聖スカーレット学園   作:音眼紫玖

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美嵩は『魔理沙』という漢字を教えてもらってないので『マリサ』と呼んでいます


#2 雑談部、設立

キーン……コーン……カーン……コーン……。

 

先週の土曜日に行われた入学式も無事に終わり、本格的に学校が始まった月曜日。

1〜4限のオリエンテーションが終わり、今は昼休み。

 

まだ『藍先生』の姿は見ていないが……もしや、5限の数学なのでは……!?

 

「ミカサー、一緒に昼飯食おーぜー」

 

「あー、うん。いーよ」

 

パカッ

 

「あっ、それ一口」

 

私は普段、2段弁当を使う。1段目にはおかず、2段目にはミニサンドイッチ。味は薄め。

 

マリサが要求したのは、1段目のコロッケ。丁寧にピックが刺さっている。(自分で刺したんだけど)

 

「……?」

 

マリサはなぜか口を開けてじっとしている。

 

「あーんって」

 

「……え?」

 

「いいだろ、女同士だし。……ミカサは私が嫌いなのか……?」

 

「いや、そんなことはないよ!断じて!」

「……あーん」

 

「はむっ」

 

「何やってるのよ……餌付け?」

 

「んん!?」

 

丁度口に入れさせたタイミングでやってきた霊夢が、マリサをからかう。

確かに餌付けにも見えなくはない……?

 

「んふ……あはははっ」

 

ふぁらうな(笑うな)!!」

 

──

 

「ミカサー、霊夢ー。私こんなん考えてみたんだぜ」

 

「んー?……雑談部?」

 

「そう!みんなで集まってお茶とお菓子を囲んで喋ったり、トランプしたりゲームしたりする部活なんだぜ!」

 

「「……はぁ……」」

 

「勿論、入るよな!?」

 

「「……」」

 

「入って……くれないのか……?」

 

「いや、入ります入ります!えぇどうぞよろしくお願いします!霊夢も入るでしょ!?」

 

涙見せられたら動揺しちゃう癖、どうにかしなきゃ……このままじゃ一生、尻に敷かれそうだよ……一生添い遂げることはないと思うけど。

 

「え、えぇ……まぁ……設立の申請、したの?」

 

「まだだぜ。まず人を集めないと」

「アリスとかは乗ってくれるかな」

 

「……さぁ?」

 

「ありす……?」

 

「あぁ、あっちのぼっちだぜ」

 

「ぼっちじゃないわよ!はぁ、なんで2年目もこいつと一緒なのかしら……」

「……アリス・マーガトロイドよ」

 

「篝火美嵩です」

 

この人、割と社交的だと思うけどな……。なんでぼっちって言われてるの……?

 

「アリスって、初等部のこr「言わないで!!」

 

「あー……なるほど、ご愁傷様です」

 

「何が『なるほど』よ!!」

 

「でー……雑談部、入ってくれるか?」

 

「今言う!?まぁ、全部聞いてたけど……入るわ。マリサを放っておけないし」

 

「ほーう?つまり、アリスは私がs「違うから!」

 

「あ、あははは……」

 

 

──

 

「部室とかはどうするの?」

 

「いや、まだ1人足りない……。部活の設立には最低5人は必要なんだぜ」

 

「なんかめぼしいのって居たかしら?」

 

「うーん……あっ、十六夜咲夜とか?3年C組の……」

 

知らない名前が出てきた。十六夜……ん?スカーレット家に仕えている家柄の1つじゃなかったか?

 

「いざよいさくや……」

 

「銀髪で、制服の上に白いエプロンを着ている、スタイルのいい人なんだぜ」

 

「今は多分1年A組にいるんじゃないか?レミリア・スカーレットのクラス……」

 

レミリア・スカーレット。言わずと知れたスカーレット家の長女で、この学園の理事長『ホルスト・バリッシュ・スカーレット』の娘。

今年度、中学生になったと新聞で読んだが……この学校だったなんて。

 

「あと10分で昼休みも終わるし、早く行きましょ」

 

──

 

1年生の教室のある1階の廊下。

 

「……?」

 

話にあった通り、銀髪でエプロンをしていてスタイルがいい。共学ならモテモテだっただろう美少女。

 

「咲夜!雑談部に入ってくれ!」

 

「いきなり何……そっちは、転入生?」

 

「あっ、はい……篝火美嵩、です」

 

「私は十六夜咲夜、紅魔館でレミリア・スカーレット様のメイドを務めています。学園では中等部の3年C組に所属していますので、何か要件のある場合はそちらに……」

 

「雑、談、部!入らないのか!?入るのか!?」

 

「だ、だって……お嬢様の投擲部もあるし……」

 

「ん?咲夜も入ってるのか?」

 

「いや……趣味の領域でナイフ投げもしてるけど、そこまでは……。ただの、お嬢様の見守りよ」

 

「見守りなら顧問に任せてもいいだろ」

 

「……はぁ……」

 

 

 

 

5限もサボって説得した結果、なんとか入部してもらえた。5限の数学、担当教師確認できなかったのは惜しいけど……雑談部設立できずにやりたくもない部活に入る、もしくは帰宅部なんて悲しいことにならなくてよかった。

 

「部室はどうするの?」

 

「うーん……気分で変える!文化部棟の空き部屋でもいいし、図書館に何部屋かあるフリールーム、体育館の器具庫とか!」

 

「器具庫はちょっと汚いでしょ……まぁ、いっか」

 

「で……今6限始まってるけど、どうする?教室に戻る?」

 

「いや、無理じゃね?」

 

「はぁ、どこで時間潰そうか……」

 

屋上はまだ開いていない、学食なんて行ったら絶対バレる、図書室……あっ。

 

「図書室のフリールームは!?」

 

「あー……司書さんいないけど、大丈夫かしら」

 

 

──

 

図書室……室、なんて規模じゃない。大がつく図書館だ。

学園の地下にあるソレには、在学中にはとても読みきれないほどの蔵書が詰まっている。

 

「ひろーい!!」

 

「あんまり大きい声出さないの。時々ここに風紀委員が来ることもあるんだから」

 

「ふうきいいん?」

 

「生徒に『しゃんとしなさい』って呼びかける委員のことよ」

 

「ふーん……」

 

 

フリールーム1に入った。

中身は長机が数個と、コーヒーメーカーに蛇口、流し台。あとはポットとか。

隅っこには椅子が積み重なっている。

 

「なんか……ここで生活できそう」

 

「寝る場所はどうするんだよ」

 

「……机の上?」

 

「バカか」

 

「お茶、淹れるわね。幸い、茶葉やマグカップもあるみたいだし」

 

「あー、よろしく」

 

十六夜先輩?十六夜さん?咲夜先輩?……咲夜さん、がお茶を淹れてくれるようだ。

見た感じ、あの茶葉は紅茶。

 

「うーん……何しよう……」

 

「スマホゲーム……?」

 

「最近いいのないしなぁ……」

 

話してるうちに、出来上がったお茶が配られた。制服のように深い赤色で、なおかつ透き通っている。私は好きな色かな、これ。

 

ごくっ

 

「美味しい……!」

 

「あー……お茶請けってないの?」

 

「クラッカーならあるけど、勝手に食べていいのかしら」

 

「……あっ、張り紙……『お茶やお菓子はご自由に』だってさ」

 

「そう、なら遠慮はいらないわね」

 

「言う前に食べてるじゃん……」

 

パリッ、サクサクサク

 

「このクラッカーは購買にも売ってるし、買い足せって言われても大丈夫ね」

 

「ふあぁぁぁぁ……あっ、あと5分で6限終わり」

 

「HRもサボっちゃうか?」

 

「まー……別にいっか。テストさえ良ければ普段がどうであれ退学はないんだし」

 

「変わってるよね、この学校」

 

「母親から聞いたけど、初代からこの校風は全く変わってないそうよ」

 

「ふーん……今の学園長だと、この校風をさらにフリーダムなことにしてしまうかもね」

 

「うふふふっ」

 

続く

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