二つの日本召喚   作:死滅殺鬼

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本来は日本国と書いたほうが良いのですが、前回『帝国の転移』と出しており、となると国家というより天皇陛下が君臨する国ということで、皇国にしました。(昔の日本は大日本帝国という認識があるので帝国、今の日本は帝国ではないものの天皇≒皇帝ですので皇国)
約一週間で投稿できました。

7/10 加筆・修正
2/5 誤字修正


皇国の転移

2025年8月15日 

 

 国会議事堂

 

 国会議事堂では会議が行われていた。参加者は各大臣であり、主に報告と今後の世界情勢に対する日本の立場などであった。

 

「2020年の東京オリンピック後に起きたデフレですが、去年の10月から徐々に回復、今年の3月にはデフレは脱却でき現在はインフレに向かっております。また税金に関してですが二重税金や軽減税率の見直し、そして税金の使い道を再確認しており、現在判明したものについてはしかるべき処置をおこなっております」

 

 そう言うのは財務大臣の皆内(みなうち)修太郎(しゅうたろう)である。見た目はチャラそうな人だが、お金の使い方を知っている。彼は財務省の仕事としてデフレ脱却担当とともに財政の建て直し、内閣府特命担当とは税金の使い道の考え方改革などを行い、参考にしたのはイギリスやスウェーデンなどのやり方だ。もちろん、税金をいきなり引き上げなどはせずおもに軽減税率の方向性だ。

 

「続いて食糧自給率についてです。第一次産業を一に考える方針で、今ある田畑を再利用することで徐々に回復。また日本産の米を国内だけで消費せず、アフリカなどの発展途上国に寄付することで世界の餓死者は減少しました。その他、海外からの輸入品に対する検疫を強化いたしました」

 

 そう言うのは農林水産大臣の山西(やまにし)冬助(とうすけ)だ。見た目はいかにも農業をしていてそうなぽっちゃり系の人であり、実際に実家が農家である。そのため知り合いに農業や林業、漁業の人たちがいたため、その苦しみをよく分かっている。彼は農林水産省の仕事として第一次産業の労働者に対する支援、諸外国への食糧援助を行い、食糧自給率を30%から45%にまで回復させた。特に思い切り行ったのはフードロス分の食糧輸入のカットである。

 

「次は学校教育の見直しと小中学生の体力低下ですが、まず学校教育については義務教育においても嫌なことがあれば不登校は構わず、スクールカウンセラー及び教育委員会がその間の小中学生を、親とともに面倒を見ます。親が仕事などで居ないときは許可をもらえば面倒を見れるようにしました。また小中学生における体力低下は各都道府県で確認をしたところ、公園などの遊び場が禁止になっていることが原因であり、老朽化したものは新品にすること、怪我などについては自己責任ではありますが、痛みを知ることで暴力に対する認識を深めることをスポーツ庁との連携で行っております」

 

 そう言うのは文部科学大臣の山谷(やまたに)康平(こうへい)である。見た目はいかにも勉強ができますといった眼鏡をかけており、実際いくつもの検定一級をもっている。彼は知り合いがうつ病になったあとに自殺したことをきっかけに政治への関心を持ち、今の政府はおかしいと思い政治家になった。その後、自殺者を無くすように教育の見直しを行い、運動不足の解消のために国立競技場を民間体育館にすることで運動を出来るようにし、また色んな人たちの交流の場所にもした。

 

「続いて労働環境の問題についてですが、知り合いにアポなし臨検を行ったところ、かなりの企業は労働時間を遥かに越えていたり、文書を改ざんなどを行っておりかなりの労働基準法を違反しておりました。然るべき処置を随時おこなっております」

 

 そう言うのは厚生労働大臣の鬼神(おにがみ)怪龍(かいたつ)である。見た目は完全にヤクザであるが、筋の通らないことが嫌いであり、以前勤めていた会社の社長を半殺しにしている。理由は低賃金な上に備品などを実費で払わせられたり、1日20時間働かせられたためである。そのためそういうのに不満を持ち裏社会に入ったものに連絡をとり、数々の企業の悪事を潰しており、一部の人から「悪事潰しの鬼龍」と崇拝されている。

 

「続いてですがキャッ!」

 

 突然、地面?が揺れ始めた。しかし、またかと感じた大臣たちは再び会議を再開した。

 

「取り乱してすいません。続いてですが外交関係を報告します。アメリカとの交渉は決裂、アメリカ海軍はハワイ近海に主力を集めています。中国との交渉は良好になり、アジアに対し覇を唱えないことを条約で締結。ロシアは北方領土を返還する書類を作っています。韓国は竹島を侵略してから数十年たちますが返す見込みは見えません。また中東においては第五次中東戦争が勃発しておりましたが、日米の交渉の決裂を機に日本を守るため中東義勇軍を派遣するとのことです」

 

 そう言うのは外務大臣の鳳凰院(ほうおういん)六月(むつき)である。見た目はいかにも良いところのお嬢様であり、実際そうである。また身長は低すぎてよく警察に職質される。家の事柄でよく外国の人たちと仲良くなり、その中には日本は好きだが母国は嫌いという人が多かった。そのため、日本と友好的な国々と交渉をとり、現地へ赴くなど海外から重要人物とされている。しかし、アメリカとの交渉が決裂してしまったことを、彼女は自分のせいだと落ち込んでいる。

 

「続いてだが、日本の防衛面を報告する。先ほど六月がいった通りアメリカ海軍の第三、第四艦隊がハワイに集結していることが分かった。それ以外の艦隊も続々とハワイに集結していることが確認された。中国に関してはアメリカの行動を宣戦布告行為と受け取り、日本を守るとのことだ。韓国に関しては竹島違法統治に関する軍事力を強化している。中東においては六月がいった通り戦争を休戦、日本に義勇軍を送るとのこと。アメリカの行いに対し自衛隊も見てみぬふりはできません。そのための中期防衛力整備計画(2025)を策定した。全ては国家と世界の安寧のため、自衛隊は粉骨砕身がんばる方針だ」

 

 そう言うのは防衛大臣の東栄(とうえい)戦帝(せんてい)である。名前はあれだがれっきとした女性で、背が政治家のなかでは異様に高い。曾祖父が日本軍に従軍していたこともあり、自衛隊に入隊後、実績を積み女性で初めて海上幕僚長になった経験がある。またその時の部下からはその圧倒的すぎる訓練から『美神の悪夢』と言われている。

 

「報告は以上だな。我が内閣は戦後初の戦争に向かう危惧がある。だが勘違いをするな?いいか、これは我が国を世界を安寧に戻すための自衛戦争だ。アメリカの蛮行をこれ以上見逃すことはできない。俺たちはいつまでもアメリカの言いなりではないと、示してやれ!」

 

 そう言うのは内閣総理大臣の遠江(とのえ)優音(ゆうね)である。名前と見た目のせいでよく女性と間違われるが、れっきとした男性である。彼は歴代総理大臣の中で最も若く、そして日本の未来を大きく変えた人物である。彼は野党からの非難がたくさんあるが、民衆からの評判はとても良い。

 会議は終了し、ちょっとした雑談が始まった。

 

「なあ、いくらなんでも地震長くないか?東日本大震災も5分で一回は止まってたぞ。もう、15分近くたってる」

「そもそも最近、大きい地震が立て続けに5回以上おきとる。これは異常そのもの」

 

 皆内と山西はそうため息をついた。

 

「自衛隊も現地派遣が足りておらず、中国・中東に支援部隊を頼んではいるが、アメリカと緊張が高まるなか、難しいらしい」

「そもそも外国人からしたら、地震は悪魔の仕業だと思ってる人が多いらしいです。日本では世界屈指の天災国ですからあまり違和感がないので、外国人から頭大丈夫と心配されたことがあります」

 

 東栄と鳳凰院も同じくため息をつけた。

 

「すまん、裏社会のやつらと連絡とってまだ悪事を働いてる企業がないか聞いてくる」

「本来は裏社会の人たちと仲良くなりたくないが、悪徳企業を潰すには仕方ないのですね」

 

 鬼神は席を立ちスマホを出しながら会議室の端に行き、山谷は皮肉な言葉を言うものの、その重要性を見ていた。

 突如その時大きな揺れを襲った。スマホを出すため手をポケットに入れていた鬼神は転倒し壁に激突。そして何故か総理の頭の上にタライが落っこちて遠江は悶絶しつつ机の下へ。他の大臣も速やかに机の下に入ったが、背が高い東栄は頭をぶつけて普段聞かない可愛らしい声を出した。

 数分後、揺れは収まり各大臣は机の下から出てきた。そして総理が一言、

 

「誰だ、俺の頭の上にタライが落ちる様に仕掛けた奴」

「それ確か以前の財務大臣がノリと勢いで仕掛けたらしい。俺も特に気にしてなかったから放置してた」

「何でノリと勢いで仕掛けてるんだ。バカじゃねぇの」

「それより地震についてです。弱い揺れだと思ったら強い揺れがきたもの」

 

 そう三人が話していると会議室のドアが勢いよく開けられた。

 

「大臣たち、大変です!各国との通信が不可能になりました。また、衛星もGPSも使えない状態になっています」

 

 息を切らしながら副総理大臣は報告した。

 

「内容は分かったが、お前ドアの裏見てみ」

 

 遠江はそう言った。副総理大臣は?を浮かべながら見ると、そこには頭を抱えている鬼神がいた。

 

「お前、ドアの後ろに人がいないか確認しろよ。壁に激突して腰やったと思ったら、今後はドアに頭やられて恨みでもあんのか、俺に」

「い、いえ…」

「ったく、今回は不問にしてやるから状況を教えろ」

「はっ、はい!」

 

 副総理大臣は先ほどの話と捕捉を加えて説明した。

 

「なんだ、それ?おい、遠江。どうすんだ?」

「とりあえず民衆に落ち着いてもらうのが先だろう。事態は急を要する。すぐに報道陣を呼んで来てくれ、副総理」

「わ、分かりました」

 

 遠江総理はマスコミを通し現況を報道した。まず、落ち着くこと、そして何かあったら互いに助け合うことを。

 

───────────────────────────

太平洋海上 海上自衛隊第1護衛隊群 護衛艦『いずも』

 

「艦長、イージスシステムにエラーが発生しました!?」

「何、どういうことだ?」

「わ、分かりません……」

 

 イージスシステムにエラーが発生し、復旧作業をしていると、今度は第一分隊(砲雷科)の艦内哨戒部署のレーダー員から通信が入った。

 

「今度は何だ!?」

『レーダーに異常発生!艦隊配置を確認できず』

「何だと…」

 

 艦長はすぐに復旧作業を急ぐように言った。すると護衛艦『こんごう』から通信が入った。受話器を取ると、

 

『こちら《こんごう》、イージスシステム及びレーダーに異常発生。現在、復旧作業を急いでいるが治らない』

「『こんごう』でもか!?」

『そう言うとは《いずも》でも同じことが起きているのだな』

「ああ…」

『第5護衛隊、全艦が現在イージスシステム及びレーダーが使えない。第1護衛隊はどうだ?』

「今、確認する。しばし待ってくれ」

『了解』

 

 艦長はすぐに各艦に連絡をとった。どの艦も「使えない」と返事がくる。艦長は再び『こんごう』に連絡した。

 

「こちら『いずも』、第1護衛隊も同じく全艦がイージスシステム、レーダーが使用不可能だ」

『了解、この後はどのように動く?」

「目視による見張りを行いつつ帰港する。なるべく離れず行動をしろ」

『了解』

 

 彼らはまだ知らない。これが新なる歴史への幕開けを……

 

───────────────────────────

 日本の消失は世界を絶望の淵へと追い込んだ。

 

 アメリカは再び軍事主義を唱え、アジアに侵攻。民衆の中には反政府軍が現れ、第二次南北戦争も勃発。

 中国は日本との条約を守りアメリカを阻止するため太平洋へと大艦隊を出撃させる。

 これを好機と見たロシアの南下は中国へ新なる脅威を生み出した。

 中東は日本がいた海を守るため、太平洋にいる中国に向け義勇軍を派遣する。

 日本がいなくなり独島も消滅した韓国は大統領が遊びに呆け、国民は国外へ逃亡。

 北朝鮮は韓国の腐敗に浸け入り国境線を越え、朝鮮戦争を再発させた。

 イギリスは日本と秘密裏に結んだ日英同盟の元、太平洋へ大艦隊を派遣した。

 

 世界は第三次世界大戦へと突入する。それを望んだ他でもない、人自身である。人間の欲望は再び甦る。

 

       世界が進む先は

        『平和』

         それとも

         『戦争』

          なのか…

      それは誰にも分からない……




人はとても愚かで醜い生き物です。今でもどこかで、戦争が起きている。異なる思想を互いに理解でき認めあえる世界が来れば良いものですね

日本の食糧自給率ですが、現段階で約38%でした。過剰に低くしてしまい申し訳ございません
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