「ラミちゃん攻略会議はっじまるよー」
88888888888。綾波はなんだか分からないがパチパチと拍手している。
順調に使徒をぬっころしてきたシンジだったが、次の使徒ラミエルへの対策を話し合う為に綾波と公園のブランコに乗りながら秘密会議を開催していた。
ネルフの盗聴を警戒して周りへの見晴らしが良いこの公園を選んだのだ。勿論、盗聴機が気づかれずに仕込まれている可能性に思い至るシンジだが、そこまで考えるのはメンドクサイし対策のしようがないから割り切って諦めている。人生諦めが肝心と前回の経験から学んでいるのだ。
「……ラミちゃん? 美人なの?」
綾波の気になるところはそこなのか。
「ああ、シワ一つない綺麗な体と切なげな声が魅力的な人さ」
シンジは、間違いを訂正しない方向でいくらしい。だが、シンジの発言も一概に間違いとは言えない物だ。ラミエルは美人。業界では常識である。
「……そう」
綾波もシリアスな顔してるけど、公園で勢い良くブランコ漕いでるだけなので全くシリアス感はない。
それにしても、シンジは一体どうしたのか? 何時になく真面目である。
(ラミエル。こいつは僕が知る中でも純粋な戦闘では最強格の使徒だ。ヤシマ作戦をもう一度、確実に成功させる自信はない。もっといい作戦があれば良いけど僕1人で思い付くのは無理だ)
流石のシンジもラミエル様には態度を改めざるを得ないようだ。
「綾波ってさ。人間じゃないんだっけ?」
サードインパクトを経験し一度、LCLと成り同化したからと言って全てが分かる訳では無いので、シンジの知識は曖昧模糊としたものだ。
「…………どうして知っているの?」
いきなり核心を突くシンジに、綾波はそう切り返す。
「父さんの日記に書いてた」
勿論、嘘である。このシンジ、嘘をつくことに抵抗がない。
「……そう」
綾波は、少し瞳を揺らした。だが、綾波に悲観するものはない。もはや、綾波のバイブルとなりつつある○らぶるでも人間と人間以外の種族が楽しくヤってるので全然オッケーなのだ。
「碇くんは異種姦が好きなのね」
ぱやなみ!? あなたは卑猥なワードを言っちゃう系の子じゃなかったのに……。
「ワロたw勿論、綾波が(○ナホとして)大好きだよ」
「……何を言うのよ」
ホントにな!
(綾波育成計画は順調だ。この調子で淫語をどんどん仕込むぞ。そろそろ、次の性書を渡すべきか?)
今度は何を渡すつもりだ。シンジは一気に思考が明後日の方に行ってしまった。
その後もグダグダと猥談を続けて秘密会議はお開きになった。なお、帰り際に、綾波の学生カバンに退魔忍○サギと書かれた薄い本を忍ばせていた。中学生なのに何処でそんなもん入手したのか。
(何の対策も出てこなかったけど、まぁいいや)
エロい話しかしてないから、対策なんて出る訳がない。このシンジで、本当にダイジョーブなのか。
???『次の世界線の為に犠牲はツキモノでーす』
────使徒襲来! 使徒襲来!
ネルフ内で死んだ目をしていたシンジは、最強の要塞ラミエルが来たことをキンキンとうるさいアナウンスで知った。
シンジはエレベーターに乗りミサトの居る指令部に向かう。
途中、エレベーターが止まり綾波が乗り込んで来た。プラグスーツを着込んでやる気満々だ。まるで、海に行くのが楽しみで出発前の早い時間から水着を着ちゃってる小学生だ。
「あなたは死なないわ。私が守るもの」
「おー。しっかり肉へ……ではなくて、じゃあ、綾波のことは僕が守るよ」
「……そう」
(よし! ○ナホとしても肉壁としても順調だ!)
相変わらずである。
(綾波の好感度を稼ぐ為に思ってもいないことを真顔で言う苦行に耐えてきてよかったー)
それが出来ることが大人の男の条件だ。
一度目のラミエル戦を加粒子砲をブッパされて敗退したシンジ達は作戦会議をしていた。
「ヤシマ作戦よ!」
ミサトは案の定と言うか、やむを得ずと言うか結局はそこに行き着いてしまう。
(来たかぁ。でも、ちょっと気になることがあるんだよなぁ)
シンジは何か悪巧みをしているようだ。コソコソと綾波と相談する。
『ねぇ、綾波。使徒って進化するんだよね』
シンジが聞いているのは、使徒はサキたんやシャムちゃんの戦闘データを元に対策してくるのではないか、ということだ。
『……正確には分からないわ。だけど、そういう仮説を赤木博士が研究してるわ』
『ふーん。そっか。ところで綾波』
『何』
『ちょっとお願いが……』
『避妊はしてね』
『なん……だと……!』
(綾波は別種族だから、避妊要らずの最強に都合の良い存在だと思ったから今まで優しくしてやったのに! 納得いかない!)
むしろ、何故そこまで駄目な方につき抜けられるのか、納得いかない。
『……避妊しないとサードインパクトが起きる可能性があるわ。ごめんなさい……』
『バカな……! そんなこと……』
(無い、とは言い切れない……! 生でヤっちゃうとサードインパクトってどんなクソゲーだよ。ヌルイエロゲーだと思ったのに、なんてこった!)
ざまぁw
(く! まだだ。諦めるな! きっと何か抜け道があるはずだ! 考えろ考えるんだ僕。何かないか、何か何か……)
ラミエルのことは綺麗さっぱり忘れて鬼気迫る顔で沈思黙考するシンジを見て、ミサトやリツコは作戦の成功を確信する。
──何て真剣な顔! きっと集中力を高めているのね! 最高のパフォーマンスを魅せてくれるに違いないわ。
──これは期待しても良さそうね。
──ええ。イケるわ!
この調子だと、(地獄に)イケるわ。駄目だこの人達も大概だ。はやくなんとかしないと。
大人達もこんな調子なので、残念ながらシンジの思考は誰にも分からない。それに綾波も若干ニマニマしてるので一緒になって、エロいことでも考えているに違いない。もうダメだおしまいだ。
「シンジ君! 日本中の電力をあなたに預けるわ!」
「はーい」
シンジはやる気無さげだ。
(簡単に倒せればいいけどなぁ)
せやな。だけど相手はあのラミエルだ。一筋縄ではいかないだろう。
「レイ! もしもの時はあなたがシンジ君を守るのよ!」
「はい」
守る、と言えば聞こえはいいが要は時間稼ぎの盾になれということだ。
ヤシマ作戦とは、どのような作戦か。
簡単に言うと、ラミエルの攻撃範囲外から超強いライフルで攻撃しちゃおう! と言うものだ。想定通りならば、ラミエルからの攻撃は無いはず。しかし。
「な! 加粒子砲が来る!」
想定通りにはいかないものだ。
ミサトが焦り出す。指揮官が感情を表に出すのは良いのか悪いのか。
(ポジトロンライフル発射)
ラミエルの加粒子砲より一足早くシンジがポジトロンライフルの引き金を引く。超高密度のエネルギーが一筋の光矢となってラミエルに向かう。
着弾する寸前にラミエルは加粒子砲を解き放ちビームと相殺する。ラミエルもどや顔だ。
「シンちゃん! すぐに第2射を準備! レイはシンちゃんを守って!」
ラミエルが加粒子砲を準備する。そして、それはシンジのポジトロンライフルの充填時間よりもずっと早い。
加粒子砲発射。
「レイ! 耐えて!」
耐えてと口で言うことは簡単だが、絶大な威力を誇る加粒子方は、零号機の持つ盾を瞬く間に溶解していく。さらに余波だけで、零号機の対ラミエル用の装甲を少しずつ吹き飛ばしていく。一瞬、ラミエルの加粒子砲が逸れる。
おや……? ラミエルはどうしたのだろうか?
(装甲が吹き飛ぶのを見て加粒子砲を逸らした……! これはイケるぞ!)
即座に綾波に通信を入れるシンジ。
「綾波! ストリップショーだ!」
何を言っているんだ、バカシンジは? シンジは頭シンジになってしまった。
「……分かったわ」
綾波も何かを察したのか、素直に頷く。
(シャムシエルもそうだった。初号機と零号機の顔面騎乗に顔を赤らめていた! 使徒は学習進化するという仮説が正しいならば、ラミエルはシャムシエルの時以上にエロに目覚めているはずだ! 従って色仕掛けがよく効く! こういった可能性があると、前もって綾波に言い含めておいてよかったー)
一回サードインパクトを起こしてリセットした方がいいんじゃなかろうか。むしろ、世界の命運はゼーレに託されている。負けるなゼーレ。巨悪を討つんだ!
綾波は盾で加粒子砲を受けながら、器用に装甲を飛ばしていく。……綾波さん余裕っすね。
装甲が飛ぶ度にラミエルの加粒子砲が大きく逸れる。その時間は零号機はノーダメなので上手く時間が稼げる。
最後の装甲が無くなり零号機の裸体(?)が露になる。ラミエルもテンションMAXで上空に向けて加粒子砲をブッパしている。
綾波もノリノリで身体を隠す様にペタンと女の子座りをし、嫌々をするように首を振っている。勿論、やっているのは零号機だ。
みんな楽しそうである。良かった良かった。
(隙あり! ポジトロンライフル発射!)
零号機を食い入る様にガン見していたラミエルは、ポジトロンライフルから放たれたスーパー強くてカッコいいビーム的な何かに対応出来る訳もなく、あっけなく貫かれてしまった。
最強の使徒、散る!
シンジのコックピットに綾波が写し出される。綾波から通信が入ったのだ。何かシンジに聞きたいことがあるようだ。
「こう言う時どんな顔すればいいのか分からないの」
でしょうね!
綾波は分からないと言いつつ、笑いを堪えているように見えなくもない。綾波は無口無表情キャラを維持するために頑張っているのだ。
「笑うしかないと思うよ」
でしょうね!
シンジの返答を聞いた途端に破顔する綾波。に止まらず自身の両手でピースサインを作り顔の横に持ってきたではありませんか。
「あへ顔ダブルピース。ブイ」
綾波はいつもの声音のまま、でもどこか楽しそうにそう告げる。
(キタコレー!)
シンジも楽しそうだ。
こうして最強の使徒ラミエルを抹殺したシンジと綾波は、2人仲良く懲罰房行きを命じられた。勿論、別の独房である。