インフィニット・ストラトス IS IGLOO 作:とんこつラーメン
これからは、今までずっと出番が無かった分、思う存分に出していこうと思います。
そして、下記が各キャラのTS後の容姿を基に私がイメージしているCVです。
ジャン・リュック・デュバル:CV川澄綾子
デメジエール・ソンネン:CV坂本真綾
ヴェルナー・ホルバイン:CV石原夏織
ヘルベルト・フォン・カスペン:CV悠木碧
アレクサンドロ・ヘンメ:CV井口裕香
オリヴァー・マイ:CV小倉 唯
モニク・キャデラック:CV長沢美樹
ヒデト・ワシヤ:CV水樹奈々
どうか、脳内再生にご活用ください。
入学式が恙なく終わり、各々に割り当てられた教室へと入る生徒達。
ソンネン達も同じように自分達がこれから一年間、通う事になる教室へと向かったのだが……。
「「「「「「……………」」」」」」
ようやく再会出来た三人娘改め、6人娘は完全に表情が固まっていた。
何故かというと、六人揃って同じクラスになっていたから。
今いる場所は一年一組の教室。
彼女達は、全員が見事に一組になったのだ。
しかも、偶然はそれだけでは終わらなかった。
「なぁ……デュバル」
「なんだ」
「どうして、オレら全員が揃って同じクラスなんだよ……」
「知らん。だが、想像は出来るがな……」
「実はオレも。つーか、それよりもよ……」
一番気になったのは、教壇の目の前、即ちど真ん中の一番前と言う格好のポジションの席に座っている一夏だった。
「まさか、あいつも一組だなんてな……」
「しかも特等席。あれは絶対にサボれないわ……」
ヴェルナーが憐みの目で一夏を見るが、当の本人は全く気が付かない。
周り全てが女子という状況で、ガッチガチに緊張していたのだ。
「おい。あそこ……」
「ん?」
今度はデュバルが何かに気が付いたようで、前の席に座っているソンネンの肩をチョンチョンと叩いて、窓際の一番前の席に座っている少女を見た。
「箒もなのかよ……」
「それだけじゃないぞ」
「なに?」
お次はヴェルナーが別方向を指差す。
そこには、呑気にお菓子を食べている本音がいた。
「なんかもうさ…仕組まれてるとしか思えないんだけど……」
「仮にそうだとしても、もう決まった事だ。覆す事は出来まいよ」
「そうだけどよ……」
苦笑いをしていると、本音がこちらに気が付いたようで。小さく手を振ってきた。
流石に無視をするのは可哀想なので、ここは目立たないようにして手を振って返事をすることに。
「な…なぁ…ソンネン……」
「んあ? どうしたんだ?」
「なんか俺さ……めっちゃ見られてないか?」
「そりゃ見られるだろ。学園唯一の男子なんだから」
「だよなぁ……。スゲー視線がチクチク刺さる……」
「みたいだな。お蔭で、オレの車椅子が霞んでるから有り難いぜ。サンキューな」
「お…おう……」
一夏を安心させる為にニカッ! っと笑うソンネンにドキッとした一夏。
だが、その瞬間にモニクが物凄い形相で一夏の事を睨み付けた。
「今一瞬…背筋に氷柱を突っ込まれたかのような恐怖を感じた……」
「気のせいじゃね?」
「その割には、かなり濃密だったんだけど……」
ハッキリ言おう。それは気のせいじゃない。
どうやら、一夏にはこれから先、想像以上の艱難辛苦が待ち受けているようだ。
まだこんな時間が続くのか。
そう思っていると、いきなり教室の扉が開き誰かが入ってきた。
「あ。ちゃんと皆さん揃ってますね。初めまして! 私は……」
「お! その顔は山田先生じゃあねぇか!」
「ソンネンさん!? 貴女も一組だったんですか?」
「おうさ! そっか~…山田先生が一組の担任なのか。こいつは楽しくなりそうだな!」
「い…いえ、私は副担任です。担任の先生は別にいらっしゃいます」
「ありゃ。そうなのか。でもまぁ、副担任でも別にいいや。これからよろしくな!」
「は…はい! こちらこそ、よろしくお願いしますね! ソンネンさん!」
いきなり入ってきた先生に対して気軽に話しかけた車椅子の少女は、周りからしたら、かなり特殊に見えたようで、ここで一気にソンネンに注目が集まる。
「あの子…車椅子に乗ってる?」
「ホントだ……あんな子がいたんだ……」
「どうやって実技試験をクリアしたんだろ……」
ヒソヒソとではあるが、色々と聞こえてくる。
決してバカにしている訳でもなく、かといって憐れんでいる訳でもない。
純粋に疑問に感じているだけのようだ。
そんな中、箒だけがソンネン達を見て本気で驚いていた。
「やっと向こうも気が付いたか」
「遅いんだよ。お~い」
軽く手を振ると、照れたように小さく手を振り、そのまま前を向いてしまった。
「あら。向こう向いちまった」
「照れてるんだろ。それよりも、あの女性がお前の試験官だったのか」
「あぁ。見た目通りだと思うなよ? あの先生な…めっちゃ強いぞ」
「アンタにそこまで言わせるのか……」
元教官と言う立場上、ソンネンは余り人を褒める事をしない。
そんな彼女が素直に褒め称えるということは、それだけ真耶の実力が高く、一流の軍人に認められた証拠でもあった。
「はい。御喋りは其処までにしてくださいね。今から、五十音順に自己紹介をしていって貰います。その前に、まずは私から自己紹介しましね」
そのまま教壇に立った真耶は、にこやかに自己紹介を始めた。
「先程、話していましたが、私は『山田真耶』といいます。これから一年間、この一年一組の副担任をすることになりました。これからよろしくお願いしますね」
まるでお手本のような挨拶。
ここまで見事な挨拶を貰えば、生徒達も拍手をせざる負えない。
「ありがとうございます。では、『あ』から始めましょうか」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
五十音順と言う事は、織斑の『お』はかなり早い段階で順番がやってくることになる。
一夏は内心、誰でもいいから自分の知っている人間でお手本を見せてくれと願った。
その願いが通じたのかどうかは知らないが、必然的に一夏の前に二人の少女が挨拶をすることになった。
「次はオレだな。オレは『ヴェルナー・ホルバイン』。一応、日本人とフランス人のハーフなんだが、ガキの頃からずっと日本で過ごしてきたから、殆ど日本人みたいなもんだ。得意なのは水泳と釣りと魚料理だ。これからよろしくな」
不思議な雰囲気を醸し出しながらも、とても気さくで話しやすい。
第一印象は中々に良好のようだ。
「えっと……ドイツから来ました。『オリヴァー・マイ』と申します。ボク…じゃなくて、私はISのパイロット志望ではなく、整備なんかを出来ればいいと思っています。実際、機械弄りしか能のない人間ですから。そんな私でもよければ、どうか仲良くしてください。これからどうか、よろしくお願いします」
なんだか自分の事を卑下していたが、非常に物腰が柔らかくて丁寧。
しかも、見た目は超弩級の金髪美少女ときている。
この時点で、他の生徒達は軽く落ち込んだ。
「悔しいけど……めっちゃ可愛い……」
「なんなの…あの笑顔は……」
「あんな風に微笑まれたら…なんだって許しちゃうかも……」
可愛いは正義。
それを見事に体現してみせた技術屋であった。
「えっと…次は……」
「こいつだよ。先生」
「ちょ…ソンネン!」
まだ十分に心の準備が出来ていない所に、ソンネンが後ろから一夏を指差した。
その途端、再び一夏に注目が集まる。
「ほれ、とっとと立ちやがれ。後が閊えてるんだぞ」
「わ…分かってるけど…何を言えばいいんだよ……」
「んなの、適当でいいんだよ。ヴェルナーみたいに名前と特技でも言っとけば十分だろ?」
「名前と特技だな……よし!」
やるべき事が見つかれば心強い。
後は実行あるのみだ。
「あ…っと……織斑一夏…です。特技…と言えるかは分からないけど、料理とか家事全般が出来ます。まだまだ勉強しなくちゃいけない事が山ほどあるけど、なんとか頑張って着いていこうと思います。よ…よろしくお願いします!」
最後は自棄になって締めた。
が、少なくとも『以上!』で終わらせるよりは数倍マシだったようで、全員から見事な拍手を貰えた。
「な…なんとかなった……」
「だろ?」
「マジで助かったわ…ありがとな」
「どおってことねぇよ。オレとお前の仲じゃねぇか」
「そ…そうだな……」
ここで思いっきり照れる一夏。
年頃の少女達は、それだけで色々と推察してしまう。
「え? もしかして、あの二人って……」
「そうなのかな……」
だが、そんな言葉を許容できない人物もいる訳で。
ベキッ! っと、鉛筆が折れる音がしたので振り返ると、其処には鬼の形相をしたモニカが一夏に殺気を飛ばしていた。
「ちょ…! なんかさっきからあの子が俺の事を超睨んでるんだけどッ!?」
「ほんとだ。何かしたのか?」
「俺が知るかよっ!?」
御尤も。
「なんだ? もう自己紹介は終わったのか?」
「織斑先生。職員会議は終わったんですか?」
ここで千冬が扉を開いて教室へと入ってきた。
この時、声には出さなかったが6人娘は全員が同じことを思った。
あぁ…この人が一組の担任なんだな…と。
「あぁ。少しだけ長引いてしまった。待たせて済まなかったな」
「いえ。これぐらいならお安い御用ですから」
真耶と入れ替わるようにして、今度は千冬が教壇に立った。
「まずは初めましてと言わせて貰おう。私が、この一年一組の担任である織斑千冬だ。私や山田先生の仕事は、約数名を除くお前達素人連中を一年間で最低限、使えるようにすることだ。私を含む先生方から教えて貰う事は全て聞いて糧にするように。分からない事や出来ない事があれば、分かるようになるまで、出来るようになるまで私達が徹底指導してやるから安心しろ。それを、これは言うまでの無い事だが、私や先生方の言う事は必ず聞け。逆らったところで碌な事にはならないと忠告しておこう」
まるでどこぞの軍曹のようなセリフ。
元が軍属だった6人少女達はなんとも思わなかったが、他の面々はかなり驚いていた。
だが、その驚きもすぐに終わりを告げる。
まるで、嵐の前のような静けさ。
次に何が起こるのかを瞬時に察知した6人は、すぐになんで持っていたのか分らない耳栓を装着した。
「一夏! お前もこれを着けろ!」
「え? なんでだ?」
「いいから早くしろ! 鼓膜が破れても知らねぇぞ!」
「わ…分かったよ…」
ソンネンに言われるがまま、大人しく渡された耳栓を装着することに。
すると、次の瞬間、全身が震えあがるような衝撃が襲い掛かった。
それが少女達が興奮したが故の叫ぶだと理解するのは、衝撃が収まってから数秒後の事だった。
「か…体が痛かった……」
「世の中には『音波兵器』っつーもんもあるぐらいだしな……」
「それでも、人間の叫び声が凶器になるだなんて誰が想像するかよ……」
因みに、一夏は余りの衝撃に軽く魂が抜けかけていた。
「またこれか……。なんで毎回毎回こうなるんだ…?」
「さぁ……?」
本当は理由を知っているけど、ここは敢えて愛想笑いで誤魔化した真耶。
流石の彼女も、自ら虎の尾を踏みに行く蛮勇を持ち合わせてはいない。
「いい加減に静かにしろ。いいか。これからお前達には約半月ほどでISの基礎知識を完璧に習熟して貰わないといけない。でなければ、授業予定が狂ってしまうからな。その後に本格的な実技が控えているのだが、それもまた約半月で身に付けて貰う事となる。理解出来たのならば返事!」
「「「「「「はい!」」」」」」
嘗ては自分が同じような事を言っていたのに、今度は言われる立場になるとは。
なんとも数奇な運命だと笑うソンネンだった。
ここで終了のチャイムが鳴り響く。
一夏からしたらナイスタイミングだった。
「チャイムが鳴ったか。まだ自己紹介は済んでいないのだったな?」
「はい」
「では、後は各々で暇な時にでも紹介し合え。最低でも、クラスメイトの名前ぐらいは把握しておけよ」
こうして、6人娘&一夏のIS学園での生活が本格的に幕を開けたのだった。
公私を混同しない千冬の姿を見て、地味に感心していたソンネン達だったが、実際には……。
「あぁ~…あんな事を言って、ソンネン達に怯えられたらどうしよう……」
「だ…大丈夫ですよ! あの子達は強いですから!」
「そ…そうだよな……こんな事で嫌われたりとかしないよな……?」
本当は、めっちゃ後悔していた。
織斑千冬。まだまだ教師として学ばなければいけない事は多いようだ。
次回、ライバル誕生?
主に三人娘を挟んでの対決ですが。