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フェン王国 沖合い
フェン王国の沖合いに続々と各国の艦船が進入してきた。その中には一際大きな船があるが、それはガハラ神国の戦船である。確かにガハラ神国は風竜という特別な生物を持っているが、それはあくまで空に限ることであり海は範囲外である。なお文明圏外で最も強いと言われているのはアルタラス王国という国だが、後々登場するのでお待ちください。
各国は待ち望んでいた。三国共同派遣艦隊は明日だが、今日はグラ・バルカス帝国が来るのだ。レイフォルから友好国の肩書きを持つ新たな国家が来るのだから。
上空
ガハラ神国風竜騎士団長『スサノウ』は隣国の首都アマノキを中心に飛んでいた。今日と明日の二日間はフェン王国が5年に一度開催する軍祭であり、その親善として数騎飛ぶのだ。
軍祭は文明圏外の各国が集まり、武力の見せあいをしつつ技術力の向上を図っている。もちろん各国への牽制もあるが、軍事力の高さを見せ、装備を自慢し合う。
文明国も呼びたいがプライドが高く『蛮国の祭に興味がない』というのが本音である。もちろんそんな国ばかりではなくムー皇国(今のムー王国)が過去に一度だけ参加したらしいか技術力が違いすぎるため、それ以降の軍祭を棄権している。
そんなことを思っていると数隻の船が近づいてきた。その船からは煙が出ており、不祥事が起きたと思ったが筒状の棒からしか出ていないため、意図的に行ってることを理解した。
『眩しいな……』
「んっ?ああ、確かに今日は天気が良いからな」
『いや、そうではない』
相棒の風竜である『ツクヨミ』が不思議なことを言った。太陽以外に何が眩しいのだろうか、疑問がわいた。
「じゃあ、何が眩しいんだ?」
『あの中の数隻から線状の光が様々な方向へ照射しているのだ』
「船から光?何も見えないが……」
『それはそうだ、あれは我々の同胞が会話するときに出す光、人間にとっては不可視の光同然だ。だがあくまで似ているだけだ、同じとは限らん』
「そんなことが出きるのか飛行竜は、一体どこまでできるのだ?」
『すべての飛行竜ができるとは限らん。それと個体差がありワシは120km先までは見える。あの船は光が強い上、先が見えない』
スサノウの額に汗が噴き出す。
「まさかあの船は魔信以外の通信手段を持っているのか。見えない場所を飛んでいる竜もわかるのか?」
『魔信なのかそれ以外なのか、見えない場所を飛んでいる竜もわかるのかは、ワシには分からん。ただ一つ言えるのは、強いということだけだ』
「あの船の数隻から、グラ・バルカス帝国はすごい国だな……」
上空ではこのような会話が行われていた。
グラ・バルカス帝国海軍派遣艦隊旗艦『ヘルクレス』
レーダー員は混乱していた。先ほどからレーダーに何か引っ掛かっているのだが、そこに飛行機械は存在せず代わりにいるのは風竜と呼ばれる飛行生物だ。
「まさかあの生物にレーダーが引っ掛かっているのか?」
「おそらくそうだろう、それにこちらにレーダーを照射をしているようにも感じる」
司令官はレーダーに映るものは敵対国のものではないため、対空警戒を解除させた。それと同時に課題も発生していた。本国に戻り次第、報告しなければならない。
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剣王シハン
「すごいものだな、あれがグラ・バルカス帝国の戦船。まるで洋上に浮かぶ城だ」
正直な感想をこぼした。
「ガハラ神国から推薦がありましたがここまでとは、私も驚きです」
将軍マグレフが同意する。
「では我が艦隊の編成を説明してもよいでしょうか?」
「頼む」
そう言うとグラ・バルカス帝国の外交官『シエリア』が話し始めた。艦隊の編成は以下の通りだ。
グラ・バルカス帝国海軍派遣艦隊
ヘルクレス級戦艦 ヘルクレス/旗艦
ペガスス級航空母艦 シェアト
アリエス級重巡洋艦 ハマル、シェラタン
キャニス・メジャー級巡洋艦 アルドラ
スコルピウス級駆逐艦 スコルピウス、レサト
カノープス級駆逐艦 ミアプラキドゥス
主力艦隊から抜粋した8隻が今回派遣されている。グレードアトラスター級は過剰戦力すぎるため最初から外されている。
「もうそろそろ砲撃を行います。こちらを」
シエリアは二人に二つの筒状が並んでいるものを渡した。
「これは?」
「双眼鏡というものです。沖合いでは出来ず遠くのため、お持ちしました。遠くからものを見ることをできます。国交樹立のため、プレゼントいたします」
「これはありがたい」
シハンたちは双眼鏡を使い船を見ていた。
(やはり一隻一隻が大きい、文明圏外でこれだけの大きさを揃えるのは難しいしレイフォルから友好国の肩書きを持つのも頷ける)
「では、もうそろそろ時間になりますので攻撃を行うと思います。もう少々お待ちを」
「了解した」
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グラ・バルカス帝国海軍派遣艦隊旗艦 戦艦『ヘルクレス』
艦内には異様な空気が張り詰めていた。国交のためとはいえ、力を見せるとなった以上仕方がないのだが恐がられないかが不安なのだ。
「司令、そろそろ時間です」
「……了解した、恐がられなければよいが。主砲1番塔、3番塔、砲撃用意!」
砲塔が少しずつ動いていくそして目標をとらえた。
『仰角よし!旋回角よし!!発射準備完了~!!!』
「リィッフィーヤ!(撃て!)」
ドォォォォン!!
ドォォォォン!!
凄まじいほどの轟音が鳴り響いた。それもそのはず、ヘルクレスの主砲は45口径41cm連装砲、大日本帝国でいうと長門型と同じ主砲なのだ。グラ・バルカス帝国ではヘルクレス級からグレードアトラスター型の間に数十隻の41cmを搭載する艦が存在するが、大日本帝国のいた時代では強すぎて世界で制限をかけ、一時期7隻しか存在しなかったほどだ。
続いて司令は通信員に声をかける。
「シェアトに連絡!爆撃機を発艦し残りの2隻を沈めるように!」
「了解!」
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グラ・バルカス帝国派遣艦隊 航空母艦『シェアト』
すでにエンジンをかけられるように準備されていだ爆撃機たちが、エンジン音を鳴り響き始める。
「風向き良し、風速良し、天気良好、発艦に支障なし!」
「良し……発艦始め!」
白旗を倒すとハダル型艦上爆撃機10機が飛び立つ。もともとはシリウス型艦上爆撃機の予定だったが、過剰とみなされ一世代古いハダル型が選ばれた。また、木造船ということもあり各船に5機で対応することになった。
『こちら第一部隊、右の船を攻撃する』
『了解、第二部隊は左の船を攻撃する』
そして爆撃機は船の側面から爆弾を落とし始めた。爆撃方法は急降下爆撃である。
ヒュルルルル
ヒュルルルル
そして爆弾は船に直撃した。
ドドドドッ
ドドドドッ
その爆撃の音は耳をつんざいた。使用されたのは60kgの爆弾だ。一機につき2個、それが10個ずつ船を襲った。もちろん外れた爆弾もあるが、ほとんど当たっていた。なお急降下爆撃のため、機体が一気に軽くなりガクンとなったのはいうまでもない。グラ・バルカス帝国にはペガスス級以外にも数十隻、存在するがここでは省かせてもらう。
爆撃成功の報告を受けた、艦長は通信員に言った。
「シエリア外交官に連絡、軍事披露は終了。と」
「了解!」
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フェン王国沖合い
連絡を受けたシエリアはすぐに剣王シハンに伝えた。
「シハン殿、軍事披露は終了しました」
「………」
「シハン殿?」
「はっ、申し訳ない。あまりにも凄いもので、言葉が出なかっただけだ」
「お気に召してくれたのなら幸いです」
(なんという軍事力、ガハラ神国が推薦するわけだ……)
剣王シハンは震えていた。その強さは自身の想像を遥かに超えていたのだ。
「では、続いて陸軍の披露をいたします。少しお待ちを……」
するとシエリアは再び無線を使い連絡した。数分後……、ザッザッという足音と共に数十名の人が歩いてきた。見た目は全身黒の格好をしており、奇妙な棒状の物を肩に軽く乗せている。そして、一切の乱れなく動く行進はシハンだけでなく、軍祭に来ていた他の国々も驚かした。乱れがないということは、規律が隅々まで行き渡っているという証拠、確かにフェン王国などの国も行進はするが足音に若干の乱れが必ずあるのだ。それがないことに、驚いていたのだ。
「では、軍事披露を行う前にあなた方に見てもらいたい物がございます。こちらを……」
そう言って一人の人物が前に出た。それは先ほどから彼らが持っている棒状の物に近いが違う。それよりも、とある国の武器に酷似していた。それは……
「こ、これはパーパルディア皇国の銃ではないか!なぜ、あなた方がこれを?」
「やはり……」
「やはりとは?」
「おっと、申しわけございません。こちらの銃なのですが、パーパルディア皇国の物ではありません」
「どういうことだ?」
その人物は一度深呼吸をして、こう言った。
「この銃は私たちがいた世界で開発され、今では競技用に使われるフャルネス銃と呼ばれています。原型は約600年ほど前と言われています」
「ろっぴゃく!?」
シハンは驚いた。パーパルディア皇国が開発した新兵器『銃』が、この国では古い武器だということに。そして軍人はとある事を言った。
「ではこちらのフャルネス銃と我が国の基本装備であるレメリック₩38を比較してみましょう」
そう言うと一人の人物が150m先のところに三つの木の的を用意した。
「では、まずフャルネス銃から撃ちますね。射撃用意!」
フャルネス銃を持った人物が構えをとり、木の的を睨む。
「てっー!」
バァァン!
「一つ目の的はかすっただけですね、では2回目です」
簡単そうにいうが時間が掛かる。今回はパーパルディア皇国を元にするため、古いタイプのフャルネス銃を持ってきたため、時間が余計に掛かっている。弾を込め縄に火を付ける、その間約30秒。そして射たれる。
「二つ目の的はかするどころか、空を切ってしまいましたね。それでは、最後です」
そして再び30秒ほどの時間がかかり、弾が発射される。
「やっと当たりましたね、中心に上手く当たり的が壊れましたね」
それを見ていたシハンを含む彼らは恐怖を抱いた。パーパルディア皇国の銃に一切の勝ち目が無いからだ。
「これがフャルネス銃、パーパルディア皇国の主要な銃です。それでは、我が国の基本装備のレメリック₩38による射撃を行います。射撃用意!」
レメリック₩38を持った人物が構えをとり、木の的を睨む。
「てっー!」
バァン!!
『うぉぉぉ!!』
一発目から当たったことに、彼らは驚いた。そして、続け様に
バァン!!
「えっ?」
二発目が先ほどよりも早く射たれたことに彼らは更に驚き、2つ目の的も壊していた。そして続け様に最後の攻撃が行われた。
バァン!!
「これがフャルネス銃とレメリック₩38の性能の差です」
「ちょっと待ってくれ!」
「いかがされましたか、シハン殿」
「どうしてこんなに差があるのだ!?」
「では、簡単に説明しますね。フャルネス銃とレメリック₩38の大きな違いとして2つ挙げましょう。
1つ目は装弾についてです。フャルネス銃は先込め式といい、弾を銃口の先から入れるので棒を使わないとできず、時間が掛かってしまいます。それに対しレメリック₩38は箱形弾倉と言う物を銃に取り付けています。そのため、弾を発射したあとに、空薬莢を出せば下の弾が上にくるので時間が短縮されました。
「フムフム……」
「2つ目はライフリングと呼ばれる物です。フャルネス銃は銃口の中には特に何もされておらず、ツルツルしています。そのため、撃った時の反動で実際に撃ちたい所とずれることがあります。それに対しレメリック₩38は銃口の中に溝があることで、弾を回転させます。そのため、撃った時の反動が低減され撃ちたい所に当たる確率が高くなります」
「フムフム……、勉強になる」
「おっと話しすぎちゃいましたね、我が国での軍事披露は以上となります。この後についてはシエリア外交官を通じ、連絡をお願いいたします」
この日の軍事披露は終了し、明日の大日日露の到着を待つだけとなった……
グラ・バルカス帝国は三国より先に来ましたね。地球と違い軍縮条約が無かった、とさせていただきました。
次の話なのですが、リアルが忙しいことがあり執筆が終わっておりません。もしかしたら、大幅に遅れてしまう可能性もあります。ただ必ず数話作成し、投稿できるようにしますので、何卒ご理解ください。
誤字報告をしてくれる方々に誠に感謝しています。なお、グラ・バルカス帝国の軍艦及び艦艇は『級』で統一していますので、ご了承お願い致します。