イノベイター壊滅RTA ガンダムマイスターチャート【参考記録】 作:ナマステ
快適でしょう? んああ仰らないで。武装はバスターライフルとマシンキャノン、ビームサーベル、GNフェザー。ですがビームソードとヒートロッドだけの機体なんてエレガントなだけで、勝者になっていけないわ遠距離でなぶり殺しにされるわ、ろくな事はない。武装の汎用性もたっぷりありますよ、どんな状況でも大丈夫。どうぞ動かしてみて下さい、いい動きでしょう。余裕の駆動音だ、関節が違いますよ」
「一番気に入ってるのは……」
「何です?」
「──────火力だ」
「ああ、何を! ああっ、ここで動かしちゃ駄目ですよ! 待て! 止まれ! うわああああ!! 」
大胆な作戦は戦術予報士の特権なRTA、行ぃきまぁ〜す!(安室)
前回は計五回のガチビンタを受けたところまででした。こら! 何出撃している! ホモは無茶なことしか考えないのか(偏見)
ガチビンタと言ってもダメージはそこまで受けていないです。ラッセ兄貴もイアンのおっさんも手加減してくれました。優しいっすね先生。
特に深い意味はないですが、一番ダメージ量が大きかったのはフェルトでした。あれー、おかしいねー? ティエリアの二発分よりも強いねー?
さて、何とかトレミーに合流したところで、ただ今ラグランジュ1でケルディムとアリオスの搬入作業をしています。もし前回の戦闘に間に合わなかった際はここで合流しましょう。
次はアレルヤ奪還作戦ですね。第二部は『まさに作戦』って感じの戦闘が多くて楽しいです。ただ、アレルヤが監禁されている施設の特定は王留美からの情報が必要です。
まあここも場所は固定です。第一部と同じく王留美に座標を送って収容者を調べてもらいましょう。俺知ってるんですよぉ〜?(ねっとり)
調査が終わるまでの間のスキマ時間に、スメラギさんのところへ行きますが……ちょっと営倉の方に寄り道をします。ここには彼がいるはずですが……おっ、沙慈くんが居ましたね。
時期と運、フラグ管理によっては居ない場合がありますが、今回の走りでは概ね本編通りの展開になったようです。
本編では確か、沙慈くんがスペース☆土方になって半年でカタロン構成員に誤認されてしまうのですが……つまり新入社員で現場配属してすぐに巻き込まれたのか……カワイソウニ……カワイソウニ……。
「そうか……じゃあ、ルイスの家族を襲った奴らは、君たちとは違うんだ……」
「当時は俺達もスローネが敵か味方か見極めていた……静観していたといえば、そうなるな」
本編だとお前たちのせいだーなんて色々と恨み言を言われるんですけど、なんか沙慈くん落ち着いてますね。沙慈くんがあそこまでガンダムに憎しみを持ったのは、スローネによるルイス姉貴のパーティー襲撃の件と、ひろしによって絹江姉貴が殺された件からです。会話の内容から察するに、おそらくは前者は起きていて、後者は起きていないんでしょう。いいゾ〜コレ。
確認したかったことは確認できたため、今度はスメラギさんに会いに行きます。第一部で色々あったせいでメンタルボコボコにパンチくらっているので、そのケアのためです。アレルヤみたいに一杯付き合ってもらいましょう。
おっ、開いてん…………ないやん!!
これじゃあメンタルケアになんないよ(棒読み)
どうも第一部最後の花火のせいで復帰が遅れる可能性がありそうなので、念の為のリカバリーをやっておきたいんですが、仕方ないのでここは引きましょう。本編どおりの時期に復帰してくれれば問題ないんですがねぇ……はやく復帰してくれよな〜、頼むよ〜。
では、あとは王留美からアレルヤの情報が来るまでブリーフィングルームで待機します。
はい、ブリーフィングに入りました。ここからアレルヤ奪還作戦のスタートです。刹那の説得で、スメラギさんもアレルヤのために作戦プランを立ててくれます。さて、ホモくんの役割は何でしょうか。
……。
…………。
……………………。
(指示が)ないやん!!!!
いや、作戦自体は本編と同じなんですが……ホモくんは何をすればいいんですかね? 出撃を止められているわけでもないですし……困りましたねぇ……。
つまり、好きにやっていいということでしょうかね? だったら好きにやらせてもらいますが。どうなんですか、ラッセ兄貴?
『そうだな……なら、刹那とティエリアのフォローを頼む。何だったら、刹那のヤツがアザディスタンの姫様を助けている間にアレルヤを助けてやってくれ』
ん、おかのした。
手分けして救出した方がミッションの短縮になりますし、刹那と一緒に施設へ乗り込みましょう。収監施設の地図と収監者のリストを確認します。配置はランダムなので、ちゃーんと場所とルートを頭に叩き込みま…………おっ、これは?
なーんかどこかで聞いたことのある名前がありますね。ほうほう、なんとなく話が見えてきましたよ。
となれば、タスクがひとつ追加です。
見つけてしまった以上は助けてあげましょう。ミッションスタートです。ユクゾー! デッデッデデデ!
流れは単純です。トレミーが宇宙から海に飛び込んで津波を起こして敵のbiim兵器を弱体化させ、その後は潜水して囮になる。
その隙にガンダムが施設を強襲し、アレルヤを救出するという電撃作戦です。とても正気とは思えない作戦ですが、時間をかけない点は素晴らしいです。これこそ戦術予報士だな!
では、ダブルオーとゼロを施設に突撃させます。
セラヴィーが盾になってくれますが、機体を二機もカバーするには心もとないため、ゼロのGNフェザーを展開させてから施設に乗り込みましょう。
このGNフェザーは0ガンダムくんのような貧弱性能ではありません。範囲は狭くなっていますが、撹乱よりも機体の制御や防御に特化した性能になってます。今回はGNフィールドの代用として使用します。
さてと、では警備をくぐり抜けて、アレルヤのところへ一直線で向かいます。貧乏姫の迎えは刹那にお願いします。
警備の配置予想も貰っているため、何の問題もありません。お前たちの警備ガバガバじゃねぇか。
とは言え、さすがにソレスタルビーイングの重要人物として拘束されているせいか、かなり奥の方の部屋にいます。
扉がカツ……硬い……合金……でできていますが、爆弾で壊して拘束を外してあげます。
「北斗……どうしてここに……!」
そうだよ(肯定)
時間が限られているため、アレルヤを発見した連絡を皆に通信した後、端末を渡して次のポイントに行きます。ここからは自力でアリオスの射出ポイントに行って脱出してもらいましょう。数年間監禁されていたやつがいきなりガンダムが操縦できるわけないだろ! と普通のホモなら思いますが──────できるんだなこれが。
だから《超兵》の経歴がチートと言われるんですよ!
さて、では次のポイントです。
次はアレルヤよりも深い層にはいません。
扉も特別性ではないため、ここはホモくんの
はい、容姿は以前とあまり変わっていませんね。
出所の時間です。絹江・クロスロード。
「あ、貴方……嘘っ……」
さあ今回から始まります! 俺と、愉快な仲間たちです!(自己紹介)
一回しか会ってないのに覚えていたみたいですね。なんでこんなところにいるのかは後ほど解説しますので、さっさとゼロに連れて行きます。つべこべ言わずに来いホラ。
はい、なんかアレルヤがピーリス姉貴ことマリーと話していますが、そろそろ時間なのでさっさと撤収して貰います。あとはガンダム四機の連携で退路を切り開いて終わりです。離れたところで狙撃していたライルくんにも撤退指示を出します。良かったねー、カタロン兵も脱獄できて。
工事完了です……(小声)
特にガバなく、アレルヤとマリナ姫、そして絹江姉貴の救出を終えました。撃墜数は少ないですが、RTA的にはこんなに短いミッションは大変ありがたいですね。
「姉さん!?」
「えっ? 沙慈、なんでここにいるの!?」
「こっちの台詞だよ!」
さて、感動の姉弟再会をしている間に、視聴者ホモに説明が必要ですね。
まあざっくりと事実だけを話しますと、あのオリチャーで絹江姉貴はサーシェスに会うことはありませんでした。そして、色々やりすぎて記者から外されたおかげで、第一部では生存することができました。これは周囲の人が有能でしたね。
で、第二部に入って、沙慈くんが独り立ちした後が問題でした。沙慈くんが宇宙に上がってから今の会社を辞めてフリーの記者になって、ガンダムが現れそうな場所に足を運んでいたみたいです。えっ、何それは……?
そこで、偶然アロウズの見てはいけない現場を見てしまったみたいです。
当然、そんな危険な地域に単身で乗り込むわけにもいかないため、彼女も護衛を雇ったんですが、どうやらその人がカタロンの構成員だったみたいです。完全に裏目に出ましたね。
本来だったらその場で始末されるところでしたが、運良く切り抜けて収監で済みました。ただ、カタロンやらソレスタルビーイングやらの疑惑がかけられたため、家族である沙慈くんにも疑惑がかかって……それを刹那が保護した。という経緯みたいでした。
あ ほ く さ
弟を危険な目に遭わせた上に、結果として姉弟共々追われる身になってしまいました。うーん、これは戦犯!
皆、巻き込まれた沙慈くんに同情の視線が集まってますね……カワイソウニ……カワイソウニ……。
とにかく、しばらくはトレミーで保護することになります。頭が痛くなりますが、絹江姉貴の救出時間分のロスを巻き返すほどの短縮は見込めるので我慢しましょう(クソデカため息)
色々ありましたが、これでマイスター全員が揃いました。あとはスメラギさんだけですが……すみませ〜ん、ホモですけどぉ〜、ま〜だ復帰に時間かかりそうですかねぇ〜?
部屋の前でずっと呼びかけているんですけど、何も反応してくれません。ワインを持っていったアレルヤは部屋に入れてくれたのに……これは完全に避けられてますね。逃げんじゃねーよ!
ホモくんはホモなので大丈夫ですが、ノンケだったらこんなにあからさまに無視し続けられたら傷つきますよね。俺のメンタル壊れちまうよ……!
ねぇ助けて、ね、TAS……助けて入れて! ねぇ寒い入れてよ! 入れて!
「………………」
おっ、開いてんじゃ〜ん!開けてくれたんだよなぁ……
部屋にいつ撮ったのかわからない集合写真がありますね。どうやら、ある程度決心はついているみたいです。アレルヤがいい仕事をしてくれました。玉も竿もでけぇなお前(褒めて伸ばす)
あとはホモくんがちょっと背中を押してあげればチョチョイのチョイです。
ではホモくんが少ない語彙で必死に弁明している間に、次のミッションの流れについて、お話します。うん、はい、ヨロシクゥ!(丸投げ)
次は海中から攻撃を受けるのを迎撃します。リンス?とかいう汚いジ○ドーを返り討ちにして差し上げましょう。そのために、あらかじめガンダムの中にいる必要があります。魚雷の攻撃が始まったら艦が揺れますので、それを合図にゼロへと向かいましょう。
その後はガンダムが出撃できる深度まで浮上したらトリロバイトを始末します。水中専用のモビルアーマーとは言え、動きを止めてしまえばガンダムの敵ではないです。
おお、揺れる揺れる。
トリロバイトの魚雷がGNフィールドを貫通してトレミーに当たったみたいですね。では、下部コンテナまで走りましょう。ホモ、行ぃきまぁ〜す!
解説した部分はガバりようがないので描写はフヨウラ!
トリロバイトにはコクピットにゼロ距離でバスターライフルをぶち込んでやるぜ!
『刹那! 海上に出るよ! 掴まって!』
『了解!』
『──────トランザム!』
はい、トリロバイトを破壊した後は刹那とアレルヤが海上へ出てモビルスーツ戦です。ホモくんも自力で浮上して参加しましょう。
ただ、リント少佐は失敗した後のことを考えていなかったので部隊は展開していませんが。そんなんじゃ甘いよ。
相手するのはピーリス姉貴と、ミスター・ブシドーとかいう謎の多い仮面の男です。一体何者なんだ……?
ブシ仮面は
アレルヤはピーリス姉貴と相対しますが、アレルヤはハレルヤを失ったせいで脳量子波が使えなくなっています。弱体化が著しいので、ホモくんはアレルヤのフォローに回りましょう。
ただ、ホモくんが攻撃しようとしたら、アレルヤからやめてくれと言われてしまいます。なので、フォローというよりは護衛みたいになってしまいますね。お前「マリー!」ばっか叫んでるだけじゃねぇかよ!
別にブシ仮面を相手してもいいんですけどね。ただ、こんな変態でも刹那の成長には必要なのです。変に介入して純粋種の覚醒が遅くなってしまっては目も当てられないです。触らぬ神に祟りなし、というヤツです。
はい、時間経過でフラッグやらイナクトやらが介入してきます。反政府組織のカタロンが助太刀して戦闘終了です。お疲れ様でした!
第二部に入ってから順調ですね。ホモ感激ィ!
ここでマリナ姫のかつての副官だったり友人だったりするシーリンと衝撃の再会を果たすことになります。一体、何がいけなかったんでしょうかね〜?
この流れで、カタロンの拠点へ招待されます。
トレミーに戻れば、ピッチピチの制服を着たスメラギさんがお出迎えしてくれました。何年もずっと酒浸りしていれば、さすがに
「サイズ、合わないの……その、キツくて……」
「あっ、すぐに他のを用意します!」
いやまあ、戦う覚悟を決めたシーンとして、制服に袖を通す、って言うのはわかるんですが……別に無理して合わないサイズの服を着る必要はないのではと、私はそう思います。イアンのクソリプおじさんばりのセクハラが光りますよ〜。
これが……サービスシーンなのぉ……!? なんか露骨──────痛ってぇ!!! オイ!!
というところで今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。
◇◆◇◆◇
考えが浅かった。これに尽きる。
絹江・クロスロードは自身の失態について深く反省していた。
弟が自立してからというもの、本当に自分のやりたいこと──────かつての取材の続きを再開した。
あれからソレスタルビーイングは姿を消していたため、手がかりを得るためには、彼らが介入すると考えられる戦場に足を運ぶしかない。連邦に加入していない国を渡り歩き、昔の伝手をいくつも経由して辿り着いた場所で、彼らの蛮行を目にしてしまった。
独立治安維持部隊アロウズ。
その実態は、反連邦に限らず、意向に従わない国すらも不当、非道な弾圧を強いる組織だった。この一般市民に知られていないのか不思議になるほどの残虐な光景を目の当たりにしてしまった。
行動をともにしていた護衛がカタロンの構成員だったことが災いして身柄を拘束されてしまった。不幸中の幸いだったのは、相手がオートマトンではなく人だったことと、“ソレスタルビーイングの情報を知っている”という咄嗟の出任せを言ったと同時に再びガンダムが姿を現したことか。
どこかもわからない収容施設に投獄されてしまったものの、命があるだけでも儲けものだった。
とはいえ、絹江はまだ断頭台に立たされたまま。
もし、ソレスタルビーイングの情報なぞ何もないことを知られてしまったら今度こそ終わりだ。
切り抜けるための方法を必死に考え抜いていた時──────彼女に光が差し込んだ。
「出所の時間だ」
かつて、殺すと宣告してきた男。
数年経っているにもかかわらず、あの時と全く同じ容姿のまま現れた男──────北斗に連れられてガンダムへと乗り込んでやってきたのは、再び表舞台に立ったソレスタルビーイングの艦。
彼らが、なぜ絹江を始末ではなく救出したのか。その理由は、艦内で待っていた。
「ほんっとーーに、ごめん!!!」
「謝って済む問題じゃないよ! 何やってんだよ、姉さん!」
まさか、自分が追っていた組織に弟が保護されているなんて誰が予想できるだろうか。
勿論、沙慈がソレスタルビーイングにいる理由のほとんどは自分のせいであることは絹江も理解している。
繰り返しになるが、彼女の考えが浅かったのだ。
アロウズの実態は情報操作によって一般市民が知り得ることはできないとは言え、これは彼女も言い訳のしようがなかった。
とにかく、救出したソレスタルビーイングにはお礼を言って、弟には謝り倒した。
一生分謝り倒すつもりだったが、「とにかくこれからどうするか考えよう」と一先ず置いておいてくれた沙慈には頭が上がらない。いい弟に育ってくれて姉さんは嬉しかった。
『つかぬことを聞くです! 二人は恋人なのですか!?』
『──────』
『わ、わーっ! そんな殺気向けることないじゃないですかぁ!?』
唯一不満があるとすれば、自分との関係性を聞かれた際の北斗くらいか。
いや、ただ一回しか会っていないし、テロリストとそんな関係になることは願い下げ……だが、あそこまで嫌な顔をされるのは甚だ遺憾であった。
まだ行き遅れてない、と自分に言い聞かせる27歳のフリージャーナリストがいた。
「私、本当にソレスタルビーイングにいるのね……」
そんな絹江は、海中を潜伏するプトレマイオスの艦内を歩いていた。望んだ形ではないにせよ、長年追い求めていた場所に来たのだ。見るもの聞くもの興味は尽きないが、それよりも彼女は自分のできることをやろうと思い、艦首へ行こうとしていた。
沙慈はイアンというメカニックの手伝いをしていた。弟はソレスタルビーイングに良い感情を抱いているわけではないが、世話になっている以上は手伝いを頼まれたら断れないだろう。
「何故、俺を見ない」
声が聞こえたため、咄嗟に身を隠す絹江。
壁に背中を貼り付けて聞き耳を立てれば、奇妙な縁のある男の声が聞こえる。
「言いたいことがあれば言え。俺はここにいる」
誰かと話をしているようだった。
……覗こうとすれば確実にバレる。いや、このまま居てもきっとバレる。
確信めいた予感がした絹江は、その場を立ち去ろうと──────
「…………ねぇ、貴方から見て、私の予報は間違っていたの?」
──────できなかった。
絹江より年上の、艶のある女の声が聞こえた。
心の中で口笛を吹く。浮ついた話の予感がした。
なるほど、どうりであの時拒絶したわけだ。
あのツインテールの少女ほど飢えているわけではないが……絹江も一人の女である。自業自得な面はあっても、彼女とて危険な目に遭って荒んでいたのだろう。
そう、ちょっと聞こえてしまっただけだ。
「いや、あの状況でできる最善の戦術だった」
「だったらどうして!」
「だが、最適ではなかった」
「……やっぱり、信じて貰えていなかったのね」
……思っていたのと違う。
失礼にも全くもって見当違いな感想を抱いてしまった。
ただ、文脈からして会話の相手はかつての武力介入で指揮をとっていた者であることは推察される。
「信じていた。俺が居なくても遂行してくれると」
「結局、それでも守れなかった。貴方の期待には応えられないのよ、私は……」
それほどまでに苛烈を極めたのだろう、連邦の前身である連合軍によるガンダム掃討作戦は。
今まで技術の差で圧倒していたはずの彼らの仲間───実際には疑似太陽炉搭載の機体たちは仲間ではないようだが───の圧倒される姿は、中継で見てて哀れに思ってしまうほどだった。
思えば、イオリア・シュヘンベルグやソレスタルビーイングを追っていたが、その構成員たちがどのような想いを持っているのかなどを考えたことがあっただろうか。絹江はかつての己に問いかけるように自問する。
「それでも、救えた命はあったはずだ──────改めて礼を言う。おかげで
その声色は平坦でも、どこか温もりを感じた。
絹江には、彼らの身に何があったのかは知り得ない。けれど、北斗からの言葉は純粋なまでの感謝の気持ちであったことは理解できた。
──────そんな時だった。
地震があったかのように艦が揺れる。
艦内に響き渡るアラートが、これから戦いが始まることを合図していた。
「大丈夫か」
「ええ、ありがとう」
「……敵襲だな」
「多分、魚雷と海上からの爆雷ね」
「被害は少なくないが、トレミーには決定打にならない。となると、次は──────」
「
二人の声が重なる。
推測だろうが、わずかな情報だけでここまで敵の思惑を読んだ。数年前、ソレスタルビーイングが他国を圧倒できたのは、単なるガンダムの性能だけではないことの証だった。
「ゼロで出る──────絹江・クロスロード」
「───ッ!」
突然、名前を呼ばれた絹江の体が跳ねる。
やはりというか、あの男の前ではお見通しのようだ。
「
「わ、わかったわ!」
「ごめんなさい。まだ艦内の構造がわからなくて……えっと」
「絹江でいいです! 弟と私の件はありがとうございました!」
それが自分のできることなら、と引き受けた。
戦術予報士──────スメラギと紹介された女の手を取り、艦首まで誘導する。少し目元が赤くなっているように見えたが、指摘している暇はなかった。
相手の戦術を読み切り、ガンダムの出撃タイミングから、海上への反撃まで流れるように形勢を覆す。
『ターゲット、敵モビルアーマー……この距離では外しようもない』
アロウズの最新鋭モビルアーマーなぞ歯牙にもかけずに蹴散らす。
最終的にカタロンの介入によって戦闘が終了したが、素人目で見ても、あの調子であれば敵戦艦を堕とすことができたのではなかろうか、と絹江は思ってしまった。
「そんな格好で出てくるとは、まだ酒が抜けて──────」
ちなみに、これは制服を着てきたスメラギに対する北斗の発言である。無論、言い終わる前に彼の頬は打たれることになる──────拳で。
「ええ、これでチャラよ」
「……グーで行ったな」
「ああ、行ったな……」
「いい音鳴ったですぅ……」
「完全に復活したか……ふっ、それでこそスメラギ・李・ノリエガ」
「えっ、えっ? 何かな、これ? 僕の居ない間に何があったの?」
「慣例行事だとよ。そっとしておこうぜ?」
笑う者もいれば、困惑する者も、呆れる者もいる。
……紛争根絶を掲げる私設武装組織。
傍から見れば矛盾しかしていない存在。しかし、そんな彼らも人間なのだ。仲間が戻ってくれば喜び、いなくなれば悲しみ、目の前に間違ったことがあれば義憤を感じる。
「これが──────ソレスタルビーイング」
「姉さん、多分それ違うと思うよ?」
「そういう意味じゃないわよ」
沙慈からの冷静な指摘を軽く流す。
今後、どうなるかはわからない。
しかし、自分たちと同じように、当たり前の感情を持つ者たちが見せる光景を見せられた。少なくとも、ここにいる間は悪いようにはならないことを確信した絹江であった。
せっかくの三連休なので無印ビルドファイターズを見直しました。
フェリーニほんといいキャラしてますね。