愛と真実の悪を貫く!!   作:柴猫侍

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前回のあらすじ

コスモス「テレポートを悪用して詰みセーブを作るのはやめましょう」




№043:激闘! コイノクチ湿原③

 

 

 

「ピカチュウ、『アイアンテール』」

「ピッカァ!」

 

 ッギャァン!! と耳を劈くような衝突音が響き渡る。

 ピカチュウの『アイアンテール』がAPEX-1の装甲を抉る音だ。この雨の中でも赤白い火花が飛び散っている。

 

『───』

「ピッ!?」

 

 強烈な一撃を前に硬直するも束の間、APEX-1が反撃に打って出る。

 それは武器と呼ぶには家庭的な代物だった。

 しかし、サイズがけた違いだ。子供の身長は優に超えるであろうサイズのスプーンを手に握ったAPEX-1は、サイコパワーの補助をつけて全力で振り抜く。

 すれば、ピカチュウ程の身体であれば吹っ飛んでしまう暴風が巻き起こる。

 案の定、風で煽られたピカチュウは距離を離されてしまう。

すかさず『でんこうせっか』で接近を試みこそするが、再び巻き起こされる念動波の竜巻が行く手を阻んだ。

 

(接近戦を嫌ってる)

 

 敵の様子を観察していたレッドが結論づける。

 ピカチュウの立ち回りに慄いたか、もしくは元々そういう技が得意なだけか。どちらにせよ自分の距離で戦おうとする敵は、執拗なまでにピカチュウを寄せ付けようとしない。

 

(なんとかして近づきたいけれど)

 

 口にするまでもなく、ピカチュウは接近戦を仕掛けようと奮闘している。

 それでも苛烈な抵抗が懐に潜り込むのを許してくれない。

 

(なら、)

 

───攻め方を変えるまでだ。

 

 レッドがアイコンタクトを取った瞬間、手をこまねいていた様子のピカチュウが意図を汲んだと言わんばかりに口角を吊り上げた。

 

「チャア!!」

 

 次の瞬間、鋼鉄の如く硬い尻尾の一撃が地面を割り砕いた。

 蜘蛛の巣状に広がる亀裂。同時に泥や水飛沫が舞い上がる。

 

「目くらまし!? ……いや、」

 

 違う、とイズミが口にするより早く、ピカチュウの姿はその場から消えていた。

 一瞬の出来事だった。神隠しにでも遭ったように消え失せた相手をAPEX-1も捉え切れなかったのか、キョロキョロと辺りを見渡している。

 

 しかし、再会は間もなく訪れた。

 

「そこ」

「ピッカ!」

 

 バゴンッ! と、三度地面が砕ける音が響く。

 音の方向はAPEX-1の背後から。

 そう、ピカチュウは『アイアンテール』で割った地面を潜行し、相手の背後まで回り込んだのだ。

 

『───!!』

「ピ~カ~……チュウウウッ!!」

『───!?』

 

 すかさず迎撃しようとするAPEX-1であったが、突如として瞬いた閃光に視界を奪われる。

薄闇に慣れていた目に、その光は強烈過ぎた。

追い払わんと振るわれたスプーンも虚空を薙ぎ払う。空振りだった。

 

「ヂュウッ!!」

 

 それを見逃すピカチュウではない。

 意地の悪い笑みを浮かべた電気鼠は、振り抜かれたスプーン目掛けて『アイアンテール』を繰り出す。

 研ぎ澄まされた一閃が外れることはない。

 次の瞬間、甲高い悲鳴が上がった。ヒュルヒュルと何かが宙を舞っている。鈍い銀色を放つ物体の正体は、取っ手の部分から切り離されたボウル状の部分だった。

 

『───!?』

「ピカチュウ、『10まんボルト』」

「チュウウウッ!!」

『───ッ!!』

 

 無防備なところへ打ちこまれる全力の電撃。

 バリバリとAPEX-1を覆う電撃は、終わるまでにたっぷりと10秒もの時間を要した。

 

『───!!』

「ピッ!」

「……まだ、」

 

 倒れないのか。

 相棒の全身全霊を食らっても尚、片膝を突くだけに留まるAPEX-1は戦う姿勢を崩さない。それどころか淡い光が装甲の間から漏れだすではないか。

 鮮烈な電光とは違う、優しい温もりに満ちた光だった。

 それが収まる頃、ダメージを負っていたAPEX-1は力強く立ち上がった。

 

(『じこさいせい』……)

 

 回復技も兼ね備えているとは厄介極まりない。

 ピカチュウは本来打たれ強いポケモンではない。長期戦になればなるほど、種族としての貧弱さが露呈しまうようなポケモンだ。それはレッドのピカチュウとて例外ではない。

 

(『ボルテッカー』はダメだな)

 

 回復技を持つ相手に反動の重い技で攻めるのは論外だ。

 『高威力の技で速攻を仕掛ける』なんて言葉は、聞こえはいいがリスクが高すぎる。確信を得られない段階で打って出るのは単なる博打だ。レッドは勝負は好きだが勝負師ではない。

 

(となると……)

 

()()で行く、ピカチュウ」

「ピッカ!」

 

 以心伝心と、ピカチュウは動き出す。

 果敢にもAPEX-1に突撃するピカチュウに、敗北を恐れる様子はない。その証拠にと、一撃でも喰らえば致命傷は必至の念動波の嵐に自ら飛び込んでいく。

 ただし、一発たりとも攻撃は喰らわない。

 神業的なタイミングでちょこまかと回避しつつ、激しい技の応酬を繰り広げている。

 

「な、なんだあのピカチュウ……!?」

「APEX-1とやり合ってるとか、マジヤバー……」

 

 戦々恐々とするのは観戦していた者達。

 特にAPEX-1と呼ばれるポケモンの恐ろしさを知っている側だからこそ、ロケット団は互角の戦いを繰り広げる電気鼠に青ざめていた。

 

「でも、結局有利なのはこっちだしー」

 

 したっぱの女はニタニタと強がるように笑みを作る。

 案外、状況分析は冷静なようだ。

 このまま長期戦に持ち込めば有利であると分かっている様子の敵に、眺めることしかできないイズミは歯噛みする。

 

(くっ! 手持ちが残ってさえいれば加勢してやるんだけれど……)

 

 生憎と手持ちは全員返り討ちにされてしまった。

 残る手立てと言えば、生身でロケット団の下へ行き、奪われた手持ちを取り返すぐらい だが、ここまで激しい戦闘の中を突っ切っていくのは不可能に近い。

 

 結局のところ傍観するしかない。

 

「───コウガッ!!」

 

 そんな時、不意に響いた声に全員の視線が向く。

 

「ゲッコウガ、だと? トレーナーが居ない……野生のポケモンかい?」

「……オー……」

 

 ゴシゴシと眼を擦ったレッドが思わず唸った。

バトル中だったピカチュウさえ、なんとも味わい深いシワシワフェイスを浮かべて、忍ばず木の天辺に堂々と参上したカエル忍者を見つめていた。

 

「コウガッ!!」

 

 己に向けられる呆れた視線など露知らずと言わんばかりにゲッコウガ───もとい、ゲッコウは華麗に跳躍する。

 

『───』

 

 ゲッコウを敵と認識したAPEX-1が右腕を突き出す。

 直後、ドゥン……! と鈍い音が虚空を殴りつける。それがAPEX-1の繰り出した『サイコウェーブ』だと見抜くや、ゲッコウは水かきのついた掌を構える。

 すると、掌からドロドロとした黒い波動が滲み出す。

 

───『あくのはどう』

 

 ルカリオから盗んだ技の一つが、『サイコウェーブ』と真正面からぶつかる。

 しかし、余程威力に差があったのだろう。衝突した『あくのはどう』は一瞬にして霧散してしまう。

 

「ダメだ!」

「……ダメだ」

 

 イズミとレッドがそれぞれに危機を唱える。

 このまま行けばゲッコウは『サイコウェーブ』に吹き飛ばされてしまう───かに思えたが、

 

「ゲコォ!」

『? ───ッ!』

 

 念動波を打ち砕くゲッコウが舌を伸ばす。

 あらぬ方向へ伸びていった舌を警戒していたAPEX-1であったが、攻撃は()……正確には()()()からやって来た。

 

「!? あれは……」

「……『かげうち』」

 

 APEX-1の胴体を突き上げる影の舌。

 ゲッコウの十八番の一つ、『かげうち』だった。『へんげんじざい』であくタイプとなり、エスパー技を空かした上での不意打ち。

 相手が仮にエスパータイプならば効果は抜群だ。

 そして、その仮定を理解しているからこそ、ゲッコウもこの技をチョイスした。

 『してやった』とゲッコウもキメ顔を浮かべている。

 

 が、しかし。

 

「ゴッ!?」

 

 ガシィ!! と伸びた舌を掴む圧があった。

 何かが物理的に触れている訳ではないが、確実に何かが掴んでいる。いくら舌を戻そうとしたところで、その場に固定されたかのように微動だにしない舌により、ゲッコウはそのまま宙吊りにされる。

 

 一体なぜ?

 

 思い当たる節に、ゲッコウはすかさず視線を地面へ落とす。

 そこには自身の一撃を喰らい、崩れ落ちているはずのポケモンが───何事もなく立って、捕えた獲物を兜の奥から睨みつけていた。

 

『───』

「ガッ……アァ!?」

 

「チッ!! 仕留めきれなかったか!?」

「ピカチュウ!」

「ピッ!」

 

 このままではやられるとイズミが声を上げれば、間を置かずピカチュウが救援に入る。

 全身から迸る電撃が、まさに今解放されようとした───その瞬間だ。サイコパワーで浮遊していたゲッコウの身体が、ピカチュウの眼前に放り投げられる。

 

「あのポケモン、盾にする気かい!?」

 

 同士討ちをさせるような所業に、思わずイズミも声を荒げた。

 真意は何にせよ、このまま電撃を放てばゲッコウが巻き添えを食らう。曲がりなりにもコスモスの手持ちと判っているゲッコウを巻き込むのは下策だ。

 

「ゴー」

「ヂュウウウ!!」

「ガガガガガッ!?!?!?」

 

「「「「()()いったァ!!?」」」」

 

 ……と思っていたのは周りの人間だけ。

 手心なんてものはない。全身全霊の『10まんボルト』はゲッコウガを基点に、四方八方へと電気を撒き散らす。

 見事に撃ち落とされた焼きガエルは水溜まりに沈み、ピカチュウとAPEX-1のバトルは仕切り直しとなった。

 

「いや、アンタはオニゴーリかい!?」

「……そう言われても……」

「『そう言われても』って!? ハッキリ『ゴー』って言ってたじゃないかい!!」

 

 しかも悩む素振りも見せず、だ。

 ともすれば相手以上の非道に憤慨するイズミがレッドに詰め寄ろうとする。

 

「いえ、構いません」

 

 そこへ少女の声が響く。

 

「!? 嬢ちゃん、アンタ無事、で……?」

()()は少々痛い目を見た方が薬になります」

「……なんでそんな全身泥塗れなんだい?」

 

 聞かないでください、と泥遊びをしてきた風貌のコスモスが答えた。心なしか語気が強いような気もするが、豪雨の中を歩いてきてこの有様なのだ。当初はどれだけ汚れていたかなど想像もつかないが、誰もわざわざ見えた地雷を踏む気にはなれない。

 

「こっちに来い、ゲッコウガ」

 

 お冠なコスモスがゲッコウをボールに戻すも、すぐさまその場に繰り出す。

 

「いいですか? しっかり見ておくことですね」

「……ゲコッ?」

 

 少女の言葉にゲッコウの思考が追い付くよりも早く、火花は散った。

 

「ヂュウ!! ヂュウウッ!!」

『───!!』

 

 目にも止まらぬ速さで肉迫して尻尾を振るうピカチュウ。

 対峙するAPEX-1は、今度は念をナイフの形に形成し、刃物のように鋭い『アイアンテール』と打ち合っている。

 

 スプーンの二の轍は踏まない。

 そんな相手の意思をひしひしと感じる念のナイフは、ピカチュウの『アイアンテール』に勝るとも劣らず、空振った刃の先にある木々を切り倒す程の切れ味を誇っていた。

 

「具現化するほど高密度の『サイコカッター』……!? なんていうポケモンだい……あんなレベルのエスパーポケモンなんて、見たことも聞いたこともないよ……!?」

 

 冷静に分析すればするほど相手のレベルの高さにイズミ慄いた。

 一方で、コスモスはリュックから取り出したまひなおしときずぐすりでゲッコウの手当を開始する。観戦はあくまで片手間だ。

 これほど高次元のバトルを前にしても、彼女の心は目の前に倒れているポケモンの方へと向いていた。

 

「分かりますか? 貴方と先生のピカチュウの違いが」

「ゲコ……?」

「別に経験値(レベル)とかフィジカルとか、そういう話はしていません」

 

 信頼ですよ、と少女は告げた。

 

「先生は最低限の指示しか出していません。けれど、ピカチュウはそれを完璧に読み取って立ち回っています」

 

 よく観察すれば、ピカチュウの耳が小刻みに動いているのが見える。

 

「最初の頃は先生のピカチュウも独断で動いていました。ですが、最近になってようやく指示を出すぐらいには私達も成長したんです。だから分かるんです。名前を呼ぶ……ただそれだけでも、きちんとした意味が込められてると」

 

 たとえば、口に出した声のトーン。

 たとえば、口に出した言葉の速さ。

 

 たったそれだけの情報の中にも、当人達の間だけに伝わる幾千もの情報が詰まっている。コスモスはそう語った。

 

 これにはゲッコウも目が点になった。

 言われなければ気づかない。だが、言われたところで判別するのも難しい。相手がどのような技を繰り出すかある程度予測するゲッコウですら、レッドの指示から読み取れる情報は皆無だ。

 

 それを、この少女は欠片ほどだが掴んでいる。

 

「勿論、それが一番とか言うつもりはありません。バトルスタイルは人それぞれですからね。でも、相手の言葉に耳を傾ける……これができるとできないとじゃ雲泥の差です」

 

 何もバトルに限った話ではない。

 すべてのポケモントレーナーが通る永遠の課題なのだから。

 

「トレーナーの言葉に耳を傾けずに戦うポケモンは野生と一緒です。あそこで暴れてるポケモンと同じ」

 

 ゲッコウを容易く追い詰めた相手は、ピカチュウと熾烈な斬り合いを演じている。

 

「ハッキリ言ってあの二体の中じゃ敵の方が強いでしょう」

「ゲコ?」

「でも、実際にはピカチュウが押している」

 

 突如、斬り合いの音が止んだ。

 すると、空から何かが降ってきた。ザクッ、と落下物が地面に突き刺さる。

 

『───ッ───!』

 

 それは手元から弾かれたナイフだった。

 APEX-1は拾おうと手を伸ばすが、ぎこちない動きの彼が武器を手にする余裕はなかった。

 

「なっ……麻痺したのかッ!?」

「マジー? やばー」

 

 驚愕するしたっぱは、APEX-1の装甲上を迸る電光を見逃さなかった。

 『せいでんき』。珍しくもなんともない特性だ。触れた相手を時折まひ状態にする、ただそれだけの特性。

 

 しかし、レッドとピカチュウからすれば待望の瞬間だった。

 『じこさいせい』で体力を回復できるとしても、状態異常はまた別の話。わざわざ危険な接近戦を仕掛けていた理由は、回復されようがそれよりも早く削り切るだけの大技をぶち込む猶予を得る為だ。

 

「ピカチュウ!」

「ピ~~~カ~~~……ヂュウウウッ!!」

 

『───ッッッ!!!』

 

 刹那、空を覆う雨雲が吼える。

 

 ピカッ!! と閃光が瞬いた瞬間、空気を裂く轟音と共に一条の電光がAPEX-1を貫いた。

 でんきタイプ最高峰の技、『かみなり』。

雨天の中なら必中にして必殺に等しい大技である。

 

『───ッ……!!』

「エ、APEX-1!? 何してる!? 立て、立って奴等をぶっ倒せー!!」

「ちょっとー、マジヤバい感じー……!?」

 

 直撃を食らって膝を突くAPEX-1。

 装甲の各所からは黒煙が上がっており、本体のみならず、装甲自体にも甚大なダメージが入っていると目に見えて分かる様子だった。

 いくら本体が回復できたところで鎧は別だ。単なる鉄の塊ならともかく、工学的な機構が組み込まれている代物なら尚の事。

 

『───……』

 

「と、止まった……?」

「倒しちゃったってワケ……? あのバケモノを……ピカチュウで……!?」

 

 敵の沈黙を目の当たりにし、イズミとアクア団のしたっぱが呆然と呟いた。

 いくら待ってもAPEX-1が動く素振りは見られない。

 

 完全沈黙だ。

 機能停止したAPEX-1は天を仰ぐような体勢で、地べたに両膝を突いたままだった。

 

「……やったね」

「ピッカ!」

 

 微笑むレッドに対し、ピカチュウは小さなおててをVサインにする。

 ともすれば仲間を失うかもしれない局面での勝負が終わったばかりとは思えぬ無邪気さであった。

 

 その光景を前にしたゲッコウは、しばし声を失う。

 

 圧倒的だとは思っていた。

 だが、ここまでとは想像もつかなかった。

 

 単に地力が違うと。自分が経験さえ積めば勝てる相手だと。今の今までの認識、それを丸ごとひっくり返されたような気分にゲッコウは陥った。

 

 呆然自失とするゲッコウ。

 対して、傍らに佇む少女が口を開く。

 

「あれが信頼を築いたポケモンとトレーナー……私が目指すポケモントレーナーの形です」

「……」

「さて……一つ訊きますが、貴方とキュウさんの関係はどうだったんです?」

 

 掘り返すような声色に、思わずゲッコウは俯いた。

 

 だが、しかし。

 

「貴方と彼は信頼し合ってなかったんですか? 負けが込んだ時、本当にあの人は貴方に何も言わなかったんですか?」

「……」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 地面の水溜まりに己の顔が映り込む。

 泥に汚れ、涙に濡れ、クシャクシャに歪んだ惨めな顔だ。

 

 だけど、どこか懐かしい感覚を覚えた。

 

『───なあ、ゲッコウ』

 

 不意に声が響いた。

 どこからともなく聞こえた声は、つい最近の記憶の中から。

 

『お前ェは───よ』

 

 思い出したい。

 思い出したいのに、上手く思い出せない。

 降りしきる雨がノイズのように、記憶の声に曇りを掛ける。大切な言葉のようだった気がするのに、曇りが晴れる気配はない。

 相棒と信じてきたトレーナーの言葉も思い出せない事実に、ゲッコウは項垂れる。

 これでは手持ちから外されるのも道理だ。いくら他人のところで強さを磨こうとも、意思疎通を図れなければポケモントレーナーの下で力を揮うポケモンとしては不適合。

 

 それを自覚した瞬間、ゲッコウは己の咎に涙を流す。

 しかし、

 

「……この数日間、貴方の人となりは見てきましたがね」

 

 突拍子もない話に小首を傾げながらも、ゲッコウはコスモスの言葉に耳を傾けた。

 

「貴方はウリさんと似て頑張り屋です」

「……ゲコッ?」

「というか、限度を知らないです。人が止めてもやり過ぎるんですから、筋金入りの努力家なんでしょうね」

 

 手当を終えたコスモスが背中に手を添える。

 冷たい雨の中で冷え切った身体だからこそ、じんわりと広がる温もりが際立つ。

 

 その温もりにも憶えがあった。

 ただ、少女のものではない。

 もっと遠い記憶……まだ小さくて弱かった時代に、二人三脚で歩んできたトレーナーが添えてくれた手と似ている。

 

「そして、人に頼るのが絶望的に不器用です」

「ゲコ?」

「何事もまず自分で解決しようとする。私にしてみれば不合理極まりないことこの上ない。トレーナーとポケモンは似ると言いますが、貴方とウリさんがそうなんですから、お兄さんの方も似たような性格なんでしょうね」

 

 当人が居れば否定しそうな言葉を吐きながらも、コスモスはゲッコウに肩を貸す。

 

「そこはかとない他人の入れ知恵の気配を感じますが……この際どうでもいいです。貴方に私を認めさせてカチョウジムを制覇する。今の今まで、その点について変更はありません。私の指示がなくたって一人で勝てるよう、必要な努力も重ねさせてきたつもりです」

「ゲ!?」

「だってそうでしょう? 言うこと聞かないんだから」

 

 さも当然と言わんばかりに言い放つ少女だが、こう続ける。

 

「まあ、私の言うことを聞いてくれるんだったらもっと簡単に目にもの見せてやれるでしょうに……」

「……」

「あ~あ、どこかの誰かが言うこと聞いてくれないですしね~」

 

 チラッと横を見るコスモス。

 彼女にしてわざとらしい口調だったが───効果はてきめんだった。

 

「コウガ……!!」

(フッ)

 

 気取られない程度に口角を吊り上げ、焚き付けに成功したと確信する。

 この数日間でゲッコウというポケモンの性格は、粗方把握し切っていた。

 

 頑張り屋で、熱が入ると他の物が目に入らなくなり、他人に頼るのが下手。

 

 そして何より───負けず嫌いだった。

 

(あとはそれを良い方向へ持っていけるか……トレーナーの腕の見せ所ですね)

 

 それにつけても、

 

(流石先生です……やはり先生はすべてを解決する)

 

 生徒の盲目具合もまた加速していくのだった。

 

 

 

 ***

 

 

 

 雨脚は酷くなる一方だった。

 ただでさえ泥濘の多い地面が、より水分を吸って柔らかくなってきている。これでは踏ん張るのもままならない───慣れていない者であればの話だが。

 

「ギャアアアッ!!!」

 

 悲鳴にも似た咆哮が響き渡る。

 直後、橙色の光を撒き散らす『はかいこうせん』が湿原の肥沃な土壌を抉る。遅れて起こる爆発も合わせ、宙には無数の泥が舞い上がっていた。

 

「おいおい、あんまし暴れるんじゃねぇよ……」

 

 苦々しい顔でキュウが不満を漏らす。

 いかに対峙するメガギャラドスが元々この土地に住んでいたコイキングだったとはいえ、ここまで暴れ回られては生態系への被害は無視できない。

 

「ちっとばかしオイタが過ぎんじゃねぇか?」

「ええい、うるさい!! キサマはさっさと研究成果の餌食になればいいんだ!!」

 

 一方、メガギャラドスを操るアルロの方は怒り心頭といった様子だ。

 その怒りの根源は、目の前で繰り広げられるバトルにあった。アルロの怒りを体現するかのような暴れっぷりを見せるメガギャラドスの一方、不思議な姿のゲッコウガ───もとい、コウガは軽快かつ俊敏な身のこなしで相手を翻弄している。

 

 ただの一度の被弾も許さない。

 それでいて強烈な攻撃を何度も叩き込んでいる。体力を削られているのはメガギャラドスばかりだった。

 

「こんな、こんなはずじゃあ……!! ええい、薬剤の量が足りなかったか!? それともメガウェーブの調整が不完全? ええい、何が足りないと言うんだ……!?」

「御託は済んだか?」

「!!」

 

 アルロが目を見開いた瞬間、コウガは風となってメガギャラドスに肉迫する。

 あっという間に懐に潜り込んだコウガは、両手を手刀の形へ整えた。

そして、黒々と鈍い光を放つ胴体へ一閃。

 

「『つばめがえし』」

「ギャアアッ!!?」

「グッ……!? 何を怯んでいる!! さっさと反撃を……!!」

 

 のた打ち回るメガギャラドスに指示を飛ばすアルロ。

 しかし、キュウとコウガの動きは速く、

 

「『つじぎり』」

「コウガッ! コウガァッ!」

 

「ギャア!? ギャアア!?」

「何を一方的にやられている!? 何でもいいから攻撃を……」

 

「『みずしゅりけん』」

「コウガァァアアアッ!!!」

 

 息も吐かせぬ連撃の締めに、巨大水手裏剣がメガギャラドスへと叩き込まれた。

 雨の恩恵も得た一撃はメガギャラドスの巨体を垂直に浮かび上がらせ、受け身を取らせる余力を残すことも許さなかった。

 着地の地響きが鳴り響いてから少しして、メガギャラドスの肉体に異変が起こる。

 メガウェーブからの怪電波を浴びてメガシンカしていた姿から、元の細長いシルエットへと逆戻りし始めた。

 

「な、ぁ……!?」

「一丁上がり」

「馬鹿な……ボクのシャドウポケモンが、いとも簡単に……!?」

 

 自身の成果物を倒され、大いにショックを受けるアルロ。

 しかしながら、すぐさま背後から喉元へ添えられる冷たい感触が、彼を現実へと呼び戻す。

 

「くっ!?」

「年貢の納め時だぜ、ロケット団。お天道様が見過ごしても、ぼくぁ見逃さねぇぜ」

「……おのれ、忌々しいジムリーダーめ……!」

 

 音も無く背後に立っていたコウガ、彼の『みずしゅりけん』を喉に添えられたアルロは黙って両手を上げる。背後を取られた以上、迂闊に動くことさえままならない。敗色濃厚の気配にアルロの頬には一筋の汗が伝う。

 

「さて。そんじゃあジュンサーさんに連れてくがてら洗いざらい吐いてもらおうかぃ」

「吐く? 一体何を? 主語は明確にしてほしいものだな」

「……ぼくぁ、ここいらで育ってきた。ひと様ん故郷で好き勝手ポケモン密漁するに留まらず、無理やり進化させた理由を訊いてんだ」

 

 目の前まで近づいてきたキュウがガンを飛ばす。

 余りにも凄まじい形相に、睨まれたアルロも思わずゴクリと生唾を飲み込んだが、そこはやはり悪の組織の幹部だ。これしきの威圧感で押し黙る胆力ではない。

 

「フン、流石はポケモンリーグのガーディ……ジュンサー共々殊勝なことだ」

「痛い目見てぇようだ。なァ、コウガぁ!!」

「待て待て!! 公務員がすぐさま暴力に訴えようとするな!! わかった、話す!! 話すから手裏剣を喰い込ませるのはやめろ!!」

 

 しかし、明確な命の危機を前にすれば胆力など無きに等しい。

 

「チッ……見ての通りさ。我々は戦力の補充、そしてデータ収集の為にこの湿原に訪れた」

「データ収集だぁ?」

「見ただろう? メガストーンを使わぬポケモンのメガシンカ現象。そして、即効性の薬剤を用いたシャドウポケモン化……どれもロケット団の悲願を果たすには必要な手立てなんですよ」

()()がねぇ……」

 

 反吐が出ると言わんばかりにキュウは顔を顰めた。

 ポケモンとの絆を重んじる彼としては、そのどちらもポケモンに無理を強いる手段は許しがたい外道に他ならない。

 益々怒りを顔に滲ませる彼は、ほとんど鼻先が触れ合うような距離感でアルロに詰め寄った。

 

「言え。ロケット団の悲願とやらはなんだ? 手前ェらの根城はどこにある?」

「それは……」

「言えねェってんなら次目ェ覚ますのァ檻ん中になるだけだが」

 

 身も竦む威圧感で詰れば、俯いたアルロもプルプルと震え始める。

 恐怖で怯えているのだろうか?

 何にせよ、これ以上口を割ることはないと悟ったキュウが一旦引き下がったが、そこで違和感を覚えた。

 

「……クククッ」

「? 手前ェ、何笑って……」

「いくら勝利を確信したからと……油断したな!!」

 

 恐怖など微塵も見られぬ顔を上げたアルロ。

 『ハッサム!!』と彼がどこへともなく呼びかければ、真紅の虫はアルロの足下から出現し、コウガが構えていた手裏剣を引き剥がした。

 

(しまった! ハガネールが落ちた時に穴でも掘ってやがったか……!?)

 

 確信めいた推測を巡らせている間にも、突如として現れたハッサムは自慢の鋏でコウガの手裏剣と切り結んでいる。

 実力はコウガの方が上ではあるが、短時間でも稼げれば逆転の手を打つには十分だった。

 

「こんな場所で使うつもりはなかったが致し方ない……」

「手前ェ、させるか!!」

「ボクに奥の手を使わせたこと……後悔するがいい!!」

 

 憤怒の形相を湛えるアルロが取り出したのは、一個のマスターボール。

 必ずポケモンを捕まえられると豪語しつつも、その性能から市場への流通は極端に制限された最強のボールだ。

 

(そいつを使ってるなんざ……野郎、何を出すつもりだ⁉)

 

 キュウの、そしてコウガの警戒も極限まで高まる。

 彼らの視線は、アルロの手によって高く掲げられた挙句、勢いよく地面へと叩きつけられるボールを追った。

 

「出てこい……そして、全てを焼き尽くせ!!! ファイヤー!!!」

「なッ!!?」

 

───ファイヤー

 

 その言葉を、キュウは()()()()()

 一度目。ファイヤーはホウジョウ地方の伝承にも残る伝説の火の鳥。それをロケット団が捕獲しているはずがないという考えから。

 二度目。もしも本当に奴がファイヤーを手中に収めていたとして、目の前に現れた火の鳥は伝承とは余りにも───。

 

「黒い……ファイヤーだァ!!?」

 

 そうだ。

 黒い。黒かった。

 

 想像していたファイヤーは色鮮やかな炎を翼とする、それこそ一目見ただけで神聖視してしまうような美しいポケモンだ。

 それがどうだ? 暴風を巻き起こしながら眼前に現れた鳥ポケモンは、とても神聖なイメージとはかけ離れた姿をしているではないか。禍々しい黒い体色に、燃え盛っている紅い炎の翼。どれもが見知っているファイヤーとは大きく異なっている。

 

「一体全体どういうこった……!!? こんなファイヤー、居るはずがねぇ……!!」

「残念!! 居るんだな、これが!!」

 

 勝ち誇ったように高笑いするアルロは、飛翔する黒いファイヤーの脚に捕まり空へ飛ぶ。

 まずい、とキュウは焦った。ペリッパーは避難者に同行させている為、空に逃げられてしまえば追う手立てがない。

 

───完全に飛び立たれる前に叩き落さねば。

 

 その一心でキュウはコウガに攻撃を指示しようとする。

 が、しかし。

 

「自分の杓子定規で測ろうとするから固定観念に囚われるんですよ!! こいつは紛れもない伝説のポケモン、ファイヤーそのもの!! まあ、ゲットしたのは余所の地方ですが……伝説の実力、とくとその目に焼き付けるがいい!!」

「『みずしゅりけん』ッ!!」

「ファイヤー、『もえあがるいかり』!!」

「なにッ!?」

 

 放り投げた『みずしゅりけん』が、ファイヤーの吐き出した炎とも言えぬ黒炎によって蒸発させられる。『きずなへんげ』でメガシンカ同然のパワーアップを果たしたコウガの攻撃が、だ。

 

「伝説の名にゃ偽りなしってか……!?」

「ハハハ!! ボク達を侮ったな!! そうさ、我々ロケット団はすでに伝説をも手中に収めるほど戦力を拡大させている!!」

 

みるみる高度を高めていくアルロはおもむろに懐からいくつかの試験官を取り出す。

紛れもなくギャラドスをシャドウポケモン化させたものと同じ代物だ。『まさか!』と目を見開くキュウを余所に、勝ち誇った笑みを湛えるアルロであったが、試験官を握る手にはやけに力が籠っていた。

 

「このまま相手してやってもいいですが……どうにも()()()でトラブルが起きたようだ。キサマの相手はまた今度にしてあげましょう」

「待ちなッ!! チィ……!!」

「そう怖い顔をせずとも、ボクの気持ちはキサマと同じだ……ただの一度でもしてやられた屈辱と怒りは、そう易々と拭い去れるものじゃあない……!!」

 

 ギリギリと歯を食い縛り、怒りを露わにするアルロ。

 直後、彼が握っていた試験官が手に込められた力に耐え切れず砕け散る。

 

「な、」

「在庫処分だ。改善点が浮き彫りになった以上、失敗作を手元に置いておく道理はないでしょう」

「手前ェ!!」

「キサマは精々故郷のポケモンと遊んでもらうことだ!!」

 

 そのまま中身は破片と共に地面へ向かう。

 ポケモンを凶暴化させると明らかになった危険な薬が、だ。

 

(まずい……!!)

 

 アルロの追跡など二の次だ。

 自身が真っ先にやるべきことを順位づけたキュウの思考にシンクロし、コウガは己の俊足で駆けだした。

 

「あの霧を封じ込めるぞ!! 『たたみがえし』だ!!」

「ゲコォッ!!」

 

 勢いよく地面に両手を突き刺すコウガ。

 その直後、バリバリと地中に張り巡らされる植物の根ごと地面を捲り上げたコウガが、刻一刻と広がっていく毒々しい霧を封じ込めんと立ち塞がる。

 

「コウガッ!! コウガッ!!」

 

 二度や三度では済まない。

 霧が完全に封殺されるまで、コウガは何度も何度も地面に両手を突き立てては、その度に地面を捲り上げていく。

 本来は絶妙なタイミングと技術によって成り立つ『たたみがえし』。それを連続で繰り出すのは、技を繰り出すコウガにとって大きな負担を強いている。

 

「コウガァーッ!!」

 

 それでも彼が一心不乱に霧を堰き止めようとする理由はただ一つ。

 ここが彼の生まれ故郷であり、相棒と共に育った思い出の地に他ならないからだ。

 

「コウ……ガァッ!!」

 

 ドゥッバン!! と、最後の地面が捲り上げられる。

 最後の方は技と呼ぶのも烏滸がましい出来ではあったが、聳え立つ土壁はコイノクチ湿原を侵そうとしていた病魔の霧を見事に食い止めていた。

 土壁の中で滞留する霧を確認したところでキュウは一先ず胸を撫で下ろす。

 

(野郎は───流石に逃げられたか)

 

 どさくさに紛れ、黒いファイヤーに捕まっていたアルロの姿は消えていた。

 

「逃げ足の速ぇ野郎だ。次出くわしたらただじゃ済まさねぇ……!」

「……」

「っとォ、切り替えていかねェとなァ。追っ払えただけでも上等ォって、他んトコに助け船出しに───」

 

 そこまで口にした、まさにその瞬間だった。

 雨を吸って重くなった地面の拘泥など気にもしない豪快な足取りが、不意にピタリと止まってしまう。

微動だにしないキュウとコウガは、まるで時間でも止まっているかのようだった。

 しかしながら彼らの不動も長くは続かない。

 ゆらりと。一歩だけ前へと踏み出しては、足裏が濡れた泥を踏みつけにした。

 

そして、

 

「グ……うぅ!?」

「コウ、ガッ……!!」

「なん、だ、こりゃあ……!?」

 

 酷い眩暈が2人を襲った。

 堪らず地に膝を突くも、それだけ眩暈が収まることはなく、もう片方の膝どころか両手も地面について倒れそうになる全身を支える。

 

(まさ、か……吸っちまったっての、か……!?)

 

 心当たりがあるとすれば、コウガが『たたみがえし』で霧を封じ込めようとした時。

 万が一に備えてキュウは距離を取っていたし、コウガも薬を吸わぬよう立ち回っていた。けれども物事に絶対はない。あの薬が強力で、少量でも精神に異常をきたす代物であるとするなら───。

 

(まずい……『きずなへんげ』してる時に……!!)

 

 コウガが有す特性『きずなへんげ』は、特別な石を介在せずとも、トレーナーとの絆でメガシンカ以上の力を得る奇跡だ。反面、完璧に力を発揮するには誇張でもなくポケモンと一心同体になるより他ない。

 

 身も心も通じ合い、痛みすらも共に感じた先にある極地……それがこの時ばかりは裏目に出てしまった。

 

(もしも薬がポケモンだけじゃなく人間にも効く薬だとするなら……!?)

『──ハ──ダ? ──シ─ダ──?』

(ッ!? この声は……)

『──シ──ン──メ───レタ?』

(ぼくの……いや、こいつぁコウガん中に入り込んでくる……)

『─レ──ンデ───タノ──!!』

()()、なのか……?)

 

 頭の中に響く声は、時間と共に大きくなっていく。

 

(ぐっ!? これ以上は……!!)

 

 フィードバックされる負荷に耐えかねたキュウが、コウガとの同調を切った。

 頭は依然として鈍い痛みを発している。あのまま同調を続けていれば、どこからともなく湧き上がってくる破壊衝動で狂っていてもおかしくはなかった。

 

 だからこそ、だ。

 

「コウガ! お前ェ大丈夫か……」

「───ガァァァアアアッ!!!」

 

 堰を切ったような暴力の波動が、コウガから溢れ出した。

 

 それは歩み寄ろうとしたキュウを。

 そして、湿原を守ろうとして建てた防壁すらも打ち砕き、濁流となって溢れ出す。

 

 

 

 嵐は、まだこれからだ。

 

 

 

 

 




Tips:きずなへんげ
 一部のゲッコウガが有す特別な特性。心が通い合ったトレーナーとシンクロした時、メガシンカ以上の力を発揮する姿へと変貌する。カチョウタウン周辺でもまれにきずなへんげを持ったケロマツが生まれることがあり、そのケロマツは自身と心を通い合わせるに相応しいトレーナーを自ら選ぶとされている。
 古くはカイキョウタウンよりやって来たホウジョウ地方の危機を救った人間の連れていたゲッコウガとされており、その人間の名に則って『サトシゲッコウガ』と呼ばれている。
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