...周りは暗く何も無い、そんな中真ん中に1つ浮かぶ何かを見た...。暖かい光の様な、でも決して強く光を放っている訳では無い...。何気無い風でも消えてしまいそうな「何か」を...。
「大丈夫でしょうか、先輩...。あれから目を覚まさないですが...。」
...ワイバーンの襲撃後マスターは何とか意識を保っていたけれど、今は気絶してしまっている...。
「きっと大丈夫っすよ、ちゃんと消毒も止血もしましたし...。それに何より俺が消えてないなら大丈夫っす。」
(...きっとマスターも相当痛かったんだろうな...。くそっ...、やっぱりもう少しちゃんと守れていれば...。)
そんな後悔を繰り返していたライダーだったが、背中にせよっているマスターの顔を見るとそんな気持ちは次第に落ち着いていった...。
「街が見えてきました。街についたらマスターを一旦医者に見せた方が良さそうですね...。」
「そうですね、そうしましょう。先輩、もう少しで着きますからね。」
マスターは未だに目を覚まさないが、サーヴァント達が交代で見張りをする事にし、ジャンヌは街に家を確保しするため仲間のサーヴァントに連絡を取りに先に街へ向かった。
...この光に近づくだけで、心が暖まるような気がした...。まるで何か私が大切な事を忘れてしまっていた事に気付いたかのように...、でもそれは何か私には分からない。...少なくとも今の私には...。
街に到着したライダー達はとある旅人として街に入り、空き家を1つ貸してもらって、そこにマスターを休ませる事にした。あれからマスターの様子は落ち着いていて
すうっと軽く寝息をたてていた。
(...クソっ、やっぱり俺なんかじゃマスターを守れないのか...。)
ライダーは1人、ボソッと呟いた...。
「...うぅん...。あれ...ここは...?」
「マスター!目が覚めたっすか...。...良かったっす...。少なくともここは安全な場所っすから、安心して欲しいっす...。」
「...う、うん。...分かった...。」
それからマスターが落ち着いた頃を見計らって今の状況を伝えた。マシュは建物の周りを監視しつつ、情報収集。ルーラーは他の味方サーヴァントを探して街を散策している。そしてライダーはマスターの容態が悪化した時や、敵襲を受けた際の撃退役をしていたと。
「...大体はわかった...。でも...何が大切な事を忘れて...いる気がする...。」
「まだ少し体調が良くないんすかね...。取り敢えずマスターは今は安静にしておいて欲しいっす...。」
「...うん。そうさせて...もらうね。」
そう言うとマスターはまた横になり、すぅすぅと寝息をたてはじめた。
「...今度こそ、絶対に守りきるっすよ...。マスター、この木刀に誓って...。」
ライダーはそう溜息を零すように呟いた。