召喚した少女が世界最強 作:焼肉定食
「スケルトンタイプとトリケラトプスに似た魔物か。久しぶりに見るな。」
「そう言っている場合なの?あれってとても強いんじゃないの?」
と普通に和人がのんびり解析していると恵里が不安そうに呟く
「あぁ。今の俺らの実力じゃあ到底叶わないだろうな。普通に黒犬と同じくらいじゃねーか?」
「黒犬って。」
「ちょっと待って。鈴たちはその時間線にいなかったから分からないのだけど。」
「まぁ、今の俺たちだったら即死ではないけど。まぁ死ぬな。うん。」
「「ダメじゃん!!」」
「まぁあのベヒモスだけだろ。撤退戦だ。スケルトンもどきだったらお前らでも殺せる。」
さてとそれじゃあ撤退戦と行こうか
まぁ軽く書き換えるか。
薄い秒針をイメージしてそれを微かに動かす。
微かにながら体が太くなり血液が活性化。さらに筋肉の一本一本の繊維が体全体を強化する。
「それじゃあ行くか前衛は引き受けるから。」
「はいはい。」
そしてスケルトンソルジャーと呼ばれる魔物を和人はまるで豆腐を切っているかのように自分の腕についた虹色のオーロラが切り裂いた
「えっ?」
初めて見る人は大勢いる。しかしもはや隠すことはないだろう。
「さて。恵里、鈴。暴れるぞ。」
地を蹴る。魔物狩りの時間だ。
契約魔法これが俺の地球で生まれた時から固有魔法であり能力者である仕組みだった。
契約した魔物、人間の能力を使える能力であり、別の世界線からも呼び出すことができる優れものだ
その魔物に応じた魔力またはアウロラと呼ばれる生命の元を消費することによって使役できること。
スケルトンくらいでは相手にならない。簡単に和人は切り裂いていく
それはとても的確で、そして簡単そうに切り裂いていく
戦闘経験のないと思っていた王国兵士も和人の奮戦には驚いていた。
実はこれは和人の前の世界が関係している
和人は前の世界の能力は輪廻転生する能力者だ。
幾度もなく同じ世界で、争いと再生を繰り返していた。
そしてまた同じ人と出会い。そしてあいつとは多くの世界線で結婚する運命だった。
世界の崩壊するときは最後まで手を繋ぎそして崩壊した
二人で毒にうもれて死んだこともあったか?
あいつのためにそういえばガイアを離れることもあった。
時にはみどうっていう魔物使いに殺されかけたこともあった
和人の思い出の多くはその少女の思い出だ。
しかし崩壊の時は孰れやってきて。そして世界は壊滅する。
それでも何度も何度も出会いと別れ、崩壊を繰り返す。
幾度の時を繰り返したのか。それでも和人の隣にはあの少女がいた
しかしとある事情で和人とその少女は離れなければならなかった
そして世界軸を破って。数人を巻き込んでまで会いに来てくれるバカの姿もあった
『何度だって私は和人の側にいます。世界が変わっても、私が好きなのはどんな世界線でも和人だけなんですから。』
……そうだ。
あいつはやりのけたんだ。
世界線を離れなければならなかった和人とバカ執事を追いかけに世界を超えたのだ
「死ねるかよ。」
本当に馬鹿らしい。馬鹿らしいけど
「死ねないよな。」
あいつと一緒に死ねないのは絶対に嫌だ。
この世界の一週目。せめて長くもの時を生きたいんだ。
多くのスケルトン部隊が襲ってくる。しかしあの時の大行進ほどではない
「舐めんな。」
骨ごと周辺の3〜5体を奈落に突き落とす
「さすが和人くんだね。って恐らく一回書き換えた?」
「非常事態だからな。ブーストしていた方がいいだろ?」
「……鈴思うんだけど和人が前の世界で何をしていたのか気になるんだけど。」
と言いながらも結界と白色の狼の魔物を使って恵里と鈴も蹂躙を始める。
恵里は魔物使いの才能があったことが地球にいたことも判明していたので魔物の扱いには慣れている
するとユウキが驚いたようにこっちにくる。
「ちょっと和人それ何?」
「話は後だ。撤退戦できるよな?」
「当然。これくらいなら和人と一緒なら大丈夫かな。」
「だろうな。…やるぞ。」
「任せて!!」
大量の骨擬きを殺していく二人にさらに白狼が轢き殺して行く姿に徐々に生徒たちは落ち着いていく。
徐々に隊列を組み直し少しずつではあるが押し始める
……これでいい
そして光輝たちが来る頃はトラウムソルジャーは既に残りわずかになっていた
「これは。って上田それは?」
「俺の魔物の能力ですよ。血液を硬質化させて剣に見立てているんです。」
「血液だと?」
だから溶けると
赤色というよりも黒色の血液が周辺に舞い散る。
「こういう風にになります。」
悲鳴が聞こえる。大量出血に普通なら当たることだろうが和人になっては既に慣れていることであった。
「……ってそういやハジメは?」
「そうだ。南雲くんがたった一人であの怪物を抑えてるの!」
香織のその言葉に何を言っているんだという顔をするクラスメイト達。そう思うのも仕方ない。なにせ、ハジメは〝無能〟で通っているのだから。
だが、困惑するクラスメイト達が、数の減ったトラウムソルジャー越しに橋の方を見ると、そこには確かにハジメの姿があった。
「なんだよあれ、何してんだ?」
「あの魔物、上半身が埋まってる?」
次々と疑問の声を漏らす生徒達にメルド団長が指示を飛ばす。
「そうだ! 坊主がたった一人であの化け物を抑えているから撤退できたんだ! 前衛組! ソルジャーどもを寄せ付けるな! 後衛組は遠距離魔法準備! もうすぐ坊主の魔力が尽きる。アイツが離脱したら一斉攻撃で、あの化け物を足止めしろ!」
ビリビリと腹の底まで響くような声に気を引き締め直す生徒達。中には階段の方向を未練に満ちた表情で見ている者もいる。
無理もない。ついさっき死にかけたのだ。一秒でも早く安全を確保したいと思うのは当然だろう。しかし、団長の「早くしろ!」という怒声に未練を断ち切るように戦場へと戻った。
なんか嫌な感じだな。 その頃、ハジメはもう直ぐ自分の魔力が尽きるのを感じていた。既に回復薬はない。チラリと後ろを見るとどうやら全員撤退できたようである。隊列を組んで詠唱の準備に入っているのがわかる。
ベヒモスは相変わらずもがいているが、この分なら錬成を止めても数秒は時間を稼げるだろう。その間に少しでも距離を取らなければならない。
そして、数十度目の亀裂が走ると同時に最後の錬成でベヒモスを拘束する。同時に、一気に駆け出した。
ハジメが猛然と逃げ出した五秒後、地面が破裂するように粉砕されベヒモスが咆哮と共に起き上がる。その眼に、憤怒の色が宿っていると感じるのは勘違いではないだろう。鋭い眼光が己に無様を晒させた怨敵を探し……
ハジメを捉えた。
再度、怒りの咆哮を上げるベヒモス。ハジメを追いかけようと四肢に力を溜めた。
「あれ?檜山先輩って確か前衛だったよね?なんであそこにいるの?」
「「「えっ?」」」
ユウキの言葉で和人と香織、鈴は変な声を出す。
どういうことだと思っていると檜山が後衛の陣にいて詠唱をしている
それもとても悪意のある笑みで
「っハジメくん。避けて!!」
香織がすぐにハジメの元に掛けていく。するとハジメはぎょっとした顔だったがもう一つの火球に目を向ける。急激に止まるが着弾の衝撃波をモロに浴び、来た道を引き返すように吹き飛ぶ。直撃は避けたし、内臓などへのダメージもないが、三半規管をやられ平衡感覚が狂ってしまった。
「やば。俺は足止めに向かうからこっちは頼む。」
和人も体をもう一段階書き換えハジメの元に飛んでいく。
速さは既に1500は超えているのだろう。かなり早い速度でハジメたちに向かっていく
フラフラしながら少しでも前に進もうと立ち上がるが……
ベヒモスも、いつまでも一方的にやられっぱなしではなかった。ハジメが立ち上がった直後、背後で咆哮が鳴り響く。思わず振り返ると三度目の赤熱化をしたベヒモスの眼光がしっかりハジメを捉えていた。
「ハジメくん!!」
とその時香織がかばうようにハジメを抱きかかえる
「白崎さん。何で!?」
ハジメが驚いたようにしているがそれでも香織の頭にはハジメの元に行かないという選択肢はなかった
そして、赤熱化した頭部を盾のようにかざしながらハジメたちに向かって突進する!
二人がもうだめだと思ったその時
「はぁああ!!」
「やぁああ!!」
と虹色のブレードと黒曜石の剣でベヒモスをパリィする妖精の姿が見れて。
「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず――〝聖絶〟!!」
すると二人と鈴を守るように結界が張られる
「「鈴(谷口さん)!?」」
「二人とも結界に入って?ここじゃ巻き込まれるよ。あの二人に任せていたら大丈夫だから。」
と三人係で助けに来たらしい。誰もが友達や親友を守るために戦いであることを分かっていた
そして二人の剣とブレードがベヒモスに襲いかかる。剣を合わせるのは初めてのはずなのに二人の連携は完璧と呼べるものだった
「一旦叩きつけるぞ。ハジメ錬成一回できるか?」
「えっ。」
「ほんの少しでいい。少し時間を稼ぐだけだ。」
「う、うん。それくらいなら。」
そして赤熱化したベヒモスはパリィした和人たちめがけて振りかざしてくる
「回避。」
空中に飛び上がり全員が回避をしたと思っていた
いや回避は成功した。しかし悲鳴をあげたのは
橋の方だった
度重なる強大な攻撃にさらされ続けた石造りの橋は、遂に耐久限度を超えたのだ。
「グウァアアア!?」
悲鳴を上げながら崩壊し傾く石畳を爪で必死に引っ掻くベヒモス。しかし、引っ掛けた場所すら崩壊し、抵抗も虚しく奈落へと消えていった。ベヒモスの断末魔が木霊する。
ハジメもなんとか脱出しようと這いずるが、しがみつく場所も次々と崩壊していく。
(ああ、ダメだ……)
そう思いながら対岸のクラスメイト達の方へ視線を向けると、雫が飛び出そうとして光輝に羽交い締めにされているのが見えた。他のクラスメイトは青褪めたり、目や口元を手で覆ったりしている。メルド達騎士団の面々も悔しそうな表情でハジメを見ていた。
「まずいハジメ。鈴。」
「香織先輩。」
と必死に和人たちは手を伸ばす。二人は必死に手を繋ぎ飛び上げようとするのだが
まずい羽が二人の重量が耐えきれない。
「和人!!」
鈴の目が和人を見る。鈴はいいからと訴えかけるように
「…見捨てるわけないだろうが。」
ついボソッと出てしまう
「ユウキ。そのまま落下しよう。浮遊に専念して落下速度を下げたらまだやりようがある。」
「えっ?うん。確かに落下はできるだろうけど。」
「分かっている。それでも全員が生き残れる可能性はそれしかないんだ。」
恐らく奈落はこの階層よりも難易度が桁違いに上がる。それでも全員が生き残るために和人は落ちる選択をする
「うん。ボクもついていくよ。」
「何で。鈴を。」
「悪い先落ちてる。」
そしてゆっくりと落下し始め、暗闇の中にゆっくりと落下していったのであった。