ハイスクール・フリート ルパン三世暗殺指令   作:サイレント・レイ

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 前回から登場したフィアットですが、此方の勘違いでルパンのは初代と書いてましたが、正しくは2代目でありましたので、訂正しました。





 それでは本編をどうぞ


第6話 帰艦までピンチ

――― オーシャンモール・四国沖店 ―――

 

 

「脱出!!!」

 

 ルパン達は裏路地を抜けて表道に復帰、突然裏路地から飛び出したフィアットに客達が驚き悲鳴を上げながら逃げていたが、超信地旋回で1回転したフィアットを運転しているのがルパンだと直ぐに分かって、フィアットが走り出すと同時に悲鳴が歓声に変わった。

 

「ルパン発見、ルパン発見!!!」

 

「ルパンはハイエースからフィアットに乗り換えますので、注意!!!」

 

「全車、直ちに指定場所に集結せよ!!!

繰り返す!…」

 

 当然見失っていたルパン(達)の再出現にブルーマーメイド達も直ぐに気付いて、フィアットを目指して追走車が次々に現れだしていた。

 

「「ああー!!!」」

 

「ルパンさん、前!!!」

 

 だが偶然に近い形で、前方でブルーマーメイド達が車両でのバリケードで完全に道を塞いでいたのに明乃達が気付き、美甘と媛萌は悲鳴が上げるのみだったが、明乃はルパンに指摘した。

 だがルパンはフィアットにブレーキを掛ける気が全く無く、前方の周囲を見渡してから、右にハンドルを切って逃げ出した客達の間にフィアットを突進………手摺を突き破って浅い水路に着地(?)させ、その先へ疾走させた。

 

「ひやぁ~…びっくらこいたぜ…」

 

 ブルーマーメイドの何人かが悔しがっていたのを尻目に、取り敢えずは安全地帯を進んでいたので、次元が一息を入れ、明乃達4人もそれに続いた。

 

「…じげぇ~ん(次元)、面白いのがやってるぞ」

 

 いつの間にかにダッシュボードに繋がったイヤホンを左耳に着けていたルパンは、そのイヤホンをダッシュボードから外した。

 

『…う報告、緊急報告!!!

裏路地にてブルーマーメイドの遺体が複数発見!!!

目撃情報と状況証拠から見て、犯人はルパン三世と思われる!!!

ルパンは人質を多数持った上に危険行為を行う事が予想される為、全隊員に銃火器の無制限使用を許可する!!!

繰り返す、ルパン三世がブルーマーメイドを複数人殺害、全隊員に銃火器の無制限使用を許可する!!!』

 

「…本格的に動き出してきたな。

『晴風』の騒動から始まった此の騒ぎ、裏が結構深まってるぜぇ~…」

 

「どう言う事ですか?………?」

 

 明乃達4人がルパンがブルーマーメイド達の殺害の濡れ衣を着せられた事にギョッとしたが、当のルパンは次元共々毎度の事だとしてどうとないとしていた。

 だがそれよりも、ルパンと次元は取り敢えず置いておき、ブルーマーメイドとは別の第3勢力と思われる存在の襲撃に何かを思わざるを得なかった。

 明乃は何かを知ってそうなルパンに前に乗り出して尋ねようとしたが、前方で何かを見つけた。

 

「ルパンさん、前から何かが来てます!」

 

「……っ!?

シャトルバスだぁぁぁー!!!」

 

「ルパン急げ、バックだ!!!」

 

 前方から水陸両用のシャトルバスが向かっている事が分かり、どうであろうと此のままだと正面衝突するのが目に見えていて、次元が叫ぶまでもなくルパンは直ぐにフィアットを止め、ギア(オートマでなくマニュアルだった)を5速から後進に素早く切り替えて全速後進を始めた。

 不味い事に、シャトルバスの前方に乗客が詰め寄って運転手が見当たらない事から、シャトルバスは自動式であるらしく、緊急停止をする気配が無かった。

 

「来るなぁぁぁー!!!」

 

「止まって止まって!!!」

 

 ルパンのアクセル全開も虚しく、シャトルバスはフィアットに追い付いて数度フィアットのフロントバンパーに接触して軽く突飛ばした為、媛萌と明乃が両手を突き出して叫んでいた。

 だが幸いな事に停留所が近付いた事でシャトルバスは失速を開始し、ルパンがタイミングを合わせてのギアチェンジで、突き飛ばされた勢いも利用して停留所にフィアットを飛び乗せる事に成功してシャトルバスはフィアットの直ぐ脇を過ぎて停車した。

 正面衝突を回避出来た事にルパンが次元達5人と揃って安堵の溜息を吐いたら、シャトルバスから視線を感じてそちらに振り向くと、シャトルバスから複数の女子高生達が窓に張り付いて自分達を凝視していた。

 

「…おじさん、ルパン!!?」

 

「そうでぇ~す!!

ルパン三世でぇぇーす!!!」

 

「嘘、マジ、ヤバい!!!」

 

「写真取らせて取らせて!!!」

 

「どぉ~ぞ、どぉ~ぞ♪」

 

 女子高生達がルパンの名乗りに歓喜の悲鳴を上げると、他の乗客達共々ルパンにカメラモードのスマホを向けた。

 それにルパンは次元だけでなく、写真取りに反応した明乃達4人と共に笑顔のピースで答えた。

 

「そんじゃあ~ねぇ~…」

 

「「「……あれ?」」」

 

 カメラ撮影が終わるとルパンは手を振った後にフィアットを後進からのスピンターンで反転させて急発進したが、此の直後に明乃達3人(顔から見て、美波のみは明らかに確信犯だった)は自分達が不味いかもしれない事をしでかした事に気付いて目線を合わせていた。

 

「御免ね!

可愛娘(カワイコ)ちゃん、チュッチュゥゥ~!!!」

 

「…けっ!」

「「「「おお~!!!」」」」

 

 早く逃げればいいのに、ルパンはオーシャンモール・四国沖店の現状を無視して接吻(キス)しようとしていた若いカップルを見付けると、フィアットで上手く近くに来て、彼氏から彼女を引き剥がして右頬に接吻をし、次元は毎度の行為であったので呆れていたが、明乃達4人は思わず歓声を上げた。

 

「うふ~ん♪」

 

「…テンメェェェー!!!」

 

 ルパンがフィアットを急発進させると、赤くなった両頬を押さえながらふやけていた彼女の脇で、ルパンに彼女の心を盗まれ結果自分が失恋する近未来を察した彼氏はフィアット(ルパン)に向かって怒鳴っていた。

 

「いたぞぉぉぉー!!!」

 

「追え追えぇぇぇー!!!」

 

 ブルーマーメイド達とは真逆の方角を走行していたので暫くは平穏(?)だったが、ブルーマーメイド達は監視カメラからの報告で戻って来たので、再び追走劇が始まった。

 

「…お!

来たようだぞ」

 

「だねぇ!」

 

 少し走り続けていたら、次元が上空に上げられた信号弾に気付いてルパンに報せた。

 

「あれって、『晴風』のだ」

 

 明乃は信号弾であるのを見抜いてそれを報せると他の3人は安堵感を出していたが、ルパンは直ぐ脇の曲がり角に急旋回してやっと海の方に向かいだした。

 

「…?

何か音がする」

 

「座席の下からだ」

 

「ああ、それは駄目!!!」

 

 その直後に明乃と媛萌が後部座席の下から変な振動と音がしたので、ルパンの忠告を無視して美柑と美波と共に座席を(メク)ると、そこにトレンチコートにソフト帽の、季節外れな茶色一色の服装の中年男性が手足を縛っての猿轡をした状態で寝転がっていた。

 目線での訴えもあって、明乃は中年男性の手の拘束と猿轡を外すと、中年男性は直ぐに飛び起きて運転席にしがみついた。

 

「ルパァァァーン!!!

貴様、少女誘拐を行うだけでなく、殺人まで起こすとは、どう言う事だ!!?」

 

「だぁーから、こうなるっから、拘束してたんだよ、とっつぁん!!」

 

「も、もしかして、貴方が銭形警部!?」

 

 後部座席の下に拘束されていたのが、ルパン三世専従捜査官である銭形幸一だった事に、明乃は他3人共々驚くしかなかったが、今思えばルパン追走が妙に後手後手だったし、“ルパンいる所に銭形”と言わんばかりにルパンがいたら銭形も遅かれ早かれ現れる筈なのに今まで現れる気配が無いだけでなく、ルパンと言い争っている銭形からルパンを逮捕する気が全く感じられず、変に嫌な予感を感じずにはいられなかった。

 だが状況は明乃達4人に考えさせる暇を与えさせる事はなく、後方から飛んできた銃弾がバック硝子を突き抜きて、そのまま銭形の顔の左脇を過ぎてフロント硝子に穴を開けた。

 どうやらブルーマーメイド達は先の命令を忠実に守って(?)の銃撃を始めたらしく、ルパンが左右にハンドルを切っていたので、フィアットはハイエースとは違って致命傷を受けてはいなかったが、流れ弾の数割りは街灯や建物に当たるだけでなく、客達にも襲い掛かっていた。

 

「何でアイツ等、撃ってくるんだ!!?」

 

「本人に聞いてくれ!!!」

 

 混乱も感じられるブルーマーメイド達の銃撃に、銭形はルパンに質問したが、やはり回避運動が大変らしくルパンは銭形に怒鳴り返すだけだった。

 

『止めなさい、発砲止め発砲止め!!!

私は無差別銃撃を命じていない!!!』

 

 此の為だろう、傍受無線から先の命令に反して銃撃を止めさせようとする声が複数聞こえていたのを気にしていなかった。

 

「ルパン、そろそろだ!」

 

 取り敢えず銭形は明乃達に抑えられ、次元がルパンに何かを報せると………前方から時代錯誤な侍としか思えない、着物に白鞘の太刀を手に持った男性が、建物から飛び降りてフィアットと並走した。

 

「五ェ門、首尾は?」

 

「問題無い!」

 

「五ェ門?」

 

「十三代目石川五ェ門!!」

 

 ルパンとのやり取りで、美甘と明乃は男性はルパンの仲間の五ェ門だと他の2人と共に判断、その直後に海が見えると同時に五ェ門はフィアットの屋根に飛び乗って、愛刀あたる斬鉄剣を抱えながら器用に胡座鼻(アグラ)で座った。

 

「次元、ハンドル頼むわ!」

 

 次元が助手席から身を乗り出してハンドルを握って直ぐに、ルパンは天窓から身を出して………何処に有ったのか、ホームセンターでも売られている金属パイプ式の煙突を取り出して、僅かに傾いてくれた五ェ門の脇でフィアットのマフラーに取り付けた。

 

「おじさん、海、海です!!!」

 

「落ちるぅぅぅー!!!」

 

 美甘と媛萌が叫んで報せるも次元は無視してフィアットを直進させ続け、ルパンが運転席に戻って直ぐにフィアットは港から海目掛けて飛び出していき、ブルーマーメイドの車両群も“停車し損ねる”か“止まっても後続車に追突される”のどちらかで何割かが海に落ちて水没しようとしていた。

 ルパン達のまさかの行為に無事だったブルーマーメイド達が、一部が落ちた同僚達を救出しながら、唖然としていたが、ルパンがダッシュボードの一部分の何かを引っ張るとフィアットの車体下部に浮き袋が多数展開、更に後部扉が開いて何かの追加機関も展開して、フィアットは水没する事なくそのまま海上を走行し続けた………此の行為で銭形が天窓から吹き飛んで、フィアット背部に必死にしがみ着いているのは見なかった事にしよう…

 

「水陸両用、此の車にどんな改造をしたんだ?」

 

 美波がフィアットの改造仕様に呆れながら分析していたが、明乃達3人はブルーマーメイド達共々硬直していた。

 そしてフィアットが目指している方角に『晴風』が汽笛を鳴らしながら近付いてきていた。

 

「ルパンが海に逃げた!!!」

 

「『晴風』が現れた!!!」

 

 ルパン達の本格的な逃亡に加えて『晴風』の出現にブルーマーメイド達は我に返り、直ぐにスキッパーか警備艇に乗り換えて後を追おうとした。

 処が、先陣となったスキッパー群が発進したら、スキッパーの全てが分解して搭乗していたブルーマーメイドが海に投げ出され、スキッパー群の惨状にギョッとしながらも次波として発進した警備艇群はバラバラのスキッパーや漂流しているブルーマーメイド達を右回りで迂回した。

 だが前方の海から“ピヨピヨ”との可愛らしくも何処か不吉な鳴き声が聞こえたので凝視したら、黄色い家鴨(アヒル)の雛の玩具の大軍がフィアットが向かった先から自分達の所を目指して泳いできていて………近くまで来たら次々に小ささに似合わない大爆発を起こした為に警備艇の全てが大破した。

 第3陣以降のスキッパーや警備艇も全てが同じ様に分解するか家鴨の雛の自爆に巻き込まれるかして、ブルーマーメイドの1人が前半分のみとなったスキッパーを農耕用が牛みたいに引っ張られながら海上を走って水没、他のスキッパーや警備艇の全てが同じ様な末路を迎え、最後となったスキッパーに搭乗していた倫子が周辺海域の惨状に唖然としていたら、スキッパーの座席が吹っ飛んで天高く舞った後に海に落下………バネで激しく揺れる座席の裏にデフォルメ・ルパンが「ごくろうさん」と言っている張り紙が張られていた。

 

「……す………すみません、真霜さん、『晴風』乗員に逃げられました…」

 

『…何をしていたの、貴女達!!?』

 

 此の間にフィアットは『晴風』の所に辿り着こうとしていたが、近くの浮遊物にしがみつた倫子が最後の力で別の場所で作戦総指揮を取っていた上官たる宗谷真霜(ましろの長姉)に無線連絡をして、真霜が怒鳴っているのを尻目に直ぐ力尽きた様に、ブルーマーメイドは失神しての土左衛門(ドザエモン)状態(誰1人死んではいないが)と化すか浮遊物に捕まって硬直するか全員がどちらかになっていて、遅れて殺到した観客達は見事に逃げ切ったルパン達に各々の形で歓声を上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はい、そうです。

『晴風』はルパンに…」

 

 同刻、潜入工作用のスーツから背広に着替えて一般人に化けたブラッドは、部下達を逃がした後に、念の為に群衆から離れた物影に潜んで無線連絡を行っていた。

 

『…分かった。

もう戻ってきていい』

 

「はい…」

 

『……此の、役立たずが!!!』

 

「……はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そうです。

此の騒動が向こうに伝わりました」

 

 更に別の物陰でブラッドの無線通信を確認していた、木戸千恵子もまた何処かに通信報告をしていた。




 感想または御意見、或いは両方でも良いのでお願いします。

 遂にルパンファミリーが全員登場。

 次回から本格的にハイフリ原作からルパン原作に移行していきます。

貴方にとってのルパン三世は?

  • 1世たる“山田康雄”
  • 2世たる“古川登志夫”
  • 3世たる“栗田貫一”
  • 実写版1世たる“目黒裕樹”
  • 実写版2世たる“小栗旬”
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