ハイスクール・フリート ルパン三世暗殺指令   作:サイレント・レイ

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第12話 ルパンのブルマー化でピンチ?

――― 西太平洋・某所 ―――

 

 

 ルパンの提案に乗っ取って、弾薬補給を求める『晴風』は西太平洋のある海域を進んでいた。

 

「ルパンのおっちゃん、本当に此の辺りなのか?」

 

「あ~…俺の記憶が正しければ、此所いらにある筈なんだが…」

 

「呆けたんじゃないのですか?」

 

 だが目標の場所(?)が全く見当たらない為、芽依に疑問をぶつけられたルパンが眉間に皺を寄せ、そんな彼にましろが冷たい目線で毒を吐いていた。

 だが実際問題、銭形経由での警察からの補給をその他諸々受けた後と言え、航行に支障が出る可能性が見えてきたので、明乃達も内心で不安を感じていた。

 

「ルパン、前方から来るぞ」

 

「おう、お迎えが来た!!!」

 

 その直後に、艦橋の上に座っている五ェ門(どうやら艦橋の上を定位置にしたらしい)から報せが入って、ルパンが喜んだら、直ぐに次元と共に艦橋から出て艦首に向かった。

 

「マッチちゃん、前方に何がいるの?」

 

『……っ!

1時の方角に魚雷艇が複数接近!!』

 

 明乃は五ェ門の報告を疑ったらしく、伝声管越しにマチコに確認を取ると、少し間を措いてから報告が正しかった事が示され、実際に明乃もましろ達と共に双眼鏡で確認したら確かに魚雷艇と思われる小型艇群が艦首を持ち上げる程の高速で近づいてきていた。

 

「…アレは………フェアマイル級魚雷艇のD型です」

 

「それにヤグアル級魚雷艇までいるぞ!

何故、あ奴等がこんな所にいるんじゃ!?」

 

 幸子がタブレットで魚雷艇の1つがイギリスの魚雷艇で、続けてヴィルヘルミーナがもう1つが自分達ドイツの魚雷艇であるのを見抜いた。

 フェアマイルD級やヤグアル級にしても半世紀以上前のモノであり、しかも広大な太平洋上にいるに相応しくないのであったから、誰もが疑問に思わざるを得なかった。

 

「でも、アレじゃあ、マッチちゃんや電探とかじゃあ見つけられないよ」

 

「だけど五ェ門が見つけたんだからマッチやメグは形無しだよな」

 

「……野間さん達の仕事を奪わないでよ…」

 

 どうも見つからない様にギリギリまで速度を落としていた魚雷艇群を事前に見つけられなかったマチコや恵に代わって鈴が言い訳をするも芽依が2人を小馬鹿にしていたが、ましろは魚雷艇をマチコ達や電探を超えた五ェ門の探知能力に思う事があったらしく、天井越しに五ェ門がいる(だろう)場所を見上げて睨んでいた。

 尚、ましろ(達)が知る余地は無かったが、此の時マチコは意味ありげに五ェ門を見下ろしていた。

 此の間に魚雷艇群は『晴風』に接近し続けていて、双眼鏡で搭乗員達が確認出来る距離にまで来ていたが、その搭乗員達に明乃達はギョッとした。

 何故なら搭乗している男性達の衣装は、ズボンは兎も角、上半身は裸かタンクトップ、一部は頭にバンダナを巻いていて、全員の人相の悪さもあって、全員が海賊だと思ったからだ。

 

「総員、近接戦闘戦用意!!!

緊急回頭、取舵いっぱぁーい(一杯)!!!」

 

「砲科は機銃用意!!!」

 

 魚雷艇群は『晴風』を攻撃しようとしていると判断して、明乃が泣き出した鈴に旋回を命じ、続けてましろが距離と相手が魚雷艇である事から機銃群を準備させようとした。

 因みに、砲術長の志摩が未だに入院拘束中なので、一応上官である不二子の了承下にましろ(彼女は砲術科)が副長兼任で砲術長代理となっていて、ましろが無理な場合は芽依が砲術長代理の代理となる手筈になっていた。

 

「落ち着きなさい!!!

取り敢えずはアレ等は敵ではありませんよ!」

 

 処が、不二子が明乃とましろを制止させて2人の命令取り消しを命じて、明乃達を“え?”とさせた。

 だが不二子の言う通りによく確認したら、魚雷艇群は『晴風』への接近に続けるも突然速度を大幅に落としていた。

 その理由は舳先で魚雷艇群へ両手を大きく振っているルパンだと見てとれた。

 まぁそれでも緊急時に備えて、明乃は不二子の頷いての了承下に戦闘準備だけは命じていたが、魚雷艇の1隻が遂に『晴風』の艦首左舷側に接近、丁度そこにいるルパンの真下に位置する所で、ゴリラみたいな屈強な搭乗員達を他所に立ち上がった1人がルパンを見上げたが、どうやら服装等からして彼が魚雷艇群の嚮導役(か司令官)の様だった。

 

「まるで、仁義のない争いのワンシーン!」

 

「ドンパチでも始めるんじゃろか?」

 

 ルパンと嚮導役との見つめ合いで幸子とヴィルヘルミーナが変な予想を立てて2人劇を始めていたが、明乃達はそんな2人を無視していた。

 

「よう!!

随分と急ぎだったが、何かあったのか?」

 

「あ、いえいえいえ!!!

ブルーマーメイドの駆逐艦だったので、職業病とも言うべきか、つい条件反射みたいなのをしてしまったんです!」

 

「まさかルパンの旦那のだとは思わなかったんですよ!!」

 

 処が予想に反して、しゃがんでちゃかしを入れたルパンに対して、搭乗員達は揃いも揃って下手に出ていた。

 此の為、明乃達は拍子抜けをしながら、“彼等はルパンの部下?”と思ってしまった。

 

「流石は天下のルパン三世だな。

海賊にまでお前の名が通ってるんだからな」

 

「次元、俺を誉めてもなぁ~ん()にも出ないよ」

 

「それに旦那は今、ブルーマーメイドからだと言うだけでなく、あの宗谷真雪の所から駆逐艦を盗んだ事で俺達の間で話題ですよ!」

 

「未だに俺達の悪夢である“来島の巴御前”(真雪の通称)を出し抜いたんですから、旦那は俺達の間では英雄(ヒーロー)の扱いですよ!」

 

 ましろが母を(オダ)てのダシにされた事でムッとしたが、彼等の会話から裏社会での実力差が感じ取れたので、明乃達は改めてルパン(一味)の実力を実感した。

 

「処でさ、此の船のモン()で色々欲しいのがあるのよぉ~…」

 

 ルパンが彼等から『晴風』の弾薬を買おうとしているのが分かって、明乃達は当然ながらギョッとしたが、当人達までが顔を渋めた。

 

「旦那ぁ~…協力したいのはヤマヤマですが、ガキ(学生)と言え、俺等の商売敵のブルーマーメイドが乗っているんですよ」

 

「それによりにもよって、あの真雪の所のですし…」

 

「奴等が俺等のシマをチクったら堪りませんから…」

 

「見損なうなよ。

俺達にも同業者に対して、それぐらいの仁義は心得てる。

此所いらのは後で、俺等が『晴風』のログ等から消しておくから安心しろ」

 

「それにさぁ、あのガキンチョどももブルーマーメイドに追われてんのよ。

だから、今の『晴風』は“ルパン三世のブルーマーメイド”………ん~と、ブルー(blue)ルパン(lupin)を足して………ブルパン(blupin)マーメイドって身分なのよ」

 

「安易だなぁ~…」

 

 ルパンによる“ブルパン”の略称に次元が呆れていたが、当人達である明乃達は不二子共々露骨に嫌そうな顔をしていた。

 

「まぁ、此の俺の顔を立てるとして、目ぇ瞑ってちょうだい」

 

「……上客様、多数をごあんなぁ~い(案内)!」

 

 若干躊躇(チュウチョ)等があったが、取り敢えずは入る許可が降りて魚雷艇群が次々に案内役として先行していき、ルパンは立ち上がると艦橋に向かって“ニッ”と笑ったが、明乃達は『晴風』を前進させながらも渋い顔つきでをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 数刻後 ―――

 

 

 魚雷艇群の先導で『晴風』の進路の先に現れたのは、円形に並んだ船舶………一見したら一昔の貨物船っぽいが船首と船尾の各々にオープントップ式の単装主砲が有ったので仮装巡洋艦に近い存在が大量にいて、更に近付いて分かったのがその船舶のどれもが錆びが殆どに広がっている船体の幾つかに継ぎ接ぎが目立った。

 

「あ、あぁぁぁー!!!

主砲が動こうとしてます!」

 

 そしてなにより、例えば『晴風』の左正面の船の船首側甲板で、屈強な中東系の男性が脇で揉み手をしている中国系の男性から受け取った、イスラエルのマシンガン・IMIウージーで舳先に置いてある缶に目掛けての試し撃ちをして全弾外していて(此の為か、次元が呆れて帽子を真上から押さえていた)、どの船の甲板にも“アウトロー”を連想させる人間達がいて、先程の魚雷艇群の者達と同様に『晴風』を警戒して主砲や機銃に取り付いていたので、明乃達は鈴が悲鳴を上げた事もあって危険を感じて顔を引き吊らせた。

 

「…アレ、良いなぁ~…」

 

…芽依のみは例外で、甲板での試し撃ちを羨ましそう見詰めていた。

 だが魚雷艇群が先導している事から実際に発砲する事はなく、『晴風』はそのまま船舶群の間を抜けて明乃達が揃って溜め息を吐き、その先には今まで見えなかったバラックやテントが大量に立てられた環礁が見えてきた。

 

「停船準備!

黒20!!」

 

「了解!!…」

 

 ルパンの目的地は前方の環礁だったようで、不二子が停船の準備を命じて明乃が復唱しながら鈴や麻侖に指示を次々に出していた。

 因みに不二子が最後に言った“黒20”とは日本海軍独自の機関回転数の指令で、一般的に訳すると“機関回転数を20下げろ”であり、逆に回転数を上げる時は“赤”である。

 

「ほんじゃあ、不二子!

買い出しに行ってくんから、留守は宜しくな!」

 

「どすこい!」

 

 そうこういている間に『晴風』は環礁近くで停止し、ルパンは次元や艦橋上から飛び降りた五ェ門と共に環礁に行く事を伝え、そのルパン達3人に明乃がましろと不安そうに目線を合わせた後に何人かを引き連れてスキッパーの所に向かった。

 尚、『晴風』の本来の2機はオーシャンモール・四国沖店で置き忘れになっていたが、呉女子海洋学校のが複数ぶら下がったままだったのを猫ババしていた。

 

「…あ、そうそう、松永さんと姫路さんを呼び出しなさい」

 

 ルパン達がスキッパー4機に分乗して環礁に向かったのを見送った後、不二子は留守居役の鈴とヴィルヘルミーナに理都子と果代子の呼び出しを命じた。

 

「教官、りっちゃんとかよちゃんに何を…」

 

「此の間にRATtを無警戒に『晴風』に引き揚げた罰を言い渡すのです。

あ、此れを機に大和級独自の罰則をやらせますか」

 

 若干渋々感があったヴィルヘルミーナは不二子の命令を伝声管で伝えていた間、鈴が嫌な予感を感じて不二子に訊ねてその予感通りだったので、彼女なりに理都子と果代子を弁護しようとしたが、不二子にあっさりはれ除けられていた。

 

「…松永理都子、姫路果代子、貴女達2人は漂流物を無警戒に引き揚げ、RATtを放って『晴風』を危険に晒した事は看破出来ません。

よって2人には罰として、水着姿で『晴風』の甲板マラソン10周を言い渡します!!」

 

「え、ちょっと!!」

 

 数分後に不二子が不安そうに艦橋に入ってきた理都子と果代子に怒り気味に命じた罰は、海軍時代後期から大和級で始まったパンツ(か褌)1丁で甲板マラソンとの公開処刑も兼ねた代物で、女子版は流石に不味いので水着姿に緩和(?)されていた。

 

「RATtを放ったのは不可抗力…」

 

「私から銭形警部に頼んで、尻バットにしてもらってもいいのですよ!!

嫌なら私が言った事を早くやりなさい!!!」

 

「「は、はいぃぃぃー!!!」」

 

「……自業自得と言え、一様教官と言える存在が乗艦していたのが仇になったな…」

 

 理都子と果代子が口答えして更に不二子に怒鳴られて、ほぼ反射的に制服を脱ぎながら水着姿になって艦橋から飛び出していった光景から、ヴィルヘルミーナが2人を少し哀れんでいた。

 因みに、理都子と果代子は数日前に銭形の聞き取りで彼から怒鳴っての注意を受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 環礁 ―――

 

 

「此所はな、海賊や闇のブローカー達によって運営されるブラックマーケットだ。

此処には核兵器以外だったら、環太平洋や環インド洋中のあらゆる武器が揃ってる」

 

 環礁上陸後、ルパンを先頭に道なりを進みだした明乃達は、環礁の存在の説明をルパンから受けていた。

 

「基本的には盗品や横流しのだが、中には見た事がない物も、手製の物も多いから事故が絶えねえんだよ」

 

 ルパンの言っている事が正しい証として、過ぎようとした脇のテントの中で中東系の老人が回転式拳銃をドライバー片手に組み立ていた上、奥の方で爆発が起きていた。

 

「…そんじゃ、次元、五ェ門、買い出しを頼むぞ」

 

「おう!」

 

「承知!」

 

 ブラックマーケットのほぼ中間地点に来ると、次元は芽依達と共に『晴風』の弾薬や主砲の調達、五ェ門はましろ達と共に魚雷やその他補修部品の調達をしに、3手に別れた。

 

「……ん?」

 

「五ェ門、どうしたと言うのですか?」

 

「いや、気のせいだ」

 

 ルパン達や次元達と別れた直後、五ェ門は『晴風』が下ろした錨の1つに違和感を感じて、振り向いて暫く見詰めていたが、洋美が怪訝な顔で尋ねた事もあってか、見間違いと片付けた。

 だが実際は、『晴風』の右舷錨の右爪に付いている輪型の物体の一部分が微かな赤い光を点滅させていた。

 

 

 

 

 

「ウヒャヒャヒャー!!!

此れ此れ、最高おぉぉー!!!」

 

「……はぁ…」

 

「メイちゃん、目的忘れてないかな?」

 

 で早速、芽依が先程見かけた船に駆け込んで89式小銃(横領品)やロシアの無反動砲RPG7の試し撃ちを嬉々としてやり始めて、次元達に呆れられていた。

 

 

 

 

 

「…あ、魚雷が有る!」

 

 続けて、ましろ達は魚雷各種の展示場を見つけて駆け寄っていた。

 

「……此所に九三式は有りますか?」

 

「ああ、それでしたら彼処に…」

 

 入って直ぐ、ましろ達は店番と思われる東南アジア系の青年に案内されて『晴風』(吹雪級から島風級の日本駆逐艦)に合う魚雷の所に着いた。

 

「お嬢ちゃん達、運が良いね。

此れ等は先週手に入ったばかりのだよ」

 

「……此れ等を12本欲しい」

 

 予想はしていたが、笑顔での青年の説明で魚雷群が海賊行為による盗品であるのが分かって、ましろ達は嫌そうにするも買う物を指定したら、五ェ門が魚雷群の1本1本を鞘越しでの斬鉄剣で叩いていた。

 ましろ達は五ェ門の行為を分からずにいたが、青年が不味そうな顔をしたら振り向いた五ェ門に睨まれた。

 

「…此れ等は全部、駄目な代物だ。

使えるのは無いのか?」

 

「は、はい!!!

直ぐに持ってきます!」

 

 五ェ門が見抜いてからの斬鉄剣を軽く抜きながらの脅迫行為に、青年は軽く蹴躓きながら慌てて走っていった。

 

 実は此の時、背後の物陰からましろの背を睨んでいる目線が多数あったのだが、当人は全く気付いていなかった…




 感想・またはご意見、両方でも良いので宜しくお願いします。

 此処で皆さんに聞きたいのですが、『武蔵』に行く前に『アドミラル・グラーフ・シュペー』と戦うかやらないかで悩んでまして、その事の意見も出来ればお願いします。

貴方にとってのルパン三世は?

  • 1世たる“山田康雄”
  • 2世たる“古川登志夫”
  • 3世たる“栗田貫一”
  • 実写版1世たる“目黒裕樹”
  • 実写版2世たる“小栗旬”
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