二つの日本召喚   作:死滅殺鬼

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皆さん、三週間ぶりです。二週間投稿だと言っていましたが、リアルが多忙で遅れてしまいました。また、来月から本業が始まるので投稿頻度は悪化することをご了承ください。それではどうぞ

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6/7 誤字修正
7/2 誤字修正
7/18 加筆訂正


ロデニウス大戦勃発!鉄血制裁による、女神の微笑みはどちらに

翌日早朝

 

 双方の日本に一人ずつ派遣されたブルーアイとミドリは、とあることに驚愕していた。それは速力だ。第三文明圏外で主流なのはガレー船という、オールを利用して動かす船と風を利用する帆船だ。ガレー船はともかく、帆船は大風のときは使えない。ちょうどよい風でも6ktいけばいい方だ。それとは別に疑問に思っていたことがあった。船と船の間隔が大きく一部の船に関しては見えない。唯一近いのは、大日本帝国旗艦『山城』と日本国第一訓練護衛隊群米人第一部隊旗艦『ニミッツ』だ。おそらく、情報交換のためわざと近いのだろう。そして、艦隊は西へ回頭を行った。やがて、水平線の向こう側に影が見えた。影の正体はロウリア王国海軍の大艦隊だった。

 

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ロウリア王国東方討伐海軍 海将『シャークン』

 

「この光景、いつ見ても爽快な気分になる」

 

 シャークンの目に見える光景、それは船にうもれて海が少ししか見えないそれほど大量の船が堂々と前進する。たくさんの水夫がたくさんのバリスタが、とにかく全てにおいて数が超越していた。

 

 六年、そう六年だ。この大艦隊を準備するのにかけた歳月。とても長かった、だが亜人を滅ぼすためにも屈辱的な要求にも耐えた。そのお陰で、これだけの戦力を持つのはロデニウスで我が国以外いないだろう。これだけの戦力、フィルアデス大陸も手中に……

 

(いや、文明圏のパーパルディア皇国には砲艦と呼ばれるさらに強力な戦船があるらしい。さすがに求めすぎたか……)

 

 一瞬頭をよぎらせた野心を打ち消す。第三文明圏に挑むにはまだ足りない。彼は気分を高めようと東の海を見据え………ん?

 

 何かが飛んでくる。箱に棒と回る板?をつけた奇妙な物体が浮かんでいた。

 まさか飛竜……にしては違う気がする。なんだ、あれは……。

 

 その奇妙な物体は自分たちの上に止まると、中から人が現れた。

 

「Surrender immediately. Pirates!」

 

 何か言ったようだが全く分からなかった。中から別の人がその人の頭にチョップをかけ、声を発した。

 

「こちらは日本国海上自衛隊及び大日本帝国海軍です。あなた方はギムにおいて虐殺を行いました。これ以上の虐殺行為は国際平和を乱す行いです。直ちに引き返しなさい。繰り返す……」

 

 人が乗りそして話している。しかし、友好国ではなく敵対国なので、容赦なく矢を放った。それに怯えたのか知らないが、それは旋回し東の空へ立ち去っていった。

 

 しばらくすると向こう側に小島が見え……小島?いや、違う!あれは船だ、とてつもなく大きな!

 

 小島と思ってしまうほど大きな船は常軌を逸した速度で、最前列の帆船脇に回り込み、同時並走した。その距離僅か300m足らず。

 

「すぐに引き返せ!さもなければ貴船を砲撃する!繰り返す、すぐに引き返せ!さもなければ貴船を砲撃する!」

 

 図体はでかいもののたかだか一隻、こちらの4400隻と比べれば他愛もない。海将『シャークン』は攻撃を命じた。帆船は右に旋回し、駆逐艦に距離を詰める。そして100mを切ったところで火矢が駆逐艦を襲う。見たところ損害は見えないが、その船は弓矢の有効射程から離れていく。そして距離は3kmを離れた。

 

 

「ぶっ~!見た目だけかよ、この雑魚が!調子に乗るんじゃねぇよ~!」

 

 火矢を当てた一人が服を脱ぎ捨て挑発をする。しかし、海将『シャークン』は別のことに着目していた。

 

(火矢の攻撃が通らない上に、速度が速い。それに帆も無いとは奇妙な船だ……)

 

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大日本帝国 特別派遣艦隊第一部隊旗艦『山城』

 

 ミドリは怯えていた。戦地へ着た瞬間、兵士たちの顔が修羅になったのだ。とても話しかける雰囲気ではないほどに、恐ろしい顔になっているのだ。

 

「駆逐艦『満潮(みちしお)』より報告、敵船団より攻撃を受けたとのことです。ただし、損害はゼロ。1つ言えるならば、塗装が少し溶けた位でしょう」

「分かった、全艦に繋げ。日本国の艦艇にもだ」

 

 西村はすぐに命令した。

 

「各艦に繋がりました。司令官、これを」

「ああ、ありがとう」

 

 西村は通信員から渡されたインカムを付けた。

 

「これより本作戦を行う。敵船団の艦艇はガレー船やガレアス船を中心とした、我々からすれば超旧式船だ。負けることはないが慢心はするな。では、海戦を始める祝砲を行う。全艦、砲撃用意!外すなよ、撃てー!」

 

 各艦の主砲は敵船団に砲塔を旋回し、砲撃した。

 

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ロウリア王国東方討伐海軍 海将『シャークン』

 

 目の良いシャークンは駆逐艦『満潮』の僅かな動きも見逃さなかった。

 

「なんだ、あの奇妙な棒は?」

 

 次の瞬間、耳をつんざくほどの大きな轟音が鳴り響いた。

 

「な、なんだ……爆発したのか?」

 

 しかし、敵船には爆発痕は見当たらない。疑問に思っていると、前方にいた船団のほとんどが突如大爆発した。船であったであろうもの、人であったであろうものが空を舞い飛散し落下してくる。自分たちの船にも人のパーツであったものが落ちてきた。

 

「な、なんだと!?あの距離からこれ程の攻撃!?はっ!全員、散開!散開せよ!密集するな!」

 

 経験上にない計り知れない威力、それを目にした者たちは驚愕と恐怖が襲った。

 

「通信士!すぐにワイバーン部隊に上空支援の要請を送れ!『敵主力船団と交戦、上空支援を要請する』と!」

 

 直撃を免れた船でさえ爆風で穴が空き、水夫を乗せたまま沈んでいく。計7隻から放たれた20基41門の砲撃は攻撃を仕掛けた船周辺の船団を木っ端微塵にした。

 海将『シャークン』は再び攻撃が来ないことにこう判断した。

 

「あれほどの攻撃、連続で撃てないのだろう……。艦隊、速度落とせ。ワイバーン部隊とともに畳み掛けるぞ」

 

 彼の判断は吉と出るか凶と出るか、それはすでに分かっていた……

 

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ロウリア王国 ワイバーン本陣

 

 そこには今か今かと待っているワイバーン350騎がいた。そんな時に通信士に魔信が入った。

 

「東方討伐軍より魔信入りました。『敵主力船団と交戦、上空支援を要請する』とのことです。なお、敵の攻撃により約100隻がすでにヤられたようです。その他、敵船は我々の船より巨大との報告も」

「ほう……敵主力か。よし、全350騎を上げよ」

「ま、待ってください。すでに先遣隊として150騎を上げています。万が一のことがあれば……」

「万が一?我が精鋭なるワイバーン部隊が負けるとでも思っているのか?」

「い、いえそういうわけでは……」

「なら愚問だ、350騎全て上げよ。敵主力船団を全滅すれば大戦果なのだ。戦力の逐次投入はすべきではない」

「わ、分かりました……」

 

 ワイバーンは次々と飛翔していった。

 

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日本国 第一訓練護衛隊郡第一部隊 『あきつしま』

 

 最新イージス艦『あきつしま』はワイバーン部隊をすでに捉えていた。

 

「先ほどの攻撃で退いてくれなかったか……」

 

 艦長の松山(しょうざん)はため息をついていた。そして戦艦『山城』から伝達がきた。

 

『こちら《山城》、対空性能はそちらの方が高い。実力を見せて欲しい』

「こちら『あきつしま』、了解しました」

 

 通信士はインカムをつけつつ、艦長に報告した。

 

「『山城』より伝達、対空戦闘は日本国に全て任せるとのこと」

 

 報告を聞いた松山は日本国所属の各艦(ニミッツ含む)に伝達した。 

 

「全艦、対空戦闘用ー意!射程内に入り次第、要撃!」

 

 そして、各艦から発射された対空ミサイルは目標へと向かっていった。

 

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ロウリア王国東方討伐海軍 海将『シャークン』

 

 突如、敵の巨大船から煙が出る。そして高速の何かが光の尾を引きながらロウリア艦隊上空を通りすぎていった。シャークンはそれに気付いていたが、『脅威なし』との判断をした。これが間違いだったことを気付くにはもう遅かった。

 

「さて……ワイバーン部隊がそろそろ到着する。総員、突撃用意!」

 

 しかし、そのワイバーン部隊を悲劇が襲った。突然、ワイバーン部隊の一角が爆散したのだ。そして爆散したワイバーンは黒い塊となり、次々と落ちていく。十数秒後にはまた別の一角が、そしてまた一角と落ちていく。歴史上、一度も体験したことがないのは確実だった。

 一時的だが、それが止まった。ワイバーン部隊にはもう200騎まで減っていた。その先には複数の船が、ワイバーン部隊は一番近い灰色の船に襲いかかった。しかし、先ほどの光の攻撃がさらに威烈に襲いかかる。ワイバーンは着実に減っていき、もう部隊と言って良いのか分からないところまで減っていた。そして50騎ほどになったところで、砲撃が行われる。着実に1騎ずつ確実に減っていく。残り3kmまで近づいた時にはもう3騎しかいなかった。それと同時に敵の砲撃も止んだ。

 

「魔導が切れたようだな、仲間の無念をはらしてやる!」

 

 そして火球を生成し攻撃をしようとした途端、仲間の2騎が突然ミンチとなり、落ちていく。最後の1騎も彼らのあとを追った……

 Sea RAMから発射された近接防空ミサイル、高性能20mm機関砲(ファランクス)、対空ミサイルには少し劣るものの、ワイバーン相手には十分であった。

 

 不気味な静けさが海に漂った……

 

「…………………………」

 

 一騎落とすだけでも至難の技、それが文明圏外となればなおのこと。しかし、そのワイバーンが見えるだけでも200騎以上が落とされた。夢、そう思いたいがこれは現実。それは悪夢にも近い。

 

「我々は得体の知れないものに敵対してしまったのではないか……」

 

 海将『シャークン』は絶望する。何をすれば勝てるのか、そもそもが勝てるのか、もう分からなくなっていた。

 そう思っているのも束の間、先ほどからちらちら見えていた他の艦が現れた。そのなかにはまるで城を思わせるようなものもいる。

 

 計7隻により悪夢……いや地獄が打ち出された。

 後にロデニウス沖大海戦と呼ばれる歴史を変えた一角に刻まれることは、もう確定であった……

 

 海将『シャークン』は二つの選択肢を迫られていた。『降伏』か『撤退』か、どちらにしてもロウリア王国で無能として罵られることは確定であった。降伏すれば捕虜として処刑される可能性が高く、『撤退』すれば国家反逆罪として処刑されるだろう。そんな時だった、敵船から再び声が聞こえた。

 

『ロウリア王国海軍は投降せよ、されば命は保証する。繰り返す、ロウリア王国海軍は投降せよ、されば命は保証する。投降するならば、白旗を上げよ』

 

 本当かどうかは分からない、だが本当ならば命だけは助かる。それに戦闘前に忠告をしてくるほどだ、おそらく大丈夫だろう。彼は決断をした、『降伏』を。そのことを魔法通信で各艦に通達した。そして、白旗を上げた。

 

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大日本帝国 特別派遣艦隊第一部隊旗艦『山城』

 

 彼らに降伏するように要求した。そうしてくれれば、流す血も少ない。そして数分後、白旗を上げた。すぐに西村は次の行動にうつった。

 

「直ちに内火艇、カッター、救助艇を下ろし敵兵を救助せよ」

 

 各艦の搭載艇が次々と下ろされ敵兵を救助しにいった。また、敵船はニミッツの甲板や大日本帝国の艦艇の甲板に載せた。折れない様に慎重に載せていたが、さすがに多すぎた。降伏し鹵獲した船はかなり沈めたとはいえ、まだ1000隻以上いるのだ。最終的にほとんどの敵船はロープで引っ張ることになった……

 

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 パーパルディア皇国から観戦武官として派遣されていたヴァルハルは震えていた。彼はガレー船などでどのようにクワ・トイネ公国を滅ぼすかを期待し、それを記録する任務としてだ。だが……敵が用意した船は、見たこともないものだった。

 

 砲船というのは分かる、だが我が国とは違う砲船だ。我が国が使用する砲船は戦列艦と呼ばれる、大砲を横に並べ艦隊運動をするときに同航戦・反航戦などで戦う船だ。それに我が国の戦列艦の大砲の飛距離は約2km、だがあちらの船はそれの倍以上離れたところから撃っている。しかも、大砲が横にではなく船の上(・・・)に載っているのだ。それはムー王国と神聖ミシリアル帝国の二ヶ国のみしか実装されていない。しかしそれ以上に恐ろしかったのは、ワイバーンに対する行動だ。我が国ではワイバーンにはワイバーンをもって落とす。だがあちらの船は、船の上から攻撃した。いや、正確には船から出した何かで攻撃した。彼らは初弾必中どころか全弾命中させた、一撃当てるのも苦労する我が国を超越している。

 

 ヴァルハルはありのままのことを魔信で本国に連絡するのであった。

 

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 パーパルディア皇国とは別に情報収集のために来ていた者がいた。イタリーン、『ムー王国』より観戦武官として派遣されていた。彼の目的はただ一つ、ムー王国では古い戦法『白兵戦・衝角戦』を使うガレー船が4400隻(数だけ見ればムーを圧倒的に上回る)、どのような形で勝つのかを見極めることだった。だが、それは叶わぬ夢となった。それは何故か、敵の船だ。敵の船には少なくとも戦艦、重巡洋艦、駆逐艦、空母の四種が存在していた。しかも戦艦に関しては我が国のつい先日就役したばかりの『ラ・カサミ級戦艦』よりも大きい、それに速度も『ラ・カヅチ級駆逐艦』に匹敵する速さである。『ラ・カサミ』の最高速度は18kt、『ラ・カヅチ』は31kt、少なくても25kt以上は出ている計算になるのだ。

 

 しかも敵が警告の際に飛ばしてきたのは我が国でも妄想段階(・・・・)の航空機だ。あれは我が国のもつ複葉機とは違い速度は出せないようだが、上昇速度は桁違いだ。そして何よりあの対空攻撃は何だ!奇妙な光の矢が飛んでいったと思ったら、その場所にいたワイバーンが堕ちていく。しかもその発射間隔はとても短く、約300騎以上いたワイバーンを約3kmを切ったところで全滅させた。我が国ですらワイバーンを使った訓練では対空機銃、対空砲では必ず損傷判定がおきる。

 

(これは世界の歴史を必ず動かす、本国に急いで伝達しなければ!)

 

 そう考えた時、彼は一つの失態を犯していたことに気付いた。それは……

 

(カメラ、本国に忘れてきた……)

 

 である。とりあえず目と耳の情報を紙に纏め本国に送ることにした。

 

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大日本帝国 特別派遣艦隊第一部隊旗艦『山城』

 

 西村司令官は敵兵及び敵船の収容を完了したことを報告された。

 

「よし、それではマイハーク港で捕虜を引き渡したあと、母港へ帰投する」

 

 そして西村司令官はミドリの方向に向いた。

 

「さて、戦闘は終了しました。これよりマイハーク港へ帰投します」

 

 しかしミドリは反応しなかった。

 

「……ミドリさん?」

 

 そう言われやっと彼は意識を取り戻した。先ほどの戦闘の凄まじさに呆然としていたのだ。

 

「はっ、申し訳ありません。して戦闘は……」

「終了いたしました、我が艦隊の完勝です」

 

 彼はついに気絶した。頭がついていけなくなったのだ。

 

「ミドリさん!?軍医!すぐに医務室へ!」

「了解!」

 

 ミドリは担架に運ばれ医務室へと運ばれていった。そのあと恥ずかしさのあまり、家に籠ったのはまた別のお話……




ムー帝国のものはRed Octoberさんの『鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。』を参考にいたしました。なお本人にも許可をいただけました。
 原作では語られていませんでしたか、ロウリア王国の4400隻の襲撃は世界史及び日本史で習ったであろう蒙古襲来の弘安の役における元が用意した軍船の数と同じなんですよね。やっぱり元にしていたのかな?

では次の題名は
『海戦報告と新たな事象の表れ』です。
期待せずにお待ちください(笑)
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