説明回に近いので会話より文章が多めなのは勘弁してね。
昨日のうちにおかんにサッカークラブに入りたいのでどこか無いかを調べてもらった。
運良くこの町にもサッカークラブはあるようでおかんに連れられ体験見学に訪れた。
中身がおっさんでも体は小一なので仕方なし…。
「あんたがこんなにサッカーに興味があるとは思わんかったわ。もっと早よう言ってくれたらボールの一つでも買うたったのに。」
「まぁクラブに通わせてくれるだけでも十分有難いって」
連れられこられたのは規模的には中堅クラスで設備はそれなりで大会でもそれなりの成績を残しているクラブ。
クラブ名は三ツ矢FC・・・、すっきり炭酸のような名前のクラブだ。
仮入会の為か練習自体は軽めで精々パスやリフティングの練習など簡単な基礎練習でボールに触れる程度の練習だった。
まだ体が出来ていない時期から無理トレーニングは良くないからな。最後に近い歳の子を集めミニゲームをする事となった。
さがに基礎トレーニングだけだとサッカーの楽しさを伝えることも出来ないし何より子供は飽きっぽいので興味を持たせる目的だろう。
「みんなこちらに集合!これからミニゲームをしよう!名前を呼ぶので呼ばれたら二つのチームに別れてスタートだ」
さて、素人がサッカーをする時によくあることは何だと思う?
それはみんながボールに群がりまともなサッカーにはならないこと。
さらに低学年の子供ならなおさらだ。
ならここで自分がやることはボールを散らして団子状態を解除してこの塲をコントロールするか、もしくは・・・。
ボールを奪い有象無象を蹴散らして実力をアピールするかだ!
もちろん自分の選択は後者だ!折角この力があるのだからフル活用せねば!
チームプレイ?ワンフォアオール?なにそれ?美味しいの?
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三ツ矢FCコーチ視点・・・
ゲームが始まり予想通り子供がボールに群がり団子状態だ。
毎年この光景を見るとほっこりするな。どんな名プレイヤーでも初めはあんなもんだよな。
まだ5才から6才位で体もできてないし無理をする必要はない。
そんな事を考えながら試合を見ていると何やら様子がおかしい。
何故か分けた筈の子供達が1人の子供に対して群がっている。
敵味方か入り乱れその子からボールを奪おうとするが誰1人ボールを奪えない。これは異常な光景だった。
キーパーも合わせ21人がボールを奪いにかかるが触れることすら出来ず抜かれてく。
なんだ?あの子供は?俺の目がおかしくなったか?
すでに敵も味方も関係なく全員が一人の子に群がるが誰もボールに触れることなく抜かれていく。
鳥肌とともにその動きの切れに背筋が凍る、その子は常に顔を上げたままでボールを一切見ていない。まるでよく足にボールが吸い付いているとか表現があるが正にそのものだった。
とんでもない逸材が現れた!この子は大袈裟ではなくワールドクラスになると確信させられるほどだ!
しばらくその動きを見ながら今後のことを考えていたその時それは起こった。
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大地視点・・・
やっべ〜!ちょ〜楽し〜!
囲まれても頭の中でドリブルを選択すれば後はほぼオートに近い感覚で抜き去っていく。
ボールも見なくてもコントロールしてくれるから顔が下を向くことも無いしこの能力のお陰で選択しなければ世界は止まったままの為思考する時間があるから最適解が取りやすい。
サッカー特化だけどすげー強スキルだよな・・・
そんなことを考えながらプレイをしている俺に異変が起こる。
急に体が重くなりまるで全力疾走をした後のような感覚、先程までとは違いボールをコントロールすらまま成らずバランスを崩し倒れ込んでしまう。
それを見たコーチが笛を鳴らしゲームを中断し俺に駆け寄る。
一体俺に何が起こったんだ?薄れる意識の中である大事な事を思い出す。
キャプ翼・・・ドリブル・パス・
シュート・ブロック・タックルあらゆる行動にはある物が必要不可欠。
それは・・・『ガッツ』
今の俺は400前後のガッツしか無い、なのに馬鹿みたく無計画に使いまくったそのツケがきたのだ。
コーチが駆け寄り声をかけて来たとき気絶した俺の言葉は。
「くっガッツがたりない!」だったそうだ。