お待たせしました
(…今のタイミングがベストだと思いましたが…。《シャイニング・フレア・ウィングマン》は確実に南条さんの切り札…、そこを止めて融合も切らせた…これで少しは優位に立てたかな…?)
《激流葬》から《激流蘇生》のコンボによって光のモンスターを全滅させたあきらは手札と光の表情を交互に見比べる。確定で切り札と判断できるカードを破壊できたことにあきらは少しの余裕を覚えていた。
しかし光の表情にはまだ余裕があった。
「やるね、あきらさん。まさか私の切り札をこうもあっさり破壊されるとはね。…でも、まだこれからだ!」
光は手札からカードを1枚引くとデュエルディスクにセットした。
「HEROの意思は引き継がれる!例え一度破れようとも、その遺志を引き継ぐ者がいれば、負けではない!私は手札から
「そのカードは…ッ!!」
「墓地に眠るHERO融合モンスターを2人、エクストラデッキに戻すことで、私はデッキから3枚ドローする!!」
《フレイム・ウィングマン》と《シャイニング・フレア・ウィングマン》をデッキに戻した光はデッキに手を掛けると一呼吸間を置いて3枚ドローした。これで5枚になった手札を見て彼女はまた笑う。
「私は墓地の《E・HERO ネクロダークマン》の効果でリリース無しに上級HEROを召喚する!」
「ネクロダークマン!?いつの間に…ッ!?…なるほど、カードガンナーですか…。」
「あぁそうさ!来い!《E・HERO エッジマン》!」
光が召喚したのは金色に輝く鎧に身を包み、肘から伸びる長大な刃を携えた戦士だ。鈍く光りを反射する刃を構え、兜の奥から鋭い眼光をリバイス・ドラゴンに向けている。
光のメインデッキに入るHEROの中で最高の攻撃力を誇るそれは既に漲る力を敵に向けようとしていた。
「行け、エッジマン!パワー・エッジ・アタック!!」
「うあっ!?」
破壊力満点の一撃、その衝撃であきらは軽く押されてしまった。これで600の戦闘ダメージを与えた光はカードを1枚伏せてターンを終える。
後攻2回目のあきらのターン、ドローして手札は3枚となったあきらはじっくりと手札を見ていた。
「私は《深海のディーヴァ》を召喚します!」
あきらが召喚したのは人魚の歌姫、そしてその横に水の中から更なるモンスターが浮き上がる。
「ディーヴァの効果で私はデッキからレベル2の《深海のセントリー》を特殊召喚します!」
ディーヴァの隣に浮かんできたのは武装した半漁人の戦士だった。これであきらのフィールドにレベル2のモンスターが2体揃った。
「さらに特殊召喚されたエントリーの効果を発動!デッキトップの2枚を墓地に送り、墓地からレベル4以下のモンスターをサルベージします!私は《セイバー・シャーク》を回収!」
「セントリーの効果で落としたカードか…。」
墓地からカードを回収したあきらのフィールドにまた渦が巻き始める。
「私はレベル2の《深海のディーヴァ》と《深海のセントリー》でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!おいで!《キャットシャーク》!」
歌姫と門番が渦に光の玉となって渦に飛び込んでいった。渦潮の逆巻く音と共に大きな1つの光弾が飛び出し弾け飛ぶ。あきらが召喚したのは鮫のヒレと尾を持った猫だ。
《キャットシャーク》は渦潮のあった場所に降り立つとぐるぐるとその場で回りながら辺りの様子を伺っている。
「《キャットシャーク》は水属性モンスターをオーバーレイユニットにしている間、戦闘では破壊されません!」
「なるほど…面白いモンスターだ!けど!エッジマンには守備を貫く力がある!」
(…エッジマンの貫通は痛いデスけど…これで暫く壁を作って耐えましょう…。)
手札も心許ないあきらは破壊されない《キャットシャーク》を壁に凌ぐ展開を見せる。しかし受けに回った相手に容赦するような光ではない。
「さぁ、キバって行くぞ!」
「くっ…。」
勢い付いた光は止まらない。貫通持ちのエッジマンの攻撃であきらのライフを大幅に減らし、ライフの上ではほぼ互角に並ぶ。
次回、あきらの切り返しはなるのか!