皆で小説を書こう配信 まとめ   作:二 貂理

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第76話

 君は、正体不明の痛みを味わったことはあるだろうか。

 大仰だって?そんなことはない。

 確かに、言い回しは壮大だったかもしれないが、そう深く考えなくていい。

 もっとこう、謎の痛みとか。

 なんかいてぇな……いや痛すぎないか?とか。

 それくらいの、日常生活の中でよく分からない痛みを味わったことはないだろ

うか?という話だ。

 

 なんか腹が痛いな……変な物食ったっけ、みたいな。

 なんか肩痛いな……肩こりかな?みたいな。

 なんか腕痛いな……どっかにぶつけた?みたいな。

 なんか目が痛いな……もう花粉の時期になった?みたいな。

 

 そういう、「なんか分からないけど、痛い」っていう経験。誰しも1回はあると思うんだ。

 そしてそれらは得てして、原因不明のまま放置するものだろう。

 分からないものは、分からないままでいい。放っておけばいずれ痛みはなくなり、そのまま忘れ去る。

 

「この親指の痛みも、そういうものの一種だと思うんだよね、俺としては」

「いや、痛風だろ」

 

 きっぱり指摘しないで欲しい。

 

 

 

 =〇=

 

 

 気付いたのは、朝起きて暫くした際のことだった。

 なんだか、足が痛い。結構ちゃんと困るくらいには、痛い。

 

「なんだろ、これ」

 

 なんか、腫れてる。

 赤くなってるし、これは、うん。腫れてるな。

 

「寝てる間になんか蹴っ飛ばしたかな

……?」

 

 それこそ、ベッドとか壁とか。

 いやだなぁ、骨やってないといいけど。

 

「こんだけ痛いと、なくはない……のか?」

 

 あいにく、骨を折ったことがないから

分からない。

 まぁ、長引くようなら病院行けばいいか。

 

「どしたの」

 

 などと考えていると。

 心配する声音0、何やってんだコイツ10くらいの声をかけられる。

 

「や、なんか足腫れてんな、って」

「きったねぇ足みせんな」

「誰の足が汚いか」

 

 いやまぁ、人に足を向けるのは失礼だった。反省。

 

「なんか痛いなって思ったら腫れてるんだよ」

「へー、寝てる間になんか蹴ったん?」

「かもしれん。親指の付け根だし、なんか思いっきり蹴って親指突き指したのかも」

 

 まぁ、それならそれで数日もすれば治まるだろ。なんて考えていると、

 

「や、それ痛風じゃね?」

「……うん?」

 

 なんか意味の分からない事を言いだした。

 痛風?俺が?

 

「まだ20代だぞ、何言ってんだ」

「痛風に年齢関係ないから」

 

 そうなの!?

 

「それに。それに、だよ。昨日の夜、何食べたか覚えてる?」

「魚卵鍋にビールをしこたま」

「痛風以外のなんだっていうんだよ」

 

 おかしい、言われてみるとそんな気がしてくる。

 いやでも、しかし。

 

「大丈夫だって、どうせ一晩もすりゃこんな腫れ治まってるって」

「いやまぁ、お前の足がどうなろうが痛みでどれだけ苦しもうか、知ったこっちゃないんだけどさ」

 

 仮にもルームメイトに対し、向けていい感情だろうか、それは

 

「痛風だった場合、ほっとくと足こんなるみたいだぞ」

 

 スマホの画面を見せられる。

 足全体が真っ赤に腫れている。

 

「……え、怖い。え、マジでナニコレ」

「痛風レベル100?」

「成長しないでもらってもいいですか?」

 

 え、何これ。

 こんななるの、足。つうふって。

 

「ちなみに、治療しない場合、半年くらいで再発するそうな」

「この痛みが……?」

「その痛みが」

 

 うん、なるほど。

 

「病院行ってきます」

「最初からそう言え」

 

 皆。

 なんてことない症状でも、しっかり病院にはいこうな。

 小説の登場人物との約束だよ!

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