領民0の土地を押し付けられた俺、生産スキルを駆使して最強国家を作り上げる   作:未来人A

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第28話 難民

 フラメリウムを出ると十人のボロボロの服を身に着けた集団が、門の近くに座っていた。

 

 大人が八人、子供が二人だ。

 

 大人は全員、若い女性に見える。

 子供は一人が男の子でもう一人は女の子だ。

 どちらもマイナとそう変わらなそうな年齢である。

 

 全員悲しそうな表情をしており、何か深刻な事情を抱えているように思える。

 

 事情が気になったが、俺は知らない人に積極的に声を掛けられるタイプではない。どうしようか迷っていると、

 

「あの、どうかなされましたか?」

 

 アイナが声をかけた。

 

「……あなた達も私たちと同じ難民なのですか?」

 

 女性が逆に質問をしてきた。

 

「え? 難民……ではないですね。ちょっと前までは難民だったかもしれません」

「そうですか……」

「あの、皆さんは難民なのですか?」

「はい……数日前……最近噂になっていたブラックドラゴンが村に襲撃してきて、村の男たちはみな私たちを逃がすため囮になって殺されてしまい、女子供だけで逃げたのですが、道中で魔物に襲われたりして、結果私たちだけが生き残りました。

 もうお金もなく住む場所もなくて、この町に助けてもらえないか頼みに行ったのですが、無理でした」

 

 ブラックドラゴンが村を襲撃……

 この世界にはドラゴンがいるんだな。

 

 しかし、この人たち行く当てがなさそうだな。

 俺の拠点で受け入れてみるか?

 

 数日拠点を開けた間も木材集めは続けさせているので、家を作れるくらいの木材が溜まっていると思う。

 行く前に鉄の斧を作って持たせていたので、たぶんかなりの量の木材が取れていいるはずだ。

 

 食料は……

 数日空けているし、栄養草はだいぶ溜まっているだろう。

 今後はホムンクルスに頻繁に町に行かせて、生命力ポーションを売らせて物資をここに運ばせれば食料も十人くらいなら何とかなりそうである。

 畑もいい調子で育っているし、案外早く収穫可能になるかもしれない。

 そうなったら、もう食料の心配はあまりしなくてよくなりそうである。

 

 何とか十人くらいなら大丈夫そうだし、人を増やすという目標のためにもここは逃せないのではないか。

 

「あの、ゼンジさん。この人たちを拠点に呼んでみたらどうでしょうか?」

「俺もそう考えていた」

 

 あ、でも待て。

 一度拠点に戻るの結構時間かかるけど、食料は持っているのだろうかこの人たちは。

 現在所持している栄養ポーションだけでは足りないからな。

 まあでも、ない場合は一度町に戻って買えばいいか。ゴールドはまだ結構あるしな。

 

「あの、皆さんは食料を持っていますか?」

 

 俺は訊ねてみた。

 

「食料ですか? 五日分しかありません。これでは次の町に行くことも出来なくて……」

 

 五日分か。

 

 それなら問題ないか。

 ここから拠点までは四日で到着するからな。

 

「あの行く当てがなければ、俺が住んでいる場所に来ませんか? 実は人を集めて村を作ろうと思っているんですよ」

「え……?」

 

 最初は怪しいものを見る目で見られた。

 

 まあ、当然か、だって俺って悪人顔だしな。

 いや、顔のことを除いたっていきなりこんなこと言われて、信用するのは無理か。

 

 難民の人たちの表情を見て俺を怪しんでいると察したアイナが、

 

「ゼンジさんは良い人ですから、怪しい人じゃ絶対にありませんよ! 実は私も、盗賊に攫われたときゼンジさんに助けられたんです!」

 

 説得をした。

 

 同じ女のアイナが説得すると、徐々に女性たちの警戒がゆるんできたようだ。

 

「あの、本当に私たちに居場所を与えてくれるんですよね? 嘘じゃないですよね?」

「約束します」

「分かりました。私たちには行く当てなどありません。あなたを信じましょう」

 

 こうして難民たちを俺の拠点に連れていくことになった。

 

 

 

 

 拠点まで戻る途中、狼に遭遇する。

 

 四匹に襲われたのだが、ホムンクルスがあっさりと撃退。

 二匹の狼を仕留めた。

 

 ちょうどいいから、俺は中級ホムンクルスを作成することにした。

 

 30㎏の肉が必要だ。

 レシピノートを開き、中級ホムンクルスが書かれているページを探す。

 かなりページが増えているため少し時間がかかけて探し出した。

 

 作るの文字に指で触れる。

 

 目の前に中級ホムンクルスが作成された。

 低級ホムンクルスをそのまま大きくしたような外見だ。

 身長は130㎝前後だ。

 

 俺の生産スキルを見て、難民の人たちは驚いたり少し怖がっている人もいたので、説明をしておいた。

 

 一体中級ホムンクルスを作成したら、ちょうど狼が骨だらけになった。骨とかを抜いたら、ちょうど三十キロほどだったのだろう。

 もう一体の狼も、最初に材料にした狼とほぼ同じ大きさだったため、そいつを使っても中級ホムンクルスをもう一体作成した。

 

 中級ホムンクルスに何が出来るか尋ねると、低級とだいたい同じ答えが返ってきた。

 

 ただ使える魔法は違っており、ファイアーランスとウォーターキャノンの二種類が使えるようである。

 種類は減ったが、魔法の威力はたぶん上がっているのだろう。

 あと魔法の使える回数も上がっており、十回使えるようだ。

 

 寿命も尋ねてみた。

 八十日と低級ホムンクルスよりは長く生きるようだが、それでもすぐに死んでしまうようだ。

 

 戦いになるとかなり働いてくれそうだな。

 魔石は残り八個あるので、早めに作ってしまおう。

 

 それと、狼を見て拠点にいるチョウとタンのことを事前に話しておくべきだと思いたった。

 

 いきなり会わせたら驚くだろうからな。

 

 一応説明したのだが、全員半信半疑という感じだった。

 虎が人に懐くというのは、かなり珍しいことのようであるな。

 

 それからは特に敵と出くわすことはなく、拠点へと無事帰ることが出来た。

 

 

 

 

 

 


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