やはり俺の青春バンドはまちがっている   作:小野こまっち

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夏祭り#4

「ありがとうございま〜す!」

 

由比ヶ浜の言葉の後にかなりの大きさの歓声と拍手が起こる。

とりあえず2曲目まで終わりMCに入る。

 

水分を摂りながら客席に目を向けると、最前に見知った顔を見つけた。

鶴見留美である。

普段の冷めた雰囲気と表情ではなく、食い入るようにステージを見ている。

あいつこういうの好きなやつだったのか?

 

「さてそろそろ次の曲にいきたいと思います!夏にピッタリな曲です!」

 

いつの間にかMCは終わっており、曲紹介で我に返る。

この曲は由比ヶ浜のアカペラから入る

自然と起こる手拍子に俺達自身も乗せられていく。

 

そして中盤、雪ノ下のギターソロへ。

実はこの曲で一番苦労したのがこの部分だ。

 

基本的に雪ノ下は前に出るタイプのギタリストではない。

そして、音とかリズムは完璧なんだが、なんて言うか華がない・・・、というよりソロじゃなくてもそのルックスは目を引く。

 

だからこそ、ソロになっても目立ち方の変化量が少ない、と言った方が適切かもしれない。

この2つが合わさり、雪ノ下のソロはかなり仕上がりが悪かった。

 

だが本番では仕上がりはさほど変わらないが、観客の盛り上がりに助けられていつも以上の物に感じた。

 

そして曲が終わり、少し間を置いて最後の曲のドラム部分を材木座が叩き始める。

拍手をしていた観客は少し戸惑っている。

 

そんな中、ドラムをBGMに由比ヶ浜が言葉を紡ぐ。

 

「え〜っと!ここまで聞いていただきありがとうございます!次で最後の曲になるので、今日の暑さに負けないくらい盛り上がって終わりましょう!ありがとうございました!」

 

観客の拍手と歓声が起こり、最後の曲が始まった。

 

 

 

 

「明狼学院高等部 Chocolate Frogsでした〜!ありがとうございましたぁ!」

 

由比ヶ浜の挨拶を終え、袖にはける。

最後はアンコールまで貰った。

当然時間もあるしないんだが、かなり手応えのあるライブになったことは間違いなかった。

そんな俺達を舞台袖で待ち構えていたのが、

 

「お前ら〜良くやった〜!!」

 

と言って俺達をまとめて抱きついてきた空次さんだった。まぁ材木座いるから全然腕の長さたりてないんだけどな。

 

「ふぇっ?!ハルさん!」

 

「なんなんすかコレ?!」

 

「初ライブの時はゴタゴタしてて出来なかったからな〜。いいから褒めさせろ!」

 

「いや流石に暑い・・・。そしてなんでいるんですか?」

 

「ステージの音響機材の一部をハルさんの店から出してるんだとさ。そんでそれがハルさん流の褒め方なんだよ。私もやられた。」

 

そう言って橘先生がやって来た。

 

「まぁ各々反省はあるだろうけどそれは次の部活で話し合うとして、とりあえずよくやったよ。」

 

「ホントですか?やった〜!」

 

「とりあえずもうやることはないし荷物置いたら祭りを楽しみな。」

 

「そうだ!みんな一緒に祭りを回らない?ボクも今は手が空いてるし!」

 

「いいですね!みんな大丈夫だよね?」

 

「私は構わないけれど。」

 

「私も大丈夫だ。」

 

「我は少し用事があるので・・・、申し訳ありません師匠。」

 

「なんだ〜?ノリ悪いぞ義輝ぅ〜。」

 

「俺も少し休憩したいんで・・・。」

 

「八幡まで〜!いいよいいよ、ノリ悪い男子はほっといて僕達だけで楽しもうじゃないか!行こうぜガールズ!」

 

そう言って空次さんはステージ袖を後にする。

 

「ヒッキー大丈夫?ステージ暑かったもんね。」

 

「んーまぁ少し休めば大丈夫だろ。ほら置いてかれてるぞ。」

 

「あっ待って〜。お大事にねヒッキー!」

 

小走りで空次さん達を追いかける由比ヶ浜

材木座はいつの間にかいなくなっていた。

そして少し静かになった舞台袖で1人、俺は余韻に浸っていた。

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