やはり俺の青春バンドはまちがっている   作:小野こまっち

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REAL EXISTENCE #1

「Chocolate Frogsです!よろしくお願いします!」

 

打ち合わせ通り、由比ヶ浜の名乗り挨拶から1曲目のイントロに入る。

1曲目はイントロから激しいロックナンバー。

材木座の勢いで持っていくドラムに観客はヒートアップしていく。

3組目とあって既に場が温まっていたってこともあるだろうが、なんていうか予想以上の反応だ。

 

 

なんていうかライブって凄いんだな。今まで部内の合わせだったり合宿で少数の人の前って事はあったが、なんていうか自分達への反応が直接来る事はなかったから、ここまで凄いとは・・・。

 

 

そして1曲目が終わり、2曲目へ。今度は少しテンポを落とした曲へ繋がる。この曲は合宿で散々走ってると言われた曲だ。こういう勢いに任せられない曲は技術の差がハッキリ出る訳で・・・。勢いじゃ誤魔化せないぞとは橘先生の談だ。

その後、私なら絶対やらんとも言っていたこともよく覚えている。

 

 

「改めましてこんばんは!Chocolate Frogsです。私たちは明狼学院高等部の1年生で組んでいて・・・・・・・・・。」

 

 

練習から何度も聞いた由比ヶ浜のMC。聞いている限り、練習通り出来てそうでよかった。

しかし舞台って暑いのな。照明と薄手とはいえ、長袖を着ているせいか汗が凄い。

由比ヶ浜は既に腕まくりをしていたし、なんなら材木座は眼鏡がうっすら曇っている。

 

 

なんとなく観客の方を見ると、小町や平塚先生達を見つけることが出来た。

案外よく見えるのな。アーティストの言う観客の事が見えてるって言葉はあながち嘘じゃないんだなって思えるわ。

そして由比ヶ浜のMCも終わり、次が最後の曲になる。

 

 

最後は、俺達がコピーした曲の中では1番知名度が高い曲。何人かはイントロで気付いたのかかなり反応がいい。まぁガールズロックの定番だからな。由比ヶ浜のイメージとピッタリのこの曲は俺達の演奏の中で、最高の盛り上がりを見せた。

 

「ありがとうございましたー!」

 

由比ヶ浜が〆の挨拶をして演奏が終わる。拍手と時折由比ヶ浜への呼びかけは俺達の演奏の評価としては最高の物だと思う。

舞台を降りたあとでも興奮が治まらなかった。

 

 

 

 

「いやー最高だったね!とりあえず後の2バンドの演奏見に行こうよ!」

 

興奮した顔で由比ヶ浜が話し始める。

なんていうか自分の番が終わった安心感で全然動けねぇからもはやここから1歩も動きたくない。

 

「そうね。でも今は小休止だから片付けを先に・・・。」

 

「いい演奏だったんじゃない?雪乃ちゃん。」

 

「・・・・・・・・・姉さん。」

 

雪ノ下と由比ヶ浜の会話をぶった切ってめっちゃくちゃ美人が楽屋に入ってきた。えっ?姉さん・・・?

 

「何故ここにいるのかしら?ここは関係者以外立ち入り禁止よ。」

 

「そんな怖い顔しないでよ。それに関係者だよ?ほらバックステージパスもあるし。」

 

「・・・どういう事かしら?」

 

「今日のトリのバンドのボーカルが急に風邪ひいちゃってピンチヒッターってわけ。私が歌える曲だったしね。」

 

「そんな・・・。」

 

「あっ君たちが雪乃ちゃんのバンドの人達?はじめまして。雪乃の姉の陽乃です。」

 

「はじめまして!由比ヶ浜結衣です。」

 

「材木座義輝です。」

 

「ひっ比企谷八幡でしゅっ。」

 

なんていうか衝撃的に噛んだ。対美人経験値の無さがここで牙を向いて来るとは・・・。

 

「由比ヶ浜ちゃんに材木座君に比企谷くんか。雪乃ちゃんをよろしくね。」

 

そんな話をしていた所に袖から呼び出しがかかり、雪ノ下さんは行ってしまった。なんていうか・・・・・・。

 

「なんていうかすげぇ仮面だな。」

 

恐らく誰にも聞こえていないであろうその独り言を思わず漏らしてしまう。そんな事しか出来なかった。

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