「おはよー。早いねお兄ちゃん。」
「なんか目が覚めちまってな。朝飯パンでいいか?」
「お願い〜。お兄ちゃんがプリ〇ュア以外で早起きするなんて・・・。人って成長するんだねぇ。」
「いや最近は普通に朝起きてるだろ。」
昼まで寝ようと思っていた夏休みも、部活やらなんやらで結局学校がある日とそんなに変わらない生活を送っている。
それに部活がない日でもベースの修理費を稼ぐ為に日雇いのバイトをしてるから、なんだかんだ外出してるから休み感が少ない。
あれ?休みってなんだっけ?
「あっ!これが思い付いた歌詞?どれどれ〜・・・。」
小町が机に置いてあるルーズリーフに手を伸ばす。
なんだかんだ忘れないうちにと描き始めた歌詞は、深夜テンションと朝の賢者テンションですぐに形になった。
しかしなんで自分の部屋よりリビングとかのが集中出来るんだろうな。
「まぁ一応細かいとこ修正するから完成って訳じゃないぞそれ。」
集中している小町の所にパンを運びつつ予防線をはる。
小町の事だ、由比ヶ浜の時と違って普通にダメだしとかしてきそうだし・・・、朝の無防備なメンタルにそれは辛すぎる。
「なんかお兄ちゃんが書いたとは思えないんだけど・・・。いやちょっと捻くれてるからお兄ちゃんが書いてるか。」
「いやどういう事だよ。」
「なんか捻デレのデレ強めみたいな・・・?とにかくあの魔導英雄対戦を書いてた人とは思えないくらいいい歌詞だよ!」
「なんで・・・、それを・・・、知ってるんだ・・・。」
正直黒歴史を暴露されるくらいならダメだしのが良かった・・・。
魔導英雄対戦(通称魔英戦)は俺が昔自分の妄想を形にしようとして書いた自作小説である。
書いてるうちに恥ずかしくなって封印したはずだったのだが、何故小町が魔英戦の存在を・・・?
「まぁ色々ね・・・。」
いや怖ぇわ。含みながら笑うのも怖さを倍増させてるわ。
比企谷家はとんでもない悪魔を生み出したのかもしれない。
「そういえば今日よろしくね。」
「ん?なんかあったか今日。」
「前言ったじゃん相談したいことがあるって!そういうとこポイント低いよ!」
「あぁ今日月曜か・・・、思い出したわ。」
いくら生活リズムが改善されても、長期休みに曜日感覚が無くなるのは変わらならしい。
昨日D〇SH見逃してたしそういうのが響いてきてるんだろうなぁ・・・。
「ちゃんとしてよね!小町今日夏期講習あるからそれが終わってからにしたいんだけど・・・。」
「午前中の部活の後は暇だから昼より後ならいいぞ。」
「じゃあ駅前の喫茶店で・・・、15時でどう?」
「了解。」
「じゃあよろしくねお兄ちゃん。」
そう言うとパンにかじりつく小町。
いつの間にか読んでいるのはルーズリーフから雑誌へと変わっていた。
*
「それではミーティングを始めるわ。まずはボランティアとライブお疲れ様。橘先生や平塚先生からはかなり褒めて頂いたわ。」
「ハルさんもずっと褒めてくれてたよね〜。」
当日は色々あって出来なかった反省会が今日の部活のメインだ。
初めてのオリジナル曲である「Shine days」もまだ個人練習の段階だし仕方ないと言えば仕方ない。
「けれどこれに慢心せずに技術面も向上していかなくてはいけないわ。」
「ふむ、それに関しては同意だな。慢心ダメ絶対。」
「正直雰囲気に助けられたとこが大きいからなぁ。」
「そうね・・・。私もソロは反省しなければいけないわ。」
各々がぽつぽつと反省点を上げていく。
一通り上がったところで議題はオリジナル曲の事へと変わった。
「それからオリジナル曲の方だけど・・・。」
「あぁそれなんだが、とりあえず歌詞が出来たから推敲を頼みたいんだが・・・。」
「あっ!あたしもヒッキーに言われた所直したから見てほしいなって!」
「けぷこんけぷこん!我もついに大作が出来上がったのでな。披露したいのだが・・・。」
「とりあえずそれぞれ見ましょうか。意見はその都度言っていく感じで・・・。」
こうして俺達はそれぞれの曲の推敲を始めた。