※誤字修正しました。
「ウッソだろお前・・・!ぷぷぷ!イカだ!久しぶりに見た!イカだよイカ!」
メタリカに入って1週間後、俺は部室で爆笑されていた。
事の発端は先週の金曜日、いきなり橘先生から譜面を渡され、
「一週間でそれ弾けるようにしてきな。お前の実力をテストさせてもらうから・・・。」
「マジっすか・・・。曲は・・・、メタルリカちゃんのテーマ?」
「来週この部の副会長が来てくれてサポートドラムで入ってくれるから、1回合わせてみようと思ってさ。」
「なるほど・・・、頑張ります。」
「やけに素直だな比企谷。文句のひとつでもあると思ったが・・・。」
「いや、俺に拒否権とかないから・・・。」
「確かにな。まぁ音源とか聴きたかったらそこの棚の中にCD入ってるから適当に持ってけ!同じ所に返してくれればいいから。」
「ういっす」
こうして1週間、メタルリカちゃんのテーマを仕上げた俺は機材の説明と準備するから早めに集合しろと呼び出されて今に至る。
「いやーマジで懐かしいな。イカ!」
「昔使ってる人がいたんすか?」
「ああ、私の後輩がな。ベースじゃなくてギターだけど。」
えぇ・・・。こんなダサいギター使ってたやつがいるのかよ。
そもそも俺だって楽器屋行って予算が足りず、澪ちゃんっぽいベースが買えなかったとき色々付けて安くするからと押し切られたのがこのイカベースなのだ。予算があれば絶対に買わない。
しかしいくらダサくても使うと愛着が湧くもので、新しいベースを買えずにいる。ほらイカで陣取りする時代だしきっとイカ楽器の時代が来るって、いや来ないわ。
「さて、笑った所で準備するか。とりあえずこの紙の通りにマイクスタンド立ててくれ。」
「了解っす。」
こうして機材の説明とセッティングを手伝わされ、少し休憩してていいと言われた俺は部室のはじの椅子に座り、紙パックのカフェオレをすすっている。橘先生は何やらパソコンをポチポチしていた。
すると勢いよく扉が開き、
「おーっす!タンポポ来たぞー!」
「あっハルさん!」
一見すると中学生か小学校高学年くらいの人が入ってくる。この人が例の副会長だろうか?
「雪乃と結衣はまだ来てないんだな!んでそっちが例の新入部員か?」
「そうそう、名前が比企谷八幡。比企谷、こっちがメタリカ副会長の空次ハルさん。」
「よろしく八幡!」
「ひゃっ・・・!ひゃいよろしくお願いします・・・。」
いきなり名前で呼ばれる経験が皆無すぎて思わず噛んでしまった。
ぼっちの悲しき性である。
「なぁハルさん!コイツのベース見てくれよ!」
「イカだ!小雨以外に使ってる人初めて見た!」
そう言って爆笑しだす2人。橘先生は笑いすぎじゃねーか?
「そういやアイツは元気?」
「ああ。たまに来て叩いてるよ。相変わらず音ゲー?の曲ばっかだけど。」
「うむ。練習してるなら関心関心。」
「こっちとしては入部してくれれば頭数のたしになるんだが・・・。」
「まぁ女子高生と関係築くの無理そうだもんね。」
そんな話をしていると雪ノ下と由比ヶ浜が部室に入ってきた。
「やっはろー!タンポポ先生!ハルさん!」
「お久しぶりですハルさん。」
「やっはろー!やっと来たなぁ結衣!雪乃!」
「よし!2人も来たとこだし始めるか!」
こうして由比ヶ浜は発声練習、雪ノ下はギターの準備に入る。空次さんはドラムを叩きながら微調整をしていた。俺も準備しますか。
って言っても軽く音量とか確認するだけだけど。
「んじゃ録音する前に軽く合わせよっか!頭から1番だけ。」
「はーい!」
「わかりました。」
「うっす。」
「んじゃいこうか!1234!」
こうしてイントロから「メタルリカちゃんのテーマ」を弾く。
なんか空次さんってめちゃくちゃ楽しそうにドラム叩くなぁ。
やべっ乗せられてテンポ走ってたな、気をつけねぇと。
こうして1番はすぐに終わった。
「いい感じじゃん!時間ないし早速やっちゃおうか!」
「了解。比企谷、途中走ってたぞ、気をつけとけ。」
橘先生にはバレバレだったようだ。本当気をつけねぇと今の目はガチだったわ。
それから俺達はマイクチェックを終え、いよいよ本番を迎える。
「準備いい?1234」
先程とは比べ物にならない音でイントロに入る。さっきのはメラゾーマではないと言わんばかりの演奏。
本当に楽しそうに叩くなぁ。それなのにスティック回したり遊びを入れる余裕があるとか・・・。化け物かよ。