷く。
「だったら攻めこむしかねぇな」
プシッと扉が開き、クリスとマリアが現れる。
「クリス! それに、マリアまで! 安静にしてろと言った筈だぞ!」
「すみません、隊長。ですが、私にはただ医務室のベッドでゴロゴロする余裕など、到底あろうはずがありませんッ!」
「こちとら
「私達にも──ッ!」
「行かせてくださいッ!」
爛々と闘志を滾らせたクリスとマリア、そして二人に触発された翼と響の視線が弦十郎を射抜く。
「そうか、そこまで言うのなら──兄貴ッ!」
「────はぁ、分かった」
八紘はたっぷり五秒溜めて、ため息を吐く。
「フェネクス隊副隊長、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。そしてシンフォギア装者、雪音クリス、風鳴翼、立花響。君達には謎の建築物への調査を命ずるッ!
作戦開始は明日、
調査する場所は敵の拠点である可能性が高く、交戦も予測される。くれぐれも注意するようにッ!」
「「「「 了解ッ! 」」」」
並行世界のシンフォギア装者と、別宇宙のウルトラマン、そしてこの世界の人々が揃ったことにより、人類の反撃の一手が打たれる。
次の手番は、こちらだ。
一章おしまい。
次から二章デース。
次回予告ッ!
???「突然現れた謎の素ン晴らしい施設に調査に向かった装者達。
そこは、英雄が眠る場所トカそうで無いトカ」
次回『科学大迫力研究所』
???「行くぞジョンッ! 友情クロスだッ!」