自給自足で実力主義の学校生活   作:たーなひ

27 / 29
前回タイトル案募集?みたいなやつしたと思うんですけど、活動報告の方でやった方が良いってご指摘を頂いたので、案があれば活動報告の方に書いて下さい。
活動報告なんて書いたの初めてやからやり方が合ってるんかどうか不安です。


二十七話

全ての種目が肉体を酷使する種目と聞いて、石崎は口を開く。

 

「待って下さい。確かに、その、俺たちのクラスには喧嘩自慢が何人かいます。俺やアルベルト、小宮に近藤。それに伊吹……だけど、その他はそうでもないっスよ?」

 

「そうよね。Bクラスにも運動神経の良い生徒は少なくないし。全部1対1に出来るなら話も違うけど、必要人数は全部変えなきゃなんないのよ?」

 

「だからどうした」

 

「え?」

 

「必要人数なんてもんに捉われすぎなんだよ。勝ち抜きルールを採用すれば一人で済む。仮に10対10で柔道をやっても、アルベルト1人でこと足りる」

 

「でも……学校側が認める?勝ち抜き戦なんて」

 

「筆記試験や球技みたいな種目じゃ勝ち抜きの採用はまず無理だろうな。だが空手や柔道のような競技には勝ち抜き戦形式はありふれたもの。逸脱したルールとは言わねえよ。危険性で弾かれないように、空手なんかは寸止めルールを採用させときゃ問題もない」

 

「いけます、これならいけますよ龍園さん!」

 

石崎の目に希望が灯る。

 

そんな彼らを尻目に、草元はオムライスを注文している。

 

「それなら、確かにDクラスの選んだ種目は全部勝てるかも……でも、運が向こうに偏ったら?Bクラスの種目が多く選ばれたらどうすんのよ」

 

「5割で勝てるだけでも不服か?」

 

「……あんたに協力するんなら、確実な勝ちを要求したいところね」

 

「クク、もちろん手は打つ」

 

Dクラスが選ぶ種目なら兎も角、Bクラスが選ぶ種目は勉強などのDクラスに勝ち目のない種目だろう。

それに勝つにはどうしたら良いのか…。

 

「…………私たちに何をしろって言うの?」

 

「勝つための悪逆だ」

 

当然、『龍園らしい手段』を取ることになる。

龍園は笑いながら続ける。

そして草元はオムライスを食べる。

 

「これから試験前日まで、毎日執拗にBクラスの連中に絡む。最初は付け回すだけでいい。そのうち連中も、自分たちが追い掛け回されてることに気付く」

 

「なにそれ。それで相手にストレスでも与えようっての?」

 

「Bクラスの連中はその行為を稚拙だと笑うだろう。実害が無いのなら放っておけばいいと判断を下す。一之瀬はそういうヤツだ。結局俺の狙いには気づけない」

 

「……狙い?」

 

「本命の一つは情報だ。無数の絡みの中でBクラスの生徒から情報を盗み出して、試験当日に選ばれる5種目を一足先に手に入れる。クラス内じゃ当然、どの5種目にするかの意思統一は早い段階でされている。メールでもチャットでも、誰かしらはその5種目について話し合うもんだ。事実おまえらもしてるだろ?」

 

「え、ええ。10種目は何が良いか、適当な時間を見つけて話し合ったりはしてます」

 

オムライスを食べ終えた草元は、続いてパフェを注文している。

 

「そう。口を堅く結んでいても、携帯は無防備なんだよ。勝手に見られたりしないと思い込んでるからな。それが試験間近になれば方針も固まってる。誰がどんな種目に出るかまで手に入れられるかもな」

 

「簡単に言うけど……そう上手く行くわけ?」

 

「運任せにするんじゃない、こっちからそう誘導してやることが必要だな。そのための布石が明日からの執拗な絡みにある。それと情報を奪う以外にも手段は講じる。例えばコイツだ」

 

「なにそれ……って、下剤?」

 

「これは遅効性の下剤で、48時間以降に効き始める。何人かにこいつを飲ませれば、当日1人か2人ぐらいは体調を崩してくれるかもなぁ?」

 

「あ、あんた。反則でしょそんなの。バレたら………というかコイツの前で話していいわけ!?」

 

そう言って伊吹が指差したのは、この場で唯一の部外者である草元だ。

 

「え、何?なんの話?」

 

「どうやら何も聞いてないみたいだぜ?」

 

龍園が面白そうに言うが、聞いてないはずはないだろう。

 

「な訳ないでしょ!コイツにバラされたらどうすんのよ!」

 

当然の懸念だろう。

これをバラされるだけでDクラスの作戦の龍園は破綻する。

 

 

「なんだ、草元。バラすのか?」

 

「いや?特にバラす気はないけど?」

 

「だってよ」

 

「はぁ!?ホントにコイツを信じてるわけ!?二学期に何されたかわかってるの!?」

 

「キャンキャンうるせぇヤツだな……」

 

「そう言ったるなや。龍園君を心配してくれてるんやで?」

 

「そんなんじゃないから!」

 

敵同士なはずなのに気楽に話すこの2人に、伊吹は苛立ちが募る。

 

 

「…というか、そもそもなんでソイツがいるわけ?」

 

「あ、それは俺も気になってました」

 

初めから気になっていた疑問を、改めて伊吹が問う。

 

「ホンマそれな。俺なんかやっちゃいました?」

 

少し間を置いた後、龍園が口を開く。

 

「……契約の更新がしたい」

 

「契約…?……内容は?」

 

「お前のクラスのスパイ。報酬はAクラスへの移動権だ」

 

「…………つまり、2000万ポイント?」

 

「ま、そうなるな」

 

「…………必要無いわ。既にAクラスへの移動権は持ってるからな」

 

そう言うと、龍園以外の面々が驚きの表情を見せる。

既に2000万を手に入れてるという事なら、驚くのも無理はないだろう。だが、草元が言ったのはそういう意味ではない。

 

「ほう……随分と綾小路を買ってるみたいだな」

 

つまり今のクラス、CクラスがAクラスに上がる事を確信しているということだ。

 

「買ってるってゆうか………まぁそれでええや」

 

「…それだけ綾小路を買ってる理由はなんだ?お前は綾小路の何を知ってる?」

 

「なんでか……って聞かれると……うーん……」

 

そう言って暫く考え込んだが、ようやく纏まったのか口を開いた。

 

「なんというか、アイツ多分負けへんからなぁ……というか、俺が敵対したとしたら容赦無く退学とかさせられそうやし」

 

「クク…確かにな」

 

「要は、単純にリスクがデカすぎる。俺がどうにか頑張ったところでアイツに勝てるようにはならんしな」

 

「でもあの時は私達に協力してたじゃない」

 

伊吹が口を挟む。

 

「あん時はちゃーんと綾小路と連絡取りながらやってたし、最終的に俺ら……いや、綾小路が勝ったやん?」

 

「今回もそうすりゃいいじゃねえか」

 

「バカ言うなや。またお前らに殴られるのはゴメンやで?」

 

「そりゃ残念だ」

 

「……まあでも」

 

「あん?」

 

「お前に協力するのはやぶさかでもない……かな」

 

「……………つまり?」

 

「綾小路と敵対する時以外は協力したっても良い」

 

「肝心なところで働かねぇヤツを雇えと?」

 

「それはそっちで何とかしてや…。櫛田ちゃんおるからそっちを上手く使えば何とかなるやろ?」

 

「桔梗か……そういえばーーーいや、それは後で良いか。……話にならねぇな。お前はCクラス以外を相手にする時にどう役に立てるってんだ?」

 

 

草元は、スペック的に大した人間ではない。確かにそこそこ頭の回転は早いが、リーダー格のように高い性能が無い。

 

だから、例えば橋本のように尾行したりする能力も無い草元が、他クラスを探ることなど出来ないだろう。前回スパイ活動が出来たのは、あくまで自分のクラスの情報だったからだと言っているのだ。

 

 

「………一応言うとくと、多分、お前よりも知ってる情報は多いと思うで?」

 

「ほう…?」

 

「君が知らんことならいくつも知ってるしな」

 

「例えば?」

 

「せやな…例えば……………次の試験でウチのクラスが負けるとかな」

 

 

「……………は?」

 

 

龍園が間の抜けた顔で間の抜けた声を出した。

 

そんな表情を見せるのは初めてだなと、椎名ひよりは場違いな感想を抱いていた。

 

 


 

 

「オイオイ、冗談だろ?綾小路が負けるってのか?坂柳に?」

 

「あくまで結果としてね。結果として」

 

これは多分どう頑張っても避けようがないからな。理事長が手を出せば試験なんてどうとでもなるし。

これを邪魔しようとして、仮に今回邪魔に成功出来たとしても次に俺自身が潰されるかもしれへんからなぁ…。

バグで堀北ちゃんが坂柳さんに打ち勝つみたいなことがあったらワンチャンあるけど。

 

 

「……ふざけてんのか?」

 

「それが分かるのは試験が終わってからやろ?違うか?」

 

「……チッ。そりゃそうだ」

 

「で?どう?雇い主さんのお眼鏡に叶いそうか?」

 

綾小路(アレ)が化け物なのは分かってるから、アレにさえ敵対せえへんなら龍園に協力したって大丈夫やろ。多分。

 

「……いいぜ。合格にしといてやる」

 

「やったぜ」

 

やったぜ。

 

「報酬は?」

 

月給100万……って言いたいところやけど、後々葛城を招き入れるために大量にポイント吐き出すこと考えると、あんまり多額の要求が出来へんのよなぁ……。

龍園のおサイフに優しく、かつ俺が豪遊出来るぐらいの収入……。

 

「…………月給20万で」

 

「……俺の聞き間違いか?お前はこういう時に100万とか吹っかけてくる男のはずだぜ?」

 

おうふ…。なんで考えてたとこドンピシャで当てられるんですかねぇ?

 

「んー、でも良心的な方が良いやろ?」

 

「いや、良くねぇな。何を企んでんのか不安になるぐらいだ」

 

「や、マジでなにも企んで無い…って訳じゃ無いけど、別にそっちに損無いんやから別に良くない?」

 

「…………………まぁ良い。契約成立だ」

 

「よろしくー」

 

そう言って手を出すと、握り返してくれた。

 

うんうん。やっぱり友達っていいねー!昔なら握ったりしてくれんかったのにな!

 

ふと周りを見ると、伊吹ちゃんが信じられないような物を見る目で俺達を見ていた。

 

 

「どうしたん、伊吹ちゃん」

 

「龍園が……いや、なんでコイツを………いや、というかいつから………はぁ、もういいや」

 

諦めたように溜息を吐き出す伊吹ちゃん。

 

突っ込みどころが多すぎたんかな?

龍園がこんな風に差し出された手を握るようなヤツやと思ってなかったし、俺とまた協力関係になるのも謎やし、俺らがいつからこんなに仲良かったのかも謎やし…って感じか。

 

 

「お二人って仲良かったんですか?」

 

椎名ちゃんがバッサリと切り込んできた。

 

いやー、ソウルフレンズってゆーかさ!な!龍園クン!

 

「別に仲は良くねぇよ」

 

ふぁっ!?

 

「え、嘘やろ?俺結構仲良いと思っててんけど?」

 

「お前と?…冗談はよせよ」

 

「うわー、無いわー、無いわー」

 

信じられんねんけど。あんだけ2人で話して、焼肉食ってんのに友達じゃないとか……。

と、ここでピンと来るものがあった。コイツ、恥ずかしがってるんとちゃうか、と。

 

「別に友達がおることは恥ずかしい事じゃ無いんやで?そんなに恥ずかしがらんとさ!なぁ!」

 

「そうですよ龍園くん。友達が居るのは良いことです」

 

「ほらー、椎名ちゃんもこう言ってるぞ?」

 

「ウゼェ……」

 

「はー!強情やな!どう思うよ石崎君?」

 

「は?俺?いや、俺は……その……」

 

どこか複雑な表情をしていた石崎にボールを投げるとしどろもどろになってしまった。

 

 

 

暫く椎名ちゃんと龍園をキャッキャと弄っていると、限界が来たのか龍園はカラオケを出て行ってしまった。

 

その後は、椎名ちゃん達とカラオケをしていたのはいうまでもない。

限界限界と言っていた伊吹が思いの外歌っていたのが印象的だった。

因みに、石崎は意外と歌が上手い。

後、椎名ちゃんが楽しそうやったのは中々見てて微笑ましかったです。ぴょんぴょんしてて可愛かったなぁ……。

…あ、俺?俺はプリキュアしか歌ってなかったで?そんで思ったよ、女子はやっぱりプリキュア見てたんやなぁ…って。




新刊でも龍園君出て来て、普通に龍園好きなキャラなんで舞い踊りました。龍園贔屓が凄いとは思うんですけど許してくれ。
……コレここまで来たら『ヒロインは龍園翔』って書いたほうがええんちゃうか?

タイトルどうする?

  • 変えた方が良い
  • 変える必要無い
  • 花山inよう実書いてみてくれ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。