狂犬と電犬と   作:隠神カムイ

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前回のあらすじ、上から卵が落ちてきてポケモンが生まれた


1話 初ゲットは電気の犬

アタシは今目の前で起こったことが全く理解出来ていなかった。

 

(落ち着け・・・とりあえず1回状況を整理だ・・・)

 

ライブ会場から帰ってたら上から卵が落ちてきてポケモンが生まれた。

 

・・・考え直してもよく分からない状況である。

 

まず突然上から卵が落ちてくるなんてことほぼありえないし、それに目の前にいるこいつはどう見ても四足歩行で陸地を駆け抜けそうな姿をしている。

 

翼もないし木の上等で生活する鳥ポケモンには見えない。

 

「とりあえず、こいつのこと調べてみないとな・・・」

 

スマホを取り出してカメラを向ける。

 

世界中全てのスマホには原則としてポケモン図鑑がもとよりインストールされており、カメラを起動させてポケモンを写せばそのポケモンの情報を教えてくれるのだ。

 

「えっとなになに・・・?『ワンパチ、こいぬポケモン、でんきタイプ』・・・お前ワンパチって言うのか。」

 

「ワパッ!!」

 

ワンパチは軽く鳴くと頬をぺろぺろと舐め始めた。

 

こいつ・・・もう懐いているのか・・・

 

更に図鑑をスクロールしていると興味深い文がでてきた。

 

『もとより素早く動くものに興味を惹かれやすいワンパチは人間やポケモンをよく追いかけ回したりするのでなつきやすい。』

『卵から生まれたポケモンは最初に見たものを親と勘違いしてしまうことがある。そのためか、卵から生まれたポケモンは人になつきやすい』

 

こいつが生まれた瞬間に目の前にいたのはアタシだった。

 

この文が正しければこいつはアタシを親と勘違いしている上にもとよりなつきやすいせいなのかこいつに気に入られたようだ。

 

とりあえず歩道の真ん中で座りっぱなしもあれなのでワンパチを抱き抱えながら立ち上がった。

 

「ワパワパッ!!」

 

「お前・・・可愛いな。」

 

「ワパッ!!」

 

「お前、うちに来るか?」

 

「ワパッ!!」

 

了承を得たのかわからないがさっきから笑顔でしっぽ振りながら鳴くので了承と得ていいだろう。

 

アタシはワンパチを抱き抱えながら自宅へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今帰った。」

 

「おお、マスキ。バイク、メンテから帰って・・・」

 

店を閉め終えて、一息ついてた親父がこちらを見て少し驚いたような顔をした。

 

「お前、そのポケモンどうした?」

 

「なんか木の上から卵落ちてきて目の前で生まれて懐かれたから連れてきた。」

 

「たかがライブの帰り道にどんな珍道中になってんだ・・・」

 

「アッジョッ!!」

 

野菜を運び終えたアマージョが店裏からでてきた。

 

腕の中にいたワンパチはアマージョに興味を示したのか勝手に腕から飛び降りてアマージョの所に駆け寄った。

 

「ワパッ!!」

 

「アジョッ?」

 

「ワパッ!!ワパワパッ!!」

 

「アーッジョッ」

 

アマージョは軽くしゃがみこむとワンパチの頭を軽く撫でた。

 

もとより親父のアマージョはアマカジの頃から接客をしていたので人やポケモンに対してコミュニケーション力が強い。

 

にしても仲良くなるのはやすぎるだろ・・・

 

「それでマスキ、あのワンパチどうするつもりだ?」

 

「うちのマネージャーにポケモン捕まえるまで練習でドラム叩くの禁止って言われてるからアタシの初ゲットはあいつにしようかなって。別にいいよな?」

 

「構わんが、お前モンスターボール持ってるのか?」

 

「マネージャーから貰ったやつがある。これ使う。戦えばいいんだよな?」

 

「いや、あのワンパチの様子だと多分バトルせずにボール投げても仲間になってくれるぞ。いっぺん投げてみろ。」

 

「わかった、おいワンパチ!!」

 

そう言われたのでワンパチの名前を呼びながらボール投げて見る。

 

ワンパチは呼ばれてこっちに気づいた瞬間、目を輝かせながらこちらへ駆け寄ってボールに・・・

 

ぶつかることなくそのまま口でキャッチした。

 

この行動にその場にいた全員がガクッと膝を落とした。

 

「お、おいワンパチ・・・ボールキャッチしたら捕まえられないだろ・・・」

 

「そのワンパチ、もしかして特性たまひろいなんじゃないか?」

 

「特性?なにそれ?」

 

「ポケモンには生まれつき持ってる才能っていうか特別な能力があるんだ。アマージョとかならリーフガードと言って日差しが強い時には悪い状態にならない効果がある。たまひろいは確か・・・ボールを拾ってくる効果だっけな?」

 

「そのまんまじゃねぇか・・・」

 

ワンパチの特性が全然ひねりのない名前で少し呆れてしまう。

 

当の本人(?)はもう一度投げて欲しいのか目を輝かせながらボールをアタシの元に持ってきた。

 

しゃがみこんでボールを受け取るとワンパチを抱き抱えた。

 

「お前、これ楽しかったか?」

 

「ワパッ!!」

 

「ワンパチ、アタシはお前と一緒に暮らしてみてぇ。だから1度でいい、このボールに入ってくれねぇか?」

 

「ワパ?」

 

ワンパチは軽く首を傾げた。

 

まだ難しいのかもしれない。

 

「まぁ、無理にとは言わねぇ。お前にはお前のやりたいことがあるかもしれねぇ。だから今ここで決めな「ワパッ!!」ちょっ!!」

 

話の途中でワンパチがモンスターボールのスイッチに手を当てた。

 

ワンパチが赤い光に包まれてボールの中に吸い込まれていく。

 

そのままモンスターボールは手の中で3回軽く揺れると『カチッ』という音と共がした。

 

「・・・良かったな、これでワンパチは今からお前のポケモンだ。」

 

「・・・せめて最後まで言わせろよな。出てこいワンパチ!」

 

ボールを軽く投げてワンパチを出してあげる。

 

「ワパッ!!」

 

「これからよろしくな、ワンパチ!」

 

「ワパパッ!」

 

ワンパチが鳴き声とともに飛びついてきた。

 

初めて会った時からそうだが、こいつはかなりのヤンチャなやつらしい。

 

「・・・狂犬とワンパチ、案外いいコンビになりそうだな。」

 

「マジョッ」

 

「親父、なんか言った?」

 

「いや、なんでもねぇ。とりあえず飯にするから上がるぞ。」

 

「わかった、すぐ行く。」

 

「ワパッ!」

 

ワンパチとアタシの生活が、ここから始まった。

 

 

 

 

・・・しかしこの時まだマスキは気づいていなかった。

 

ワンパチとの生活がどれほど(色んな意味で)大変で、刺激的になるのを・・・




ちょっと短めですがここまで。
RASメンの手持ちの1部を公開

『マスキング』ワンパチ
『レイヤ』タチフサグマ、ストリンダー(ハイのすがた)
『ロック』ツタージャ、バニプッチ
『パレオ』ガラルポニータ(その時の髪の毛の色で使うポケモンがちょくちょく変わる)
『チュチュ』ヘルガー(マスキング貸出用)、ロトム


他に『これ使って欲しいかも!』って案があればちょくちょくどぞ
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