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2025年8月20日(大日本帝国側1941年12月14日)
日本国元太平洋側 東京湾
元在日米軍横須賀海軍施設から4隻、海上自衛隊基地から4隻が先ほど出港した。出港した8隻の内2隻は数機の戦闘機を発艦させた。その戦闘機の先には数隻の艦艇がこちらに向かってきていた。その艦艇は大日本帝国からきた使節団を乗せたものであり、その艦艇たちの旗艦は『
彼女たちを迎えた艦艇たちは元アメリカ海軍所属の史上最大の空母ニミッツ級原子力航空母艦『ロナルド・レーガン』、その護衛艦としてタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦『シャイロー』、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦『マスティン』、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦『リンドン・B・ジョンソン』、アメリカの本国との縁を切り日本側に付いた者たちである。アメリカ軍の約8割が日本側についており軍艦に対する港が足りていないのが現状である。
もう一方の日本国海上自衛隊所属の新型艦であるいぶき型多機能揚陸護衛艦『くらま』、あきつしま型多機能護衛艦『おとわ』、あがの型ミサイル護衛艦『さかわ』、あかつき型汎用護衛艦『にじ』の計4隻が迎えにいった。中期防衛力整備計画(2019)で新たに作られ、就役もまだしていない、いわば秘蔵艦である。
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大日本帝国海軍 戦艦『長門』
戦艦長門の艦長および使節団派遣艦隊の司令官を兼任している
「あれが未来の軍艦なのですかね。山本元帥がおっしゃった通り、空母が主体に見えます。三笠に乗りこの長門に乗っている私にとっては何だが複雑な気持ちになります」
「そうか、矢野殿は三笠にも乗ったことがあるのか。私は戦艦は遠距離から確かに攻撃は出来るが命中率が低い。なら航空機で真上から爆撃すれば確実に強い。だから空母の方が強いと思っているのだ」
「今はそんなことより、会談のことに関してだろう。相手が同じ日本とは言え、未来である可能性が高いのだ。我々が蛮雄として罵られているかもしれないのだ。それでもせめて対等の立場をとれねば、陛下に顔見せが出来ん」
山本と東條は会談で何を話すかについて決めていた。自分たちが叩かれる覚悟で挑んでいた。
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翌日11:30 国会議事堂 会談開始
国会議事堂には日本国の遠江内閣と大日本帝国の東條内閣(使節団)が向かい合う形で座った。回りには与党や野党が座っている。通常ではありえない会談が始まった。
「まず先に聞きたいことがある。あなた方は大日本帝国の方々で間違いないか?」
遠江が一番疑問に思っていたのはそれである。本物かどうか分からない以上、会談はできないのだ。
「ああ、私たちは大日本帝国の使節団としてここに来た。我が国が求むのはあなた方と対等の関係である」
東條は遠江の質問にそう返した。それに遠江は
「対等の関係ですか。あなた方は私たちに何を望むのですか?」
と返す。遠江は日本悪玉論を信じておらず、だからこそ真意を確かめたかった。
「単純なことだ。不可侵条約や貿易、可能なら軍事同盟の三つが主なものだ。観光などは我が国の戦時体制が解いてからになる」
「戦時体制?あなた方は戦争中なのですか?」
「なんて言ったらよいのか、中国との戦争が泥沼化し、アメリカとの戦争がおきた翌日に転移したとみられる。この世界が安全と分からない限り、戦時体制は続くだろう」
その言葉に議事堂内は大騒ぎになった。すぐに遠江総理が場を静めさせたおかげで、酷くはならなかったが。
その後、様々なものに関するものが話し合われていた。
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一方その頃……
東條総理が一般公開を許可したため、今となっては見られない日本海軍の軍艦に観光客が押し寄せていた。もちろん軍事機密や国家機密になるところは公開はしてないが。
一般公開の最中、戦艦長門の会議室に今回の派遣艦隊の各艦の艦長たちは集まっていた。参謀なども含め多くの幹部たちもだ。今後の海戦術についてである。海軍内では大鑑巨砲主義と航空主兵主義の戦術で言い争っていた。
「もう決着はついた。今後の海軍の主力は航空機で決定だ」
「ふざけるな、まだ戦艦が沈んだとは分かってないだろう?」
会議室は激論が交わされいつ終わるかも分からなかった。その時、防音されているのにも関わらず大きな声が聞こえてきた。
『ふざけんじゃねぇぞ!!』
会議室の皆は全員アイコンタクトで会議を終了し、急いで外に出た。そこには、軍艦を見に来たであろう観光客と報道陣が睨みあっていた。
「おい、てめぇもういっぺん言ってみろ!なあ!」
「だから侵略国家の大日本帝国を全国放送することが私たちが行うことだと言っているだろう!」
「先人たちを侵略者よばわりしやがって、恥ずかしくないのか!」
「我が国の汚点を侵略者といって何が悪い!」
「真実も知らない癖に嘘ばっか報道しやがってこのマスゴミども!」
完全に一触即発状態であった。そして、ふっきれたかのように誰かが報道陣の一人を殴ると、たちまち殴り合いになった。報道陣が機材などを使って観光客を殴ったことにより、更に頭に血が上った軍事マニアの一人が模造品の刀を持ち出し斬りつけた。もちろん刃は無いため外傷がないが、力いっぱいやったため骨が折れたのは確実だろう。そこはたちまち乱闘騒ぎになり、老若男女問わず血だらけになっている。
「静まれい!!」
誰かがそういったことにより、一瞬で場は静かになった。そして声を発したであろう方を見ると大日本帝国海軍の矢野がいた。
「何が原因で乱闘になったかは聞かん。我々が悪いのであれは謝罪ももちろんする。だが、同じ日本人同士でなぜ争う?意味が分からない。仲良くしろとは言わん。だが、血を出すような行いはやめろ。以上だ、見学をするなら静かにしてくれ」
この矢野の発言により、全員肝が冷えたのは確実だろう。あちらは戦争の経験がある軍人だ、目に僅かながら殺気が入っていたのだ。
「……あの軍人さんに命じて今回はこれで許してやる。次、ふざけたことを報道しやがったら、お前らの事務所を攻撃するからな」
ことの発端になった人物は矢野にお辞儀をし静かに見学を再開した。彼と一緒に報道陣を殴った人たちも、矢野にお辞儀をし静かに見学を再開した。一方、報道陣はそそくさと帰っていき、海軍からは呆れとともに、命をかけて守った国民の子孫があそこまで愚かになっていることに心を痛めた。
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場所は戻り国会議事堂
2時間にもわたった会談は以下の内容で決定した。
①
②日本国による大日本帝国のインフラ整備
③日本国による大日本帝国の医療・コンピューターなどの精度向上
④大日本帝国による日本国の防衛力強化
⑤日日貿易
⑥以上のことをふまえ、国交樹立を継続する
⑦軍事同盟に関しては先送りとする。
主に7つのことが決まり、細かな内容は後々決まることにとなった。本来、出会うはずのない2ヶ国はどこへ進むのか。それはまだ分からない……
マスコミではなく一部のYouTuber(真実を報道する番組など)は、彼らの話を熱心に聞き大日本帝国の軍人から好印象を受けていました。また、軍人の一部は軍艦の居住区に戻ったあと泣いているものもいました。