インフィニット・ストラトス IS IGLOO 作:とんこつラーメン
彼もまた登場を確定しましょう!!
そして、カスペン大佐ぁ……あんたマジで最高だぜ!!
いや、もうMSイグルーに登場した全ての漢が最高なんだぜ!!
だからこそ、彼らの事だけは絶対に忘れてはいけない……。
ISを纏って出撃をした千冬であったが、完全に未知の存在を扱うことに慣れないでいた。
本人も気が付いてはいないが、ISを身に付けた彼女の体はいつの間にか全身をボディースーツのようなものに包まれていた。
「これが……ISか……!」
この身に纏った機械の鎧だけで自分の体を空中に浮遊させ、更には迫ってくるミサイルを迎撃する。
常人ならば絶対に不可能である事を、彼女は奇跡的にやってのけていた。
といっても、本当にギリギリの所で精神を保っているのだが。
「斬った……斬ったのか……ミサイルを…私が……!」
今までに一度も体験したことのないプレッシャーに、息も絶え絶えとなっているが、そんな状況にあっても猶、彼女の体を奮い立たせているのは、自分の後ろにいる守るべき者達の存在が非常に大きいだろう。
『千冬さん! 聞こえるか!!』
「この声…デュバルかっ!?」
『ここからは私達が貴女の事をサポートする!』
「サポート……?」
『そうだ! 貴女の身体能力は確かに目を見張るものがあるが、それでもまだ本当の戦場を体験したことない年端もいかない少女であるのは覆しようのない事実だ! 故に、今から私とソンネンが貴女のナビゲータを務めることとする!』
『火器管制はこっちに任せろ! 束の奴が急いでなんとかしてくれてな、そいつに搭載されている射撃武器はこっちから遠隔操作出来るようにした! あんたは、オレが合図をした時に砲身を目標に向けてくれればいい! 正確な目標補足とトリガーはこっちで引く!』
『私は周囲の状況を逐一、確認し続けるよ! 何か変化があったらすぐに知らせるからね!』
「束…ソンネン…デュバル……!」
自分は決して一人ではない。
傍にはいないが、それでも確かに彼女達の存在を身近に感じることが出来る。
それだけで、不思議と勇気が湧いてきた。
『向こうさんも、プロとしての意地でもう滅多な事じゃミスなんてしないだろうが、それでも念には念を入れておいて損はねぇ』
『いいか。絶対に功を焦って前に出るような真似だけはするな! 貴女はこの周辺に留まって、自衛隊が撃ち漏らしたやつだけを狙えばいい! 勇気を無謀を履き違えるような事だけはしないでくれ!!』
「ありがとう……その言葉、心に深く留めておくことにしよう」
デュバルとソンネンの言葉の一つ一つが、緊張と恐怖に震えていた千冬の心を包み込んでいく。
まるで、歴戦の勇士が傍で見守ってくれているかのように。
『さぁ……気張っていくぜ!!』
「おう!!」
その言葉に触発され、いつでも動けるように構え続ける。
これは何かを倒す為の戦いではない。
大切な誰かを守る為の戦いである。
「私にあいつらを……大切な者達を守る力を貸してくれ……『白騎士』…!」
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海上自衛隊 イージス艦一番艦 艦橋
突如として訪れた国家の危機に駆け付けた海の自衛官達は、いきなり出現をした謎の存在に戸惑いを隠せないでいた。
「か…艦長…あの空飛ぶ存在は一体……」
「私に分かるはずがないだろう。だが、それでも確かなことは幾つかあるがな」
「それは……?」
「アレが我々の尻拭いをしてくれた事。そして、我々の味方であることだ」
「なんでアレを味方だと断定出来るんですか?」
「もしも、あのアイアンマン擬きが敵だったら、ミサイルなんて無視してこちらへと攻撃を仕掛けてくるだろう。なんせ、こっちは今、どこぞのバカが撃ってきたはた迷惑なミサイルのせいで手が離せない状況なんだからな。敵としては、こんな状況は絶対に逃さないだろう? それなのに何もアクションを起こさないのは……」
「我々と目的が同じだから……」
「その通りだ。どこの発明家が造ったか代物かは知らんが、大したもんだ。しかし、あれを動かしているのは紛れもない素人だな」
「はい。どうも腰が引けているようにも見えますし、それに……」
「あぁ。あれは恐らく『少女』だ。まだ年端もいかない…な」
自分の娘と同じか、もしかしたら年下かもしれない少女が、自分達と同じ戦場で剣を振るっている。
それも、自分達のミスを拭うような形で。
己の不甲斐なさに、拳を握りしめつつ歯を食いしばる。
「貴様等ぁっ!! 幾ら未知の装備を身に付けているとはいえ、素人の少女に自分達の失敗を助けられて、国防を担う者として悔しくはないのか!!」
「「「「「はいっ! 悔しいです!!」」」」」」
「だったら、総員!! 今まで以上に奮起してミサイルを迎撃せよ!! 他の艦にも今の言葉を伝えろ!!」
「了解!!」
「そして、貴様ら全員、帰ったらすぐに訓練を追加する!! 有り難く思え!!」
敬礼をしながら、他の士官たちは『俺たち…どっちにしても地獄じゃね?』と思わずにはいられなかった。
「空の連中に遅れを取るな!! もう一発たりとも通させはせんぞ!!」
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海の上で上官の言葉を受けて気合を入れ直した自衛官達を見下ろしながら、空で鋼鉄の翼を持って戦っているパイロット達もまた、突如として出現した未知の存在に僅かながら困惑していた。
『隊長! あれは何でしょうかっ!?』
「んなもん、俺が知るか!! けどな……」
『隊長?』
「あんな空飛ぶコスプレ野郎にむざむざと助けられて、大人しく『ありがとう』って言える程、俺のプライドは安くはねぇんだよ!!」
『では……』
「あぁっ!! ブラボーリーダーより各機へ!! あいつらに航空自衛隊の意地って奴を見せつけてやれ!! 少しでもミスった奴は俺様が直々に撃ち落としてやるから有り難く思え!!」
『『『『『りょ…了解!!』』』』』
「それとな、あのアンノウンには手出しは無用だ。少なくとも敵じゃないみたいだしな。それじゃあテメェら……」
隊長機が速度を上げ、迫ってくるミサイルに向かって機関砲を撃つ。
「俺達の国……絶対に守り抜くぞ!! 全弾…撃ち尽くせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
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「な…なんだ? 急に自衛隊の動きが激しくなった……?」
『へっ……。どうやらアイツら、素人の千冬さんに自分達の不甲斐なさを見せつけちまって、気合を入れ直したようだな』
『ふっ……。千冬さんの勇気に触発されたとも言えるな。これで、貴女の負担も少しは軽くなるだろう』
『つっても、あくまで『少し』だけどな! 千冬さんよ! 戦闘機の一機にミサイルが近づいてきやがってやがる! どうやら、他のミサイルの迎撃に気を取られてて、接近してるのに気が付くのが遅れやがったみたいだ!』
「ど…どうすればいいっ!?」
『今からじゃ急いでも間に合わねぇっ! けど、そんな時の為にオレ様がいるんだよ! 砲身、8時の方向、上方に32度!!』
「こ…こっちかっ!?」
言われるがままに装備品の一つである荷電粒子砲を両手で固定して、指定された方へと向ける。
方角自体は、機体の方で計算をしてくれるから容易に解った。
『よしっ! 後はこっちに任せな! ………
「うぉっ!?」
鉛色の砲身から、白いレーザーのようなものが発射され、それが戦闘機に近づきつつあったミサイルを貫き破壊した。
なんとか急接近する前に破壊できたお蔭で、爆発の余波で戦闘機が撃墜されることも無かった。
「や…やった……?」
『おっしゃぁっ!! まだまだ腕は衰えちゃいないってこったな!』
『流石の腕前だな。それでこそだ』
ISのセンサーで確認すると、先程の戦闘機のパイロットが少しだけ此方を向いて、敬礼をした後に任務に戻っていった。
「よかった……」
『そうだな。けど、まだ気を抜くのは早いぞ!』
「分っている!」
ISのレーダーは、まだまだ多くのミサイルの存在を教えてくれている。
これらを全て破壊しなければ、本当の意味での安息は訪れない。
「私の目の前で…誰一人として傷つけさせたりさせるものかぁぁぁぁっ!!」
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最後の一基がイージス艦から放たれた迎撃ミサイルにて破壊され、ようやく空に静寂が訪れた。
「艦長! 全ミサイルの破壊を確認! 後続が放たれた様子もありません!」
「まだ油断は禁物だ。警戒は厳にせよと各部署に通達」
「了解!」
大きく息を吐きながら、艦長は座席に体を預けた。
「艦長。例のアンノウンはどうしますか? 捕縛などは……」
「貴官は、いつから善意の民間協力者に恩を仇で返すような真似をする恥知らずになったのだ?」
「し…失礼しました!」
慌てて敬礼をした士官を見つつ、他の士官に命令を出す。
「あの協力者に発光信号を送れ」
「内容はなんと?」
「それは……」
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『これで全基撃墜を確認。お疲れ様だ』
「終わった…のか……」
『そうだよ! 他のミサイルはどこにも確認できないから、これで全部終わり!』
「そうか……」
束の通信を聞いて、ようやく千冬は構えを解いた。
「ん?」
ふと、下を見ると会場に浮いている各イージス艦の甲板に船員達が一堂に並び敬礼をしていた。
と、同時に何度もライトを光らせて何かを知らせているようだった。
『あれは…発光信号だな。内容は……』
『海上自衛隊を代表し、貴官の協力に心からの感謝と敬意を表す……だな』
「私が…自衛隊に……」
空の方を見ると、ISの高感度センサーに去り行く戦闘機のコクピットの中から敬礼をしている隊員が見えた。
海と空。それぞれを守る者達に向けて、千冬も見よう見真似で敬礼をする。
『ちーちゃん。今から撤退ルートを示すから、それに従って戻ってきて。念の為に光学迷彩とジャミングをかけておくよ』
「分かった」
ISの表示される場所を目指し、千冬は撤退を開始した。
その顔はフルフェイスのバイザーには覆われていたから、白騎士の正体が彼女であることは判明していないが、それでも、その存在の鮮烈さは確かにこの防衛線に参加した全ての人間の脳裏に刻まれた。
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「ちーちゃん!」
「「千冬さん!」」
なんとかして束の部屋まで戻ってきた千冬は、帰還と同時にISを解除し、座り込むようにしてその場に倒れかけた。
だが、寸前で束がその体を支えることで、床に倒れることは無かった。
「今…戻った……」
「ちーちゃん……ご苦労様……」
「あぁ……ただいま……」
何もかもが初めての出来事だったせいか、精も根も完全に疲れ果て、碌に体を動かす余力も無いようだった。
そんな彼女を見て申し訳なさで一杯になったソンネンとデュバルは、今だけは見栄も外聞もかなぐり捨てて、二人一緒に千冬の体を抱きしめた。
「本当に済まなかった……。本来は、貴女のような争い事とは無縁の人物を送り出すべきではなかったのに……」
「アンタには、とんでもなくデッカイ恩が出来ちまったな…。この借りは一生掛かっても絶対に返すと約束するぜ……」
「お前達は……優しいな……」
千冬も優しく微笑みながら、小さな二人の体をそっと抱きしめた。
今にも意識が落ちそうになりながらも、その声だけはハッキリとしている。
「そんな二人だから…絶対に守りたいと思ったんだ……」
「千冬さん…アンタは……」
「お前達が誰かなんて…些細な問題だ……。少なくとも…私にとってはな……」
「…………」
「だから……気にするな……」
最後の力を振り絞り、千冬は束の方を向く。
「一夏たちは…どうなっている…?」
「皆、何事も無かったようにしてるよ」
「そうか……」
ここで遂に千冬は意識を失った。
幼女二人に乗りかかるようにしているが、なんとかして彼女の体を支えている。
「……束。君にこれを渡しておく」
「これって…デューちゃんが持ってたUSB?」
「そうだ。貴女ならば、この中身を正しく理解出来ると判断した」
「いいのか?」
「少なくとも、私達では持っていても宝の持ち腐れだろう。それに……」
「それに?」
「これの中身は何となく想像ついてるんじゃないのか?」
「……まぁな」
この日は、そのまま千冬を暫く休ませてから解散となった。
束は当然だが、千冬もソンネンもデュバルも、自分達が世界の歴史の分岐する瞬間に立ち会ったことを自覚していなかった。
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自衛隊がどれだけ情報管理を必死に行っていても、人の口に戸は建てられない。
様々な形で襲来した多数のミサイルを撃破していった自衛隊やISの事を目撃した者達が、それをネットなどで拡散した。
それはあっという間に世界中に広がり、途端にISの存在は多くの人々に認識されることに。
それが切っ掛けとなり、少し前まで全く興味を示さなかった科学者や研究者たちは、手の平を返したかのように束の頭脳とISに飛びつき、仕方なく束はISを正式に公表する羽目となった。
本人が全く臨んだ形ではない発表ではあったが、それでも世間に自分の発明品が認められたのは紛れもない事実。
こんな前代未聞の事件が切っ掛けとなったのは皮肉とした言いようがなく、本人も素直には喜べず、非常に渋い顔をしていた。
それは束の両親も同じで、これからどうするべきか家族会議が開かれたとかなんとか。
世界中でISが研究され始めるのに時間は掛からず、束は政府の要請に渋々、従うような形でISのコアを次々と生産していった。
ISのコアだけはどれだけ解析しても不明な部分が多く、開発者である束以外では生み出す事が不可能だったからだ。
不幸中の幸いは、この一連の出来事に千冬やソンネン、デュバルが関わったことが誰にも知られなかったことか。
後に、この時の事件は『白騎士事件』と呼ばれ、後世まで語り継がれていくこととなった。
そして、この事件から時は少しだけ流れて……。
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ヨーツンヘイム孤児院に、またもや新しい仲間が加わった。
黒みがかった茶色い髪のショートヘアの少女で、肌は日に焼けているのか少しだけ浅黒い。
「ここが…ヨーツンヘイム孤児院ね。何の因果なのかね……」
「君が新しくここに住む者か」
「あぁ。取り敢えず、自己紹介ぐらいはしておくか」
現在、ロビーには孤児院に住んでいる全員が揃っているが、そんな中、なんでか彼女は並んで一緒にいたソンネンとデュバルの方へと真っ直ぐに歩いてきた。
「…アンタらとは
「その台詞……まさか……いや、そんな事は……」
「だよなぁ……」
「ヴェルナー・ホルバインだ。よろしく頼むぜ、少佐殿」
なんか、千冬よりも自衛隊の皆さんが大活躍しました。
でも、本来はこれが普通と思うのは私だけでしょうか?
どれだけ機体が優れていても、操縦者の身体能力が高くても、中身はまだ子供なんですから。
それと、TSした海兵のイメージは、アズレンの潜水艦娘である『伊26』です。
勿論、声も同じ。
分らない人はすぐに検索だ!