これはとあるマスターの物語   作:メルトソニア

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と言うわけでライダー視点です。0-2からはちょっと遡ります。


人見知りマスターの冒険譚 0-3

時は少し遡り、マスターが召喚部屋から逃げてマイルームに篭った頃。マンドリカルドは一人部屋の中に取り残され、一人落ち着かない様子で部屋を右往左往していた。

(何となくだが...あのマスター(?)は俺と似たような雰囲気があったような気が...いやいや、気のせいっしょ。)

こんな事を思っていると、部屋の扉をノックした音が聞こえた。

(さっきのマスター(?)が戻ってきたのか...?)

開いた扉の先にいたのはマスターではなく、ピンクの髪色をした少女がいた。

 

「私はマシュ・キリエライトと申します。先輩...いえ、マスターのデミ・サーヴァントです。」

「...どうも、ライダー。マンドリカルドっす。...マスターってのはあのオレンジ色の髪の...。」

「はい。私の先輩であり、この世界に残された最後のマスターです。」

 

...今最後のマスターって言ったのか...。

(そうか...。...ん!?最後??)

「最後って言うのは一体...。」

「その様子だと、先輩は何も話せていないようですね...。」

 

それからマシュは、今カルデアが置かれている状況・マスターに託された使命について教えてくれた。

「...大体把握したっすが、これはまた難儀な事になってるっすね...。...そんな中最初に召喚されたのが俺みたいな3流サーヴァントなんて...。マスターともまともに話さず逃げられる訳っすか...。」

そんな事を呟くと、マシュはマスターの事について話し始めた。

 

「マスターは...いいえ、先輩はこのカルデアに来るまで一人で生きていらっしゃったと聞きました。先輩はあまり過去の話をして頂けないので、詳しい話はあまり知りませんが...。先輩は他人と話す事を恐れ、一人閉じ篭もる日々を過ごしています...。」

(...まぁ誰にだって隠したい過去はあるよな...)

マシュの話を聞いて気付いたらマスターに共感している俺がいた。

(もしかしてさっき似た雰囲気って...まさかマスターも陰キャなのか...。いや、それ以上にもっと...。)

「...もっとちゃんとマスターと話したいっす...。まだ名前すら聞いてないっすからね...。(いやいや何言ってんだ俺...)」

「分かりました。私も頑張って先輩に話してみます...。ここにずっといるのも何ですし、部屋に案内しますね。」

「...お願いするっす。」

(...今思うとめっちゃ恥ずかしいっすね。)

 

マシュに連れられて部屋を出ると、俺がいた建物がどれだけ大きいかが分かった...。さっきから廊下を歩いているのにいくら歩いても殆ど見栄えが変わらないのである。

 

道に迷いそうな不思議な感覚で歩いていると、マシュがこの部屋です。と言って数多くあった部屋の1室に案内してくれた。

...俺の部屋は案外大きくて、ベットに仕切りにトイレやお風呂も付いていてここで生活すると思うと、本当に俺みたいなサーヴァントが使ってもいいのかと不安になったが、マシュは遠慮なく使って下さいと言ってくれた。

 

一通りの施設の場所が書いてある地図を貰い、マシュは今からマスターの部屋に行くと言って部屋から出ていった。

(...取り敢えず、少し休むか...。もうちょっと俺も今の状況を考えたいっすからね...。)

そんな事を思いながらも、いざマスターと話す時どうすればいいのかを一人悩み続けるライダーであった...。

 

 

 

 

 

 

 

 




...マンドリカルド君好き。(次回までに導入を終わらしたい。)R-15タグ追加しました...。(一様保険の為)

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