【凍結中】亡霊の軌跡   作:機甲の拳を突き上げる

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文字数が14000超えてもうた……

最初はキリのいい所までと思ってたら7000文字程度と少なかったから、もう少し書くかと思って書いたら……

これ7000文字ぐらいで分けた方がよかったのかな?

とりあえず遅れて申し訳ありませんでした。


17話 譲れぬ心

アルモリカ村からバスで帰る最中、疲れたのかエリィとティオが眠っており、同じ席に座っていたのもあり仲の良い姉妹に見えると男3人は笑っていた。

 

「しかし、スコット。その銃はそろそろ限界そうじゃないか?」

 

ランディの指摘したSIG550を見ると、今回の戦闘で魔獣の攻撃に晒してしまったのもあり、傷だらけでガタが来ていた。

 

「確かにガタがきてそうだな、俺やランディみたいに近接系じゃなくてスコットやエリィ達の遠距離系はそこまで頑丈じゃないからな……」

 

壊れかけの銃を見たロイドも同意見であり、精密部品の塊みたいな導力銃では衝撃にそこまで強くないと言うのだ。

 

「確かにな……これで白兵戦もしていたからな」

 

銃の調子を見ながら買い替えるかとミッチェルが思いながら、ストックで殴ったり叩きつけたりとしているのだから仕方ないという節もあった。

 

「でもスコットは割と前で殴り合ってたりしてるからな……」

 

ロイドも魔獣にストックで殴っているのが原因であるかもしれないと思っているが、ミッチェルのポジション上どうしても魔獣との接近戦も多くなるのだ。

 

「しかし、武器屋に行くのが憂鬱だ」

 

椅子の背もたれに身を預けながらミッチェルが溜息をつきながら言うと、それを不思議に思い何故かとロイドが問うと。

 

「また店主の説教を聞くはめになってしまうからな」

 

そう溜息をつきながら言う、ロイドもランディも一拍置いて意味を理解してから笑い出した。

 

「ハハッ!戦闘じゃ怖いもの知らずのお前もオヤジの説教はいやか!」

 

ランディが笑い泣きしながらいい、ロイドも笑いをこらえられずにいた。

 

「何を言う、長い説教など嫌に決まっているだろ。いくら武器を大事にしろと言うが、これには無理がある」

 

前回のM16の時に続いてだから、話が長くなるのを確信しているミッチェルからすれば面倒この上ないことである。

 

「ま、諦めていくしかねぇな。今度はどんな銃を買うんだ?」

 

武器屋行きが決定事項として、次の銃を聞くランディ。

 

「……次は全体が短めのカービンモデルだな。今回のは長すぎた」

 

屋外での使用なら十分なSIG550なのだが、室内戦闘や狭い空間での戦闘が多くある場所へ赴くことがある特務支援課ではその長さがデメリットであったのだ。

 

「それじゃ前に買ったのじゃダメなのか?」

 

ロイドが前に買ったMP5について尋ねると。

 

「あれは対人や小型魔獣ならば問題ないが、手配魔獣などでは威力に問題がある。これ(SIG550)と同じ威力であるのが最低条件だな」

 

小型で取り回しがよいMP5なのだが、その威力は拳銃程度と任務が対人や対魔獣と多岐にわたり、余り威力が低ければ魔獣の動きを止めることができないのだ。

 

「そうなのか……でもよくそんな多くの銃を扱えるよ、俺も警察学校で射撃訓練はしたけど、一つの銃の使い方を理解するのは苦労したけどな」

 

警察学校出のロイドは射撃経験から扱いや狙いかた、遠くの標的へ命中させる難しさを学んできた。エリィが使っている競技用カスタムは命中精度が売りだが、ミッチェルが使用するのはライフル・ショットガン・マシンガン系と様々であり、そこに拳銃も加わるのだ。

 

「……前の職業柄な」

 

余り多く語らずに言うミッチェルにロイドが軍出身であることを思い出し、同じ仲間だがミッチェルのこと全然知らないことを考えながらバスはクロスベルへと向かう。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

クロスベルへと到着したバスからロイド達が降り、市内へと入るとアルモリカ村へ行く前にはなかった熱気があった。

 

「そういや昼過ぎか……どうやらパレードはもう終わっちまったみてぇだな」

 

記念祭の一大イベントであるパレードを逃したことに項垂れるランディであり。

 

「……残念です。(みっしぃが乗った車があると聞いたのですが……)」

 

同じく楽しみにしていた様子のティオも項垂れるようにしょんぼりしていた。

 

「古戦場でも捜索が思った以上に大変だったからな……」

 

入り組んだ古戦場と遺跡での捜索、予想外の手強い魔獣での苦戦が重なり、時間が大幅にかかったことにロイドが言い。

 

「仮に帰ってこれても、パレードをじっくり見る時間もなかったわ……」

 

エリィもパレードを楽しみにしていたが、仕事でゆっくり見ることができなかったであろうと言うのだ。

 

「とにかく、支援課に戻るぞ。一息入れた後に支援要請の確認だ」

 

とりあえず戻って休憩するとミッチェルが言い、全員が帰路につく。その帰り道の武器屋の近くまでくると。

 

「先に帰っていてくれ、私は用事がある」

 

そういい武器屋へと足を向けるミッチェル。バスで話を聞いていたロイドとランディは頷き、エリィとティオも特に用事があることは無いのでロイド達と共に支援課へと戻っていった。

 

「お、あんたか……って!お前また!」

 

武器屋に入ってきた客を確認した店主のジロンドがミッチェルであるのを見ると、SIG550がボロボロであるのに気付き、声を上げる。

 

「なんでお前はそう武器の扱いが荒いんだ!」

 

予想通りに説教が始まるが

 

「まってくれ、確かに今回も壊してしまった。だが、これは私と仲間の身を守ってくれたのだ。その仕事は十分に果たしている」

 

銃とは人を殺す武器である、その認識は万国共通でありジロンドもミッチェルもその考えは同じである。だが、その中で銃とは仲間を守るためにあり、壁になって見守り見張るのだ。仲間の背中は自分が守るのだと……これは、ゴーストになる前……教育訓練(ブートキャンプ)の頃に学んだ信念であった。

 

「……お前の言うことも分かかるし、粗末に扱っていないことも分かる。だが、売ってる身からすると、あまり気分のいいもんじゃねぇんだよ」

 

よく店に訪れるミッチェルだからこそ、その銃の整備状況を目にする機会が多い。いつ見ても整備が行き届いているのが分かり、大事に扱っているのが理解できるジロンドだが、武器に思い入れが激しい彼から見ればボロボロになってくる武器を目にするのは気分が良いものではなかったのだ。

 

「すまん……以後は気を付ける。話は変わるが新しい銃がいる、全長が短くカービンモデルが理想なのだが……」

 

これから壊さないとは仕事上故に言えないミッチェルが言葉を濁し、新しい銃が欲しいと告げる。その特徴を聞き、ジロンドの眉がピクリと動き考え込む。

 

「……はぁ、タイミングがいいのか悪いのか。いや、使い手がいてこそ武器の真価があるのか」

 

そういい店の奥へと行き数分後、木箱ごとカウンターまで持ってくる。その箱にはZFCの文字が大きく書かれており、その木箱の蓋を開けると……祖国で見慣れた物が入っていた。

 

「俺が独自のルートから運よく手に入った物だ。ZFC製M727、通称『アブダビ』と呼ばれるカービンライフルだ。これならお前さんの希望通りの品だと思うぜ」

 

渡された銃を手に取るミッチェル。使い慣れたM4カービンの前身とも言える銃であり、これを使った訓練は長年経験し、銃自体もいまだ生産されるほどである。伸縮型のストックに肉厚のハンドガード、実に手に馴染む一品であった。

 

「まったく……ZFC製の新型だぞ。そいつを手に入れるのにどれほど苦労したものか……そうだ」

 

何かを思い出したかのような表情をしたジロンドがミッチェルからM727を受け取ると、店の奥へと入っていき作業をし始めた。その間にボロボロとなった服の変わりを見繕う、大体の商品を決めた頃にジロンドがカウンターに帰ってきて、ミッチェルはその銃の姿に驚いた。

 

「同じく取り寄せた品にあってな、同じZFC製だからとおもっていたが……見事に装着できたぜ」

 

M727のハンドガード下部にはグレネードランチャーが装備されていた。重く嵩張るカールグスタフの変わりを考えていたミッチェルには嬉しい誤算である。

 

「前のにも取り付けてあったから使い方は分かるな?後はいつも通りの品を用意したぞ」

 

消費したカートリッジとグレネード各種、新しい服を購入し、服はこの場で着替えていった。買い物も済み、帰ろうと思ったその時、店に誰かが入ってきた。

 

「すみません、いつものお願いしたいのですが……って、んん!?」

 

武器屋には似つかない白衣を着た科学者のような人物が入ってきて、ミッチェルの姿を見ると険しい顔になる。その人物には見覚えがあり、ティオがいた元の所属であるエプスタイン財団の上司であったロバートと言う名であったと前に聞いたのを思い出した。

 

「(たしか導力杖(オーバルスタッフ)だったか……)」

 

ロバートが持ってる杖を見て、直接ティオに渡さず武器屋を仲介しているのをロイド達全員で訪れた時に偶然鉢合わせたことを思い出す。なんでもティオに『構い過ぎるとウザがられる』と考えた結果、武器屋に渡しに行っていとかなんとか。そんなことを考えていると、ロバートがミッチェルを観察するかのように全身を見回しており。

 

「き、き、き……」

 

体がプルプルと震え、言葉を詰まらせるように言いだし、何事かとミッチェルが疑問に思うと。

 

「貴様かー!ティオちゃんに近寄る馬の骨はー!?」

 

突然の叫び声、その大声にミッチェルは顔を顰める。

 

「なんのことだ、私には身に覚えのないことだ」

 

状況を把握しきれないミッチェルが説明を問うが。

 

「君のせいでティオちゃんが!?ティオちゃんがぁぁ……」

 

怒っているかと思っていたら、次の瞬間には涙ぐみ、もはや手の付けようもなかった。

 

「最近、機嫌がよさそうだからと声をかけたのに……露骨に嫌そうな顔をしてくるし……もしやと思って……思って!」

 

涙を流したままロバートは顔を上げてミッチェルを睨む。睨まれている本人は無表情だが、内心では心底面倒であると思っていた。

 

「好きな人でもできたのかと聞いた時の!あの!顔!驚いて頬を赤くした時はのティオちゃんは可愛かったけど!」

 

指をワキワキさせながら天に向かって咆える。ミッチェルは助けを求めようとジロンドを横目でみるが、露骨に顔を背けられた。

 

「もしやと思って観察していたら!君と一緒に!買い物してた!時の!ティオちゃんの顔が!?」

 

そういえば前に食材を共に買いに行ったなと思考をそらした、こいつはストーカーかと考えながら。

 

「貴様が!貴様が!ティオちゃんのす……げふぉぉぉ!?」

 

すると突然ロバートが吹っ飛んだ。何事かと思うと、視界の端に見慣れた杖が見え、横を見る。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

 

と顔を赤くした肩で息をしているティオの姿があった。

 

「ティ、ティ、ティ、ティオちゃん!?」

 

体をムクリと上げ、殴られたであろう頬を手で押さえながら、殴った張本人であるティオを見ると。その顔は完全に憤怒している表情であり、ロバートは冷や汗をダラダラと掻き始める。

 

「……ッ!大っ嫌いです」

 

絶対零度の眼差しと共にそう言い放つ。その言葉はロバートへの死刑宣告に等しく。

 

「……」

 

完全に真っ白へと燃え尽きてしまっており、これには流石のミッチェルも同情するレベルであった。

 

「行きましょう、スコットさん」

 

ティオがミッチェルの手を握り、店の外へと出て行った。

 

「いいのか、ティオ。流石にあれは……」

 

店の外ではロイド達の姿もあり、ロバートの声とティオの声が聞こえていたらしく大体を察していた。

 

「かまいません」

 

言い切るティオの姿に、ミッチェルはほとぼりが冷めるまで待つしかないなと思い。

 

「彼は……まぁ、いろいろと暴走していたが、君のことを思ってのことだ。それは分かってあげてほしい」

 

ようするにロバートは、『親バカ』なのだと感じており、そんな人がティオの傍にいてくれていることはミッチェルからしても喜ばしいことである。

 

「……はい」

 

少し冷静になったティオが返事をする。それに頷き、ミッチェルがロイド達の方を見る。

 

「それで、何があった?」

 

支援課で休息を取らずにここにいる理由をロイドに問う

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

目的地へと向かう間にミッチェルが受けた説明は、フランから緊急の支援要請がはいりロイド達のご指名付きとのことだった。依頼人は前に送迎してもらったハロルドということであり、その内容が市内パレードの最中に迷子になった子供の捜索であった。

 

「この時期に迷子は不味いな……通常以上の交通量で、まだ小さな子供が歩き回っているのは危険だ」

 

記念祭での人混みで捜索が困難であり、通常以上の交通量で事故の可能性も高くなってる現状で、小さな子供が撥ねられたら大惨事であると容易に考えられた。

 

「今日の人出だと、はぐれたら大変そうですね……」

 

パレードが終わって尚も人の量が減らないのにティオがげんなりとし表情をする。

 

「とりあえず指定場所まで急ごう、ハロルドさん達が待っているし」

 

ロイドが待ってもらっている警察本部前の噴水へと向かう。行政区へとくると、中央の噴水の近くにあるベンチにハロルドと妻であるソフィアが重い表情でいた。

 

「皆さん……!」

 

ロイド達の姿を見たハロルドが顔を上げる。

 

「お久ぶりです。その、パレードを見物していたら、お子さんとはぐれてしまったとか?」

 

挨拶をしたロイドが状況を確認するように質問をする。

 

「そ、そうなんです……!私がしっかりしていなかったから、あの子が……コリンが……!」

 

ソフィアの方は精神的に参ってしまっている様子であり、詳しい話を聞けそうになく。

 

「どのくらい前に逸れたのですか?」

 

まだ冷静であるハロルドにミッチェルが尋ねると。

 

「はい、息子とはぐれたのは3時間ほど前……この広場でパレードが通過するのを、ちょうど見物している最中でした。すぐに妻が気付いて、2人でこの辺りを一通り捜したんですが、見つからなくて……思い余って……警察に頼らせていただきました」

 

ハロルド曰く、目を離した隙にどこかへ行ってしまい、この行政区を一通り捜してみたもののいないという。

 

「どうやら私たちで手分けして捜した方がよさそうね?」

 

クロスベル市内全域を捜すとなると、手分けして捜した方がいいとエリィが言う。それにロイド達も頷く。

 

「その前に、ロイド。本部の方に子供がきていないかの確認と巡回している警官にも情報を回すよう手配だ、情報が入り次第こちらに回すようにもだ」

 

この人混みでの少人数による捜索は限界があり、人海戦術にてあたるべきだとミッチェルが言うと。

 

「そう言うと思って、もう申請しているよ。今のところは警察本部の方には迷子の子は来ていないみたいだけど」

 

その言葉にミッチェルが少し驚いた顔をした。先を見据えた行動をしていたロイドの成長を垣間見て、ミッチェルは口元に笑みを浮かべる。

 

巡回の警察からの情報をフランが統括して報告するように言う。フランにはキツイ仕事を押し付けることになり、こんど何か奢ってやろうかとミッチェルが思いながらハロルドの方を向く。

 

「お子さんの捜索は我々にお任せを、貴方がたは自宅にて待機していてください」

 

それにハロルドは頷こうとしたが。

 

「わ、私もお手伝いさせてください!でないとあの子が……コリンが……」

 

それに納得ができないソフィアが捜索の手伝いさせてくれと言うが。

 

「奥さん、もしかしたら息子さんが自宅に帰ってくる可能性もあります。その時に貴女方がいなければ、また息子さんが外に出ていくかもしれませし、寂しく泣いてしまうかもしれません。そうならない様に自宅で迎えてあげる準備をしといてください」

 

あくまで部外者としてでなく、捜索の一環として自宅でコリンが帰って来た時の為に待機してくれとミッチェルが説明する。その説明にソフィアが、まだ完全に納得した様子ではなかったが。

 

「……落ち着きなさい。皆さん、私達はいったん住宅街にある自宅に戻り、コリンの帰りを待ちます。その近辺の捜索は私の方で一通り行いますので」

 

住宅街の近辺を捜索し自宅で待機するというハロルド。住宅街に住んでおり、地理も詳しいのなら任せれば捜索する場所も減ると考えたロイド達が頷く。

 

「分かりました。それと、何か手掛かりになるものをお持ちじゃないでしょうか?写真などが一番なのですが……」

 

ロイドがコリンの手掛かりとなるものがないかと尋ねると。

 

「ああ、ちょうど記念祭で撮った写真を現像してもらってたんです!」

 

運が良いことにハロルドがコリンの写真を持っていると言い、それを取り出した。

 

「可愛い……」

 

エリィがコリンの容姿に感想を漏らす。母親譲りの赤髪に青い瞳、活発さが感じられる写真であったそれを五枚受け取った。

 

「ロイド、一枚を本部の方へ持っていき、残りで手分けして捜すとしよう」

 

写真が本部にあれば、より詳細な情報が手に入る可能性があり、写真を見て顔の特徴をつかんだミッチェルは直ぐにでも捜索できる状態であった。

 

「では、後はお任せを」

 

ミッチェルがそう言うと、ハロルドは心配そうな表情をしていたが頷き。

 

「……コリンをお願いします。ほら、いったん家に戻ってコリンが帰ってくるのを待とう」

 

妻のソフィナに家に帰ろうと言う。

 

「でも……でも……!あの時みたいな事があったら……!」

 

しかし、悲痛な表情を浮かべて叫ぶかのように言う。

 

「大丈夫だ!もう絶対にあんなことは……!」

 

それにハロルドも顔を強張らせて言うが、それは自分に言い聞かせるようでもあった。それに複雑な事情があるとロイド達は思っていた、だが。

 

「(……あの容姿……ハロルドの髪色……だが、しかし……)」

 

ミッチェルは違った、写真で見たコリンの容姿には見覚えがあり、ハロルドと同じ紫の髪の色と長さがあの時(・・・)のに記憶を当てはめると実に似ているのだ……レンと。だが、前に聞いた時は息子一人と聞いていたが、今回の複雑な事情がある様子に何かあると踏んでいた。

 

「奥さん、我々にお任せを。必ず無事に捜しだします」

 

とりあえずは、捜索が先だと考え、ソフィアにそう言いハロルドも同意するように落ち着かせた後、自宅へと戻っていった。

 

「よし、直ぐに捜索するが……ティオ」

 

ミッチェルがティオの方を向くと、何を言いたいのか理解したように頷き、導力杖を掲げる。

 

「思念波増幅……ツァイト、来て」

 

足元に魔法陣が浮かび、蒼い光が漏れ出しツァイトの名を呼ぶ。すると、ツァイトが直ぐに現れた。

 

「来たか、すまんが仕事だ」

 

警察犬という立場だが、他の狼や犬とは一線を画すツァイトならコリンの手掛かりが掴めると踏んでいた。

 

「グルルルルル……ウォン!」

 

何かを言うが、当然理解することができるはずもなくティオの方を見る。

 

「……自分が来たからには大船に乗った気分でいるといい。その幼子の匂いは完璧に嗅ぎ当ててみせよう……だそうです」

 

どこでその情報を聞いたのか不思議で仕方ないとロイド達は苦笑いするが、頼もしい限りであると思った。

 

「ツァイトはティオと同行してくれ、私は歓楽街から裏通り、中央広場を攻める、ロイドは駅前通りから西通り一帯。ランディは東通りから旧市街一帯を捜索。エリィは港湾区と行政区だ」

 

素早くミッチェルが指示をだす。とにかく早急に見つけるべきであると考えていた。

 

「ティオはこのぬいぐるみでコリンの後を追ってくれ」

 

ハロルドから渡されたぬいぐるみはコリンがいつも持っている物であり、その匂いからツァイトに追っていくように指示する。

 

「連絡は逐一報告しあうぞ、どんな些細なことでもいい。もし、市外へと出て行ってしまえば事態は急を要する。直ぐに見つけ出すぞ」

 

その言葉にロイド達も頷き。一斉に捜索へと向かった。

 

「まずは歓楽街からだが……手当たり次第しかないな」

 

歓楽街へと来たミッチェルは写真のコリンを一目見て、人に聞いて回るしかないと思い行動に移す。

 

「……流石にここにはいないか」

 

最初に行ったホテル・ミレニアムが空振りに終わり、アルカンシェルへと来たが、午後のステージが終わっており人の姿が見えず、ここに迷い込んだりはしないかと思っていると。

 

「あれ?スコットさん?」

 

聞きなれた声が聞こえ、その方を向く。そこにはイリアとリーシャがいた。

 

「あら、どうしたの?あんたが一人でくるなんて珍しいわね?」

 

イリアが不思議そうにミッチェルを見る

 

「仕事だ、この少年を捜している」

 

懐からコリンの写真を取り出して見せ、迷子の子供捜しの説明をすると。

 

「うーん、確かにここって子供も楽しめる場所でもあるし……公演中に紛れ込んじゃった可能性もあるわね……よし、ちょっと待ってなさい」

 

すると、イリアがミッチェルから写真を奪い取り、残っている劇団のメンバーに聞いてくると言い、奥へと行ってしまった。

 

「相変わらずアグレッシブだな、彼女は」

 

思いたったら即行動なイリアに苦笑いするミッチェル。

 

「ふふ、イリアさんって思いついたら一直線ですから」

 

どこか嬉しそうに言うリーシャに、そこがイリアの良さなのかと認識するミッチェルであった。

 

「私も見回ってきますから、スコットさんはここで待っていてください」

 

そう言い、リーシャも劇場の奥へと捜しに行った。だが、調べた結果そのような少年を見た人物はおらず、写真を返してもらった。

 

「一応、劇団長と支配人にも男の子の事は伝えておきます」

 

迷子の少年を捜していることをリーシャが伝えておくと言ってくれ、これで劇場にコリンが来たら警察本部へと連絡がいくようになった。

 

「すまないが、よろしく頼む」

 

アルカンシェルから出て、カジノや客引きまで写真を見せて聞き込んだが、何も収穫はなかった。

 

「歓楽街は手掛かりなしか、なら次は……」

 

細い路地の方に視線を向ける。そこは裏通りであり、ルバーチェの本拠地がある所でもあった。そんなことを気にすることもなく、裏通りへと足を進め聞き込みをする。するとエニグマに通信が入った。

 

≪ランディだ、東通りは一通り見回ったが、手掛かりなしだ。ギルドの方にも連絡は来ていないみたいだ≫

 

ランディからの報告であり、東通りはハズレに終わったみたいであった。

 

≪了解した、引き続き捜索してくれ≫

 

≪アイアイ・サー≫

 

通信の切れる音が聞こえ、エニグマを仕舞うと捜索を再開する。

 

「すまない、この少年を見かけなかったか?」

 

ジャズバー・ガランテへと入り、店主のエリックに写真を見せる。

 

「おや、ミッチェルさん……いえ、見ていないですね」

 

それなりに足を運んでいる店でもあり、店主のエリックとも顔見知りであった。だが、ジャズバーなどは基本的に子供はNGであり、店には入ってこれないのだ。

 

「そうか……またよらせてもらう」

 

そういい、店を出た。裏通りは店の数も少なく子供の来るような店も皆無であり、広くもないので手掛かりを得ることができなかった。

 

「次は中央広場か……」

 

中央広場なら何か手掛かりがあるかもしれないと考えながら向かおうとした、だが。

 

「こんにちは、スコット」

 

その声に振り向く。そこにはレンの姿があり、何も気配もしなかったはずだと考えながらも。

 

「やぁ、レン。アンティークショップに人形でも見に来たのか?」

 

とりあえずは、話をすることにした。

 

「ええ、それとパレードも見に来たわ。スコットも見物したのかしら?」

 

それに首を横に振り答えながら、仕事中でなければ工房まで送ったのだがと考えていると。

 

「そういえば、スコットは一人で何してるの?」

 

仕事で子供の捜索中であることを説明していると。

 

「この子なんだが、レンは見かけなかったか?」

 

コリンの写真を取り出し、レンに見せる。

 

「……え……」

 

ただ一言いい、一瞬であったが明らかに困惑した表情をミッチェルは見逃さなかった。

 

「(やはり……)」

 

その表情でミッチェツは確信的な何かを感じた。間違いなく自分の想定していることであると……。

 

「どうかしたか、レン?見覚えがあったか?」

 

だが、ここでレンに問い詰めるのはまだ早いと判断し、何事もなかったように問うと。

 

「……ううん。レン、こんな子、見覚えないわ」

 

何事もなかったかのように言うが、その表情は何も映していないと感じられるほどのものであった。それに、この問いをしたことにミッチェルは罪悪感を感じながらも、それを心の隅へと追いやる。

 

「そうか……」

 

レンにどのような過去があるのかは想像できないが、それは今度に捜索に戻ろうとした。

 

「でも……可愛い男の子ね。スコットはこの子を捜しているのかしら?」

 

しかし、レンが何か思いついたかの様に尋ね、その表情は先程のではなく、写真を見せる前に戻っていた

 

「そうだ、今は仲間と手分けして捜索している」

 

それを聞くと、レンは笑みを浮かべ

 

「ふふっ……だったらレンもこの子を捜すの手伝ってあげるわ」

 

そう提案してきて、ミッチェルは口に手をあて考える

 

「レンはかくれんぼが得意なのよ?この子がどこにいるか多分、突き止められると思うわ」

 

子供の事は子供自身が一番しっている……そう考え、今この場で別れてはいけないと本能が訴えかけてくるものがあり。

 

「……分かった、済まないが協力してくれ」

 

共に捜すという結論に至った。

 

「うふふ、いいわ。よろしく頼むわねスコット」

 

ミッチェルは逸れるといけないと思い手を差し出すと、レンは迷うことなくその手を握った。中央広場にくるとエニグマに通信がはいる、それを手に取ると、レンが近づいて聞き耳を立てていた。

 

≪エリィです。行政区の捜索を終えたけど、コリン君を見た人はいなかったけど、似た子を見た人がいて……親御さんがいない状態でパレードの最後尾のあたりを追いかけていたみたいね≫

 

≪なるほど……了解した。引き続き港湾区の捜索にあたってくれ。それと本部にパレードのルートの確認も頼む≫

 

エリィの返事が聞こえ、エニグマの通信を切った。捜索を再開する前にレンの方を一度見る。それに気づいたレンがミッチェルの顔を見て笑顔を浮かべる。それにミッチェルは握っている力を少し強くした……次は離さぬようにと。

 

「とりあえず一通り聞いたが……」

 

結論からすると中央広場もハズレであった。担当区域の捜索を終えたが、すべてハズレとなり、どうするかと考えていると、エニグマに通信がはいる。

 

≪ロイドだけど、コリン君を見た人がいた!≫

 

ロイドの話だと、東通りから北の方へと駆けて行ったと言うのだ。

 

「東通りからだと……湾港区の方になるわ」

 

聞き耳を立てていたレンがそう言うと、エリィの方へと通信を繋ごうとする、するとエリィの方から連絡が入ってきた。

 

≪エリィです。気になることがあったので報告するわね、今ちょうどティオちゃんといるのだけど……≫

 

エニグマ越しに誰かと変わる声が聞こえ。

 

≪どうも、スコットさん≫

 

それはティオの声であり、合流した様子であった。

 

≪コリン君だけど、桟橋の所で水上バスを眺めていたらしいわ。その後、どこかに行ったのかわからなかったのだけど……≫

 

≪そこでツァイトに頼んで匂いを探ってもらったんです。人混みが多く、完全に匂いを辿りきれませんでしたが、湾港区まで続く匂いは確認できていました。ですが、桟橋から階段を登った所で突然、匂いが途切れたそうです。場所は南端になります≫

 

その報告に、ミッチェルは見覚えがあることを思い出す。

 

≪……了解した、直ぐに支援課へ戻るようロイドとランディにも伝えてくれ。話を纏めるぞ≫

 

そういうとエニグマの通信を切った。

 

「何か分かったのかしら?」

 

レンがミッチェルの様子から何かを感じ取ったように尋ねると。

 

「恐らくだが……トラックの荷台に乗り込んだかもしれん」

 

ミッチェル自身も前の世界で作戦行動中に軍用犬に襲われたこともある。その追跡を回避するために、動いているトラックの荷台に乗り込んだ経験がある。コリンが止まっているトラックに乗り込んでしまい、市外へと行ってしまった可能性がでてきたのだ。

 

「……スコット、支援課の端末、貸してもらうわね」

 

そう言うと、レンが支援課の方へと歩いていく。それに、ミッチェルは特に驚く様子もなく後を追う、レンの行動でまた一つ謎が解けたのだから……。支援課の一階までくると、既に端末で調べているレンの姿があった

 

「……導力ネットから車両情報を探しているのか?」

 

その問いに、レンは手を休めずに頷く。

 

「なるほど……君が仔猫(キティ)だったか」

 

その言葉に、レンは手を止めてミッチェルの方を向く。そこには驚いた表情でなく笑みを浮かべていた。

 

「あら、気づいていたの?」

 

クスクスと笑いながら言い、再びモニターの方へと向く

 

「今さっき君が端末を貸してくれと言った時にだ。まだ端末の普及率の低い中で、ある場所は限られてくる。その端末のある場所をしり、問題なく操作できる。最後の画像ファイルである程度の予測はたてていたがな」

 

溜息をつきながら言うと、レンは嬉しそうに笑う。

 

「昨日のソバカスくんとのはスリルがあって面白かったわ、お姉さんも相当みたいね?」

 

そんなことを言うのだから、ミッチェルが肩を竦めることしかできなかった。

 

「それで、見つかったのか?」

 

話を戻し、調べている内容を聞く。

 

「今から一時間以内に湾港区の南端に停車していた可能性のある車両について……クロスベルの全ネット端末にアクセスをかけて検索してるわ」

 

まだ時間がかかるなと思っていると、玄関から声が聞こえてきた。そして、ロイド達が端末を操作しているレンの姿に気づく

 

「スコット、その子は……」

 

見覚えのある姿にロイドが尋ねると。

 

「訳ありだ、事情は後で話す」

 

説明を求めるロイド達に返答している。

 

「……見つけた」

 

そうレンが言った。ミッチェルは直ぐにモニターを見る。

 

「『ライムス運送会社』の運搬車が30分前に駐車しているみたいね。次の運搬先はベルガード門……通信番号はこれね」

 

傍にあったメモ用紙に数字を書き込むと、それをミッチェルに渡す。

 

「この通信番号に連絡を入れてみて。多分、あの子の行方がわかるはずだわ」

 

その紙に書いてある数字に連絡を入れようとすると、ロイド達が説明をもとめてきたが。

 

「なるほど……あなたが『仔猫(キティ)』ですね」

 

ティオがレンの正体に気づき、それに驚き、ますます訳が分からなくなっているロイド達をよそにミッチェルが連絡を入れようとする。

 

≪もしもし!どちらさま!?≫

 

通信先の声は若い男性の声で、明らかに慌てている様子が伺えた。

 

≪クロスベル警察、特務支援課の者ですが……≫

 

そう返答すると、男性はまた慌てて情報を伝えようとするが、慌てているせいでうまく伝わらない様子であった。

 

≪落ち着いて!何があったかを伝えてください≫

 

ミッチェルの一喝に、男性が落ち着きを取り戻し。

 

≪お、お、男の子がどっか行っちゃったんだ!≫

 

その声に大体の状況をつかんだミッチェル。

 

≪いま俺、西クロスベル街道の途中で停車してるんだけど……!物音がすると思って荷台を確かめたら、小さい男の子がいて……目を離している隙に!≫

 

≪落ち着いて、直ぐに我々が駆け付けます、貴方はそこを動かずに待機していてください、いいですね!≫

 

そういい通信を切り、戦闘準備をする。それに何事かとロイド達に問われると。

 

「コリン君が危ない。場所は西クロスベル街道だ、急ぐぞ」

 

簡潔に説明に、状況を察したロイド達も直ぐに戦闘準備を整えていく。

 

「レン、君は……」

 

支援課で待つようにミッチェルが言おうとしたが。

 

「……付いていくわ。足手まといにはならないから、レンも同行させてちょうだい」

 

それには、ミッチェルも許可は出せず、待つように言うが

 

「あの子の行方を突き止めたのはレンよ。だからレンは最後まで見届ける必要がある。ふふっ……たとえどんな運命があの子に降りかかったとしても」

 

言い切るレンに、ミッチェルは下手に目を離した方が危ないと考えた。

 

「……いいだろう、だが、絶対に私の背中から離れるな」

 

それにレンは頷き、直ぐに西クロスベル街道へと走っていく。道中にいる魔獣は全て無視し、邪魔になる最小限の魔獣のみミッチェルが撃ち抜いていく。

 

「あれか」

 

視界に止まっているトラックを確認し、急いで向かう。

 

「き、来てくれたか!」

 

よほど不安だったのか、男性の方からもミッチェル達の方へ駆け寄ってくる。

 

「済まないが、時間がない。悲鳴や魔獣の声、崖から落ちる音は聞いたか?」

 

ミッチェルが有無を言わせぬ雰囲気で言い、男性はそれに全力で首を横に振った。

 

「了解した、あとは我々に任せてくれ」

 

そう言い、ミッチェルはロイド達の方を向く。

 

「まだコリン君が無事の可能性が高い。何かある前に捜しだすぞ」

 

人命が掛かってるのもありロイド達は頷き、先へと進んでいく。中間地点の三叉路へとたどり着くと子供の声が聞こえた。

 

「警察学校方面の方だ!」

 

地理に詳しいロイドが声の方向を特定し、急ぐ。そこには蝶を追いかけるコリンの姿があり、無事な様子に一安心した

 

「(無事みたいね……)」

 

その様子にレンは内心複雑な思いをしていた……しかし。

 

「グルルルル!」

 

状況が一変する。魔獣がコリンを囲み、今にも襲い掛かりそうな雰囲気であったのだ。

 

「チッ!」

 

直ぐにミッチェルが駆ける。銃を構えて発砲しようとしたその時……ミッチェルを通り過ごし、何かが駆ける。

 

「さがりなさい!」

 

それはレンであり、身の丈以上の金色の大鎌を投げる。それに魔獣の二匹がバラバラと切り裂かれ、ブーメランの様にレンの手元に戻ってくる。

 

「ふぇ?」

 

状況を認識できないコリンが不思議そうな声を発するも、レンがコリンを連れて下がる。残り四匹が警戒するなか、気の抜けた音と共に魔獣達の目の前でグレネード弾による爆発が起こる。

 

「キャイン!」

 

それにダメージを食らい、怯んだ隙にレン達の前へと滑り込むようにしゃがみ撃ちをするミッチェル。近くの一体に銃弾を叩き込み倒すと。

 

「おらぁっ!」

 

ランディが反対側の一体に飛びかかってハルバートを振り下ろし、その一撃で魔獣が潰れるかのように消える。

 

「はぁ!」

 

ロイドもそれに続き、トンファーで殴りかかる。グレネードのダメージもあり、魔獣は抵抗する暇もなく消えていく。最後の一体もミッチェルが撃ち倒し、戦闘終了となる。直ぐに周りの状況確認をした後に、レン達の方を向くミッチェル。

 

「怪我はないか?」

 

それにレンは頷き、コリンの方を向き抱きしめる。

 

「……もう、大丈夫よ。コワイ魔獣は、お兄さん達が退治してくれたから……だから、安心してもいいわ。」

 

安心させるかのように優しい笑みを浮かべて言うレン。

 

「ふえ……うく……」

 

だが、コリンは目元に涙を浮かべていき。

 

「ちょ、ちょっと……」

 

それにレンが困惑するが。

 

「うううううっ……うわあああああああああん!」

 

とうとう泣き出してしまった。

 

「ど、どうして泣くのよ……もう危なくないって言ってるのに……あなたなんか……あなたなんか……」

 

コリンが泣き出し、レンも呟くようにいいながら、その眼には涙が浮かび。

 

「本当は助けるつもりなんて……ゼンゼンなかったのに!」

 

それを皮切りにレンも泣き出した。

 

「……レン」

 

その様子に何もできない歯痒さに拳を握るミッチェル。二人がどういう関係なのかを理解し、このようなことを言わしてしまった自分の情けなさにであった。

 

「バカみたい……!ほんとバカみたい……見ているだけって決めたのに……!絶対に関わらないってッ」

 

心からの本音を涙と共に吐き捨てるレン。しかし、後ろから抱きしめられ、それが止まる。

 

「もういい……もういいんだ、レン」

 

それはミッチェルであり、レンとコリンを離させないかのように抱きしめる

 

「それは私に対して言う言葉だ。この子に言う言葉ではない。君を助けきれなかった私の罪だ」

 

もし、最後までレンを守り切れていれば……そんな過去を否定するようなことは無意味としりながらも思わずにいられなかった。己の情けなさに、己の力不足にと……。

 

「違うわ!それは違う!だってスコットが助け出してくれたから……レンは……レンは……」

 

涙を流し否定するように首を横に振るレンの頭を優しく撫でる。

 

「だが、忘れないでくれ。目の前の命を……温もりを守ったのは君なんだレン」

 

優しく……言い聞かせるようにいうミッチェルの言葉に、レンは言葉に詰まり、コリンの方を向く。今だ泣くコリンを慰めるかのように強く抱きしめて。

 

「君が傍観すると言いながら、守った意味を……思いを、君自身が理解しているはずだ。我々はその手伝いができたことを誇りに思っている」

 

ミッチェルの後ろからロイド達の同意の声が聞こえてくる。

 

「ううっ……ああっ……」

 

それを最後にレンとコリンはお互い泣き声を上げる、それが天にまで届くかのような錯覚を覚えながら……。

 




かれこれ一年ぶりにサバゲー行ってきました。すごく楽しかったのですが……凄く疲れましたわw次の日の筋肉痛もやばかったw

調子乗って早駆けや匍匐前進なんかしたから……でも、また行きたいと思うほどは楽しかったですw

装備はHK417、MEUピストル。IOTVベストのアメリカ陸軍風な恰好をしております。
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