インフィニット・ストラトス IS IGLOO   作:とんこつラーメン

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今回は、ソンネン&セシリア達以外の組み合わせを見ていきます。

果たして、誰と誰がルームメイトになるんでしょうか?







ルームメイト

 ソンネンとセシリアが部屋の中で、荷解きをしながら親交を深めていく中、他のメンバーも同じように自分のルームメイトとなる相手と交流をしていた。

 今回は、その様子を順番に伺っていこう。

 まずは、彼女達から。

 

 

 

 

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「まさか、私とお前が一緒の部屋になるとはな……」

「こちらとしては見知った相手という事で気が楽ではあるが……」

 

 まずは、デュバル&箒のコンビ。

 幼馴染同士という事もあり、二人は特にこれといったトラブルは起こしていない。

 

「今思えば、こうしてデュバルと二人きりになるのは初めてだな」

「そうかもな。だが、数年振りに再会したんだ。私としては、寧ろ大歓迎なんだがな」

「だ…大歓迎っ!?」

 

 昔から、三人娘に対して親友以上の感情を持っていた箒は、デュバルの何気ない発言に必要以上のリアクションをしてしまった。

 

「ど…どうした? 何をそんなに驚いている?」

「い…いや。なんでもない……」

 

 そうは言っているが、彼女の顔は真っ赤になっている。

 

(うぅ……デュバルと一緒の部屋になれたのは本当に嬉しいが、私の想像以上に美人になってないかッ!? 幼い頃からフランス人形のような美しさがあったが、今は完全にそれ以上だ! 自分の幼馴染がこれ程の美人に成長するなんて、誰が考えるッ!?)

 

 頭の中でグルグルと考えてはいるが、それは自分も該当することなのだという事を理解していない。

 傍から見れば、デュバルと箒のコンビは洋風と和風の美少女コンビなのだ。

 

「む? これは……」

 

 悶々とした頭を振り払う為に部屋の中を見ていると、ふとデュバルの荷物の中から竹刀がはみ出ているのが見えた。

 

「この竹刀はまさか……あの時に譲った竹刀を、ずっと持ち続けていたのか?」

「勿論だ。新しく買うには高すぎるし、かといってこれを捨てるのも忍びなかった。なにより、これはあの道場での思い出が沢山詰まった品だからな」

「そうか……そうなんだな……」

 

 実家が剣道場をしていたという事もあり、昔から剣道一直線だった箒。

 友人達との数少ない繋がりである剣道の竹刀を、未だに想い人であるデュバルが持ち続けていた事が嬉しくて、思わず涙が込み上げてきた。

 

「因みに、一夏の奴も中学からまた剣道を再開したが……」

「したが?」

「素人目線ではあるが、筋は悪くないとは思う。私からは一本も取れた試しはないがな」

「だろうな。あの頃から、デュバルの剣筋は鋭くて力強かった」

 

 篠ノ之道場初めての外国人ではあったが、デュバルの腕前は箒達の想像を遥かに凌駕していて、彼女達が引っ越すまでの間に、デュバルは篠ノ之流剣術の技を数多く取得していった。

 大会などには出ていなかったが、間違いなく全国レベルの実力はあると箒は確信していた。

 

「そうだ。良かったらなのだが、私と一緒に剣道部に入らないか? 今度、見学に行ってみようと思っているのだが……」

「剣道部か……悪くないな。いいだろう。その見学、私も是非とも同行させて貰おうじゃないか」

「そうか! それはよかった!」

 

 まさかのOKに柄にもなく大袈裟に喜ぶ箒。

 それだけ、デュバルと一緒に部活に入れるのが嬉しかったのだろう。

 

 その後、二人は荷解きをしながら共同生活をする上での取り決めを話し合いながら、昔話に花を咲かせていた。

 

 

 

 

 

 

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 鼻歌交じりに自分の部屋へと向かうワシヤ。

 その隣にはニコニコ笑顔の本音が一緒に歩いていた。

 

「なんでこっちに来るんだ?」

「私のお部屋もこっちだからだよ~」

「ふ~ん」

 

 どうせ、途中で別れるだろう。

 そう思って、特に気にすることなく歩いていくが、いつまで経っても本音がどこかに行く気配が無い。

 結局、そのまま部屋の前まで来てしまった。

 

「まさかとは思うけど~…君の部屋ってここ?」

「そうだけど……もしかして、ワッシーのお部屋もここなの?」

「うん。ってか、ワッシーってオレの事か? なんか、ずっと昔にそんなお笑い芸人がいた気がする」

 

 気にしたら負けなので、それ以上は止めておこう。

 

「でも、そっか~。本音ちゃんと一緒の部屋か~」

 

 ガチャっと扉を開けると、その内装にビックリ仰天。

 二人揃って目が点になった。

 

「な…な…な…な…なんじゃこりゃ~!?」

「なんじゃこりゃ~!」

 

 ワシヤは本気で驚き、本音はそんな彼女の真似をした。

 初期状態からコミュ力が9999ある二人だからこその反応だった。

 

「マジですっげーじゃん!! うわぁ~! 今日から、こんな部屋で過ごすのかよ~!? オレ…ちゃんと寝れるかな……枕変わると寝れないんだよな~」

「そうなの~? 実は私も~」

「お揃いだな! けどけど大丈夫!」

 

 ダダダ…と部屋の隅に置いてある自分の分の段ボールを開けると、中からフカフカの枕を取り出した。

 

「ちゃんと実家から自分の枕を持ってきているから~!」

「私も持って来てるよ~!」

「「イェ~イ!!」」

 

 本音も同じように、自分の段ボールの中から可愛らしいマスコット柄の枕を取出し、そのまま二人でハイタッチ。

 この少女達、完全に全く同じノリである。

 

「そうだ! お近づきの印に、オレが作ったマフィンとか食べるか?」

「食べる~!」

 

 この二人に関しては、何も心配はいらないようだ。

 物凄く賑やかで、ちょっと五月蠅いかもしれないが、それでも楽しい寮生活を満喫できそうだ。

 

 

 

 

 

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 自分に割り当てられた部屋に到着したモニクは、そのまま中に入ろうとしたが、ドアノブに手を掛けようとした瞬間にピタっと動きを止める。

 

「この気配…もしかして、もう中に誰かいる?」

 

 ここでモニクは一瞬だけ軍人脳を働かせてしまったが、すぐにそれを払拭し、別の事を考える。

 

「どうやら、ルームメイトの子が先に来ていたみたいね。なら、ちゃんとノックをしないと」

 

 どこぞの鈍感とは違い、ちゃんとマナーを守ってノックをする。

 すると、中から小さく『どうぞ』という返事が返ってきたので、そのまま扉を開ける事に。

 

「失礼するわね」

 

 ここでも、まずは内装の豪華さにモニクは目を奪われる。

 割と色んな事で驚きがちな彼女は、ここでも当然のように目を見開き、口をポカ~ンとさせて絵に描いたような驚きの顔をしていた。

 

「何よこれ……一体、どれだけのお金を注ぎ込んでるってのよ……」

 

 モニクの実家も相当な資産家ではあるが、それでもこのレベルの部屋は滅多に見れない。

 そんな場所が、これから彼女が過ごす場所なのだ。

 

「…で、さっきの声の子は……」

 

 キョロキョロと周りを見渡すと、すぐに声の主は見つかった。

 机に座り、パソコンを開いて何かを夢中で見ている水色の髪の少女が一人。

 

「貴女が私のルームメイト?」

「え? あ…はい」

 

 一瞬だけ呆けてしまったが、すぐに返事をする。

 色々と思うところはあるが、まずは自己紹介をすることに。

 

「私はモニク・キャデラック。よろしくね」

「えっと……更識簪…です」

「サラシキ・カンザシさん…ね。覚えたわ」

 

 元軍人故に、人の名前を覚えるのが昔から得意だったモニク。

 簪の事もすぐに記憶したようだ。

 

「ん? ちょっと待って。貴女……」

「な…何?」

 

 いきなり顔を近づけられて困惑する簪。

 何か拙い事でもしてしまったのだろうかと心配するが、それはすぐに杞憂で終わる。

 

「もしかしてだけど、夜更しとかしてないでしょうね?」

「ど…どうして?」

「目の下。僅かではあるけど隈が出来てるわよ」

「げ」

 

 気が付かなかった。

 つい、色んな面白い動画を見廻っていたら、いつの間にか深夜になっていて、それから急いで寝たので、実はあんまり眠れていなかった。

 実は、入学式の時も半分寝ていたりする。

 

「仕方がないわね……」

 

 大きく溜息を吐くと、部屋の中に置いてあった自分の荷物の中から、とある瓶を取り出した。

 

「それは?」

「ココア。よく寝る前とかに飲むようにしてるの。家から持って来て正解だったわね」

 

 真っ直ぐに備え付けのキッチンに向かうと、手馴れた感じでホットミルクココアを作って、それを簪の元まで持ってきた。

 

「はいこれ。これを飲んでから、まずはその目の下の隈を落としなさい。色々とするのは、その後。いいわね?」

「は…はい」

 

 元から、お世辞にも積極的じゃない簪にモニクの言葉に逆らう事は出来る筈も無く、恐る恐る彼女が差し出したカップを受け取る。

 熱過ぎず、かといって冷めている訳でもなく、丁度いい具合になっていた。

 試しに一口飲んでみると、とても暖かくて、心も体もポカポカとしてくる不思議な美味しさがあった。

 

「おいしい……」

「でしょ? 私の淹れたココアは、家族の間でも評判いいんだから」

 

 同い年の筈なのに、何故か年上のような魅力がある少女。

 得意か苦手かで言えば、苦手なタイプではあるのだが、なんでか嫌な感じはしなかった。

 

(まるで…お姉ちゃんがもう一人できたみたい……)

 

 実際、モニクは弟が一人いるので、その考えは間違いではない。

 そもそもの話、モニクは生来から世話焼きな一面があるのだ。

 それが、簪の性格といい具合にマッチングしたのだろう。

 

 それから簪は心地よい眠気に誘われ、そのまま数時間だけ仮眠をすることにした。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

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・・

 

 

 

 

 

 ヴェルナーは呆然としていた。

 学生寮にある自分の部屋に到着したと思って扉を開けると、中にはどこかで見たことがあるような髪色の少女がビキニ姿でエプロンを身に着けようとしていたから。

 

「「…………」」

 

 完全に固まってしまった両者。

 念の為にもう一度だけ部屋の番号を確認してみたが、間違っていない。

 ならば、彼女が自分のルームメイトなのか?

 

「いや……その…あのね? これは……」

「ま、いっか」

「ちょっとぉっ!?」

 

 相手が何か言い訳を考えている間に全てを割り切ったのか、ヴェルナーは構う事なく堂々と中に入ってから荷解きを始めた。

 

「せめて何か言ってくれないっ!? 何のリアクションも無いと、流石のお姉さんも困るんだけどッ!?」

「お姉さんって…あんた上級生なのか?」

「そ…そうよ! だから、もう少し何か……」

「その上級生が、どうしてオレの部屋にいるんだよ?」

 

 当然の疑問だった。

 

「オレの部屋? 何を言ってるの? ここって織斑一夏君の部屋じゃ……」

「違うぞ? ここは間違いなく、オレに割り当てられた部屋だ。一夏の部屋はもっと向こうだよ」

 

 ヴェルナーが壁の向こうを指差すのを見て、彼女の顔が一気に青くなる。

 

「あ…あの…ここって【1025室】じゃ……」

「ここは【1052室】だよ。何言ってんだ?」

 

 ここで、彼女は本気で固まった。

 顔中から冷や汗を出しまくり、目が泳ぎまくる。

 認めたくはないけど、認めざる負えない。

 

「部屋の場所を間違えた―――――――――――――――――――!!!!!」

 

 黒歴史確定のとんでもないミスを犯してしまった。

 しかも、それを下級生の女子に見られた。

 どう考えても学生生活終了のお知らせである。

 

「で、おたくは誰なんだ? いい加減に教えてくれないか?」

「うん……その前に着替えさせてくれない?」

「いいけど…なんで、んな格好をしてたんだ? 痴女か?」

「違います!!」

 

 これ以上、恥の上塗りをしない内にさっさと制服に着替えてから、改めてヴェルナーと話す事に。

 

「私は『更識楯無』。二年生で、生徒会副会長をしているの」

「ふ~ん。その副会長サマが、どうしてオレの部屋に?」

「だから…間違えちゃったのよ……。本当は織斑一夏くんの部屋に行くつもりだったのに……」

「一夏の部屋に?」

「そうよ。彼は世界的な意味で最重要保護対象だから、生徒会でも彼の事を護衛しようって話が出てたの。で、その護衛役として選ばれたのが……」

「アンタって訳か。でも、その肝心な護衛役が部屋の場所を間違えてちゃ意味ないな」

「言わないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

 

 間違いなく、楯無にとって一生の不覚だった。

 穴があったら入りたいという気持ちを、生まれて初めて実感した。

 

「そういや、その『更識』って名字……もしかして、アンタって簪の姉貴だったりするのか?」

「か…簪ちゃんの事を知ってるの!?」

「知ってるもなにも、アイツとオレ達は受験会場で知り合ってな、向こうはどうか知らないが、少なくともオレの方は簪の事をダチだと思っているよ」

「そう……」

 

 自分の知らない所で妹に友達が増えていた。

 しかも、目の前の彼女はかなりいい子っぽい。

 姉として、楯無は心から嬉しくなった。

 

「そうだ。まだオレの名前を言ってなかったな。オレはヴェルナー・ホルバイン。よろしくな」

「ヴェルナーって…貴女が……」

 

 その名前はよくカスペンから聞かされていた。

 彼女にとって最強の仲間の一人で、いずれ来るであろう『決戦』の時に切り札の一つと成り得る少女であると。

 

(この子が、あの『亡国機業』の幹部の一人であるオータムをたった一人で圧倒したっていうの……?)

 

 俄かには信じられなかった。

 楯無の目には、ヴェルナーは何処にでもいるごく普通の少女にしか見えない。

 全身から溢れる元気は、まるで太陽のようだった。

 

「それで、これからどうするんだ? 今からでも部屋を変えるのか?」

「いえ、流石にそれは無理ね。もう私の荷物はここに運び込んじゃったし、また部屋を変えようとすれば、それこそ先生達に迷惑を掛けちゃうわ」

「って事は……」

「仕方がないから、今日からここでお世話になる事にするわ。改めてよろしくね、ホルバインさん」

「オレの事は名前でいいぞ。名字で呼ばれるのは余り慣れてなくてな」

「じゃあ、ヴェルナーちゃんで」

「それでいいよ。こっちこそ、今後ともよろしく。楯無先輩」

 

 笑顔で握手を交わす二人。

 意外過ぎる二人がルームメイトとなったのだった。

 

(そうなると、一夏と一緒の部屋になったのは誰なんだ……?)

 

 

 

 

 

 

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 織斑一夏は、これまでの人生で1・2を争うレベルで緊張していた。

 その理由は、目の前で苦笑いをしながら向かい合っている金髪美少女だった。

 

「まさか、ボクと君が同じ部屋になるなんてね」

「そ…そうだな……ハハハ……」

 

 清楚系金髪美少女のオリヴァーと、まさかの同室という事態。

 誰が来てもいいように覚悟は決めていたが、これは完全に予想外。

 前にも言ったが、これまでの一夏の人生において、周りに全くいなかった正統派ヒロイン系の少女なので、何を話したらいいのか全く分からなかった。

 

(ど…どうする俺…! そもそも、年頃の男女が一つ屋根の下で一緒に過ごしてもいいのか!? いや、よくないだろ!? でも、孤児院じゃ普通に過ごしてたしな…って、あの時と今とじゃ全く状況が違うだろうが! 二人っきりなんだぞ! 今日、初めて会った女の子と二人きりとか、どんな無理ゲーだよっ!? こんな時、弾なら普通に話してるんだろうな……)

 

 頭の中をグルグルとしながら、自分の親友のコミュ力の高さが物凄く羨ましくなった一夏だった。

 

「まずは、色々とルール的なものを決めようか?」

「そ…そうだよな! 男と女が一緒に暮らすんだし、ルール決めは大事だよなっ!?」

 

 ガチガチに緊張しながらも必死に頷く一夏。

 もしも、この光景を幼馴染達に見られたら、間違いなく腹を抱えて爆笑される。

 一夏にはその確信があった。

 

「き…着替えの時は俺が廊下に出てるから!」

「うん。その時はお願いします。ボクも、君が着替える時は廊下に出てるね」

「ひゃ…ひゃい!」

 

 噛んだ。めっちゃ噛んだ。

 羞恥心で顔が真っ赤になり、それを見たオリヴァーが口を押えてクスクスと笑う。

 

「ハハハ……君って面白いんだね」

「そ…そうかな……」

 

 結果オーライと見るべきか。

 少なくとも今の状況を弾が見ていたら、間違いなくこう叫んでいただろう。

『リア充爆発しろ』と。

 

 果たして、一夏は色んな意味で無事な寮生活が出来るのか?

 相手には全く問題が無い分、一夏に全てが掛かっている…のかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ソンネン&セシリア

デュバル&箒

ヴェルナー&楯無

オリヴァー&一夏

モニク&簪

ワシヤ&本音

という部屋割りになりました。
これから、更に鈴を初めとするヒロインズが追加される事を考えると、物凄いカオスになりそうな予感が……。


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