アギト   作:Rasutea

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ども!
学校生活と部活と......いろいろあって更新遅れてしまいましたが、無事投稿することができました!
まだまだ未熟者なので、ダメな部分指摘とか感想をくれるとこちらとしても助かります!誤字脱字指摘とかもお願いします。
これから宜しくお願いします!
※タイトル変更し、次回予告を追加しました(2014/6/28)


爆弾事件
爆弾事件


ーラスティー

暑い。

とにかく暑い。

夏休み前の7月16日。気温39℃。

「......暑い」

もう暑いとしか言えない。

そんな炎天下の中、学校帰りに俺は目の前にいる藍髪少女にアイスを奢らされていた。

「暑いならラスティもアイス食べたら?」

と隣に座っている藍髪で藍色の瞳を持つ少女ーーエリア・エマニュエルがアイスを食べながら言ってきた。

「できたら食べたいぜ......そのアイス何円だと思ってんだ?」

「えーと......何円?」

「1900円」

「......え?」

アイスの値段を聞いた途端、エリアがポカンと口を開ける。

「なんだ......知らなかったのか?」

「知ってるわけないじゃない。私はここのアイス屋のアイスがすっごく美味しいけど値段が高い、としか聞いてないんだから」

「......そういうのは事前に調べとこうぜ......」

俺は呆れ気味に言う。

エリアはこういった噂には敏感かつ流されやすく、よく俺もその噂が本当かどうか付き合わされるのだが、今回はどうやら本当のようだーー味はわからないが値段は。

大きさも形も何も変わらないアイス1本が1900円とかどういう材料使ってるんだ。

俺がそんな素朴な疑問の答えを自分なりに解釈していたら、突然エリア側から目の前にアイスが差し出された。

「えと......よかったら食べる? 元はといえばこのアイスはラスティのお金で買ったわけだし......」

とエリアが何故か顔を赤くしながら言う。

「いやいいよ。エリアが食べたいって言ったから買ったわけだし。俺はコンビニのアイスとかで十分」

「そう......」

俺が断るとエリアは残念そうな様子でまたアイスを食べ始めた。

「......ところで」

このままじっとエリアが食べ終わるまで待っててもいいのだが、早く帰って弟の夕飯を作ってやらなければ弟が飢える。

そんなの親に作らせればいいじゃないか、と思うだろうけど如何せんそうはいかない。

俺の両親は今二人揃って大手企業で缶詰状態で働いているらしい。らしいと言うのも、ここ数年の間、全く連絡がないから向こうがどうなっているのか全くわからないのである。

そういうわけで、まだ小2の弟には無理であろう料理を俺が代わりに作っている。

「なに?」

と、エリアが数秒遅れて返してくる。

「今日の用事はこれだけか? 他ないんだったら俺帰るけど」

「あー、うん。他に用事は......あるといえばあるけど、買い物くらいだし......」

「そう、なら帰るか」

「えー」

「えーってなんだよ」

「なんでもない」

何故かムスッと膨れるエリア。

「じゃあな。また明日学校で」

「うん、ばいばい」

別れを告げると俺はエリアの元を後にした。

 

帰路について大分時間が経った。

俺の家のある住宅街まであと少し。

「あ......やべ、今日のメニュー考えてなかった」

夕飯を作らなければ、という思いでエリアと別れを告げて帰っているのはいいものの、何を作るかということをすっかり忘れていた。

「うーん......昨日はカレーだったよなー。じゃあ今日もカレー......いや待て。一昨日もカレーだったような......流石に3日連続カレーはなんか言われそうだなぁ......」

と考え込んでいたあまり、周りのことが見えてなかった。

ゴツンッ!!

「いってぇー!」

電柱に盛大に頭をぶつけた。

「いてててて.....なんでこんなところに電柱あるんだよ」

ぶつけたところを押さえながら愚痴を漏らす。

「......早く帰ろう」

気を取り直して家に帰ろうと一歩踏み出したーー瞬間。

背後からもの凄い爆発音が俺の耳を襲った。

「なんだ!?」

爆発音がした方向を振り向く。

そこにはーー

 

今まで見たことのないような信じられない光景が広がっていた。

「なんだ......あれ......」

一箇所ではなく、複数ーー多数(と言ったほうがいいかもしれない)箇所から火の手があがっていた。

そして違和感を覚えた火の手が一箇所。

俺から一直線上にある他の火の手よりは極めて近い位置にあがっている火の手。

「あそこって......確かさっきまで俺とエリアが......」

そこはーー先程まで俺とエリアが居た場所の近くだった。

「......ッ!?」

そこまで思考を巡らせた後、反射的に俺は走り出していた。

火の手のほうへ。

 

ーエリアー

「見つけた」

燃えさかる街の一角。

「アンタが犯人ね」

エリアは爆弾騒動の犯人とおぼしき人物と対峙していた。

長身に黒ローブに深く被ったフード、いかにも犯人と疑わしい姿である。

「......何故わかった」

澄んだ声色が返ってきた。恐らく男性だろうと判断する。

「確証があったわけじゃない。だけど、火の手の方へ恐れもせずに歩み寄って行くなんて普通の人ならしないよ。それに......右手に持ってる物、爆弾のスイッチみたいだし」

エリアは爆弾犯らしき人物の右手に握られているコントローラーを見る。

ボタンがついており、ボタンの中心に<爆>と書かれている。恐らく爆弾を爆発させるためのスイッチなのだろう。

「とりあえず、警察に突き出さな......」

「私の邪魔をする奴は殺す」

エリアは言い終えるか終えないというタイミングで、突然と虚空から白い剣が爆弾犯の目の前に出現する。男は右手に持っていた爆弾のコントローラーを捨て、それを握るといきなりエリアに斬りかかってきた。

「......ッ!!」

同じくしてエリアの目の前の虚空からも黒い短剣が出現する。エリアもそれを握ると、もう寸前まで迫ってきていた爆弾犯と剣をぶつけ合う。

「いきなり襲って来るなんて......やっぱりアンタが......」

剣と短剣が激しく何度も何度も互いをぶつけ合い、辺りに金属同志がぶつかる音が響き渡る。

一瞬でも隙を見せた方が負ける。

エリアは自分にそう言い聞かせると、態勢を立て直すためその場から飛び退き短剣を構える。

そして、突然起きた出来事にやや混乱気味の頭を落ち着かせるべく深呼吸をする。相手も同じ状況なのか、こちらと同じことをしている。

「......」

「......」

静寂が辺りを包む。

「......」

「......今だ」

その静寂を破ったのは爆弾犯の男だった。

剣を持っていない方の手を前へと出し、その虚空から再び白剣が手に乗るような感じで出現した。

爆弾犯は両手に持った剣を構え直す。稀に見る二刀流スタイルというやつだ。

二刀流は両手に剣を持つことで剣撃の素早さと攻撃力が上がるスタイルだが、その分防御が難しくなるし、なにしろ2本の剣を同時に扱うのが困難とされているため自滅行為だと言われている。そのため二刀流スタイルの人などそういない。ましてやエリア達のような<覚醒者(アギト)>が少ないこの時代では。

「アンタ、もしかして<覚醒者(アギト)>?」

「私をそんな奴等と一緒にするな」

「......なんですって?」

エリアは聞き返すが勿論返事は返ってくるはずもなくーー代わりに剣撃が返ってきた。

「うわっ!!」

慌てて短剣でそれを防ぐ。

「私は神だ」

つばぜり合いをしている中、爆弾犯が唐突にそんな仰天台詞を吐いた。

「は?」

思わず聞き返してしまう。

「私はこの世界を創り出した創造神だ!」

「......創造神?」

聞き返すが、やはり返事は返ってこない。

「隙だらけだな」

返ってきたのは呟きと、つばぜり合いを起こしている方ではない方の剣による剣撃だった。

「しまっ......!!」

1回目に来た剣撃は距離もあったし、相手の手数が少なかったのでなんとか凌ぐことができたが、今回はそうもいかない。エリアの持っている短剣は現在、爆弾犯の2本の剣のうちの1本を防ぐのに使っているため迫り来るもう1本を防ぐことは出来ない。そして何よりも、爆弾犯の仰天発言に困惑し、油断してしまっていた。そのため反応が遅れてしまった。つまりーー無傷では済まない。

エリアは、それ瞬時に判断すると、少しでも致命傷を回避するべく一か八かで飛び退いた。

その動作を行った直後、爆弾犯の剣がエリアの左腕を切り裂いた。

「あれを避けたか」

爆弾犯が感情の篭っていないような声色で呟く。

「うっ......」

エリアは、左腕に走る激痛に思わず声を漏らす。致命傷は回避できたが、この状態ではまともに戦うことも出来ない。

多量出血している左腕を短剣を捨てて右腕で押さえる。これで少しは出血の量を抑えられるはずだ。

しかし、そんなことをしても危険はまだはびこっている。そうーー目の前に。

「まだ終わってないぞ」

その目の前の<危険>は、再び剣を構え襲いかかってくる。

「やばっ......!!」

エリアは、爆弾犯の放った剣撃をギリギリのとこで回避すると、方向転換をして全速力で走り出した。

火の手が徐々に拡大しつつある街を全力で駆け抜ける。

痛み。

不安。

悔しさ。

恐怖。

心配。

様々な思いがエリアの中を走り回る。そんな様々な思いとともにエリアは走る。ビルの突き当たりを右に曲がり、大きな道路を突っ切り、やがて交差点に出た。辺りを見回し隠れることが出来そうな場所を探す。

「流石に、ここまでは追ってこないよね......」

と途中、囁く。

左腕の痛み。自分ではあの爆弾犯には勝てないのではないかという不安。爆弾犯を捕まえる事が出来なかった悔しさ。死に対する恐怖。そして何より、自分が死んで爆弾犯の存在が明かされなくなり、また爆弾事件が起こることに対する心配。

「私じゃ無理だ......」

ついにはそんな劣等感地味た事まで呟く。

「早く隠れよう......」

隠れるのに最適な場所を探すため再び動き出す。今はとりあえず生き延びる事だけを考える。

「見つけたぞ」

と不意に背後から聞こえた澄んだ声に寒気を感じた。もう聞きたくなかったあの声だ。ゆっくりと振り返り声の正体を確かめーーようとした刹那、下腹部を思いっきり殴られた。

「ッ!!??」

微量ながらも血液を吐き出し、その場にかがみ込む。

「脆いな......」

声の主はやはり爆弾犯だ。と薄れゆく意識の中確認する。爆弾犯と遭遇してからずっと思っていたことを、声を張り上げてどうにか口にする。この時のエリアはもう逃げるなんていう言葉は頭から吹き飛んでいた。

「なんで......爆弾、なんて......」

問うと、爆弾犯は真剣な顔つきにったーーような気がした。フード越しだからよくわからないがそんな気がした。

「世界をやり直すためだ」

「世界を、やり直す......?」

爆弾犯の発言に首を傾げる。爆弾犯は続ける。

「この世界は腐ってる。生き物を平然と殺したり、法を犯したり、人が人に罰を与えるなどと......だから世界を作り直すことにした。この街から」

爆弾犯の言っていることは嘘じゃない。一理ある。本気だっていうのも感じ取れる。けれどもエリアは爆弾犯のやることを許すことはできなかった。

「なんで......なんで......だからって......わざわざ街を壊してまですることじゃないじゃない......」

「世界を作り直すためには、人間や人間の産物は邪魔なのだ」

「そんなことをしてたら......アンタだって人を平然と殺してる類の輩に入るじゃない......」

「平然と人を殺してるわけじゃない」

爆弾犯はきっぱりと否定した。

「平然と人を殺すのならばもうとっくの昔にやっている。この行動は覚悟を決めて、そして新しい世界で償うために起こした行動だ」

「でも殺してることには変わりないじゃない!」

エリアは叫ぶ。この爆弾犯の起こしている行動は絶対に認めれない。認めたくない。人が死ぬことなんて如何なる理由であってもなってはならないものだ。

「そうか......」

爆弾犯が血相を変えたのがわかった。

「まだこの世界には人が死ぬことに異を唱える者がいるのだな」

「あたりまえでし......え?」

エリアは叫ぶが、途中で爆弾犯が剣を大きく上に振り上げた動作をしたことで疑問の声へと変わった。

「お前は興味深い。だが結局は滅ぶ人間。すまないがここで死んでもらう」

爆弾犯が剣を振り下ろす。

エリアは思わず目を瞑り、頭を守るように両手を頭の上に構える。

剣が何かとぶつかるような音がした。

しかしーーその後がなかった。

痛みも何もない。もしかして痛みも何もなく死んでしまったのだろうか。

エリアは恐る恐る目を開けてみる。

そこにはーー爆弾犯の剣を謎の人影の持った朱い剣が止めている光景があった。

「え......?」

エリアは目の前で起こっている事がわからず、思わず声を漏らす。

朱い剣の持ち主が爆弾犯を蹴飛ばし、エリアの前に陣取る。

エリアは朱い剣の持ち主を確認するべく、顔を見ようとしたが、目の前の人物から声がした。

「良かった。間に合った。大丈夫か?」

聞き覚えのあるーー決して忘れることのない声だった。

「ラスティ......」

エリアは声の主ーー朱い剣の持ち主の名前を呼んだ。

黒髪に黒い瞳の上から下まで黒い服装の少年ーーラスティ・クロスロード。

さっき別れたはずの少年だった。




ー次回予告ー
ラスティ「次回予告しろって言われてもなー......」
エリア「どうかしたの? ラスティ」
ラスティ「んー。次回予告しろってさ」
エリア「そうなんだ。じゃあやろっか!」
ラスティ「やるって、何を?」
エリア「次回予告」
ラスティ「( ・`ω・´)ナン…ダト!?」
エリア「あーラスティー。顔文字使うなんてせこーい」
ラスティ「( ´・д・)エッ」
エリア「(・ω・)」
ラスティ「いいから次回予告しようか」
エリア「はい(~_~;)」
ラスティ「次回! エリアの出番はほとんどなし! 俺と爆弾犯の一騎打ち!」
エリア「え!? 私出番ないの!?」
ラスティ「(´-ω-)ウム」
エリア「(>_<)」
ラスティ「次回<閉ざされた記憶>。 お楽しみに」
エリア「バイバーイ」
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