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ジューンフィルアは、2万の大軍が隊列を整えているのを眺め、満足していた。兵たちの士気も錬度も高い。今回は未知なる敵、日本だが負けることはない。さて、海軍の尻拭いをしてやるか
その時、異常なほどの恐怖が襲う。まだ、敵は見えない。にも関わらず、攻撃されている感じがする。
ドォォォォォン!
前方で突如、爆発が起きる。なんだ、一体どこから……彼は目を細め見る。なんとかかろうじて見えたが、敵は2kmもの離れたところから攻撃していた。
「な、なんてところから攻撃してるんだ!総員、敵は東方より攻撃している。進め!」
全員が歩を進めると、先ほどまでの砲撃が止んだ。なんだったんだと思いつつ進軍していくと、草の茂みから人が現れた。次々と殺られていくが、まだこちらが多い。行けると思った瞬間に別方向から攻撃された。次々と殺され、そして走馬灯が見えたときには、自分の頭は撃ち抜かれていた。
戦場としてはあり得ないほどの静寂が訪れる。その後、鷹森は大内田に作戦完了のハンドルサインを送り、大内田はそれを通信員に伝達、通信員はエジェイにいる通信部隊に伝達した。
「さて死体は埋めますか」
「埋めるんですか、間接的とはいえ敵なのに」
「……かつて松江少将という人がいました。彼の口癖は『彼らは捕虜ではない。祖国のために立派に戦った戦士である』、世界大戦の際ドイツ兵たちに言った言葉だ。当時の陸軍省から捕虜に対して甘い、と言ってましたが陸軍省も分かっていました。だがらこそ彼の口癖は今の陸軍省の基礎にもなっています」
「敵に敬意をですか、そうですね。敵とはいえ同じ人間、国のために戦った戦士ですもんね。かなりいますので手分けして埋めてあげましょうか」
「ああ、俺たちも一緒にやるぞ。下士官を教育するなら上官が行動を示さないとな」
「そうですね」
スコップなどは持ってきていないため、手作業で掘り進め死体を埋葬した。
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城塞都市エジェイ
ノウ将軍は自らが出した強襲命令でどんなことをするかと思えば、最初に聞こえたのは地鳴りの様な轟音だ。日本軍は大規模魔法を使ったのかとおもえば、次にはダダダダという音が聞こえる。これは日本軍から貸与され練習している三八式歩兵銃の音に近い、まさか全員がこれと同じ銃をもっているというのか!?やはり、日本軍を敵にまわずして正解だったようだ。そして日本軍の通信員なるものから、作戦が終了したことを知らされた。
「これが日本軍の強さなのか、我々は彼らに追いつけるのだろうか……」
勝利の喜びと彼らの力に頼ってしまった悔しさが、彼に重くのし掛かった。
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クワ・トイネ公国政治部会
エジェイ防衛戦の報告として将軍ノウは招かれた。
「ふむ、なるほど日本軍は我々に貸与している三八歩兵銃と同じものを全員が持っていると、その前に聞こえた轟音は結局なんなんだ?」
「はっ、日本軍に聞いたところ大砲というもので簡単にいえば我々に貸与している九九式八糎高射砲の対地用だと思えばいいとのことです」
「それなら轟音がしたことに納得がいくな」
エジェイ防衛戦の報告が終わると新しい資料が配られた。双方の日本からだ。なになに、『ロウリア王国首都攻撃許可申請書』ね……、ロウリア王国首都攻撃許可申請書!?
「まさか双方の日本は自分たちだけでロウリア王国の首都を落とすつもりか?」
「いくらなんでもそこまで頼るのは我が国の面子が……」
「私は双方の日本の案に賛成します」
「同じく賛成、それが最も合理的かつ最善の手」
政治部会は国内及びロウリアにおける陸、海、空の戦闘許可をした。
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ロウリア王国クワトイネ征伐隊東部諸侯団所属ワイバーン小隊『竜騎士ムーラ』
彼は先遣隊の消息が途絶えた地点へと向かっていた。偵察隊として来てはいるが全員確認場所は別々である。ちょうど空は快晴であり風も弱かった。だが、先遣隊はおろか死体すら確認できなかった。
「どういうことだ、何がおきて……むっ、あれは何だ」
彼の目に入ったのは1m程の木のなにかと旗であった。
「まさか……」
彼はその場所に降りるとそこには自国の旗と木の部分にロウリア語でこう書かれていた。
『青春と幸福を母国の為に捧げた勇敢な陸の英雄たち、ここに眠る』
ムーラはその時、気づいた。自分たちが戦っていたのは蛮国などではない、高潔な国だということを。彼は泣いた、思いっきり泣いた。
それを遠くから見ていたものたちがいた。いずれ来ると思い待っていた日本軍及び自衛隊だ。何かあれば攻撃しようと思っていたが、中止した。彼は仲間のために泣いているのだ、そこに水を注すわけにいかず、泣き終わるまで待つことにした。
『青春と幸福を母国の為に捧げた勇敢な陸の英雄たち、ここに眠る』は史実のアリューシャン方面の戦いで日本軍が命を落とした米兵のために十字の墓標と『青春と幸福を母国の為に捧げた勇敢な空の英雄たち、ここに眠る』という墓碑が収められたことを元にしています。戦時下にあっても敵兵に対する尊敬を忘れない心に、自分は感動しました。
さて次の題名は
『ロウリアの栄光は終わりを告げる』
です。
名前からバレバレだと思いますが、いつも通り期待せずお待ちください。