これはとあるマスターの物語   作:メルトソニア

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導入編ラストです。次回からネタバレ注意です。


人見知りマスターの冒険譚 0-5

それは何処までも広がっていて、空も晴れ晴れとしていた。

周りの地形把握を一通り終わらせると、ライダーが索敵を開始した。

 

「...今回のシュミレートの目的は、マスターを守りつつ攻める実践練習だと思ってくれて結構だよ。今までのシミュレーションだとマシュがマスターを守りつつ戦ってきたけど、いざ実践となるともしかしたら守りきれない事があるかも知れない。だから、もしそうなっても大丈夫な様にマシュがマスターを守りライダーが敵の迎撃に当たる、そんなシミュレーションにして欲しい。」

ダ・ヴィンチちゃんからはそんな事を言われた。

 

「...マスター、北の方からワイバーンが3匹こっちに来るのを確認したっす。」

「...了解...。」

「先輩、どうしますか?」

「...ライダー。先手を...お願いしていい...?」

「了解っす。...そんじゃまー、やりますかっと。」

ライダーは木刀を手に取り、ワイバーン達に対して突撃を開始した。

ライダーが木刀でワイバーンの翼を切り抜くと、バランスの取れなくなったワイバーンが地面へ激突した。

...私はライダーが戦っているのを初めて見て、木刀がたまに青白く光輝いているように見えた...。

「先輩、危ない!!」

私の視界が急に真っ暗になった。それはマシュが大盾で私を守ってくれたからだ。

「...ごめん、ありがとう。マシュ」

「...先輩も気をつけて下さいね。」

そう言うとマシュはまたライダーの援護へと向かった。

ライダーの様子を確認すると多少傷ついてしまっているようだが、まだ問題ない位だろう。微量だか私自身の魔力を使って、応急治療をしライダーの傷を直していく。

回復が終わった頃とほぼ同時に最後のワイバーンが消滅した...。

そこから先は特に危なげな事も無く、無事にシミュレーションは終わった...。

 

「各自反省点を考えて、次の戦闘に活かしてくれたまへ。本番の戦闘になると敵は勿論手加減なんてしてくれないからね。それでは私は特異点の観測を急がないと...。」

そう言いながらダ・ヴィンチちゃんはシミュレーションルームの制御室から出ていった。

 

「...マスター、ちょっといいっすか。」

「...何?ライダー。」

「...応急治療、感謝っす。...でも周りもちゃんと見ながら指揮をしなきゃ駄目っすよ。」

(本当はマスターの所に行かせないように、俺が倒し切れれば良かったんすがね...。)

「...わかった...。ありがとう、ライダー。出来るだけ...気をつけてみる...。」

私は途切れ途切れになった言葉をなんとか伝えようと、

なんとか声にする事が出来た...。

「じゃあなマスター、マシュ。また明日っすね...。」

(うわっ、めっちゃカッコつけてるように見える...このセイフ考えるのにめちゃくちゃ考えたのに...。)

「うん...じゃあねライダー、マシュ。」

そう言って各自の部屋に戻っていった...。

 

 

(..,誰かに怒られるなんて久々...。)

マイルームに戻ってからはそんな事を思いながら、今日の反省をレポートにまとめた。

「これで...よしっと...。」

(..,やっぱり一人でいる方が気楽で昔を思い出さなくていい...。)

 

心に浮かんだソレを考えない様にしつつ、今日は眠りについた...。

 

 




次回は..,オルレアン編で会いましょう。
...現在アマゾネスイベントの為更新速度が遅くなる危険性がありますが、私も楽しんでくるので皆様もイベント楽しんで下さいね!

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