二つの日本召喚   作:死滅殺鬼

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とりあえず、書き終わりました。少しばかり変なところがあるかも知れませんが、ご了承下さい。


波乱の軍祭(大日日露)

フェン王国沖合い

 

 昨日に引き続き、ガハラ神国から推薦のあった大日本帝国、日本国、オースリ・ロデニウス連合王国の三国共同派遣艦隊が到着する。ほとんどのものが比較をしようとしていた。グラ・バルカス帝国とどちらが強いのか。オースリ・ロデニウスははっきり言って期待していなかった。だが、未知の大日本帝国と日本国には期待していたのだ。誰もがソワソワし、落ち着きがなかった。

 

上空

 

 ガハラ神国竜騎士副隊長『カグヅチ』は軍祭二日目の哨戒を行っていた。昨日は隊長の『スサノウ』がしていたが、今日は副隊長である彼が他四人と共に哨戒していた。すると、数隻の艦艇が近づいてきた。スサノウ隊長が昨日のグラ・バルカス帝国の船から煙が出ていたと言っていたが、一部を除き煙を出していた。確かに隊長から聞いていたが、それ以上に驚いたことがあった。煙を出していない艦艇は帆も無いのにも関わらず、動いているのだ。彼は理解ができなかった。

 

「どうやって動かしてるんだろう……」

『うーん、私にもサッパリだわ。けど、ツクヨミが言っていた光がこの艦艇たちにも見えるわね』

「そうなのか?僕にはなにも見えないけど……」

 

 相棒の風竜『アマテラス』がそう言う。確かにスサノウ隊長がツクヨミ殿からそう聞いたらしいが、やはり人間には不可視らしい。

 

『けど、聞いていた光と比べると違和感があるわね』

「どういうこと?」

『ツクヨミが言うには確かに眩しかったらしいけど、私にはこの光を直視できないわ』

「そこまで眩しい光なんだ、一体どういう用途なんだろう……」

『私が知るわけないじゃない、だけど私たちは会話の際に使うから通信関係のものじゃない?』

「魔信以外の通信手段……、昨日のグラ・バルカス帝国もすごいけど、この三国もすごいや!」

『ふふ、相変わらず新しいものに目がないわね』

「けど、ロデニウス大陸の国家郡はどうやってこの強さを手にいれたんだろう……」

 

 カグヅチは疑問を感じていた。つい最近まで、自分たちと同等以下の軍事力しか持たない存在しないロデニウス大陸の国々がどうしてこれほどまでの力を手にいれたのか。それは後に知ることとなるのは、このときは知らなかった……

 

三国海軍共同派遣艦隊旗艦『いぶき』

 レーダー員は先ほどから確認できる飛翔体について、艦橋にいる監視員に目視で確認してもらっていた。その存在はガハラ神国の風竜と思われる、ということで新たに風竜のレーダー情報を後々インプットすることにした。

 

「しかし、レーダーに近い能力を持つ生命体がいるとは……」

「ええ、最悪の場合を備えステルス機開発や護衛艦のステルス性能向上を帰り次第報告しましょう」

 

 これにより、一時はいらないと思われていたステルスに関する物の開発に再び着手することになった。

 

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剣王シハン

 

「すごいな……グラ・バルカス帝国に匹敵してると言っていい……」

 

 先日と同じように正直な感想をこぼす。

 

「はい、まさかここまでとは思ってもいませんでした。ですが、それ以上に気になる点もあります」

 

 くノ一マツヨが答える。

 

「私が調べた情報では、ロデニウス大陸の国家郡は5年前まで、我が国とほぼ同じ兵器を使用していました。それ以降の情報がなく、不明ですが二つの日本が関係していると思います」

「おそらく、だがお主が曖昧ならワシにもわからん」

 

 マツヨの回答にシハンは確証をもてなかった。

 

「それでは、三国艦隊の編成を説明してよいですか?」

「頼む」

 

 そう言うと日本国外務省の青山は艦隊の説明を行った。艦隊の編成は以下の通りである。

 

三国海軍共同派遣艦隊

大日本帝国海軍所属 

└利根型重巡洋艦:利根(とね)筑摩(ちくま)

 川内(せんだい)型軽巡洋艦:神通(じんつう)

日本海上自衛隊所属

└いぶき型多機能揚陸護衛艦(DDV):いぶき

 まや型ミサイル護衛艦(DDG):まや、はぐろ

新生オースリ・ロデニウス連合王国海軍所属

└ジン・ハーク級戦艦:ジン・ハーク、クワ・トイネ

別途海流調査部隊

日本国海上自衛隊所属

└まみや型海洋観測艦(AGS):まみや

日本国海上保安庁所属

└れいめい型巡視船:あかつき、あさづき

 

 その説明にシハンはとある指摘をした。

 

「別途海流調査部隊と言うが、先の三国海軍共同派遣艦隊となにが違うのだ?」

「はい、ロデニウス王国経由で貴国が紛争の危険にあると位置付け、その際に海流の動きを確認し少しでも役に立ちたいと思った次第であります。基本的に介入は致しませんが、我が国々に対し非人道的行いをされた場合、動く可能性はあることを承知してくださいますようお願いします」

「ふむ、嬉しい限りだ。我が国も貴国に迷惑をかけないよう努力はしよう」

「ありがとうございます」

 

 青山はもう少ししたら披露を開始することをシハンに伝えた。青山はグラ・バルカス帝国がすでに双眼鏡を渡したことをシエリア外交官より伝えられたちめ、代わりに記録を残せるカメラをプレゼントした。双眼鏡でも驚いたシハンであったが、カメラに対してもとても驚き興味を示していた。

 

(グラ・バルカス帝国といい、二つの日本といい、こんな国が今までどこに埋もれていたのだ……)

 

 シハンは心の中で一人呟いた。

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三国海軍共同派遣艦隊 戦艦『ジン・ハーク』

 

 艦内のものたちは興奮していた。軍祭というものであり、二つの日本は砲艦外交に近いものがあり、少し恐れていた。しかしロデニウス王国のもの達は違っていた。なぜなら二つ日本と国内以外に見せるのがこれが初だったからである。

 

「砲撃戦用意~、左舷二番塔及び三番塔、旋回せよ!」

『了解!』

 

 左舷にある二番塔、三番塔の主砲が旋回していく。

 

『仰角よし!旋回角よし!!発射準備完了~!!!』

「ファイア(撃て)!!!」

 

 ドォォォォン!!

 ドォォォォン!!

 

 昨日より弱いが、それでも凄まじい轟音が鳴り響いた。その主砲は45口径30.5cm連装砲、日本海軍やグラ・バルカス帝国からいえば旧式だが、文明圏外からすれば脅威であった。次に攻撃を行うのは大日本帝国海軍であった。

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三国海軍共同派遣艦隊 軽巡洋艦『神通』

 

 艦内には厳かな雰囲気が垂れていた。誰もが緊迫していた、もし恐がられてしまったら、と。

 

「艦長、『ジン・ハーク』が砲撃を終了したとのことです」

「……仕方ありませんわね。雷撃の準備をお願いね」

 

 今期の『神通』の艦長はアズールレーン側の『神通』がすることになった。時期ごとに割り振られている。ここでは省くことにしよう。

 

「照準良し、旋回良し、魚雷発射管準備完了!」

「さあ、戦場に華を咲かせましょう。撃て!」

 

 魚雷は水中に白い線を出しながら、標的に向かっていった。

 

 ズドォォォン!

 

 砲撃や爆撃と違う全く未知の音に、シハン国王たちは驚いていた。そして、下から徐々に亀裂が走り真っ二つになって沈んだ。雷撃成功に感激しつつも、恐がれないかの心配が頭をぐるぐる回っていた。

 

「青山殿に伝えまして、演習は成功しました、と」

「了解しました、艦長」

 

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フェン王国沖合い

 

 連絡を受けた青山はすぐに剣王シハンに報告した。

 

「演習は終わりました……、シハン殿?」

「ああ、済まない。昨日に引き続きすごいものを見せてもらって、驚いているだけだ……」

 

 昨日と同じような回答に誰にも聞こえない声で、シエリアはクスッと笑った。

 その後は陸上自衛隊及び日本陸軍による、デモンストレーションとして演技を行った。「静」と「美」を基調とした演技に誰もが引き込まれた。続いて日本空軍と航空自衛隊による空のパフォーマンスが行われた。それはとても美しく、誰もが惚れ込んだことだろう。

 

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別途海流調査部隊 れいめい型巡視船『あかつき』

 

 あかつき内ではレーダーに確認された、奇妙な飛翔体の解析を行っていた。

 

「どこの国の飛行体か分かるか?」

「レーダーの反射具合からワイバーンに近いのですが、大きさ、スピードがワイバーンと一致しません。また、海自を通じてレーダーにインプットした風龍とも一致しません」

「……まみやに報告、各艦に対空警戒を厳と成すよう伝えておけ」

「了解しました」

 

 そして『まみや』に連絡が入った。

 

『こちら{まみや}、調査は順調です。何か不備がありましたか?』

「こちら『あかつき』、レーダーにて所属不明の飛行体を捕捉、対空警戒をお願いしたい」

『了解しました。ですが、我が艦は航海用レーダーしか搭載していないので、あくまで目視での警戒にあたる』

「了解です、ただいま別の通信員を通じて『いぶき』へ報告、そのまま青山殿に伝える予定です」

 

 その後、『いぶき』を通じ、外務省の青山に報告が上がった。

 

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フェン王国沖合い

 

 青山は考えていた。総理から聞かされていた最悪の事態を。だが、ここで迷っていては自分の何かに反すると、そして彼は決断した。

 

「……『いぶき』艦長、全艦に伝達してください。もし、未確認飛翔体による攻撃(・・)を受けた場合、正当防衛として危害射撃(・・・・)を許可します。またそれが竜騎士だった場合、なるべく飛竜を攻撃し人は拘束してください」

『了解しました』

 

 青山は電話を切ったあと、シエリア外交官にも対空警戒をお願いした。シエリア外交官は司令長官に連絡した。しかし……

 

「申し訳ありません、青山さん。内の軍人たちは頭が固く、自国のレーダーに出てないので信じられないようです……」

「そうですよね、見ず知らずの国の人から『未確認飛翔体が来るから対空警戒をしてくれ』、と言われても信じれないですからね……」

 

 シエリア外交官は再度謝ったが、青山は気にしないようにいった。ただ、何もなく終わることを信じて……




海上保安庁を海流調査の名目で来てもらいました。ただの軍事派遣では、海上保安庁を派遣できないと思ったので。

次の投稿は現在未定となります。きちんと進めていますが、温存していた設定集を投稿するかも知れませんが、ご了承下さい。

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