生き物ってすてきだよね 作:アブラウリエル
1日目
今日、少し特殊なことが起きた。これも何かいい機会なのかもしれないと日記を書くことに決めた。
事の発端はなんの変哲もない冬の早朝である今日、寒さを感じつつも家の最寄りのコンビニにコーヒーを買いに行くためにドアを開けようとしたら少しドアに重みがあった。違和感を感じてゆっくり開けながらその正体を確かめようとドアの裏を覗いた。
黒い体に血っぽい液体が着いてる鳥がそこにぐったりと横たわっていた。
つい抱えて家の中に入れてしまったが良かったのだろうか?と思いつつ頭の中は少なくとも鳥が必死ながらも弱々しく抵抗したことにより白いジャージ血が染みてしまったことも一緒に考えていた。動物病院はこんな時間には空いてないだろうしそもそも最寄りがどこにあるのかすら知らないことに気づいた。とにかく出来ることをするしかないようだった。
なんとか止血をすることが出来たのは重畳だった。最初は暴れていた鳥だが、危害を加える気が無いことを理解したのか大人しくなって時折傷口に消毒用のアルコールが染みて痛いのかカァと鳴いていた。
止血が終わったあと、ぬるくしたシャワーで鳥の血を洗い流した。暖かいお湯が気持ちいいのか目を細めていた。煌びやかな黒がその鳥がカラスであることの証明のようだった。
体をしっかりと拭き、体が冷えないように暖房を付けてからカラスの食べるものについて調べた。雑食性であるが結構好き嫌いがあるらしいが、どうやらシュークリームを好んで食べるらしいので本来すぐ行くつもりだったコンビニでコーヒーを買うついでに2つ買ってきた。袋を開けてやると首を軽く左右に傾げたあとにつつき始めた。自分も食べようと思った矢先、カラスがクリームの着いた嘴を向けながらこちらに飛んできた。どうやら自分の分をすぐに食べてしまったようだった。欲張りな奴だなと思いつつ、半分に分けて片方を渡した。コーヒーが熱い事を理解しているのか、興味を微塵も示さなかった。少しコイツの事を賢いなと思った。
頭の上に乗るのをどうやら気に入ったみたいで、夜までずっと乗っていた。流石に夜は仕事のバー営業があるため降ろし、言い伝えにあるようにカラスが賢いことを期待して家にとどまってもらうように頼んだ。最初は飛び跳ね嫌がるような動作をしたが、シュークリームを買ってくると言うと途端に大人しくなった。かなり気に入っているようだ。店が終わった帰りにまたコンビニで買うとしよう。
松原始教授のカラスの教科書を家に置きたい